コロナになったり、身体が怠くて動けなかったり、執筆気力が落ちたりしながらも作品の追加設定を作っては消してを繰り返していました。
時系列は何処かで纏めて入れ替えないといけないので、それはまた今度に。
ストックが無くなったので、また幾つかストックをしてから投稿していきます。
第一高校の試験には合格したが、実技での成績が悪かった事から二科生での入学となった。
私と咲那と達也が、二科生であるという事実は、まだ深雪には知られていないが、入学式にバレるだろうし、あれこれ言ってもしょうがないかと思いながらも、改めて第一高校の事について調べていた。学校生活や教材、施設内容は調べていたけど、今更ながら学校生活を送っている生徒達の状況について知りたくなったからだ。
其処で私はパソコンをハッキングして第一高校の二科生ネットワークに潜り込んで実態を調べた。学校側の公表にある退学者数というのが、本当にその数字なのか、だとしても毎年10人以上多くて30人の退学者を毎年出す状況が少しおかしかった。何しろ、忠仁兄さんから聞いた話では毎年退学者が出ても数人程度が各校普通にいるらしい。単位に届かなかったり実技試験で落ちたり、課題を熟せなかったり、しかし定員割れを起こしてはならないのでなるべく全員卒業出来るように措置を図るように言われているという。しかし義務教育諸学校で無い為、疎かにされている実態がある事も分かっていた。だが、それでも第一高校以外の他の各校、第二高校、第三高校、第四高校~第九高校までで第二、第三から年間三学年平均で5~8人、第四~第九から三学年合わせて3~6人の退学者が出てしまうのもやむを得ないというが、その退学者に対して本人が望めばその後の支えはするという。
主に就職斡旋や一般校への編入となるのだが、各校から出た退学者に対して学校側が出来る術はそれぐらいしか無いというのも実情だった。しかし、第一高校ではそのような事は一切していなかった。
「理由がどうであれ、生徒の意見が重要視される・・・もの・・・・」
第一高校にある二科生ネットワークを見つけてハッキングで閲覧して見たが、内容は驚くべき内容だった。
ある一例では・・・・
スレッド2298
――また、中間テストで退学処分者出たって。
――またかよ、つうか俺達が試験するには内容が難しすぎるだろ。
――一科の連中とテスト内容が同じだからどうしようもないだろ。
――無茶言うな、図書の文献だけで後は自力だなんてどうしろって言うんだ。
――3年になってどんどん人が消えていく。
――この前のテストで友人も退学させられたしな、俺も自己中退しようかな。
――EFGH組で、これで何人退学したっけ?
――覚えてないよ。少なくとも、G組、H組は数人しか残ってないしな。マシなのはE組ぐらいか
――E、F組はまだ良い方、G、H組は完全に先生からも見放されているし施設利用に制限も掛かった。完全に退学させようと学校側が仕組んでるだろ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・」
内容を見て、しかめっ面になりそうになるのを抑えて私は忠仁兄さんが今日勤務している国立魔法大学へと資料とパソコンを持って向かった。
国防陸軍旧練馬基地跡地に作られた大学で、軍基地としての外観をそのまま利用して追加建設もあって出来た国立魔法大学だった。私は兄に電話をして話があるから大学へ行くというと、校門前で出迎えてくれるという事だった。
あの時、家に帰ってから関係が一時的に悪くなったけど、その後の勉強とか小卒認定資格、中卒認定資格を得る過程で分からないところを聞きにいったりしていた為、そんなに悪い関係じゃない。寧ろ、色々な知識を得る過程で議論したりしているし、ジェダイとしての立場で色々質問したりしているから険悪な関係って訳じゃない。それでも、兄としては不安なのか、軍役からは身を引いて欲しいと思っているらしい。
そんな兄と会ってから学長室へ行き、問題の第一高校について聞いた。
「第一高校?入学する高校だったな。」
「うん、改めて調べたんだけど、退学者の割合って前に兄さんが言っていたぐらいの人数だよね。」
「ああ、多くは無いが、少なくもない。確か、この前の九校会議で・・・」
そう言って取り出した資料には各校の3年間で出た退学者数が書かれていた。全体的に30人弱の退学者。そう、全体的(・・・)になのだ。
「ふうん。」
「何かおかしいところでもあったか?」
不思議がる兄に私はまずは資料を見せた。
「第一高校から退学した中退したという生徒が過去起こした事件事故、何故か平均して一科生が多いのに、実際に多くの退学者を出しているのは二科生の方なんだよね。どうしてかな?」
「非行に走る学生は少なくない。・・・・・だが、・・・・・確かに言われてみれば・・・これはおかしいな。」
警察省が発表している学校別非行者の円グラフ。9校中、圧倒的に第一高校の生徒が多い状況が其処にはあった。加えて、私はパソコンを見せた。第一高校にある二科生ネットワークをハッキングして閲覧したものだ。本来同校の生徒で無ければ閲覧不可というソレを兄に見せた。
「ハッキングはよろしくないな。だが・・・・・・真実か?」
「わざわざ嘘を吐く理由も無いでしょう。同学年同士、知っている事、愚痴を吐いているとするなら、彼らは非常によろしくない状況に晒されている事になる。無論、これから入学する私にとっても咲那にとっても、達也にとっても。」
「深雪ちゃんにとっても・・・か。
・・・・・・・・・・・・・。会議では何れも校内問題は無いとしていた。差別のような状況も俺が一時的に講師をした時は無かったと記憶しているが・・・・・・。」
国立魔法大学の学長を務める兄は、第一高校で教鞭を振った過去も有り、教員免許も持っている事から、大学内でも講義をすることがあった。
「・・・にしては、やけに差別が酷いようだけど・・・・・・、ああ。制服から始まっているわけね。」
「制服から?・・・・・何時からだ?」
過去の履歴までは追えないが、警視庁が公表している非行学生の割合からして2090年度当たりから増え始めているのが分かった。そして、2091年には第一高校では魔法による撃ち合いにより10人以上の重傷者を出しており、重傷者が何れも二科生であった。(一科生の重傷者は2人だけであり、二科生の重傷者は学校発表では曖昧にされており、当時の医療関係記録を照らし合わせれば30人近い重軽傷者を出している事が分かっていたが、学校側の隠蔽により魔法の暴発事故として処理されている。)
「これって、大学側というより、教育者としていいの?」
「良いわけが無いだろう。少し待て。」
忠仁兄さんは学校内にいる誰かを呼び出していた。
「御呼びですか?九條学長」
「呼び出して済まないな藤川君、君に聞きたい事が有って呼び出した。」
藤川依織、第一高校の卒業生で元生徒副会長だったそうだ。
「俺に・・・ですか?まあ、答えられる事であれば。」
「第一高校での学校生活についてだ。生徒会副会長だった君の視点でいい。どう過ごしていた?」
「どうって、割と普通に・・・ですけど。」
「この時期になると異なる光景というのは有ったかな?」
学長の質問に彼は深く黙った。頭を捻りながら考えてから
「特には。」
何も無いと答えた。
「じゃあ、質問を変えよう。君が卒業した時、二科生の卒業生は何人だった?」
そう言われて、ハッと思い出したように彼は言った。
「・・・・・そう言えば、入学した頃に比べてかなり少なくなっていたと記憶しています。確か最後の期末テストで2クラス分の退学者が出たと聞いています。」
「2クラス?・・・・・50人の退学者が出た?」
明らかに普通じゃない状況の筈なのに彼はあっけらかんととしながら言った。
「ええ、というより普通では?」
恐らく彼は第一高校での異常な状況に適応してしまったのだろう。それ故、異常性を理解出来ず、これが普通なのだと理解する事になったのだろう・・・か?
取り敢えず他校の退学者中退者数を残りの8校分手元に出すと、
「この数字は・・・・本当ですか?」
もう、記録にある数字が正しいかどうかも分からなくなっていた。
第一高校の実態を聞いただけでも有り得ない事ばかり、これでは他の高校も改竄されているのではと疑わしく思われる。
「疑わしさもある。何しろ第一高校の退学者数がデータと実際では全く合わないのだからな。」
そう言って省いた第一高校の分を手渡して見せると彼は大粒の汗を出しながら震えていた。
「そんな・・・ありえな・・・い?・・・・・、じゃあ、あいつが退学になったのは・・・・・。」
「二科生で知り合いが居たか?」
「ええ、二科生は図書館以外の施設利用が出来ない上、教員による個別指導が無い。少し前まで二科生も図書館以外の資料施設利用が不可になった上、オンライン授業の参加も禁止になっていた。俺が卒業する前に今の生徒会長が二科生との授業格差を撤廃するように学校側に訴えて、前と同じの個別指導教員の有無だけとなったが・・・・・ああ、あとエンブレムの刺繍か。」
「刺繍?」
「ああ、何でも学校側の制服の発注ミスで一科生の制服にはエンブレムが有って、二科生の制服にはエンブレムが無い制服が渡された事から差別も始まったとされています。」
「その刺繍というより制服の問題は改善されないまま・・・か。」
「ああ、今もそうだと記憶しています。」
「そうなのか?紫音。」
「恐らく、外部で取られた二科生の制服には確かにエンブレムは存在しないようです。」
持ってきていた資料からその外部で取られてネット上に上がっていた学校外で取られた風景を写した写真に写り込んだ二科生と思われる生徒。其処には確かに刺繍の無い制服があった。男子も女子も関係無く。
「・・・・・・・・・長い間放置されていたなら事だな。姉貴にも手を貸してもらうか。」
取り敢えず、この話題は此方でも調べると言ってお開きとなったが、思わぬ事実を知った彼は交友のある二科生だった友人と連絡を取って聞いてみると言っていた。
その後、大学内でこの事はちょっとした話題になった。彼は退学したまだ連絡し合っている友人や卒業して就職した複数のニ科生に連絡を取って情報を集めようとしていたのだった。
私が伝えた問題は家に帰ってからも忠仁兄さんが話題に上げた事で、綾子姉とその旦那さんの信春さんの耳に入った。
「内容が内容だけど、それだけじゃあ動けないのよね。」
「これだけあるってのにか?・・・・・」
「忠仁の言いたい事も分かるよ。だけど、確かに文部省として動くには足りないんだ。状況証拠として生徒達の聞き取り調査も必要だし、何より一科生、二科生両方の証言も必要だ。内部調査はそれからだ。」
「・・・・・・、俺が気付けなかった事だ。」
「忠仁、それはお前の責任じゃない。寧ろ指摘されなければ気付けぬままだった筈だ。」
「直政兄さん・・・だけど、紫音や咲那も深雪ちゃんや達也君だって入学するんだ。もっと早くに気付いて対応していれば・・・・・少しは変わっていた筈だ。」
責任感のある忠仁兄は、起きた事態と今までに凡そ理不尽に退学させられてきた学生の数が異常な数値になっている事に気付いてしまったのだ。それ故に、自分がなんとかしなくてはと動こうとしていた。
「忠仁兄さん、第一高校二科生出身の教師って大学にいるの?」
私は、疑問に思った事を質問した。二科生の卒業率が低い中、教師の道に進み、大学で講師をしている人はいるのか?と。
「ああ、いるな。教授2名と准教授1名、助教授2名、講師5名の10名だな。だが、どうするんだ?」
「見た所、第一高校だけが慢性的な教師不足に陥っているようだし、国立魔法大学を含む大学から一定期間教師を派遣は出来ないのかな?って。」
「無理だな。少なくとも、第一高校側が承認しないだろうな。」
即答した忠仁兄さんに対して奥さんの千勢さんが反論した。
「忠仁、それは間違っているわ。第一高校側の承認なんて、必要ない筈よ。第三者の確認で例え、学校側が必要無いとしても教員を一定期間派遣出来る制度はあるわ。」
「あれっ?そんな制度あったっけ?」
「忠仁、猛省。一昨年施行された法律よ。魔法科高等部、大学も当てはまる要項の筈、忘れた?」
綾子姉が忠仁兄にそう聞き返していた。
そんな法律があるんだって思っていたけど、千勢さん曰く魔法科に関する教員不足解消を目的としたもので、第一高校と同じく第二高校、第三高校も同様に教員不足に陥っていたが、この法律施行後、国立魔法大学の教育科、つまりは教員を目指す大学生たちが教員資格を得た後に魔法科高校で教鞭を振るう機会を得た為、多くの教職員を輩出する結果にも繋がった。第二、第三高校では現在教員不足による魔法実技の個別指導が一科生、二科生の区別なく受ける事が出来る為、多くの優秀な生徒を輩出していた。
「だが、実際に動けない事も事実だ。・・・・・紫音、済まないが実態調査をしてくれないか?」
「私としては構わないと思っていたよ。共和国・・・いや、今は連邦だったね。連邦でも加盟国家内の教育云々に口出しはしない方針では居たけど、社会問題国際問題となっては介入の要があると判断していたから、今回のは渡りに船だと思っていますから・・・。」
「いいの?折角の高校生活なのに・・・。」
「咲那も協力しますよ。この手の事は銀河共和国時代でも多かったですから。」
「元老院議員からの要請を紐解いていくうちに色々内偵とかしていたものね。」
「全くですよ、私たちだから・・・答えてくれたのかもしれませんが。」
「大体、内容を鵜呑みにすると思い込んでいた議員が多すぎたのですよ。市民に分離主義勢力との内通がある、だなんて国内でやればいいのに。大方見せしめのつもりだったのでしょうけど。」
過去に有った事案だ。それは旧共和国時代にいたスカコアンの元老院議員によるものだった。名前は・・・誰だったか忘れたが・・・
「それって、どうなったの?」
「市民への聞き取りをした結果、寧ろ市民の方がその議員派閥による抑圧を受けていて、それに対抗する為の反政府勢力だったというわけ。無論、ジェダイとしても大きな争いに発展する事態は避けたいから、その議員に関する汚職、多くは横領と贈収賄だったけど、政権に属していながら国家予算を使って横流しとかしていたみたいね。彼ら市民はそれらの証拠を元に議員降ろしをしたかったみたいだけど、富裕層に熱狂的な支持があるだけあって、中層、下層の市民の団結でどうにかなる問題じゃなかった。」
「国家予算を横領って・・・そうとうヤバイ事をしているんだな。バレなかったのか?」
信春さんの疑問に私は頷きながら答えた。
「ええ、上手く隠し通した上で消えた予算は下級市民が輸送中の現金輸送車を奪ったとか口実付けて責任を擦り付けていたみたい。」
「典型的な下種でしたので、忠誠派の議員方と連絡を取って事の議題を元老院でしてもらうように頼んだのです。」
「・・・その忠誠派というのは?」
千勢さんが、咲那が発言した単語に疑問を呈して聞いてきた。成る程、此方にはそう言う派閥は無いのかもしれない。
「忠誠派というのは、正確に言えば。忠誠派委員会の事です。これは現職でもあるパルパティーン最高議長が銀河元老院内に設置した組織で、主に分離主義勢力への危機管理、元老院議会並びに議員の腐敗の一掃、当時は銀河共和国でしたので共和国への忠誠の促進などに関わる詰問機関なのです。」
「市民が集めた証拠を彼らに渡し経由する事で問題の議員に対する追及を行わせたとも取れますね。」
「どちらにせよ、当時の私でもあれこれ言うほどの権限は無かった。問題の議員からの要請は問題となっている市民たちの逮捕、しかし、これでもと言う程の証拠の数に加えて分離主義勢力との関与を示唆する通信データまで見つかると事は大きく動き出す結果にもなりました。」
「それで忠誠派か。成る程な。」
忠仁は、紫音の話を聞いて今までの流れから忠誠派委員会が動いたと思った。だが、そんな彼の予想は外れていた。
「いえ、忠誠派委員会は議長と会談し、事の次第を伝えると、私に大権を与えました。」
「えっ?」
忠仁兄さんは予想していたのと違うという反応を見せた。だけど、そう考えるのはおかしくない。何しろ当時、その大権に関してはジェダイ評議会でも争われ、私も詰問を受けたのだから。
「その大権というのが、共和国軍を率いてその国家の一時的な制圧と、汚職事案の改善、該当議員の即時逮捕、証拠を集めた共和国民への恩赦(その国で出されていた罪状の一切を共和国として罪を消滅させるという内容だった)、証拠を集めた共和国民らに対する賞金付与というものでした。」
「「「・・・・・えっ?!」」」
「まあ、そうなりますよね。」
「マスターも何度も聞き直していましたし、マスターレヴィナスやマスターウィンドウを呼び出してどうしたらいいか相談するほどでしたものね。」
「そりゃそうよ。ただの外交官の筈が対処範囲を超えた権限を付与されるなんてそうていもしていないって。その当時だって、マスターも何度も「はぁ!?」ってなってたもの。」
実際、其処までの大権を受ける受けないという話以前にどうしろと?という方が大きかった。数ある調停で今までに無い事態だから猶更だった。
一度惑星から宙域待機していたスタークルーザーに戻り、ペレオン提督に話を伝えると、確認を取ってもらったけど、事実で間違いないと言われ茫然とした。
だけど、ペレオン提督は
「指示していただければ、後は我々にお任せください。」
どんと構えてそう言った彼に、私も乗っかることにした。というかそうするしか無かった。ジェダイ評議会の通達や命令よりも元老院ひいては最高議長からの命令を断れる筈が無かったからだ。
そして丁度その時、大権を得た私のスタークルーザーと支援艦2隻の元に本国からの増援艦隊が合流した。分隊程度の戦力が一気に小艦隊並の戦力となり、命令を待っていた。
「制圧作戦、開始します。民間人への攻撃は禁止事項、但し抵抗する政府軍には容赦するな。問題の議員確保には私も出ます。各隊行動を開始してください。」
私の命令を皮切りにペレオン提督が増援部隊にも指示を通達し、次々に惑星へと降下していき、部隊を展開させていった。
現地政府軍は突然の事態に対応出来ないまま、共和国軍が市街地等に展開して政府施設への進軍を開始。同時に国中の回線を乗っ取って、市民たちに汚職を行う議員らの確保を要請した。序に報奨金も設けると伝えると市民たちは我先と、その議員らに襲い掛かった。
貧困が進んで、富裕層との格差が進んでいた事もあり、議員らは自らを護るためにも軍に出動を要請し、市民への攻撃を行うように指示、しかし主要軍施設は共和国グランドアーミーによって大多数を占拠、確保され守衛程度に残された戦力で議事堂に立て籠もった。が、其処に私たちも合流して封鎖されていた正面ドアをフォースの力で開けて、トルーパー達と共に奥へ進み問題の議員を含む28人の汚職議員を逮捕した。問題行動を起こしたスカコアンの元老院議員があれこれ私を罵っていたけど、私は汚物でも見るかのような視線を一瞬向けた後、彼らによる資金の流れを追い、分離主義勢力に資金提供していたことまでを調べ尽くし、それらの証拠を制圧後にやってきた忠誠派委員会のバーナ議員に渡すと後を任せてコルサントに帰還したのだった。
激しい戦闘という戦闘は私の調停する場所ではあまり起きない。半面、徹底的に事前調査(偵察、隠密等表に出ない方法での調査)をしてから現地捜査に移行するからだ。
嘘を吐いたりしているとその議員のみならず周りを巻き込んで盛大に帰って来ることが多い。その為、日に日に増えていく議員からの調停依頼は何時しか忠誠派からの要望に限定されて行く事になった。それでも数は多い。1日に3~5件。多い日で7件消化する事もあった。掛け持ち調査をしている事が多い上、状況次第では上級偵察部隊を多用して情報収集して一気に対処する。分離主義勢力は、私が来ると察知すると重要施設があるとかじゃない場合は大体逃げた後。しかし、慌てて逃げ出しているから重要書類とか見つけて他の作戦に役立てる事も多かった。カミーノやナブー、オルデラン等への侵攻計画があるというのも、事前に察知する事で共和国軍は軍を緊急配備して対処出来ていた。その機密文書の中には、当時の惑星ライオスに関する内容が書かれており、ライオスで起きている事案を共和国とジェダイ評議会は知る事となるきっかけともなったらしい。
「あれも今となってはいい思い出よね。」
「多忙で倒れた事ですか?」
ジト目で見る咲那にウっとなりながら顔を背けてから・・・
「5徹ぐらい咲那だってしていたでしょうに。目の下に真っ黒な隈を作って・・・・・」
「あれは・・・・・あれは・・・その、色々行き詰って・・・」
徹夜した無理した、の応酬が始まりそうになる前に待ったを掛けたのは綾子姉だった。
「はいはい、流石に学校の事であれこれ調べてとは言わないわ。必要最低限の情報だけでいいからね。間違っても深堀りしないように。」
「いいかい?内部調査と言えど、教員たちに悟られてはいけないよ。まあ、紫音や咲那たちの魔法力に関してCADによる問題で二科生となっているのは・・・・・・どうしようも無いんだよなぁ。」
唸る忠仁兄さんは、今までの経験に無い事態だった事を思い出していた。
紫音や咲那の魔法力で二科生になったのがおかしいと考えた忠仁は、大学の伝手を使って第一高校の試験を再現した。
協力してくれた魔法科高校の卒業生の教授らによる外部による再試験の結果は、CADが上手く反応しないという当初にも見られた状況だった。
CADエンジニアも呼んで行われた解析でもCADに異常は無く、原因が定かでは無かった。
「まさか、CADの安全機能が備わっていたとは・・・初めて気付いたな。」
「いいえ、そもそも、CADに許容魔法力に制限がある事も初めて知る事ですよ。」
数値で分かりやすく示すなら、CADの許容魔法力を100と仮定した時、魔法科高校における一科生、二科生の評価基準に魔法力の有無も密かに含まれていた。そして、その許容魔法力が50以上から一科生になるというもので、それ以下が二科生に分類されるというもの。
更なる身内だけの調査で、深雪が使用した場合のCAD許容魔法力は95となり、達也は25であった。尚、紫音が30、咲那が20であった。この結果が何を意味するのか。
深雪以上の魔法力を有している筈の紫音、咲那が達也より少し上か下という結果に加え、深雪よりも遥かに低い数値というのが、担当したエンジニア達、そしてCAD開発をしていた達也からしても理解出来なかったのだ。達也の所属するFLTと九條家が出資するMNEの両CAD開発グループは、もたらされた情報に対し、幾度も試行錯誤を繰り返し、実験を重ねた。すると、彼らも知らない驚くべき事実が判明した。
彼ら自身も開発中に組み込んでいないあるプログラムがCADに有る事を見つけたのだ。
それも他製品のCADを含めたほぼ全てのCADに搭載されているプログラムだった。詳しく解析すると、それはCADを出荷するに当たって外部導入されていたモノで、使用者の安全を考慮したプログラムでごく普通のものだったのだが、その中にCADの許容魔法力を越える魔法力を検知するとCADの安全装置が働いて使用者保護のプログラムが作動するというものだった。
許容値を越える魔法力、その数値がどれだけであっても実際に使用できる魔法力数値は1/10にまで少なくなることが分かったのだ。つまり、紫音や達也の魔法数値を元の数値に、10倍の数値に直すと紫音が約300、達也が約250、咲那が約200とそれぞれが高い数値を示している事実が浮かび上がった。そう考えると、今までに魔法力が高いのに何故二科生だったのか・・・学校備品では無く個人CADを変えれば一科生並の魔法発動が出来たのでは無いか?更に調査した結果、様々なCADによって、許容値に違いがある事も分かったのだ。汎用型にせよ、特化型にせよ、許容値がそれぞれ異なるから、どの学校でも可笑しな現象が発生していたのだろう。(因みに魔法科高校の備品となっているCADは基本的に許容値が100の値で許容値を弄れば、問題無く扱える事も確認済みである。)
この事実には、達也ですら驚愕した。達也にとっても扱いづらいと思っていたCADが実は安全装置の起動によるものであったと知り、敢てそのプログラムを弄り、安全装置が働かない状況でCADを使ってみるとあら不思議。妹の深雪以上の処理能力、干渉力がある事が発覚し(枷を深雪と母真夜から付けられた状態にも拘らず)、その後のCAD開発において安全装置にかんするプログラムを改めて作成し、ぞれぞれの使用者の魔法力総量とサイオン量に応じて安全装置が発動するように組み替えたものを開発するようになったという。
「ただ、正式に論文として発表するには、達也や紫音たち以外の者で試さなくてはならないな。」
「若しくは、本人不明のままは?」
「それだと問題になる。では一体誰が、という話になりかねない。そして特異な存在にもなりかねん。」
「実験上の産物だとしても、再現に至ってないのが実情だものね。困ったわ。」
様々な問題が浮上する中、私の入学も刻一刻と迫りつつあった。
CADの設定は完全に本作設定です。原作には・・・あるのかな?其処まで読んでない( ;∀;)
学校に関しても有り得なくもないと考えながら盛り込んだ設定です。現状第一高校の教員の多くが一科生至上主義的なものに取り付かれています。
まあそれ以前に、高校教員が大学教授を兼任しながら高校授業をするなんて本来有り得ないわけで、本業が大学教授で片手間に高校のオンライン授業をするなんて生徒への指導など杜撰になるのも当たり前と思うんですよね。まあそれが横行している社会で教員不足だからというのが拍車を掛けているわけですが・・・。