コルサントに来て1年半が経った。
ジェダイナイトへの昇格試験に合格し晴れてジェダイナイトとなった私はマスターレヴィナスと共に各星系を見回っていた。
そして、マスターレヴィナスとの見回りを終えてその惑星での宿泊施設に泊まった次の日、突然、誰かの叫びを聞いた。
胡坐をかいて座っていた私だったが、目の前にマスターが座っていた。
「今のは?」
「・・・・・見えたか。私にも見えたがあれは・・・悲しさと憎しみ、怒りが混ざっていたようだった。」
「私もです。誰かが苦しんでいる。ジェダイの誰かが・・・・」
「シオン。」
「はい。」
「この惑星から出るぞ。恐らくだが、コルサントに戻れば何か分かる筈だ。」
「はい、マスター。」
私はマスターの判断に従った。こればっかりはどうしようも無かった。
苦しむは誰か?・・・・・・マスターは誰なのかを知っているようにも見えた。
けど、私はその誰かが知らない。分からない。
カンサラー級クルーザーの船内で私は、突如襲われた頭痛に身もだえることになった。
「っ、くっ!?・・・っは!・・・はっ、はっ。」
船内の通路で頭を抱えながら崩れた私は、その脳裏に映るビジョンは・・・・・・・
クラスメイトの見知った親しい友人が奴隷落ちしている姿だった。
暫く気を失っていたのか、通路で倒れこんでいた私は居住区のベッドにいた。
起きたか?と心配そうに顔を覗き込んでくるマスターに謝罪した。
けど、マスターは構わない。気にするなと言ってきた。
「・・・・・、先とは違うビジョンが流れてきました。」
「・・・・・・・どんなビジョンだった?」
「・・・・・かつてのあの地球でのクラスメイトで親友だった子が奴隷に堕ちて苦しんでいるのを・・・・・・。」
「・・・・・・・、お前を見つけて3年近く。もし、お前の言うようにそのクラスメイトがこっちに来ているとしたら何人いる?」
マスターは、もしかしたらの話をしてきた。確かにこれはもしものことだ。だが、考えられないことは無い。私がそうなら有り得た可能性もあるのだ。
「学校の一クラスのクラスメイト全員なら・・・・・ざっと30人。・・・・・・・私を含めて30人。」
「・・・・・・その可能性、賭けてみる価値が有りそうだな。奴隷落ちしていたなら、引き取るなり出来る。」
ジェダイは言うほどお金持ちじゃない。寧ろ貧乏な方だ。だけど、公共交通機関等は自由に使えるから、移動にもお金が掛からない。だとしても、もし、その時が来た時に私は払う事が出来ない。その事を伝えようとすると、
「けど、お金は・・・・・。」
「心配するな。それで、何処だ?」
ビジョンで見た砂漠の景色、闘技場のような建物から推測出来る知り得る惑星は・・・・・
「恐らくタトゥイーンです。」
「あそこなら奴隷も何でも揃っているからな。よし、行こう。」
クルーザーは、タトゥイーンのモス・エスパに向かった。
銀河政府は奴隷制度を禁止しているが、この星ではそれを卑劣にも裏取引が日常的に行われている。監視の目が及ばないからこそ、そういうことが出来てしまっているのだ。
そして、そのモス・エスパに着いてマスターと奴隷市場なる場所を見て回った。
そして、見つけた。
彼女は遠目からも分かるほど黒一色のロングヘア。だが、その衣服は奴隷らしいというか、地球なら縄文か弥生時代のような粗末な服装だった。それでいて、隠せ切れていないというより意図的だとしか思えない性器をより見せつけるかのような服装に一瞬怒りそうになったが、マスターがクシャっと頭を撫でた。フードを着けたままだからフード越しだけど。
「マスター、あの子です。」
「ああ。遠くからも分かった。値段は・・・・・あれで・・・・安い。」
本来ならいけないことではあるが、マスターは奴隷を買ったではなく、人助けをしたと言って彼女を連れてきた。
幸い奴隷の烙印が押されたりしておらず、買った際に焼き印を付けようとしていたらしいがマスターが止めさせた。
ほぼ無気力状態の彼女をマスターがローブを着せてクルーザーまで連れてきた。
あちこちが埃と砂と煤に塗れて汚れていたので私が彼女を全力で洗った。無気力で何にも行動を起こそうとしないから私がすることにされるがまま。
身体も髪も綺麗に洗い終えて、タオルで拭いて乾かして、彼女用に私が使っている替えの衣服を着せた。それでも、彼女は首を垂れて動こうとはしなかった。
「大丈夫なのか?」
そう思う程に無気力で、何にも興味を示さない。
「ええ。大丈夫です。・・・・・・咲那?」
彼女は自分の名前を言われてピクンと動いた。
まだ足りないか。
「咲那?私よ、紫音だよ。」
咲那と鼻が付きそうになるくらいに近づいてからそう言うと、咲那の眼に光が宿った。
「しお・・・・・ん?」
掠れた声でそう言った咲那に私は、安心と安堵から咲那に抱き着いた。
「咲那っ!」
目に光が戻った咲那は抱きしめる私に
「あ~、紫音だぁ。・・・・・温かい。」
まるで私の温もりを思い出すかのように私を抱き返していた。彼女の名は立華咲那。
同じクラスメイトで私の親友だった。
私は、嬉し涙を流しながらよかったよかったと咲那を抱きながら言っていた。
その光景をマスターに見られているというのに憚らず。
だが、マスターも感動的な光景に(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪としていた。
そして、私に聞いてきた。今後はどうするのか?と
「咲那にはフォースの素質があるかどうか分からない。けど、離れ離れにだけはしたくない。」
せっかく再会したというのにまた別れ離れになるわけにはいかないという私の意思にマスターは頷きながら言った。
「分かった。取り合えずジェダイとしての素質があるか見極めよう。無かったとしても一緒に居たいのだろう?」
「はい!」
そうは言ったものの、私はまだジェダイナイトになったばかりの新米。
咲那をどうこうしようにもその権限も無いに等しい。
だが、マスターはそんな私の考えもお見通しだったらしい。バラバラになるかもしれないなら面倒を私が見ればいいというマスターの考えで解決してしまったのだから。
しかしながら、咲那は怯えた子猫のように私にくっついて離れない。マスターを見ても直ぐに背に隠れる。
そんな咲那をマスターは笑いながら見ていた。
タトゥイーンを離れてコルサントに向かわず、一先ずオルデランに向かおうとして通信がクルーザーに入った。
相手はマスターヨーダだった。
「レヴィナス、今から指定する惑星に来るのじゃ。」
そういう伝言通信だった。
指定された惑星は、宇宙船の資料にも情報も無い惑星だった。
詳しいことを確認すると、私たちがタトゥイーンに行っている間に、アミダラ議員の暗殺未遂事件が起きたそうだ。その主犯が賞金稼ぎによるもので、犯人捜索で使われた凶器を調査したところその出所がその惑星だったという。
惑星カミーノ、それは地表のすべてが水に覆われ、絶えず嵐の吹き荒れる惑星であった。
そして指定されたティポカ・シティに向かいクルーザーを降りるとヨーダとカミーノアンの首相が待っていた。
「よくお越しになさりまして、さあこちらです。」
「ふむ、シオン。」
やっぱり気付いた。マスターヨーダにも事情を話しておこうかと思い、口を開こうとして、マスターに止められた。
「マスターヨーダ、彼女はタトゥイーンで保護しました。シオンと同じ境遇の者です。」
「ふむ、そうであったか。」
そう言いながら私のところまで歩いてきたマスターヨーダは詩織を眺めながら言った。
「フォースの力を感じるのぉ。イニシエイトにするには歳を行っておる。・・・・・、シオンよ。彼女の師となり、育てよ。ジェダイナイトとして初の仕事じゃ。」
「はっ、しかし私はまだ・・・」
実際、ジェダイとして育てるには経験不足だった。それに、咲那がフォースの霊体が見えるとも限らない。
「前例がなければ作ればいい。・・・お主の言っていたことだったな?」
「( ̄∇ ̄ハッハッハ、そうでもありませんよ。・・・・・・・・彼女のことは私も見ます。助けた身ですから。」
「うむ。ナイトとしては前例が無いまでに若い。が、教えられることもあろう。困ったら年長者の我々に頼れば良い。」
そう言いながら、ヨーダは私の肩に手を置き、咲那に素質はある。と言って降りて行った。
「こっちに来るのじゃ。」
そう言って、マスターヨーダはカミーノアンの此処の首相ラマ・スーと共に歩いていった。
そう言って連れてこられたのは、大量の人が機械から生み出されているような空間、それがクローン軍の製造工場だった。
「これは・・・いったい?」
「10年前に死んだジェダイマスター、サイフォ・ディアスが発注していたそうじゃ。」
「サイフォが!?・・・・信じられん。一体何のために、・・・・・。」
「この惑星の情報も巧妙に消されてあった。恐らくこれを隠す為じゃったのだろうが・・・」
マスターヨーダの言うコレというのは生産されていくクローン兵の事を指していた。
マスターレヴィナスは、手に顎を乗せて少し考えだすと不意に言葉を漏らした。
「あいつと最後に会った時、妙な事を言っていたがこの為だったのか?」
「妙・・・とは?」
「来るべき時に備えが必要だ。と、彼は去り際に私にそれを告げて・・・。」
そう言うマスターにヨーダは深く頷き、成る程といいそのまま黙った。
それにしても、どうして私たちもカミーノに居るのかといえば、ヨーダとしては目的がマスターレヴィナスだけだったとのこと。偶々私たちも一緒に行動していたから此処を一緒に見ることになったということだった。
しかし、それでも大部隊だ。
20万という大戦力のクローントルーパーをどうするというのか?
マスターヨーダは、各部隊をアサルトシップに搭乗するように指示を出し、私たちもまたマスターレヴィナスと共にシップに乗り込んだ。
そのアサルトシップは、非常に大きかった。
マスター達に説明していた乗組員曰く、全長752m、全幅460mという巨大艦だ。
これが5隻もあって、出撃した。
目標は、・・・・・・・・・・・・ジオノーシス
「シオン、どうやらいつの日にお前が言った未来が当たるようじゃ。」
「・・・・・・・・・・。」
「じゃが、未来予知ばかりに頼ってはならんぞ。」
「はい、マスター。」
完全武装を施したアサルトシップ5隻がカミーノからジオノーシスへと向かった。
8万のトルーパー達と共に、先にジオノーシスに向かったジェダイマスターとジェダイナイトの救援の為に。
岩石と砂漠の惑星、ジオノーシス。
この星での戦いを始めとし、これからのクローン戦争に私たちは突入していくのだった。
暑い日が続いてますよね。
暑すぎてバテテ執筆スピードが追い付きません。っていうか、7月でこんなに暑いのでは8月どうなるのでしょうか?
熱中症だけは注意しないと。
追記 咲那の本名追加