艦娘達と金属の歯車   作:ビクトリー

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今回は書いていたら長くなってしまいました。
では、お楽しみください。


過去の記憶

 

 

「体が痛い...」

 

俺は昨日、島風が帰った後に北方を布団に寝かして自分は床で寝たんだっけか。

こんど布団もう一個、貰ってくるか...。

 

「北方起きろ」

 

確かもうそろそろ優花が俺を起こしに来るはずだから、北方を起こさなくちゃな。

今、この状況を見られるわけにはいかないからな。

 

「ウ...ン、オハヨウ」

 

廊下の方から足音が聞こえる。

もう来たか、少しいつもより早いような...。

 

「おはよう。いきなりで悪いがステルス迷彩を起動してくれ」

 

「...ワカッタ」

 

北方は眠そうにしながらも、ステルス迷彩を起動してくれた。

北方の姿が見えなくなると同時に、扉が開かれる。

 

「提督、おはようございます」

 

「優花、おはよう。今日は来るのが少し早いが、何かあったのか?」

 

本来、優花が来るのはいつももう少ししてからだったが、なんかあったのか?

まあ、優花の表情からしてそんな変なことではないと思うがな。

 

「いえ、それが...」

 

「司令官さん、おはよう、なのです」

 

なんで電がここに居るんだ?

俺に何か用事でもあるのか。

 

「私たちもいるわよ!」

 

そう言って次に電以外の第六駆逐艦と...、

 

「てーとく、おはようございまーっす!」

 

...島風が入ってくる。

朝からテンション高いな、どうやったら朝からそんな高くなれるんだ?

まあ、そんなことよりなんでみんなが来たかを聞いてみよう。

 

「朝から何の用だ?」

 

「前から、司令官さんに聞きたかったことがあるんです」

 

俺に聞きたいこと...そういえば前に、何か言おうとしてたな。

確かまだ、第六駆逐艦と島風がここに来る前のことだったよな。

...完全に忘れていた。

 

「司令官さんは、提督になる前何をやっていたんですか?」

 

提督になる前に何をやっていたか、か。

当然、前世のことになってしまうが...。

 

「俺の過去を聞いても面白いことはないぞ」

 

...断る理由が無いんだよな。

まあ、俺の過去は本当に平凡な人生だったしな。

 

「私は聞きたいよ。司令官のこと」

 

響、お前もか。

お前が一番、俺の過去に興味が無さそうなんだが。

 

「司令官との関係を深めることも必要だと思うし、私も聞きたいわ」

 

...雷は予想はしてたな。

電と雷はどちらかがやれば二人ともやると思うし、今回は電が言い出したんだろう。

 

「暁は、みんなが心配だから来ただけよ」

 

...ほかの第六駆逐艦たちが来て、暁だけ来ないのはないと思ったよ。

問題はもう一人...、

 

「退屈だったから来たよ」

 

そうなことだろうと思った。

まあ、此処まで来て話さないわけにはいかないよな。

 

「わかった。話そう」

 

「提督いいんですか?」

 

優花、ここまでお願いされたら断るわけにはいかないだろ。

俺の過去を話したところで意味もないだろうからな。

 

「いいんだ。じゃあ、始めるぞ」

 

「はい!」

 

最初は、俺の生まれた場所から話そうかな。

 

「俺の生まれた場所は、特に人に言えるようなものはなかったな。要するに田舎ってことだ」

 

田舎はいろいろ大変だったな。

特に、コンビニやスーパーが遠いことが問題点だったな。

 

「提督の家族ってどんな人ですか?」

 

優花、お前もか。

ずいぶんちゃっかりした奴だ。

 

「母親は優しい人だったな、親父は反対にすごく厳しい人だったが...」

 

あの二人はほんとに対照的だったな。

まあ、そのおかげで今の俺がいるんだけど...。

 

「今は何してるの?」

 

......。

 

「...もう会えないところに居る」

 

違う、会えないところに来たのは俺の方だ...。

だが、俺がいなくなってもあの二人はきっと幸せに暮らしているはずだ。

 

「提督、ごめんなさい」

 

「いいんだ、島風。もう昔のことだ...」

 

今思えば、あの二人に俺は何かしてやれただろうか?

...それ以前に、親父と話したのはいつだったか。

最後に話したかった...。

 

「司令官、私がいるじゃない。少しは私に頼っていいのよ」

 

不意に雷に抱きしめられる。

 

「い、雷いったい何を!?」

 

「司令官、気づいてないのかもしれないけど貴方泣いてるのよ」

 

マジか...。

俺、ほんとに涙もろいな。

そう言えば、昔泣いてたら親父に起こられたっけ。

 

「一人で抱え込む必要はないのよ。こういう時は思いっきり泣いちゃいなさい」

 

「雷、すまない」

 

 

 

その後、俺は雷の胸を借りて泣いた。

そして...。

 

「提督、大丈夫ですよ。泣くことぐらい誰にでもあるんですから」

 

今現在、すごく恥ずかしい。

優花、慰めないでくれ余計に恥ずかしくなる。

もう提督の威厳とか無いな、できるなら限り早くこの場から去りたい。

 

「わかってる、わかってるんだ」

 

そうだ、工廠に行こう。

ちょうど島風と同じ部屋になれる艦娘を、探さなくちゃいけないんだ。

そうと決まれば早くこの部屋から出よう。

 

「ちょっと、工廠に行ってくる」

 

「し、司令官!」

 

だれか俺を引き留めようとした気がしたが、今は会話ができる気がしない。

そう思い俺は早足で工廠に向かった。

 

 

 

「あれー、提督ーどうしたのー」

 

俺は部屋から逃げてきて、工廠の扉の前に居る。

工廠の扉を開けようとしたときに、前に会った妖精さんに話しかけられる。

 

「ちょっといろいろあってな、それとまた建造をしてもらいたい」

 

「わかったよー。だけど今日はもう遅いから、たぶん今から創ったとしても提督に挨拶できるのは

 明日の朝当たりかなー」

 

明日の朝か...。

いま部屋に戻ったら確実にみんなに会ってしまう。

どうしよう。

....。

最悪、工廠で徹夜するか...。

 

「提督ー、ずいぶん困っているようだねー。たぶん優花とそのほかの艦娘達のことか  なー」

 

なぜわかった。

てか、ここには俺と艦娘と妖精さんしか居ない。

さらに、資材は余るほどにあるからそれで悩むとは考えにくい。

それなら悩んでいることも限定されるってわけか。

案外、この妖精さん頭がいい。

 

「なんか今、失礼なこと考えなかった?」

 

「いや、何も」

 

...なんでここに居る妖精さんは、そろいも揃って感がいいんだ。

まさか、妖精さん全員がこんな感がいいわけじゃないよな。

だとしたら妖精さんはどこぞのゲノム兵以上に有能だな。

いや、ゲノム兵が無能過ぎるだけか...。

 

「そんなことよりー、助けてあげようか?」

 

「いいのか!?」

 

まさかここで助けが来るとは思わなかった。

最悪、徹夜を考えていたから結構嬉しい。

 

「いいよー。たぶん部屋に戻りたくないんでしょー」

 

「そうだ」

 

なぜわかった、とかはもう言わない。

いちいち考えるのも疲れた。

 

「今日は妖精専用の部屋に泊まれば?」

 

妖精専用の部屋か...。

そんなものあったのか。

だが...。

 

「妖精専用なのに俺が泊まってもいいのか?」

 

「大丈夫だよー、妖精にそんな器が小さいのはいないし、みんな提督を歓迎してくれると思うよー」

 

どうやら妖精さんたちは相当器がデカいらしい。

提督を部屋に泊める妖精さんって聞いたことがないぞ。

...いや、俺が珍しいだけか。

 

「ありがとう」

 

そう言えば妖精専用の部屋ってどこにあるだ?

今まで見たことはないが...。

 

「そうと決まればすぐに行くよー、ついて来てねー」

 

「わかった」

 

そう言うと、妖精さんは工廠の奥に向かっていく。

それに俺も着いて行くが、こんなに奥まで入ったのは初めてだな。

 

「ここですよー」

 

そう言って急に妖精さんが立ち止まる。

てか...。

 

「ずいぶんと速いな」

 

歩いてからそんなに時間が経ってないぞ。

案外、近くにあったんだな。

 

「みんなただいまー。いきなりだけど今日は、提督も一緒に寝るよー」

 

そんなことを思っているうちに、妖精さんが部屋に入って行ってしまった。

...俺も入るか。

 

「本当!!」

 

俺が入ろうとしたら、部屋の中に居る妖精さんたちから本当、とかやったーなどの

様々な声が聞こえる。

俺はそんな声を聴きながら部屋に入ると、何人もの妖精さんが駆け寄ってくる。

 

「提督は何でここに来たの?」

 

「ねえ、お話聞かせて」

 

「抱っこしてー」

 

「一緒に寝よ?」

 

妖精さんが、一度に何個もの質問をしてくる。

俺は、聖徳太子みたいに一度に質問全てを答えることはできない。

 

「わかった。わかったから一人ずつな」

 

これはまだ寝れるのに時間が掛かりそうだな。

 




今回は話が長かったですね。
いつもこれぐらい書けたら苦労はないのですが...。

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