魔王を倒したのにウマ娘世界に転生しちゃったカズマさん 作:はははのは
「やあやあ君、すごい末脚だったねえ。
どうだろう、その脚を見込んで一つ提案があるのだが。
私たちの実験に協力してくれないかねえ?」
……トレセン学園での授業中、明らかに怪しい人たちが現れた。
一人は白衣を羽織った、栗毛のウマ娘。見た目からして先輩だろうか。というか今授業中なんですけど。
もう一人は蛍光緑に発光している三十歳くらいの男の人。いや発光するって何。怖いんだけど!?
「な、なあタキオン。授業をさぼるのはまだいいと思う。いや良くないけど。
でも新入生の体育の授業に勝手に入り込んだ上に、新入生の子を勧誘するのはちょっと……」
「何を言うかねトレーナー君。ここに入学してきたウマ娘ということは、少なくとも速くなりたい、という願望を持った者だろう。
実験に協力すれば速くなれる、こともなくはないと思われる。たぶん。
だがらこれは新入生の子のためでもあるのだよ!」
「……流石に無理があるぞ。
というかさっき俺が飲んだ薬って本当に大丈夫だったのか?
あれってこの前スカイに飲ませて大変なことになったやつじゃ?」
「飲ませたのではないよ。彼女から協力してくれたのさ。
それにあれはウマ娘用の薬だ。ウマ娘の中でも丈夫な体と才能を持ったスカイ君ですらああなったんだ。そんなもの人間が飲めばどうなるか……
あと彼女が飲んだあれは緑色に光る薬さ。トレーナー君が飲んだやつは紫色に光るはず
……ん?あれ?」
「な、なあ。これって緑色じゃないのか?」
「い、いやまるで美しいターフのような色じゃないか!実にキレイな色だろう!
そう悲観することは無いさ!」
「やっぱり間違えてたんじゃないか……」
「まあスカイ君があんなことになったのは飲んでから数時間してからだ。今はまだ大丈夫だろう。
とりあえずそこの新入生の君!私たちについてきてくれ!」
え、今のやり取りを見せられてからだとちょっと……
というかそもそも授業中だし!こんな危ない人たちにもついていけないし!
「え、えっとお断りしm」
「よしトレーナー君!やっておしまい!」
「いや流石に俺がやると事案になっちゃうって」
「仕方ない、心が痛むがここは私が!
はぁっ!」
「え?いやちょっとまっ、」
そう言って何か袋のようなものを被せてくる白衣の先輩。
あっという間に袋につめられていき――
「「えっほ、えっほ、えっほ」」
抵抗もむなしく、担がれて運ばれて行ってしまった!
◇ ◇ ◇
「さあ、着いたよ新入生君。」
そう言われ、袋から出される私。
そこは、なにやら怪しく光る液体や、よくわからない機械などが置いてある部屋――
そして半分が落ち着いた雰囲気のアンティーク品が置かれた、不思議な部屋だった。
「少々手荒くしてしまって済まないね。
早速だが私の実験に――
おっといけない、私としたことがまだ自己紹介をしていなかったね。
私の名前はアグネスタキオン。ウマ娘の限界を追い求める者さ。」
「あ、ご丁寧にどうも。私の名前はレッドディザイアって――て違うっ!
これ誘拐ですよね!?絶対大丈夫じゃないですよね!?
ていうかここどこですか!」
思わず返してしまったけど違う。
この先輩は私のことを誘拐した、危険な人だ!
「なに、少し落ち着きたまえ。
立派なウマ娘になるためには冷静さが必要だよ?」
「そ、そんなことで誤魔化されませんからね!
それより今どういう状況なんですか!」
「ああ、そうだったねえ。
ここは私の研究室――もっとも、半分は私の同居人のスペースだが
そしてこれは誘拐ではない。この学園における、所謂先輩である私が後輩の――ディザイア君を導くのは当然ともいえるだろう。
だから何の心配もせずこの薬を――」
「いや、さっきのやり取りを見て飲む人いませんよ」
「誰にでも間違いはあるという物だよ
さあ遠慮せずグイっと!」
「い、いや怪しすぎますよ!」
「ふむ。確かに何かわからないと不安にもなるか。
これは疲労回復薬さ。具体的には筋肉の疲れを無くし、筋肉痛の予防ができる。
まあその代わり、筋肉痛がないのだから当然だが、筋肉の成長はしない。」
「それ意味あるんですか?」
「例えば、フォームの強制のために走るときや、レース展開の練習の時なんかの、トレーニング効果を求めない練習の時、非常に役に立つと思っている。
それに、ウマ娘の筋肉データの採取の時には、完成すれば体の疲労を考えずに、何度でも実践できるだろうしねえ。」
「な、なるほど」
「さっきトレーナー君が飲んでしまったものみたいに危険なものではないさ。
トレーナー君が飲んだのは飲み薬。これから飲むのは粉薬さ。比較的安全なはず。
さあ、どうする?これを君が飲むことで、さらなるウマ娘の可能性が開けるのかもしれないのだよ?
なにもこれは私の為だけというわけではない。
これからのウマ娘たちのためでもあるのだよ。」
「うっ、じゃ、じゃあ一回だけn」
「よしじゃあ今すぐにっ!これをっ!」
「ちょ、ちょっと近いですって!飲みますから!」
うーん、ちょっと私ちょろすぎるかも。
こんないかにも怪しい実験に乗っちゃうなんて。
まあでも結構役に立ちそうな薬だなあ。
「ああそれと、その薬を飲んだ後は体に力が入りにくくなるからねえ。
そこのソファーに寝るといい。」
「あ、はい、分かりました。」
そう言われ、差し出された薬を飲んでからソファーに寝転がった。
◇ ◇ ◇
私の名前はマンハッタンカフェという。
今日も授業が終わったので、とりあえず私の趣味の部屋――半分はあの人に占拠されているが――へ向かう。
どうせ今日も何かしら問題を起こすのだろう。というか問題を起こさなかった日など数えるほどしかない。
とにかく、問題を起こさせないためにも、授業が終わればすぐにあの部屋へ向かうことにしている
――のだが。
「あっ!待ってまだここでやってしまうわけにはっ!
頑張れ俺!もう少しだ!スカイと同じことになるわけには!」
あの部屋に続く廊下で、何やら変なことを叫びながらタキオンさん達のトレーナーさんが走ってきた。
蛍光緑に光りながら。かなり焦っていた様子で、私に気づくこともなく走り去っていく。
何をやっているんだろう。スカイとはディープスカイのことだろうか。
というかディープスカイと同じようなこととは一体……?
そんなことを考えながら歩いていくと、あの部屋の前に――
「どうだい、この薬の効果は」
「んっ、あっあっ―ーあ、 ん……っ
き、気持ちいいっ、ですっ……」
「そうだろうそうだろう。
この薬を使えば、今日あった苦しいこと(トレーニング)なんて、なくなってしまう――」
バン!
勢いよく扉を開ける。
「タキオンさん、最低ですね。
まさかそこまで見下げ果てたクズになっていたとは。」
「ん?……あっ
ち、違うんだカフェ!これはこの子から手伝ってくれたことで……」
そう言うタキオンさんの手には、白い粉――
「何を言いますか。明らかにアウトですね。
ではとりあえず私はその子を連れて生徒会に行ってきますので。
……警察も呼ばないといけませんね。」
「ま、待ってくれカフェー!」
「待ちませんよ。では、ほら貴方も一緒に。」
そう言ってタキオンさんの実験台にされていた子を連れて行くのだった。
ディザイアちゃんの同室は
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やっぱりライバル ブエナビスタ
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タキオンさんis尊敬 ディープスカイ
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ここでまさかの ドリームジャーニー