剣士の帰還、ジェダイとなって調和を齎さんとす   作:アトコー

40 / 46


大分間が空きまして、気が付いたら8月が終わりそうでしたね。

また熱中症になって倒れた作者です。

仕事柄やむを得ないのでしょうけど、まさか此処までとはと睡眠の大切さを改めて理解しました。


九校戦編
第33星 九校戦前準備期間1


 

 

 

 

 

2095年 7月中旬

 

第一高校での多くの騒動があったが、学生たちには其処まで大きな影響はなかった。精々一科生への意識改革があったぐらいで、しかも文科省所属の教員による授業が二科生に優先的に行われるという事実に反発が起きたが、今まで二科生が感じていた劣等感を一科生も感じてもらう必要があるという判断により短いながらも1か月、二科生を優先して第一高校の教員では無く、文科省特別派遣教員等による授業を受けた結果、7月上旬の1学期試験では、二科生徒のほぼ全員が筆記試験で一科生徒に食い込む高得点を叩き出し、加えて実技でも少なくない二科生徒が上位100位以内に入り込む事態を見せた。

先の騒動で、自主退学した生徒を除き多くの2年、3年の二科生徒が前年度学期試験の結果を大きく変える程の試験結果を叩き出した事実は学校教職員を驚かせるだけでなく、見落としていた『可能性』が二科生の中にも多く埋まっている事を示した。

 

尤も、筆記試験では1位3位5位に二科生が食い込んだ事を理由とした騒動に発展し、どういうわけか学校教職員が転校を薦めるという事態に発展、

 

自分たちでは教える事が無いからと他校に薦めるとは何事かと魔法大学の学長が怒りながらも事態鎮圧を図ったという一幕があった。

 

 

 

「筆記試験ぐらいでそんなに騒がなくてもね。」

 

「お兄様の事だから普通って思っていましたけど、外だと普通という考えは誤りでしたね。」

 

「筆記は手を抜くべきだったか?」

 

「それはそれで問題。実技は仕方ないとしても達也の頭脳を知っている身からしたら手を抜いていたら家族会議が開催されていたところだよ。」

 

「でも、実技も手を抜いたわけじゃないのだろ?」

 

「ああ。詰問を受けて再試験もしたが結果は試験結果と同じで疑いは晴れたってわけだ。」

 

「最低ね、理解出来ないからって真っ先に疑うなんて。」

 

「それだけ達也さんの成績が衝撃的だったって事じゃ無いですか?」

 

「寧ろ今まで起きなかった事だからこそ・・・だろうね。」

 

「ところで、・・・・・咲那は何時までそうしているつもり?」

 

「むふふ・・・何時までも?」

 

「家だけにしなさい。全く。」

 

入学して早々の騒動で構っていられなかった事もあって、病み気味の咲那に付き合って買い物に行ったり添い寝したりしているのだが、咲那の好意は増すばかり。暗黒面に落ちているような節も無いのに、どうしてか愛が重い。今も手を繋ぐどころか腕に絡みついて抱き着いている。おかげで深雪が不機嫌なのだ。

 

「むぅ~。」

 

ムスッとしている深雪に達也が苦言を呈すが逆効果となった。

 

「深雪も機嫌直せ。そのままだと、構わなくなるかもしれないぞ。」

 

「そんなの、猶更嫌です!」

 

そう言いながら反対の腕に抱き着くのを見て私は思った。

 

「達也・・・。」

 

「すまない、言葉をミスった。」

 

「まったく。2人ともいい加減にしなさい。」

 

スルッと腕を抜いて2人の頭にチョップを振り下ろした。

 

「「あゥッ!?」」

 

 

困った妹達だと思いながらもそのまま帰路に着いた。

 

 

 

尤も、家では家で・・・

 

 

 

「お姉さま~。」

 

「マスター~。」

 

ネグリジェに着替えた雛鳥がソファーに座っている私の作業を邪魔してくる。

ロザナ社製の機器にこの星のシステムを加えた特別製のタブレットでしている事は、私の懐口座の溜りに溜まった資金の使い道だった。

何をどう使うかでもあったが、入学前に祝い金だとか更に増え、今では32億8千万クレジット。おかしい、8億程度だった筈なのに、物凄い増えている。

 

「マスター何見ているの?・・・・・口座?」

 

「また増やされた。どうしよ、コレ。」

 

「0がいっぱいありますね・・・!?」

 

「ヴィクトリー級スターデストロイヤーを数隻買えるだけの額だったのに、数隻どころか10隻は買えるのだけど・・・。アナキンとパドメさんの御祝儀とか祝いの品とか送ったりしたのに、まだあるどころか入学祝いで桁が可笑しな方向にいっているし・・・。」

 

軍用品の私的流用はジェダイの道に反するから基本的に宇宙船はコルベットクラス以下、つまりシャトルレベルの小型艦しか買う事が出来ない。それでも、そもそもジェダイが宇宙船を私用すること自体無い事だから異例なのだが・・・。

 

「武装艦でなければいいのでは?」

 

「うーん。」

 

武装艦にしないにしてもどうしようかと、思いながらふとTVに目を向けると報道番組で、海外で起きた地震のニュースを特集していた。

 

「ねえ咲那。コルサントを含め、地震とかの自然災害って中々体験した事ってなかったよね?」

 

「ゲリラ雷雨ぐらいでは?」

 

「でも、洪水とか火災とか大体は人為的且つ兵器類で起きた奴だから災害の一括りにしにくいし。」

 

実際、自然災害の猛威というべき惑星はカミーノとムスタファーぐらいで人があれらの環境で生きていくには厳しすぎた。

 

カミーノはある意味で言えば、温暖化が進んだ地球の未来。内陸部の氷棚を溶かし尽くし惑星規模の温暖化の果てに海洋が全ての大陸を飲み込んだ。その為、今あるティポカ・シティもかつては大陸にあった都市を移転して出来たメトロポリスだった。

そして、ティポカ・シティ以外に存在するメトロポリスはティミラ・シティとディレム・シティ、ティプル・シティ、ディゴム・シティの四都市だけで、何れも風と波に耐えられるように巨大な支柱によって支えられた密閉型メトロポリスで、水害に対し尤も発展した超近代都市だった。

 

ムスタファーは言うまでも無く、カミーノとは正反対の惑星環境となっていた。

カミーノを覆う海洋に対し、ムスタファーはマグマ・・・溶岩が惑星を覆っていた。そして点在する活火山は活発に活動しており、その上激しい地殻変動により天然の妨害フィールドが形成されている惑星なのだ。溶岩流から得られる貴重な鉱物とエネルギー資源はかつて分離主義勢力のドロイド製造に必要な資源を生み出す工場として使われていたが、今は天然鉱石や鉱物等エネルギー資源が銀河連邦の傘下企業に吸収され有効的に産出され続けているという。

 

「確かに、地球という惑星に環境が似ているオルデランやナブー、オンダロン、カリダ、キャッシーク等は、この地球のような自然災害が起こりにくいものね。」

 

「咲那、正確には都市部や地方で起きていないだけで、人の手が入り込んでいない奥地では竜巻や土砂崩れぐらいは起きているそうよ。雪の惑星ぐらいまで行けばクレバスや雪崩もあるそうだけど、何れも普通は体験しないものよ。」

 

「ええ、・・・・・それが何か?」

 

「銀河の技術力を結集した非武装艦が1隻ぐらい有ってもいいよね。」

 

私はクワッド・ドライブ・ヤード社とロザナ・ヘヴィ・エンジニアリング社、インダストリアル・オートマトン社、チューワブ総合製薬会社等に発注書をそれぞれ送り、掛かる費用である概算を計算して即金で依頼した。

 

この発注が、クワッド社、ロザナ社、インダストリアル社、チューワブ社等による合同開発グループ結成になるなどこの時は思いもしていなかったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

コルサント ロザナ社 

 

「本部長、新たな発注書が届きました。」

 

「そうか、内容は?」

 

「それが・・・・・」

 

ロザナ社社員を困惑させたのは、戦争兵器の製造を請け負っていた彼らからすれば困惑する発注書だったからだ。

 

「どれどれ・・・・・なんだこれ?非武装艦って事か?誰だ、こんなものを送りつけてきたのは!!」

 

戦争兵器としてスターデストロイヤーやコルベット、シャトル等の開発をして来た彼らからすればこの発注書は論外だった。だが、その発注者は・・・

 

「ジェダイマスターシオン・クジョウ・・・だとっ!?」

 

そう、ロザナ社としてもその実ジェダイである九條との関りは深く、ヴェネター級スタークルーザーの対地支援用の改造兵装やアークワイテンズ級ライトクルーザーの重武装化等、果てにはヴォルター級の原案を出す等、ジェダイにしては軍事に関しては係わりが深かった。シェリダン級ファイヤータンクも彼女の発案によるものだった。

 

「何故、彼女がこのようなものを・・・。」

 

本部長はすぐさま各部門の開発主任や統括部長等を集め会議を開いた。

発注書を全員に配り、意見を交わしたかったのだ。

 

「主任!発注書には幾つか制約があります。軍事用では無く、医療用・・・恐らく病院船としての役割を持たせるのが目的かと。」

 

「しかし、なんでわざわざ・・・・病院船だとしても最低限の武装を付けるべきでは無いか?」

 

「完全非武装というのは無理があるかと・・・。」

 

「この船を持つに当たりジェダイであるという制約が非武装である条件なのでしょうね。」

 

「むっ、そう言えばそうか。」

 

「インダストリアル・オートマトン社にチューワブ社にも、ゾルティン社にも声が掛かっているぞ。」

 

「それよりも問題なのが、即金で支払い済みなのだ。」

 

そう、お金が振り込まれた以上造らないという選択肢は既に無いに等しいのだ。

そして、今までに例の無い最初から病院船という取り組みは彼らを以ってしても頭を悩ませるだけも大きな問題だった。だが、親会社であるクワッド社に伺い立てた所、速攻でGOサインが下りた。それだけで無く、必要な技術者は傘下の各企業から送り込むという対応を取っており、クワッド社としてもある種社運を賭けた動きとなっていた。

 

だが、先程も記述したように非武装にして病院船として使う船というのが、アクラメーター級アサルトシップであった。

アクラメーター級1隻で銀河共和国、銀河連邦と続いて1億1100万クレジットで販売していた強襲揚陸艦であり、一般販売はしていない。

が、この船の売りである乗員の定員は1万6千名のクローントルーパーを輸送出来るという点だった。

発注書には、その輸送出来る積載区画を医療施設への改修と各医療ドロイド等の動員などで船代だけでも2億クレジットが振り込まれており、医療設備込みへの改修が別に2億の計4億がクワッド社とロザナ社に分けられて振り込まれたのだ。

 

異常とも言うべき事態に、ロザナ社は医療部門の各社を招いて情報交換をしながらアクラメーター級メディカルシップの開発製造を始めたのだった。

 

その後、ロザナ社の傘下会社として医療部門専門のコルベットやシャトルを扱うロザナ・メディカル・インダストリアルが設立する事となったのだった。

 

 

尚、追加情報で九條は地球における過去の自然災害の情報を送っており、それら自然災害に晒された事の無い会社職員らはそれらの情報を社内情報として公開し、必要とする理由を改めて理解させられたのだった。

 

主に送った自然災害は、火山噴火や集中豪雨や台風による都市洪水、地震とそれによって引き起こされた津波による被害状況等を残っていた写真や映像を付けて送った為、発注書にはただ病院船として機能させるだけでなく、医療設備を取り入れたニュー級シャトルを36機も取り入れ、可変式救急ファイヤースピーダー20機、災害地が不整地になっている事を念頭において先の大戦での問題をフィードバックしたUT-ATを18機加えた。何れも完全に武装を外し、代わりに探照灯や生体感知センサー等を加えた機構にした為、生存者捜索時に使えるだろうと考え、軍地上部隊に試験運用を試し、キャッシーク等の惑星での運用時の問題にも取り組みながらメディカルシップの開発に勤しんでいた。

 

 

 

だが、本来の目的と異なる物を作っていれば自ずとクワッド社よりも遥か上にバレる。

複数の議員による指摘でソレが明るみに出かかった時、最高議長が事情を聴き、内容を理解した事で事無き得た。

都市災害を経験した事の無い、コルサントでは無縁の内容だが、暴風等の事態は決して少ないわけでも無く、開けた郊外の工業地帯では遮るものが無い故に強風が吹き荒れる日もあったという。その対策かね?と問われた為、発注者を明かし地球における自然災害に適した緊急病院船を製造しているとパルパティーン議長に明かすと議員らの説明は任せろと言いながらパルパティーンが懇意にしている企業にも協力をさせて病院船機能を向上させるべく動いた。しかし、総額にして10億クレジットに近い資金があれど、あれこれ加えると15億近くに膨れ上がる追加予算に企業上層部は頭を悩ますのだった。

 

 

 

 






もう一話投稿しますけど、取り敢えずはコレで。

アクラメーター級の完全な病院船の情報は私の手元に無いので、色々混ぜ合わせで。

発注した1隻が紫音の所有艦扱いですが、パルパティーンが自費で同型艦の追加発注を掛けており、知らないところで改良型などが増えて行く予定です。

てか、紫音も大概ですよね。企業にポンと10億出して病院船作ってって。現実じゃ有り得ないでしょうけど、其処は小説クオリティってことで。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。