剣士の帰還、ジェダイとなって調和を齎さんとす   作:アトコー

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連投です。
ライトセーバー戦で悩みました。
簡易表現みたくなっていますが、他の作品みたくはまだ考えが及ばず・・・。

ただ、実際に学校襲撃の後にコレが起きたならこうなっていてもおかしくないよねって思ったところが少々詰め込みました。マスコミ関係のあれこれとか・・・。




第31星 廃工場襲撃Ⅱ

 

 

 

 

廃工場周囲には警察による規制線が張られていた。

その廃工場からは何度も爆発音が響いており、警察による幾重の規制線の外側にはマスコミが殺到しつつあった。何が起きているのか、どうなっているのか、それを確認すべく潜入を図る報道各社だったが、武装した警察官らが制止を振り切って侵入したマスコミに警告射撃をした事で、マスコミの矛先は警察の方へ向いたのだった。

 

 

 

だが、そんな混乱の中、新たなLAATガンシップが次々に工場周囲に降り立った。それも完全重武装のトルーパー達が、だ。そうなれば当然矛先は警告射撃をした警察よりもトルーパー達の方へ向かうのだが、彼らマスコミ関係者が警察の制止を振り切って動き出そうとした時、突如彼らが居る場所が暗くなった。

空を見上げた関係者の一人が空を指差しながら言った。

 

「おい、なんだあれは!?」

 

指差された先にはAT-TEウォーカーが、LAATキャリーガンシップによって運ばれて来た上、シータ級T-2cシャトルも2機到着していた。

その2機から降り立ったトルーパーは赤いラインの入った特殊作戦部隊のトルーパーだったが、グレネードランチャーやロータリーブラスターといった重火器を持ちながら現地へ足を進めていた。

降り立ったのは特殊作戦部隊だけでなく、基地からは第327機動大隊のトルーパー達に加え、全身を青く塗装されたトルーパーの小隊も武器のチェックを終えるとAT-TEに乗り込んで廃工場へと足を進めていた。

異様な雰囲気が周囲に立ち込める中、マスコミ関係者がトルーパーへ駆け寄ろうとしていた。取材か、どちらにしても警察からすれば面倒極まりない身勝手な行動だった。

だが、青色迷彩のトルーパーの一人がマスコミ関係者が居る方にイオングレネードを投げ、別のトルーパーはイオンランチャーでマスコミ関係者の報道車両を撃っていた。

何れも人体には一切害を及ぼさない為、警察同様威嚇されたと勘違いしたマスコミ関係者が何時もの報道文句をシュプレヒコールのように彼らに浴びせた。

だが無視され、集まった組織犯罪対策部の警察官らに楯を持って囲まれると渋々その場を離れたのだった。

 

AT-TEは廃工場へ入る為のフェンスが邪魔と判断して正門ゲートだけでなく、そうではないところからの侵入を果たした。

 

「将軍の方へ掩護に行く。」

 

「俺達は将軍の方へ、ブルートルーパーズと特殊作戦部隊は通用門へ向かった部隊を援護に回ってくれ。」

 

「了解した。此処に分隊ぐらい残すか?」

 

「いや、その役割は此処の警察に任せよう。構わないか?」

 

増援部隊の指揮として来たシニアコマンダーのメイヴは、現地の指揮を任されている機動隊指揮官に聞いた。

 

「お任せください。」

 

八王子警察署管轄の機動隊隊長は、供与された武器を見せながらそう答えた。

 

「まあ、AT-TEの護衛小隊もいるから大丈夫だろう。」

 

「そうだな、・・・行こうか、仕事に取り掛かろう。」

 

そうして各隊が分かれて侵攻する部隊の援護へ向かっていった。

特殊作戦部隊から1個カンパニー、第327機動大隊から追加の3個小隊、ブルートルーパーズ2個分隊と、要請をしたコマンドーも予期していない追加増援部隊が到着したのだった。

 

 

 

 

 

搬入口から侵攻していたジェダイ将軍の一団は犠牲者を出さずに奥に少しずつ押し込んでいた。というのも、搬入口から先の広いフロアに多数のバトルドロイドが配置されていたが、其処の戦力の大半を撃破するとブランシュの工作員だけが後退し、取り残されたバトルドロイドとの戦闘となったのだが、常に前線に、押せ押せの戦術を使う部隊だが、互いに味方との距離感を掴んでおり、思いもよらない連携で確実に脅威となるドロイドコマンドーやドロイデカ、アサシンドロイド、クラブドロイドを撃破していった。

クラブドロイドの撃破は正面からでは無く、何処かで見たような他のトルーパーがヘイトを買っている間にクラブドロイドの上に乗り、上から撃ち下ろすといった攻撃で撃破していた。そうでなくても、ジェダイ将軍がライトセーバーを投げたりしてアサシンドロイドの足を切り裂いて、動けなくなったところにイオングレネードを投げ込まれて撃破する事もあったが。

 

「地上階しか無いのが救いね。」

 

「ですな。」

 

「だからといって手榴弾ばかすか使う事は無いと思っていましたが・・・」

 

「建物の耐久性が高い・・・改築されているようですね。」

 

「突貫のようにも見えるがな。」

 

「将軍、コマンドーのスティールが要請した増援が到着したようです。何でも通用口の方が苦戦を。」

 

ブレイブの後ろには追加の弾薬を持ってきた増援部隊が来ていた。

 

「メイヴか。増援は助かるがこっちは不要だ。それよりも外周の敵を叩いてくれないか?」

 

「それなら入る前に制圧を。多くがシャープシュータードロイデカでしたが、ジェットパックを装備したジェットトルーパーが制圧を。現在、外側は3個小隊を置いて制圧下にあります。」

 

「そう、ならいい。・・・・・・・・。」

 

「将軍?」

 

無言になった将軍を気遣うようにメイヴは待った。

ジェダイ将軍紫音は、奥に進む度にあるフォースを感じ取っていた。

 

「なんか感じるのよね。」

 

「ということは・・・。」

 

ブレイブも紫音の反応で察した。

 

「ええ、ダークジェダイが居る。」

 

その言葉にトルーパー達が一斉に将軍の方を見てそして顔を見合わせた。

 

「こんなところ?」

 

「一体何故?」

 

「防衛戦以来だぞ・・・。」

 

「また、将軍がぶつかる事に・・・」

 

トルーパー達が口々に言う事に対して紫音は改めて言った。

 

「閉所での戦いだ。だが、その時になったら今度は諸君の集の力を借りるよ。」

 

「任せてください将軍。」

 

「その時に・・・必ず。」

 

紫音の言にトルーパー達は活気づいた。いつもダークジェダイとの戦いの時は、常にトルーパー達の被害が多く、ジェダイ将軍だけでは対処しきれない事もあったからだ。だが、その時々で紫音は部隊の集の力を借りて乗り越えてきた。

そんな連邦軍兵士達を生き残った工作員が居ないか居たら拘束の指示を出して確認していた機動隊隊長は、ジェダイ将軍が言ったその時が何時になるかをこの兵士たちの動きを見て見極めようとしていた。

 

「この隔壁の先に強化プラスチックの大ガラスがあります。」

 

「その先は広間になっているようです。」

 

「よし、奥に進むぞ。」

 

障害となる壁をぶち壊しながら私たちは進んだ。

 

 

一方通用口の方では、新たに来た増援部隊が強力に力を発揮していた。特殊作戦部隊よりもブルートルーパーズは対機械兵器に対する攻撃能力が高く、また激しい銃撃戦の中でもためらわずにその中へ突っ込み、イオングレネードを投げ込んだり、イオンランチャーをタレットや電子機器に撃ち込んで無力化を計っていた。ブルートルーパーズの装甲服は他のトルーパー達の装甲服フェイズⅡクローン・トルーパー・アーマーとは違い、その改良強化型でマンダロリアンが使うアーマースーツに似ていた。特殊な合金によりブラスターによる攻撃を数発弾く装甲により、バトルドロイドのブラスターの銃火を躊躇うことなく飛び込んで戦う事が出来た。(ブルートルーパーズ自体が命知らずで仲間の為なら死ねるという精神を人一倍持ったトルーパーを集めて構成されている。)

その為、ブルートルーパーズを先頭に膠着していた状況は突入部隊の方へ好転していった。

ブルートルーパーズによって粗方のバトルドロイドや機械式銃座が無力化されると後は実弾の銃火だけを気を付ければいいだけだった。

 

「小隊下がれ!機動隊前っ!」

 

機動隊の小隊長の指示で銀河連邦軍の部隊と機動隊が入れ替わって配置すると、後は速かった。

機動隊員が楯に隠れながら応戦していたが、ブラスターによる脅威が無い以上は魔法師も活躍出来たという事だ。十文字が機動隊の最前列に立ち、多重障壁で機動隊員を護ると、機動隊員達は銃撃応戦に動いた。そして、残った工作員の意識が十文字と機動隊に向いた瞬間に桐原が刀に魔法を纏わせて工作員の楯としていた箪笥やテーブルを切り裂いた。そして傍の工作員を斬り伏せると、

 

「桐原っ!」

 

咄嗟に十文字が桐原に障壁を纏わせて至近距離からショットガンを撃った攻撃から防ぐと、桐原も出過ぎたと感じて機動隊の元まで下がった。十文字も機動隊もゆっくり前進していたが、桐原との距離が空き過ぎたと感じた十文字が叫んだ結果だった。

 

「あまり出過ぎるな。」

 

「すいません、会頭。」

 

「お二方伏せて!目と耳に注意!」

 

機動隊員がそう叫んだ瞬間に、数人の機動隊員が閃光手榴弾を投げた。

遮蔽物が無くなり、逃げ出そうとしていた工作員達の目の前に降って来たソレを見た彼らは瞬間的に足を止めてしまった。

 

その瞬間、炸裂した閃光手榴弾を見てしまった工作員達は、閃光と大音量に崩れ落ちて行った。

 

「今だ!突撃ぃ!」

 

「一気に突撃、検挙せよ!」

 

無力化した工作員らを取り押さえに掛かり、果敢に抵抗しようとした工作員は桐原によって先に斬り伏せられていた。

 

 

 

 

その頃、達也が一足先に司一を追っていき、司一が逃げ込んだ部屋に直ぐには入らず中に居る人数を魔法で探知していた。

 

「(中のテロリスト(工作員)は11人、残党はこれで全部・・・か?)」

 

搬入口から向かって来ている方を確認すると、テロリストらしき反応はほぼ無く、通用口の方も殆どが地面に押さえ付けられている反応があった。

 

「なら、これだけだな。」

 

其処に達也を追ってスティールとハレルが、次いでSATチームも到着した。

 

「中には何人いる?」

 

「11人です。サブマシンガンで待ち伏せかと、ですので・・・。」

 

達也は壁越しに部屋の中にいるテロリストの武器を分解魔法で無力化すると、SATチームの隊員が閃光手榴弾を投げ込み、炸裂と同時に突入した。

 

「GO、GO!」

 

SATチームによって部屋の中に居たテロリスト全員が制圧され、逃げようと動いたテロリストは射殺されるか、達也の魔法によって肩や太腿を撃ち抜かれた。残すは司一ただ一人となった時、左側の壁から刀が飛び出し、壁を意図も容易く切り裂かれた。

 

「よぉ、司波兄。こいつらをやったのは・・・お前たちか?」

 

出て来たのは桐原で、その後に続いて機動隊と銀河連邦軍の部隊もぞろぞろと出てきていた。達也は静かに頷いた。

 

「流石だな、そんで・・・こいつは?」

 

桐原が剣先を向けられた男は酷く怯えていた。

 

「それがブランシュのリーダー、司一です。」

 

桐原先輩の問いに達也は淡々と答えた。だが、達也はまだ警戒を崩していなかった。先ほどまで探知出来なかったもう一人が何処かに居る事に。

 

「こいつが・・・・こいつかぁっ!!」

 

激高した桐原は司一の腕を斬り下ろそうとして、其処で刀が止まっていた。

だが、同時に今まで姿を現さなかった第三者の存在に桐原以外の全員が気付いた。

桐原は、どうしてその先に動かないんだと力を籠めていたが、動く筈も無かった。

黒いローブで身を隠した男の登場で、銀河連邦軍の部隊は直ぐに取り囲むように動いた。

そして、瞬間的に男が赤いライトセーバーを取り、桐原に斬りかかろうとしたところをブルートルーパーズの一人が桐原にタックルして防ぎ、代わりに彼が赤いライトセーバーを受けてしまった。

 

「なっ・・・・なぁっ!?」

 

桐原はタックルされた事への怒りが湧いたが、目の前の光景に愕然とした。

それは、庇ったとされるトルーパーの胴体が斜めに真っ二つにされ、崩れ落ちる瞬間だったからだ。

 

「殺し損ねたか。だが、次は無い。」

 

「桐原ぁ!避けろっ!」

 

十文字の叫び声と同時に通用口から来た機動隊員数名が男に銃撃を浴びせた。

しかし、男に当たるどころか、部屋の階段上の誰も居ないところに軽やかにジャンプして避けられたのだった。

 

「馬鹿なっ!」

 

「機動隊は下がれ!SATもだ!十文字は桐原を引っ張ってでも下がれ!こいつは・・・俺達がやる。」

 

特殊作戦部隊のトルーパー達も選抜部隊のトルーパー達もそして今しがた仲間を殺されたブルートルーパーズのトルーパー達も銃口を一人のシスナイトに向けられていた。

 

「スティール、何をしている?」

 

クローンコマンドーのハレルも男にクローンコマンドー御用達のDC-17M連射ブラスターの銃口を向けていたのだが、スティールだけが向けずにいたからだった。

 

「忘れたか?我らの将軍を。」

 

そう、スティールが発言した瞬間、男の後ろの壁が粉砕されて、何かが男にぶつかった。

男は溜まらずその場を離れたが、粉砕され大穴の空いた其処から粉塵に紛れて黄色い棒状の光を見つけていた。

 

「やはり、やはり居たか。ジェダイ。」

 

その男は、その灯りを見て不敵に笑った。

 

「トルーパーは下がれ、私の合図を待て。」

 

「「「サーイエッサー!!」」」

 

そうして現れたジェダイ将軍に、男は自前のライトセーバーで斬りかかった。其処から始まったのはジェダイとシスとの剣戟だった。

幾度も競り合いをしていたが、黒ローブを脱いだ表情が分かる男と違ってジェダイ将軍の方は全く分からなかった。それ故、外野は押されているのかすら分からなかったが、

 

「会頭、これあのジェダイが勝ちますね。」

 

「何故そう言える?」

 

「見てください、ずっと片手でいなしています。男の方は両手を使っているのに。」

 

そう、ジェダイ将軍の方はずっと競り合いを起こしても短時間で直ぐに受け流して切り返しをしていた。それに対してシスナイトの男は怒りと憎しみ任せにジェダイに襲い掛かっていた。そしてジェダイ将軍はそれをずっと受け流し続けていたのだ。

 

「本気で来い貴様!ジェダイの癖にっ!」

 

そう叫んだ男に対してジェダイ将軍は態勢を整えつつも言った。

 

「・・・・・貴方弱すぎる。」

 

「・・・!?なっ、何を!」

 

「シスの戦士と思って立ち向かったけど、ヴェントレスよりもモールよりもオプレスよりも、ドゥークーよりも、今まで立ち合ってきた彼らの方がはるかに強かった。そして脅威だった。けど、貴方は違う。」

 

「ふん、強がっているつもりか?俺を倒せないからそんな事を言っているのだろう?」

 

そう言いだした彼の後ろから更に2人の男が現れた。

 

「時間掛かり過ぎだ。何を遊んでいる。」

 

「ジェダイ一人如きに、手間取っているつもりか?」

 

「シスナイトが新たに2人。」

 

「これは・・・マズいぞ。」

 

新たに現れたシスナイトにジェダイ将軍の動揺は無かった。

寧ろ、近づいていたのはフォースで感じ取っていたからだ。

 

「3対1だな。・・・八つ裂きにするか?」

 

「女のようだし、久々に嬲りてぇな。」

 

「それはいい。この場の奴を皆殺しにして嬲るとしようか。」

 

既に勝った気でいる彼らだが、それは気が早いというものだった。

 

「・・・・・・・・・・・・・、咲那が呼んでくれたようですけど、貴方が来る程でしたか?」

 

そんな3人に私は自身の後ろから、トルーパーをかき分けて現れたその人に聞いた。

 

「たった一人だけなら、来るつもりも無かった。」

 

そう言いながら彼はダブルブレード・ライトセーバーを取り出して白い光を出した。

彼はかつてはシス卿として赤いライトセーバーを使っていたが、あの日以来、使っていたライトセーバーのカイバークリスタルを浄化して白い光を出すライトセーバーへ変貌させて使っていた。

 

「貴方が味方だとこれ以上に無く頼もしいですよ。」

 

「俺もそう思う。敵であればこれ以上に無く厄介な軍団を率いるジェダイだった。だが今、味方となって肩を並べて戦うとなると、これほどまでに頼もしいのだな。片付けるとするか。」

 

「ええ、尤も早くに終わりそうですが。」

 

そう言って、ジェダイ将軍の戦列に加わったのはジェダイ・ガードの長であるモールだった。敵であればこれ以上に無い好敵手。しかし、ジェダイオーダーに加入し、マスターケノービの師事に入ってからは今まで相対してきた彼とは異なった。

そもそも加入時から彼はあの頃の禍々しさが取れていた上、ダブルブレード・ライトセーバー使いとして高い戦闘技術はオビワンやアナキンの他、ヨーダやメイスが一目置く程。それ故、ジェダイナイトとなってから密かにテンプルガード達からは人気を集めていた。またドローリグとも引き分けてからグレイ・ジェダイに分類される為、ダークサイドの側面も知る稀有なジェダイとして師事されたいと求める他のナイトから逃げる彼を聖堂で見かける程、彼は変わっていた。

 

 

3対2の構図だが、今までの戦いが遊戯だったのように勝負は一瞬で決まった。

 

 

3人とも、ジェダイと戦った事が無かった事が今回の敗因だった。

ダークフォースを強め、己の力を過信していた3人は敵に対する怒り、憎しみ、恨みをフォースに込めて2人に挑んだ。

だが、モールは言わずがな、紫音はジェダイとしての戦歴は元よりダーク・ジェダイとの戦い慣れをしていた。それは3人と比べて紫音の方が多くのそういう経験を積んできたという事。そして、何人ものダーク・ジェダイを屠る過程で戦い方がある一定の法則がある事も紫音は見抜いていた。また、真ん中の男だけが魔法を使って炎を生み出していたが、紫音は魔法を使う事とフォースを使う事の使い分けの難しさを非常に分かっていた。それ故、紫音の最初のターゲットは真ん中の男に決まっていたが、3人は紫音に対して三位一体の集中狙いでライトセーバーを左右上から攻撃しに行ったが、紫音が前へ踏み進んで真ん中の男の首を狙って腕ごと撥ね飛ばし、右から薙ぎ払われる赤いライトセーバーを跳ね返して持ち腕を撥ねたのだ。

 

もう一人は、紫音に意識が集中し紫音へ左から薙ぎ払おうとして、モールの事を意識外に置いてしまった事が敗因であった。尤も、紫音へ向けられた攻撃は紫音が右へ身体をずらした為、空を切っただけでモールに気付いた時には胴が二つに分かれた自分を眺めながら地面に叩き付けられたのだった。

 

「ばっ、馬鹿なっ!!・・・・・・どうしてだ!」

 

「こ、この、この俺が・・・・ま、まけた・・・だと?」

 

「そりゃそうでしょ。貴方達、全然強くないのだから。」

 

「まだパダワンとなった者達の方が、やりがいがあるな。これでは・・・・弱すぎる。本当に誰が師事しているのだ?」

 

「そんな馬鹿な・・・暗黒面の力だぞ!たかがジェダイ如きに・・・」

 

「ダークサイドの力を理解していなさすぎだ。表面すら掠っていない。ただ怒ればいいという浅はかなモノでは無い。」

 

元ダーク・ジェダイだったモールの言い分だからこそ、その言葉は重い。

しかし、喚き散らすだけの彼らはその事を理解すらしようとしていなかった。

紫音は呆れながらライトセーバーを腰に仕舞い、周囲のトルーパーへ合図を出した。

モールもまた、最早手を下す価値も無いと考え彼らが使っていた2本のライトセーバーを引き寄せて回収すると、見向きもせずにフードを被った。(一本はモールが斬り飛ばした時にセーバーごと斬って真っ二つになっていた。)

 

「先に帰るぞ。」

 

「ええ、わざわざ来てもらったのに、こんな相手とは。」

 

「フォースの力は強かった、それ故俺も錯覚したまでだ。あくまでフォースは、だがな。」

 

そういってトルーパー達の間をすり抜けると空いた穴は直ぐにトルーパー達によって塞がれた。

 

「な、なんだ?降伏すると言うとでも思ったか?」

 

挑発的に話す男に対して私はコマンダーを呼んだ。

 

「ブレイブ。」

 

「はい、将軍。」

 

「後を任した。」

 

「お任せを、攻撃始め!」

 

武器を失い、攻撃手段を失った彼らをジェダイは攻撃出来ない。例えそれがシス卿であったとしても。

なら、ジェダイが攻撃しなければいい。

周囲に集まった第327機動大隊と特殊作戦部隊のトルーパー達による一斉掃射。

それは動けない、2人に対するものだった。

ほぼ全方位からブラスターを放たれる中、片腕だけ失った男は抵抗の意思を見せんと、奪われたライトセーバーを取り返そうとした。

だが、全方位から放たれるブラスターを避けきることは出来ず、蜂の巣にされるように撃ち抜かれた。

 

「撃ち方止め!」

 

コマンダーブレイブは、攻撃を止めさせると傍のトルーパーに確認をさせた。

 

「慎重に行け。」

 

警戒しながらも確認に出たトルーパー以外に万が一カバー出来るように前進するトルーパーも居た。

 

「・・・・・・・・・・、っ!?離れて!!」

 

身体を真っ二つにされた方の男は、もう長くないと思っていたが、隠していたライトセーバーを手に紫音に襲い掛かった。

 

「将軍!!」

 

紫音は咄嗟に右手でフォースの秘技、ツタミニスで男が突き出したライトセーバーを受け止めた。

 

「馬鹿なっ!?」

 

ツタミニスはフォースを使って周囲のエネルギーを吸収しそのエネルギーを己のフォースと重ねる事でブラスターやライトセーバーを受け止め又は更に吸収する事が出来る失われたフォースの秘技。マスターヨーダやマスターレヴィナスのようなフォースの達人級でなければ習得は難しいとされてきた。今では、そのマスターレヴィナスから複数の失われた秘技を教えてもらうなど、使い手は増えている。

 

「ライトセーバーを受け止めれるわけが・・・一体何をしたっ!?」

 

「シスの貴方が知る必要は無い。」

 

咄嗟の動きに反応出来なかったトルーパー達だが、再起したスティールが最初に動いた。

彼はすぐさまDC-17M連射ブラスターを身体が半分になって尚動く彼の頭に発砲した。

加えて、SATチームの隊員のジェダイ将軍を援護すべく持っていたショットガンにスラグ弾を装填し、ライトセーバーを突き出している手を狙って放たれた。

 

「ぐぎゃっ!」

 

スティールの攻撃はヘルメットか何かを被っていた為ブラスターが弾かれたが、スラグ弾は吸い込まれるように手の甲を直撃し手首から先を吹き飛ばした。手から弾かれたライトセーバーは十文字の方へと転がり、十文字はそのライトセーバーを手に取り仕舞った。

 

「さて。銀河連邦としては残ったシスの関係者は処刑したいところだが、警察は如何だ?」

 

「我々としては首謀者である司一の身柄があればそれだけで結構です。」

 

「ちょっと待て。そいつはこっちのものじゃねぇのか?」

 

口を挟んだのは桐原だった。

 

「私怨で求めているなら、理由には浅い。」

 

「いや、その身柄は十文字で預かる。そちらの男もだ。」

 

十文字は、司一のみならず処刑しようとしている男らの身柄も求めて来た。

だが、そんな発言を無視するようにサイクラーライフルを持ったトルーパーが半身になった男の頭部に撃った。

 

「!?何をする!」

 

「お前らがこいつらを求める理由は知らんが、止めて置け。手に負えない奴らだ。碌な結果にならない上、余計な仕事を増やそうとするな。」

 

紫音はサイクラーライフルを持ったトルーパーの階級章を見て言った。

 

「もう一人も頼むサージェント。」

 

「はい将軍。」

 

ブラスターを全身に受けた筈の男は這ってこの場を離脱しようとしていた。

当然許す筈も無く、別のトルーパーにブラスターで撃ち抜かれても尚、その男は生存していた。そしてその男は残った右手を伸ばしてフォース・チョークをトルーパーではなく、その先にいる青年に行おうとした。

 

「!?トルーパーッ、撃て!」

 

それに気付いた紫音が咄嗟に声を上げたが、それよりも先に別のところから銃弾が放たれた。

 

「うちの甥っ子に何をする気ぃ?」

 

SATチームの隊長が放った数発の弾丸が、男の手と頭を貫いた。

そして、同時に呼応して周囲のトルーパーが今度は効くと思いながら射撃を開始し、SATチームの隊員等も参加して実弾と光学弾の集中砲火を受けた男は漸く息の根を止められたのだった。

 

「シスの秘術ね。」

 

「この手の類は厄介過ぎます。」

 

「処刑するかを求めずにさっさとすべきだったわね。」

 

「ブラスターを全身に浴びて尚、生存していたなんて。」

 

「・・・・・・・・・・。」

 

紫音は、十文字が懐のポケットに仕舞っていたライトセーバーをフォースで引き寄せた。

 

「何っ!?」

 

「これは貴方達には過ぎたるモノ。況してや、銀河連邦とその周辺に関わるモノの持ち出しは一切禁止している。それを忘れないように。」

 

「ま、待てっ!話を一方的に終わらすな!」

 

十文字の叫びを背中に受けながら、ジェダイ将軍は供のトルーパー達を引き連れて去っていった。その際、魔法を使おうとした十文字だがスティールやブルートルーパーズに銃口を向けられた他、機動隊員から肩を叩かれ、

 

「止めて置け。こっちはこっちで話す事があるからな。」

 

と、十文字に対して警察が質問に移った。

十文字からすれば、まだ十師族の警察特権でなんとか出来ると思い込んでいたようだが、それは関与した警察が普通ならばの話であって、第4機動隊とSATという所属の特殊性から、十文字一行が行った行為を無罪とするかどうかが問題となった。

 

罪状だけでも、住居侵入、器物損壊、建造物等損壊、傷害、殺人未遂等に該当したからだった。

だが、結果的には不問とした。不問とするに当たって、十文字が要求した司一の身柄を諦めさせた。執拗に求めていたが、私怨で負傷させられる可能性が高かった事と、ブランシュのリーダーである事が警察として現行犯逮捕したい理由だった。

そもそも、ブランシュが今回行った行為に当たる罪状は、死刑まで行くことが出来るだけの罪を重ねていた。

今まで副総監の内通によって不起訴処分となっていた訳だが、今回の第一高校襲撃を機とした過去の事件・事故に対しての再捜査を行う運びとなった結果、十文字には身柄を諦める代わりに報復に似た今回の全ての行為を不問とするというのが、後日八王子警察署署長より伝えられたのだった。

尚、ブランシュ並びに下部組織エガリテが犯した罪状は以下の通り。

 

・殺人予備、傷害、凶器準備集結(エガリテによる第一高校生徒への扇動を含む)

・危険運転(第一高校正面門物理突破)

・住居侵入(第一高校内へ犯罪目的の侵入)

・現住建造物放火(第一高校各建物への放火)

・激発物破裂(第一高校実技棟、実験棟への焼夷弾使用)

・電子計算機損壊等業務妨害(図書館内機密データへのハッキング)

・強盗未遂(図書館内文書無断転送未遂)

・器物破損(第一高校各施設の出入口破壊等)

・建造物損壊致傷(第一高校各施設外壁、窓による教職員への傷害)

・拳銃等・加重・猟銃を含む銃刀法違反(ブラスターやバトルドロイドを含む)

 

等が上げられている。

そして、それらの罪に対しブランシュリーダー司一の逮捕は、バックに控える政治団体や非営利団体、法人等へのガサ入れをする為の強力な一手になると捜査当局は確信していた。

 

その後、射殺されたシスの戦士の身元を調べた警察だったが、2人の身元がデータベース上に存在しなかった。1人は元国防陸軍の魔法師で元曹長だった事が発覚、半年前から行方が分からなくなっていたという。

 

そして残り2人は・・・・

 

 

 

 

「サージェント、さっきのは速過ぎよ。」

 

「しかし、隙を突かれたのも事実です。将軍、貴方は少々敵に甘すぎる。」

 

「そう?」

 

「クリット、俺はそうは思わん。ただ、今回は政治的事情を顧みてこの国の捜査機関に確認を取る必要があった。その隙を突かれたという話だと思うぞ。」

 

「しかし、コマンダー。似たような事例が無かったとも言わせませんぞ。」

 

ブルートルーパーズのサージェントクリットの言い分も理解出来た。そして、その似た事例は無い事は無かった。

 

「とはいえ、ジェダイ規則はこういう時に邪魔になるのも事実だ。」

 

ハレルが言ったジェダイ規則は、ジェダイは非武装の相手を殺してはならないというもの。

だが、彼も言ったようにこの規則は対ダーク・ジェダイには通用しないとは思っている。それでも順守しなくてはならないのは、理由があった。

 

「あれこれ規則を破っている以上、最低限の規則は守らないといけないのよ。」

 

「全く、難儀しますな。」

 

「それはそうと、良いのですか?あの3人の処分をしなくて?」

 

キャプテンシングの問いに紫音は頷いた。

 

「ええ、2人の身元は分かったから。」

 

その2人も、かつては同じクラスメイトだった。上田登志雄と転校生だった李陳は、2人ともかつての面影も無く、完全にダークサイドに堕ちた者となっていた。李陳に関して言えば、モールと似て顔に赤と黒の刺青があった為、直ぐに彼とは分からなかった。

メモの為の手帳を取り出して、書き出してあった名前に斜線を引いた。

 

「後、7人。」

 

13人がシスに堕ち、クローン戦争中に3人、沖縄防衛戦で1人、此処で2人を葬った。

評議会にも報告しなくてはと思いながら外に出ると荒れ果てた駐車場が其処には有った。

 

「何があった!?」

 

スティールが傍の壁に項垂れるトルーパーに声を掛けると、そのトルーパーが教えてくれた。

それは、まだ探索していない格納庫を調べる為に1個分隊が入った後、強烈な爆発音と共に吹き飛ばされた分隊員と入口が破壊された格納庫から恐るべきものが出て来たという。

 

「それはなんだ?」

 

「AATタンクです。それも装甲の厚い奴が・・・」

 

「そいつは何処に行った?」

 

「それは、大丈夫です。」

 

彼に聞こうとした時、クローン・メディックが負傷した彼の手当てにやって来ていた。

 

「将軍、中は終わりましたか?」

 

「ああ、終わったが、此方は?」

 

「タイミング良くモール将軍が来たことで、出現したAATバトルタンクと交戦していたAT-TEウォーカーは中破止まりで、AATバトルタンクはモール将軍の手で。」

 

「正確には、モール将軍がタンク外側のシールド発生器を破壊した事で漸く攻撃が通って破壊出来ました。・・・運ぶぞ。1,2,3!」

 

負傷していたトルーパーは、メディックたちによって担架に乗せられて運ばれていった。

問題のタンクは2台登場したが為に、1台しか配置されていなかったAT-TEウォーカーもマス=ドライバー砲と機首の小型レーザー砲で交互に応戦するも、攻撃が通らず、またロケットランチャーによる攻撃にも無傷であった。レイシールドを備えたタンクとなれば、第二次ジオノーシスの戦いを経験していたトルーパー達は、そのレイシールドの発生器を最初に探していた。だが、AATバトルタンク2台と共に現れたB2スーパーバトルドロイド1個中隊の存在が探索を妨害し、施設外に展開した部隊の被害を拡大させていた。

AT-TEウォーカーは、この時既にコックピットと両前足を撃ち抜かれ、前かがみに崩れ落ち、マス=ドライバー砲による砲撃のみが対抗手段だった。

 

危機的状況に、中で一仕事を終えたモールが外の状況を察して強化AATバトルタンクのシールド発生器を突き止め、阻害するB2スーパーバトルドロイドを薙ぎ払いながら、その発生装置を破壊し、オマケと言わんばかりに動力部を切り裂いた。

 

その結果、シールドを失ったAATバトルタンクは普通のと変わらない装甲でしか無くなった為、トルーパーのDC-15S、DC-15LE、Z6、ロケットランチャー、マス=ドライバー砲の集中砲火を受けて敢え無く撃破された。

紫音達が出て来たのは、丁度撃破され、生存者や負傷者対応の最中だったというわけだった。

 

「モール。」

 

「九條か。よもや、敵も改良型を出してようだ。」

 

「ええ、話は聞きました。スーパータンクのようなバトルタンクが出て来たと。」

 

「今後出て来ると思うか?」

 

「分かりません、しかし、スーパータンクの技術が流用されているなら・・・。」

 

「応用が利く・・・か。」

 

「はい。」

 

「AT-TEを含むウォーカーにも同様の事が出来るのではないか?見るに、急造のようにも思えるが、こっちは大企業がバックだ。」

 

「ロザナ社へ、働きかけが必要ですか・・・。分かりました、私の方からコンタクトを取ってみます。」

 

「ああ、そうした方がいい。しかし・・・」

 

「どうかしましたか?」

 

モールは、撃破されたAATバトルタンクを眺めながら深く考えていた。

 

「杞憂かもしれん。一応レヴィナスにも報告しておく。」

 

モールはダークサイドに近い位置にあるジェダイだった。それ故、ダークフォースに対して非常に敏感だった。その目的もあって、今回の騒動に派遣されていたとは紫音は露と知らず。

しかして、第一高校の二科生生徒を発端とした一連の騒動は、ブランシュ壊滅を以って終結となった。

 

 

 

尚、一連の騒動にマスコミが非常に反応したが、廃工場へ向かった多くの報道陣は、イオングレネード等によって持ってきた機器や車両がEMP攻撃を受け、使い物にならなくなった上、移動手段、通信手段を失った。更に、警察によって騒動が起きている廃工場から500m以上離されたところまで退避を余儀なくされ、銀河連邦の関与を示唆する写真等のデータを保持する事も出来ず、帰らざるを得なかった。意地でも残り続けたマスコミ関係者も居たが、機動隊によって強制排除され、それに対する抗議を行うも見向きもされず、集まった30人近い報道陣をブランシュ制圧に対する左翼デモと判断した警察による催涙ガスによって鎮圧された。その騒動ではマスコミ関係者から8名の逮捕者を出している。

 

 

 




いつかライトサイドの帰還したモールがオビワンと肩を並べて戦う描写を掻きたいものです。
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