魔王を倒したのにウマ娘世界に転生しちゃったカズマさん 作:はははのは
一週間後、トレセン学園の正門にて。
一次試験を突破した受験者たちが、集合してきているようだ。
その数は十名ほどだろうか。
一次試験を受けた人数が百名以上はいたことを考えると、合格率は10%に満たないくらいであろう。そもそも受けている者たちも、その多くが青春をトレーナー試験の勉強に捧げてきた者たちである。それを考慮すると、やはり相当な難易度であったと考えられる。東大入試並みの難易度というのも頷けるという物だ。
「ふっふっふ。この日のために、昨日の夜はしっかりと対策させてもらったからな。
どんな高性能センサーだろうが、ドンとこい、だぜ!」
おや。向こうから、なにやらすっきりとした顔のカズマ少年がやってきたようである。自分の対策に随分と自信があるようだが。
ただし、その対策とかいう名のお楽しみタイムは、面接時の精神を落ち着けるという意味では効果があったのかもしれないが、彼が警戒しているセンサーなんてものは存在しないので、ほぼ意味はなかったものだと思われる。
「あっ! 佐藤さん!」
カズマ少年を呼ぶ声が聞こえる。
「二人とも筆記試験を合格できたみたいで、良かったですね!」
彼女は一次試験の会場にて、年齢的に浮いていたカズマ少年に話しかけた、桐生院という女性である。
「ああ、桐生院さん。
ええ、お互い合格できたみたいで良かったです」
ちなみに彼らは筆記試験合格者TOP2だ。
「そうですね、ではそろそろ開始時刻も迫ってきていますし、会場に入りましょうか」
「分かりました」
「故障で走れなくなるウマ娘を無くすという夢、頑張ってくださいね! 私はまだトレーナーになる理由は見つかっていませんけど、応援していますから!
そのためにも、是非二人とも合格しましょう!」
「アッハイ、ははは、ソッスネー……」
歯切れが悪い。
適当に言っただけのことを、本気で応援されてしまって心苦しいカズマ少年であった。
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「では、これから試験を開始いたします。番号と名前を呼ばれた方から順に、こちらのほうまでいらっしゃってください」
緑の服を着た女性、たづなさんがそう言った。いやー、お出かけでいつもお世話になってました。
「えー、では受験番号005、桐生院さん。こちらまで来てください」
おっと、桐生院さんいきなりかよ。
いやー、俺がトップバッターじゃなくてよかったぜ。
その後も数人が呼ばれて、奥の面接室へと入っていく。どうやら、シンプルに合格した人の中で、受験番号が小さい順に呼ばれて行っているようだ。
俺の受験番号は067だ。
今063の人が呼ばれたな。もうすぐだ、緊張してきた。
そして、とうとう俺の番が―
「受験番号078、松田さん―」
来なかった。
あれ? おっかしーなー?
今までの人たちは全員しっかりと番号順だったのに。
―まさか、あの合格通知は手違いとか?
いやいや、流石にそれはないだろう。……ないよね?
やばい。不安になってきた。ちょっと確認してみよっかな。
「それでは、受験番号067、佐藤和真さん。あなたは、こちらについてきてください」
え? なになに? 怖いんですけど?
俺だけ特別扱いってわけ?
もしかして部屋の数が足りなかったとか?
いやでもまだ空いてるよな?
というかそれだと俺だけ番号が飛ばされた理由が―
「はい、それではこちらの部屋になります」
なんて考えているうちに、目的の部屋についたようだ。
あれ? なんかこの部屋の扉、既視感があるぞ。
……あ! 扉の上に『理事長室』って書いてある! ここガチャ引くときに毎回見てたわ。
いやちょっと待て。理事長室だと? あれ? 俺なんかやらかした?
「あの、大丈夫ですか? 急に立ち止まって」
少し考えすぎてしまったようだ。
まあ、ここまで来たら行くしかないだろう。
流石にあの世界ほど理不尽なことは無い、……と信じたい。
ガチャ、と扉を開けると、そこには―
「よく来てもらった。佐藤和真さん」
あのちびっ子理事長がいた!
いやー、ガチャであなたが出てきてくれた時の安心感は半端なかったっすよ。
って、それよりも。なぜ俺はここに呼ばれたのだろう。
「あのー、なんで俺はここに呼ばれたんですかね?」
うん。ほんとに。こっちの世界ではまだ何もやらかしてない、はず。
それこそ小学校のとき間違えてパンツ盗った時くらいであろう。
「いやいや、気にしてもらわなくとも大丈夫だ」
いや気にするよ? 面接で一人だけ急に理事長室に呼ばれたら、気になるよ?
「さて、これからあなたの面接を始めよう」
あ。普通に面接はやるんですね。
「では、まずなぜこのトレーナーという職業に就こうと思ったのか、その理由を述べてくれ」
はいきましたド定番の質問。
「はい。それは、故障で走れなくなるウマ娘の存在を、少しでも減らしたいと思ったからです。
ウマ娘たちが怪我をするのには、何か理由があるのだと考え、その予兆を感じ取り、それらを未然に防ぎたいと思いました」
まあ嘘は言ってないし。
実際故障するウマ娘は減ったほうがいいと思うし、防ぎたいとも思ってる。
……別の理由もあるけど。
「なるほど。
……だが、別の理由があるのではないか?
君の目はそう言っているように、私には見えるが」
「っ……」
何ッ! 心の中を読まれただとッ!
「……俺には、夢があります。それは、とても大きな(おっぱいのための)夢です。
ずっと昔から叶えたかった、(煩悩にまみれた)夢です。
その夢がなければ、俺はきっとトレーナーになろうとは思わなかったでしょう。
でも、その夢があるおかげでトレーナーになろうと思えた。ここまで頑張ってこれた。
なんとしてでも叶えたいと思っているし、実現できるまで諦めないつもりです。
今はまだ、内容を言うことはできませんが(そして二度と言えないが)、この気持ちだけは本物であると信じてほしいです」
……だがなぁ、俺はあの『嘘を見破る魔道具』とかいうクソ魔道具のせいで、何度も同じ目にあってんだよ! これくらい余裕だっつーの。
事実を言いつつも、言ってはまずいことを隠す技術。始めてあのクソ魔道具に感謝したわ。もう使われたくはないけど。
「―っ! なるほど、どうやらその思いは本物のようだな」
「ええ、幼いころから
……テレビでシンボリルドルフ(の胸を)見てから、ずっと叶えたかった夢です」
「驚愕ッ! なんと! あの皇帝と呼ばれる、シンボリルドルフをか!」
「ええ。持つ夢は大きいほうがいいですから(あと胸も)」
「はっはっは! なるほど、大きな夢だな!
そして、その夢にかける熱い思いも見させてもらった!」
よし! なんか好感触だぞ! これは合格、できるんじゃないか?
「ふむ。では、今日はもういいだろう。
君は、合格だ。なに、理事長の私が言うのだから、文句も出まい」
っしゃキタァ! 合格! 俺の熱い思いが伝わったみたいで良かったぜ!
「えっ! ありがとうございます!」
「うむうむ。では、たづなよ。彼を例の場所へ―」
「分かりました理事長、
では佐藤和真さん、こちらについてきてくださいね」
「はい、分かりました」
何処に行くんだろう? これからの説明とか?
そうして俺が連れていかれた場所は―
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「理事長っ! あんなに簡単に合格を出してしまって、良かったんですか!?」
「簡単もなにも、たづなも見たであろう。彼のあの眼差しを」
「へー、整体かぁ」
「っ! ですが!」
「ん? これなんか違くない?」
「あれはそこいらの人間が簡単に出せるものではない。
それこそ、自分の人生を賭けられるほどの覚悟がないとな。
あれは、本物だ」
「ねえ待って! それはさすがに!」
理事長の言うことももっともだ。
どうやら彼がトレーナー、そしてウマ娘にかける情熱は本物であるようだったし、それはさっきの面接でもよく分かった。
……だが、たづなは、何か嫌な胸騒ぎを彼に覚えたのである。
それこそ、禍々しい、なにか魔物のような気配を。
「ちょ、待てって! ほんっとに……待てって言ってんだろ!」
「分かりました、理事長」
「ねえ! ほんとに限界! これ以上は!」
しかし認めるしかないだろう。あのような目、大きな目標を全力で叶えようとする彼の姿は、トゥインクルシリーズでも大きな記録を残してきた者たちとも重なるところがある。
「しかし、彼のことは見させてもらいますからね」
「え? それ、本当にいくんですか? う、嘘ですよね……?」
「ああ、好きにしてもらって構わない。
―しかし、彼か。トレセン学園に大きな影響を与えそうな気がする。
それが、良いものであってほしいな」
「ぎゃあああああああー! 痛ッてえええええ!!!!!!」
あ…ありのまま 昨日起こった事を話すぜ!
俺はウマ娘のアプリを開いたとおもったら、いつのまにかCBが10回育成されていた…
な…何を言ってるのかわからねーと思うがおれも何があったのかわからなかった… 頭がどうにかなりそうだった…
催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ…
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
……ていうことで、ウマ娘やりすぎました。すみませんでした。
あと、主の推しはCBです。