・1個艦隊に付き、約28隻
・1個戦隊に付き、約7隻
但し、第7機動艦隊においては打撃群他、潜水戦隊や揚陸艦隊も含まれており、通常の部隊編成に当てはまらないとしている。
第18星
戦場は大きく広がっていく。
空港や空軍基地に降り立った国防陸軍機甲部隊は、其処から各戦地に向かわなくてはならなかったが、司令部は何故か速い速度で展開していく増援部隊の状況に困惑を隠せなかった。そう簡単に展開出来るような道路状況で無いにも拘らず。そして、海岸線に面した地域から展開速度が速い事を突き詰めると、その理由を知る事となった。
あの砦を脱出してから再編した部隊と共に移動していた時に、レーダーマップを見て私は疑問に思った。
だが、主に名嘉真方面に展開する国防軍増援部隊の展開速度が依然として早い理由は簡単だった。
LAATに乗ってその方面に移動していく最中にソレを見つけたからだ。
「面白い事を考えたな。よもや戦車一台をこうも簡単に輸送出来るとは・・・。」
LAAT/cはAT-TEウォーカーやファイヤータンク等の輸送を行える機体だった。
LAAT/iが低飛行強襲型兵員輸送艇の略称であるがその名の通り兵員輸送を主とした。
それに対しLAAT/cは低飛行強襲型貨物輸送艇の略称である。貨物輸送を主としており、物資の入ったコンテナや地上兵器の輸送、大型の瓦礫の撤去にも使われているのだ。
更に言えば積載可能重量は凡そ50t(従来型は40tだが、状況に合わせて積載可能重量を増やせるようにバリエーションが増えた)に及ぶ為、国防軍の装甲戦闘車両の輸送も難なく行われていた。滑走路上に並んだ装甲戦闘車両群をLAAT/cのマグネットが装甲戦闘車両を吸着しそれぞれの目的地に輸送していく。国防軍の兵士達もそうだった。運ぶ輸送ヘリが足りないからと、LAAT/iを使って継続的な輸送を実現していた。
そのおかげで名嘉真を囲む各方面へ国防陸軍の西部方面軍を主力とする戦闘団が合流した事により、包囲された侵攻軍は容易に突破出来なくなった。更に後詰に銀河連邦のAT-TEウォーカーやセイバー級ファイヤータンク等が次々に展開していった為、より強固な包囲網となっていったのだった。
その名嘉真地区へは、私たちは喜瀬地区から向かう事となり、第11スカイ・コープスの主力となる第327機動大隊から選出した装甲部隊の真ん中にガンシップは降り立った。
「お待ちしていました、将軍。」
そう言ってやって来たのはシニアコマンダーのメイヴだった。
「状況を。」
「はっ。現在、選抜装甲連隊は国防陸軍第128機甲大隊と共に進軍中。名嘉真地区のドロイド軍を蹴散らしつつあります。また、制空権の確保に成功した結果、輸送速度が上がっている状況です。ですが、目下の問題は・・・・・・・アレです。」
メイヴが指差す方向にあるのはスターフリゲートの存在だった。大分降下してきており、目視で良く見える程だった。
「宇宙軍には連絡済みだ。そろそろっと、言っている傍から来たな。」
短距離ハイパースペースで大気圏内に突入してきた7隻のヴェネター級スタークルーザー。
だが、このスタークルーザーは従来型とは違い、表面に6基しか無い代わりに裏面にヘヴィ・デュアル・ターボレーザー・タレットを10基搭載した下方への攻撃力を上げた重武装艦だった。それが6隻。中央の1隻には下部ハンガーベイに自走式重砲塔を搭載しており、火力マシマシの戦隊だった。(ヴェネターⅡ級スタークルーザーと後に呼称されるようになる)
だがそれでも16隻近いスターフリゲートに対しては数が少なかった。
私も経験があるけど、3隻のスタークルーザーでも上方を抑えられたらスターフリゲートのツイン・ターボレーザー・キャノンの餌食に成りかねない。いや、実際に為った。
3対6の差でもスタークルーザーならと思っていて手酷くあしらわれた事は、多くのジェダイが経験した事でもあった。
スタークルーザーによる完全にスターフリゲートの死角を突いた攻撃に侵攻軍のスターフリゲート艦隊は、次々に大量のレーザー砲火を浴びて、碌に反撃する事も出来ずに爆沈していった。
中には、国防軍攻撃隊によるミサイル飽和攻撃を受けて爆沈するスターフリゲートもあった。そして、果敢にもスターフリゲートの艦橋を吹き飛ばす戦闘機隊も有り、戦局はゆっくりとだが日本側に傾きつつあった。
その頃には、沖縄近海には第7機動艦隊や第1護衛艦隊、第3護衛艦隊が集結し、各方面での支援攻撃の拠点となっていた。
最初に現場に到着した第7機動艦隊から前衛潜水艦隊が侵攻軍水上艦隊の左側面から雷撃を行っており、遅れて到着した国防海軍潜水戦隊が右側面より攻撃、狙いは駆逐艦、フリゲート艦、輸送艦であった。
侵攻軍水上艦隊は当初、航空母艦3隻、高速巡洋艦5隻、駆逐艦20隻、フリゲート艦8隻、強襲揚陸艦16隻、輸送艦34隻、揚陸潜水艦16隻、潜水艦20隻で始めていた。
だが、緒戦において沖縄駐留の哨戒隊による迎撃によって揚陸潜水艦3隻、潜水艦7隻を失ってから海中への守りは薄くなっていき、国防軍潜水艦隊、潜水戦隊の到着により、大半を撃破される結果となってしまっていた。
更に潜水艦隊の攻撃を受けた際に、上陸部隊と本隊を分けたのも痛かった。
大した護衛も無い上陸部隊の半分が上陸を果たしていたものの、後詰の戦力は占拠した港湾施設から陸揚げする予定だった。その為、後方に下げられた輸送艦隊は2隻の高速駆逐艦の護衛の元にあったが、潜水艦隊による群狼戦術によって搭載していた戦車を含む上陸部隊は沖縄の土地を踏む事無く海の藻屑となったのだった(雷撃を受けた際、最初に沈められたのが指揮艦であった為、指揮系統が混乱し輸送艦同士の衝突や独断で船団離脱をした艦が出た事も全滅の要因だった)。
後方の上陸部隊壊滅の報を受けた艦隊司令は上陸部隊の一時後退を指示したが後退が間に合わず撃破される報告が相次いだ結果、司令艦の艦橋内で艦隊司令が拳銃自殺を図り死亡した。(侵攻失敗の責任を負わされると考えたからだとされている。)
艦隊司令死亡後、陣形もバラバラなまま主力本隊が後退を開始する中、上陸し陸に残された侵攻軍の兵士達やドロイド軍のバトルドロイドは、戦闘を中止して降伏を余儀なくされていた。抵抗を諦める原因となったのは、恩納空挺隊より志願した少年兵による魔法によって上陸用舟艇のみならず母艦となっていた強襲揚陸艦が物理的に消された為であったとされている。
「投降兵の扱いは国防軍に任せて、我々は周辺警戒。ブレイブ、敵艦隊の様子は?」
エレクトロバイノキュラー・・・高性能双眼鏡で敵艦隊の方を見ていたコマンダーに聞いた。
「依然動きは・・・・・・いや・・・何だ?」
すると、上級偵察トルーパーから報告が上がった。
「敵主力本隊は後退を開始、しかし我が方に海上から駆逐艦6隻、高速巡洋艦4隻が接近してきます!」
その報告を聞いた風間大尉が叫んだ。
「いかん!艦砲射撃だ!総員退避!なるべく内陸に逃げ込め!」
「投降兵諸共吹き飛ばす気か!?なんて連中なんだ。」
そう言っていると司令部からも通信連絡が入った。
『此方沖縄司令部!西方より敵艦隊接近を確認!
高速巡洋艦4隻、駆逐艦6隻!30分後に敵艦砲射程圏内に入ると推測される!至急退避されたし!
繰り返す!敵艦隊の艦砲射撃は30分後!至急退避されたし!』
「此方銀河連邦のジェダイ、九條紫音だ。友軍艦隊の迎撃はどうした?」
私の問いに通信は思った以上に直ぐに帰って来た。
『此方司令部!僚軍の迎撃により駆逐艦2隻減るも尚も接近、以降の迎撃間に合わず!』
「・・・・・・・了解した。ブレイブ」
「はい。」
つまり友軍艦隊による迎撃は失敗したも同然ということ。大至急ガンシップ隊を呼び出して海岸付近に展開する部隊離脱を指示出すと共に、脚の遅いウォーカーは放棄を指示。
操縦要員を含む兵員にも退避を命じた。
他の部隊長らと問答をしていると達也が思わぬ事を風間大尉に聞き出していた。
「大尉、敵艦隊の正確な位置はわかりますか?」
「・・・・・達也、何をする気だ?」
「・・・特尉、いったい何を考えているのだ?」
元造さんと風間大尉の問いに達也は自信を持って言った。
「敵艦を破壊する手段が有ります。」
達也は、真田中尉にお願いして恩納空挺基地からアンチマテリアルライフルを取り寄せると、弾丸に何やら魔法を使って細工をしているようだった。
達也の得意とする解析、そして弾丸の分解をしてからその弾丸を再構築して魔力封入弾を作り上げていた。
その間、ブレイブには退避するように部下たちに命じ、ブレイブ自身にも退避するように伝えたのだけど・・・・・
「退路を確保する必要がありますよ。あちらの方々の為に残られるというのであれば離脱用のガンシップは此処に。」
そう言った方向には左右のレーザータレットを外した高機動型のガンシップが。
「まーた、厳しい脱出になるかもよ。パイロットも分かってる?」
「勿論、当時の者がそのパイロットですから。」
ブレイブの言に私は呆れながらパイロットのいるコックピットに近づいてガラスを軽くコンコンと叩いた。
「何か?」
「あの時も居たというけど、今回もかなり危険よ。大丈夫?」
「砲弾の雨霰の中の脱出ぐらいなら問題ありませんよ。」
そうこう会話している間に達也が試射を終えていた。
「出来そう?」
「駄目ですね、20キロまでしか届きませんでした。その地点に到達するまで待つ必要が
あります。」
まあ、普通は1kmぐらい、最高でも2km限度のものを20kmも魔法で増幅出来る達也が凄いのだけど、それでも足りないと来た。
「だが、それでは我々の地点も敵の射程圏内に入ってしまうぞ。」
風間大尉の言う通り、敵高速巡洋艦の射程に優に入ってしまう。
敵高速巡洋艦の主砲は20,3㎝3連装砲塔を前部に2基搭載した軍艦であり、当然ながら最大射程は29000mに及ぶわけで、海岸への面制圧射撃の場合、窮地に陥りかねないのは此方の方だった。では、場所を移動するのは?
無理であった。今から発射地点の捜索は時間が無さすぎなのだ。如何に移動が可能だとしてもまた試射して距離を確認しなくてはならない。その上、友軍艦隊の援護も得られないとなれば、容易にガンシップを上げる訳にはいかない。
達也は、自分だけ残ってこの場でやると言い張り梃子でも動かない構えを見せていた。
その判断をした達也に元造さんは
「分かった、俺も障壁魔法には覚えがある。だから達也は安心して狙え。」
元造さんはそう言いながら達也の肩を叩いた。
「2人がこう言われては我々が逃げ出す訳にもいかないな。確実に成功する作戦も無ければ死の危険の無い戦場も無い。そうでは無いか?九條将軍。」
風間大尉が私を見ながらそう言った。
「ええ、ですが数パーセントでも可能性があるなら、その作戦に掛けるような無謀な事もして来たつもりですし。万が一の離脱も・・・・・離れているように言ったのだけどね。」
後ろに振り向きながらそう言った先には、LAAT/iが3機。うちのARCトルーパーやコマンダーのブレイブまでやって来て私たちを待つ構えを見せていた。
「良い部下じゃないか。」
「ええ、自慢の部下で仲間よ。」
するとその時、接近していた敵艦隊の動向を監視していた司令部から通信が入った。
『敵艦より攻撃を確認!試射と推測される!沖合1kmに着水を確認、注意してください!』
司令部も逃げずに敵艦隊を攻撃しようとする我々の事を知っていた。
だからこそ、近隣の艦隊に連絡を取り、なんとか艦砲射撃を受ける前に撃沈出来ないかと艦隊司令と相談していた。
だが、沖縄海域に集まった海軍艦隊を以ってしても、増援で現れた航空隊や潜水艦隊、駆逐戦隊の妨害を受けて思うような接近が出来ずに二の足を踏んでいた。更に対艦ミサイル搭載の艦載機も弾薬欠乏に付き、母艦に一時帰投していた。
艦隊司令九條孝之も戦場に居る身内に安全を願いながらなんとか抜かんと艦隊を前進させていた。そんな彼らが上空に目をやると、銀河連邦宇宙艦隊と侵攻軍宇宙艦隊とでの艦隊戦を目の当たりにしており、寧ろ撃沈したスタークルーザーの落下物に巻き込まれないように距離を置かないといけないが為に更に沖縄から離れるという状況が生まれていた。彼らも必死だというのは彼も理解していた。
だが、一番危機にあるのは此処。
地平線の彼方から肉眼でもはっきりと見える敵艦隊から砲撃とロケット弾、ミサイルの総攻撃が私たちのいる場所目掛けて飛んでくるのを見ていた。
あまりにも多い数の攻撃に真田中尉が叫んだ。
「無理だ!こんな量、どうやっても捌き切れません!」
泣き言を叫ぶ中尉に元造が喝を入れた。
「無理でもやるんだ!男子(漢)ならやれ!」
元造が魔法を展開する。障壁魔法の一つとされる対物防御魔法。
私たちがいる空間を覆うように展開された魔法陣だが、如何せん不安定な魔法だった。
だが、其処に3機のBARCスピーダーが接近してきた。正確には1機が乗り捨てられて、達也の前に降り立った。
「掩護します!」
「穂波!?何故来た!」
だが、問答する前に、初弾が着弾する前に展開された魔法障壁が我々を包み攻撃から守った。
「この力は、主を護る為に作られたもの。ならばっ、奥様の為、深雪様の為、達也君を命を賭して御護りいたします!」
元造さんの障壁魔法の周囲新たに展開されたのは、桜井穂波さんの持つ障壁魔法、対物耐熱防御魔法。ほぼ全ての攻撃を防ぎうる魔法だけど、私はそんな穂波さんの行動を善しとは思わなかった。護る為に命を投げ出す、というのは本人の勝手だけどせめて残される者の思いも理解した上でやって欲しかった。
だから、私はそっとフォースを使って穂波さんの障壁魔法に着弾する前に砲弾、ロケット弾、ミサイル弾をフォースで止めた。100以上の攻撃だが、ブラスターによる攻撃に比べればなんてことは無い。連続して放たれる攻撃をフォースで掴み取り滞空させたまま運動エネルギーを奪う。推進力を失った砲弾から勝手に自由落下していき、ロケット弾、ミサイル弾もロケットモーターの推進燃料が尽きると砲弾と同じ運命を辿っていた。
「っえ!?」
「!?・・・紫音、お主・・・・・」
穂波も元造も、自分の魔法以外の魔法か何かで敵の攻撃が阻まれている事に気付くのはそう遅くなかった。目を閉じて、両手を前に翳したまま動かない紫音の姿に、風間大尉らも何が起きているのか分からなかった。魔法では無い、何かによって阻まれ着弾どころか兵器としての力を行使できずに無意味に海に落ちていく砲弾類を見ながら唸っていた。
「どういう原理だ?」
「サイオンもプシオンも感じられない。一体どうやって?」
あらゆる攻撃を打ち返すでもなく、破るでもなく、ただ着弾も信管も作動させずに一瞬滞空して落ちていく光景が異様なモノに思えた事だろう。流石に片手だけでは支えきれずに両手で防ぐような形になってしまったのは・・・まあ仕方ない事だろう。如何せん一つ一つの質量が大きく、銃弾よりも強い運動エネルギーが有る為、中には逸らしたりして私たちがいる場所以外に着弾させたりしていた。
だけど、そう言っている間に達也が魔法を発動させた。
詳しい原理は知らないけど、接近していた艦隊は閃光と共に巨大爆発を引き起こされて消滅。
その後、海面近くで生み出された衝撃波が私たちのいる場所に到達する前にガンシップに乗り込んでその場を後にした。気象庁から一時0.5mの津波が沖縄本島を含む周囲の島々では観測されたらしい。
また、衝撃波の余波は艦隊戦最中の宇宙軍艦隊の方でも確認された。
衝撃波による被害は出なかったが、敵味方共に艦隊列が乱れ、戦闘どころじゃなかったらしく、艦隊のスタークルーザーよりも爆発付近を飛行していたスターファイターや戦闘機の方が多くの被害が出たそうだ。
大半が不時着や脱出する羽目になったそうだが、ドロイドスターファイターの殆どが墜落していったそうだ。尚、人的損害は我が軍や友軍部隊含め皆無だった。
陸地への艦砲射撃を敢行しようとした艦隊が消滅したのを受けて、侵攻軍は各所で撤退を開始した。殿に出て来た敵のスタークルーザーに日本国防海軍の駆逐艦が数隻撃沈させられたという報を受けて、私は上空にあったヴェネター級スタークルーザーの艦隊旗艦へとガンシップに乗り込んで飛び乗った。
「状況はどうなっていますか?」
「九條将軍、状況は深刻だ。思わぬ敵が現れた。」
レーダーマップ上の表示には、プロヴィデンス級スターデストロイヤーやレキュザント級ライトデストロイヤーの反応の中に遭遇したくない艦の反応が敵艦隊中央にあった。
「サブジュゲーター級ヘヴィクルーザー・・・・・まだ有ったの。」
「忌まわしきクルーザーです。グリーヴァスが指揮したマレヴォランスに多くの機動艦隊がやられたものです。」
「姉妹艦のデヴァステーションの存在も確認されていましたが・・・・・よもや此処に。」
「いや、そうとも限らないぞ。あれだけ長かったのだ。2、3隻増えていても可笑しくない。」
サブジュゲーター級ヘヴィクルーザーの『マレヴォランス』『デヴァステーション』。
この2隻に共和国宇宙軍機動艦隊は多くがやられていた。マスタープロ・クーンも指揮する艦隊が壊滅するほどの被害を受けた他、他のジェダイが指揮する艦隊も全滅させられるほどに驚異的な火力を誇っていた。何より強力な超巨大イオンキャノンによってパワーシステムを完全無力化出来る故に、撃沈は容易では無かった。マレヴォランス撃沈の時はアナキンら爆撃隊によるイオンキャノン充電の瞬間を狙った集中爆撃でイオンキャノンをオーバーロードさせて大破させ、その隙に艦隊で撃沈に追い詰めたらしい。
だが、この状況で現れたサブジュゲーター級ヘヴィクルーザーは脅威と言わずになんと言うべきか。
「サブジュゲーター級ヘヴィクルーザー1隻,レキュザント級ライトデストロイヤー4隻,プロヴィデンス級デストロイヤー6隻確認。尚ミューニフィンセント級スターフリゲートは全艦後退を開始しています。追撃は続行していますが・・・如何しますか?」
「こっちも散らばった艦隊を集めて、真正面からぶつかるわ。この艦隊が地上軍を襲う事も考えられる。手持ちの上げれる爆撃隊にはサブジュゲーター級ヘヴィクルーザーだけへの攻撃を命じて。爆撃隊の目標部はイオンキャノン接合部。」
「無茶な作戦かと、多くが犠牲になります。」
「・・・・・・・・・・」
確かに無茶な作戦である事は重々承知だった。だけど、今取れる作戦としてはこれ以外に思いつかなかった。だから私は・・・・・・
「・・・・・・・・・艦隊攻撃を続行しつつ、最終ラインを越えると判断したら作戦を実行に移す。それまでに敵が後退、若しくは撃沈出来るのであれば・・・・・。」
「分かりました。」
コバーン提督は渋々といった具合で了承していた。言いたい事は理解しているけど、あくまで最終手段である事を告げていた。
「私用のYウィングを用意しておいてもらえる?」
航空管制士官にそう告げると士官は分かりましたと了承して指示をしていた。
だが、敵はこちらを嘲り笑うかのような恣意飛行をしてそのまま攻めて来るかと思いきや、各方面のクルーザーが集まってくると分が悪いと判断したのか早々に撤退していった。
だが、撤退し始めた直後に短距離ハイパースペースでヴォルター級ヘヴィクルーザー3隻が到着した。サブジュゲーター級とヴォルター級との艦隊戦はまだやった事が無かった。
どちらが強いか、という点に置いて言えば正直分からなかったのだ。遭遇する機会も無い、という時に漸く互いに相まみえたのだが、攻撃を始めたヴォルター級から退避するように撤退するサブジュゲーター級を追撃する事は無かった。
サブジュゲーター級ヘヴィクルーザーを含め、分離主義勢力のスタークルーザーの離脱を確認しきれなかったのは、広大な銀河の中で、数十、数百ある艦隊から1隻、2隻の離脱は見落とされていたからだった。サブジュゲーター級もその一つで、最後の記録では、共和国宇宙軍艦隊と交戦中に数艦のスターフリゲートと共に戦線を離脱しハイパースペースに入った後、所在を掴めないままだった。