魔王を倒したのにウマ娘世界に転生しちゃったカズマさん 作:はははのは
ガッ、ガッ、ガッ、ガッ、と固いものを掘る音があたりに響く。
その中心には──―
「ははは、魔王を倒した勇者さんは帰りが遅いですねぇ。せっかくお祝いの準備をしているというのに」
──―ここは世界最大のダンジョン、だったところの入り口である。
「パーティーはやっぱり主役がいないと盛り上がりませんからねぇ」
「……なあめぐみん、今日はもう日も落ちてきた。そろそろ帰らないか?」
「嫌だなあ、ダクネス。まだうちのパーティーのリーダーが帰ってきていないじゃないですか」
そう言って、めぐみんは瓦礫を掘り続ける。カズマが放った爆裂魔法により、最下層だけではなく入り口付近までもが崩れ、瓦礫で埋まってしまっていた。
「めぐみん。屋敷に帰ろう。アクアも待っているぞ」
「……」
「なあ、めぐみん。聞いているか? 長年の悲願であった魔王討伐がなされたんだ。今日は屋敷でご馳走でも食べよう」
「……」
「高級シュワシュワでお祝いしよう、今回ばかりはお前も飲んでいいぞ。アクアもきっと喜ぶ」
「……」
「なあ、めぐみん……」
「……」
「そうだ、今日はまだ爆裂魔法を撃っていなかったな、今からでも爆裂散歩にいこう」
「……」
「あとは、そうだなめぐみん……」
「さっきからうるさいですよダクネス。ほら、暇なんだったらあなたも手伝ってください」
「……」
「ほら、急に黙ってどうしたんですか?」
「めぐみん」
「なんですか? はやくカズマを探さないと。こんなダンジョンの深くにいるんですよ? とっとと見つけてあげないと」
「なあ、お前も本当は分かっているんだろう?」
「……」
「あいつはテレポートの魔法も覚えているし、マナタイトも持っていた」
「……」
「いくら魔力が尽きても、あいつは帰ってこれるはずだ」
「……」
「だがあれから三日たっても一向に帰ってはこない。それに、入り口であるここもこんな有様なんだ。最下層がどうなっているかなんて―」
「うるっさいですよダクネス! ほら! そんなこと言ってる暇があったらはやく! この瓦礫をどけないと!」
「めぐみんっ! 三日もこんなところでいたらお前まで死んでしまうぞ! 体がボロボロじゃないか!
いいか、めぐみん。よく聞け。カズマはな、もう―」
「何言ってるんですか! あの男がそんな、そんな―」
「……ほら、お前だって理解しているんだろう? 頭のいいお前なら分かるはずだ。ダンジョンの最下層―それも世界最大の、そんなところで爆裂魔法なんてものを撃ったらどうなるのか」
「……」
「だから、もう帰ろうめぐみん」
「嫌ですッ!」
「めぐみん!」
「嫌です嫌です嫌ですッ! そんなこと、認められるわけないじゃないですか! だって、カズマがし、死んでいるなんて」
「……」
「み、認められるわけ、ない、です、よ」
「……」
「だ、だって―うっ、ウッ、ああっ、あああああああああああああああああああああああッ―」
「なんでカズマが帰ってこないんですか! おかしいですよそんなの! せっかく魔王を倒したっていうのに! 意味ないですよそんなの! あの男がなんで他人のために無茶なんてしたんですかッ!」
「……」
「そうだ、アクアが家出さえしなければ、カズマが魔王討伐なんて行くことはなかったのに。アクアのせいで―」
「やめないかめぐみん! 言っていいことと悪いことがあるぞ!」
「なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんでっ! なんでカズマはッ!」
「……帰ろうめぐみん」
「嫌です。まだカズマが―」
「帰ろう」
「ダメです。まだ見つけていません」
「帰ろう」
「無理です。あと一人足りません」
「帰ろう」
「……嫌ッ……ですッ……」
「もう帰ろう」
「あ゛あああああああああああああああああッ! 嫌あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!」
少女の叫びが、少年に届くことはない。世界が永年の恐怖から解放されても、少女の心が晴れることは無い。
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「ぶえっくしょいっ!
……あー、また誰か俺の噂でもしてんのかなぁ?」
「そこ!試験中は静かに!」
「あ、す、すみませーん!」
原作このすばのくせに今までこのすば要素がほぼなかったですからね
……これ原作ウマ娘のほうがいいのでは?