10月は出せないと思いますので、次話はお楽しみに
では、どうぞ・・・
午前にスピードシューティング、午後にバトルボードの競技が行われる今回の試合だが、
午前の部では第三者によるCADの細工等の妨害は無かった。
スピードシューティングでは、達也のオリジナル魔法『能動(アクティブ)空中(エアー)機雷(マイン)』のお披露目となり、その魔法を使いこなした北山雫と名を連ねて魔法を広めていた。
「七草真由美の魔法が精密射撃を得意とするスナイパーとするなら、北山雫の魔法は待ち伏せて一網打尽にするドローンオペレーターと、考えられるな」
「どちらも強力な戦力と成りえますが、限定的では?」
「ふむ、確かに。それに『能動空中機雷』は聊かオペレーターが対象を視認してからの発動だ。抜かれるやもしれんな。」
観戦している九條とパルパティーンは使われる魔法について、話していた。仮に戦場で使われる可能性としては、どの魔法もあり得るわけだ。この高校生による創意工夫による魔法というのは、誰が悪用するかも分からないからだ。
「達也には、一部の起動式を意図的に省くか改変してインデックス(国立魔法大学編纂・魔法大全)に登録するように言っておきましょうか。」
「いいのかい?君は居ない事になっているのだろう?」
「先の騒動で電話していますし、新たなオリジナル魔法となれば達也は乗せないという判断をするでしょう。お家を気にして。」
「家柄であれこれとは、困った話じゃな。」
「求めなさすぎなのですよ、達也は。地位も名誉も、取れる時に取っておきなさいと言っても目立つのは・・・と、口を濁しますからね。」
「ふむ。快挙なのだろう?」
「そうですね、オリジナル魔法というのは早々開発出来るモノでは無いですからね。」
オリジナル魔法自体、開発して完成するまで簡単に出来るような代物じゃない。特に達也発案の物は猶更
「ならば・・・猶更じゃな。」
パルパティーンは、猶更の事を何故求めようとしないのかと頭を抱えていた。
我々とは大いに考え方が異なると言って・・・
それからその会話の後、紫音は司波家で観戦している2人に電話で先の内容を伝えた。
司波深夜と司波元造の2人は九校戦に行けない事は承知していた。
2人とも名が知られているだけでなく、会場に九道老師がいるという情報に家からの観戦に切り替えるしかなかった。
そんな中、息子の大挙に2人は顔を見合わせた後、真夜にも連絡した。
家柄を気にしてインデックスの登録を拒むか競技者の名前にしようとする達也の状態がすぐに思い浮かんだ真夜は深雪に連絡して達也に後の事は任せてインデックスに乗せるように伝えた。その際、紫音からの伝言は深夜を通して真夜に伝わり、理解した真夜は深雪に連絡して伝えた。
一種の伝言ゲームのように伝えられた内容に達也は内容に困惑するも、紫音からの伝言の意図を知るべく直接連絡した。
「紫音姉さん、アレは一体どういう意図があるんだ?」
「起動式の一部を改変するってところ?」
「ああ・・・そうだ。」
「使えるようにはするけど、簡単には使わせないって事よ。」
「・・・・・、軍事利用させない為か?」
「そう言う側面もあるって事。インデックスは、はっきり言ってシステム防御が甘いから盗まれる可能性もある。達也が開発した魔法が簡単に他国で使われるような事態は避けたい。だから、威力を抑えた状態なら使えるように起動式を組みなおして、サイオンの入れすぎによる起動式破綻させる形に組み直すの。達也も、何回かその起動式を組み上げた事があるでしょ?」
「まあ、確かにな。なら、インデックスに載せるのは避けた方がいいんじゃないのか?」
「魔法競技に達也のオリジナル魔法が出たって事で、私たちの知らない所で何が起きたと思う?」
電話先の達也は、紫音の言葉に黙りこくった。
「司波家に電話したら、元造さん曰く深夜さんが丁度赤飯焚いているところって言っていたし。四葉家は真夜さんが感涙極まって会いに行くと言って葉山さんを困らす始末。九條本家は・・・・・父さんが新魔法開発の御駄賃で8桁金額を出そうとか言い出したから母に〆られているし、お祭り騒ぎだよ。」
「・・・・・・・・・」
「もう、手遅れだよ。」
実家の事も、外の事も、既に手遅れ。
なら、問題無くしてしまえばいい。
「・・・・・・・・、やはり出すべきじゃなかったか。」
「九校戦にエンジニアとして参加した事で祝われているのだから、新魔法となれば快挙だよ。出すには出すとして、威力を意図的に弱めた起動式に作り替えて載せるぐらいにしな。それが、後々に意味を成すからね。」
「・・・・・・・・、紫音姉さんは未来を視れるのか?」
「ある程度・・・断片的だけど、その魔法が原因で変な事態になるよりかはマシな方を選ぶってだけよ。達也だってそうでしょ?」
「まあな。・・・分かった、姉さんの案でやってみる。」
第一高校の会場本部テントでは、新人戦女子スピードシューティング1位から3位独占という快挙に全員が喜んでいた。その立役者である達也もまた、新しい魔法の開発者としてインデックス(国立魔法大学編纂・魔法大全・固有名称インデックス)への登録が開発者を司波達也と競技者の北山雫と両名の名前が為される事となった。
「私の名前まで乗せる事は無かったのに。」
「自分では使いこなせない魔法の開発者だけでは、形にならないだろう?」
「まあまあ、折角幸先いいスタートを切ったんだし、その調子で頼むわよ。達也君」
「ええ、・・・まあ、そうですね。」
達也は苦い表情を浮かべながらそう言った。
紫音からの電話の後、電話中に掛かってきた着信全てに対応したは良いものの、その全てが好意的な反応だっただけに、果たしてこれで良いのか?という疑問が取り巻く中、一番秘密にしておいた方がいいというべき四葉本家当主からもGOサインが出ている為、後の事はまた考えようと思いながら、達也は暫くその事で考えるのを止めた。
ホテル 会議室 (第三高校使用中)
急遽集まった第三高校のリーダーを含めた九校戦メンバーたちは先の試合について話し合っていた。
「じゃあ、一高女子の上位独占は、個人技能によるものじゃないって事?」
「ああ、間違いなくな。」
「というより、恐らくと見ていい。」
一条将輝と吉祥寺真紅郎は、そのエンジニアに心当たりがあった。
「俺や吉祥寺の独断もあったとはいえ、先のバトルボードにおける事故に際して共同調査を一高とやったのは確かだ。」
「恐らくだけど、その場に居たエンジニア。2人のうちのどちらかだとは思うけど・・・相当な実力を持っていると言っていい。」
「吉祥寺が其処まで言うぐらいに凄いのか?」
頷きながら吉祥寺は、先のスピードシューティングの映像を皆に見せながら言った。
「あの優勝した選手が使っていたのは汎用型だった。去年の夏にデュッセンドルフで発表されたばかりの新技術だよ。それもまだ不完全な状態だったにもかかわらずね。」
「去年の夏って、ほぼ最新技術じゃないか!」
「つまり一高には、そんな最新技術を魔法競技にモノに出来る凄腕のエンジニアが居るって事だ。」
「将輝に其処まで言わせる相手なのかよ。」
「ああ、少なくともそいつが担当する競技は苦戦を免れないだろうな。」
三高の面々はそんなバケモノ相手にどう対応するかと話し合われたが、どの競技を担当するかなど、知る由も無い為、これまで以上に警戒して当たるべきだと話して解散した。
解散後、部屋に残ったのは一条、吉祥寺の他、一色、四十九院の4人だった。
「のう、あの魔法技術、やはりあの男か?」
「でしょうね。目の当たりにするとその出鱈目さに本当に驚くけど。」
「全く、味方なら頼もしく思える奴が敵に回ると此処まで厄介とはな。」
「それで、どう対処するつもり?」
「デバイス面では俺達では対処しようがない。彼が選手として出てこない事が何よりの救いというべきか・・・かな?」
4人とも、優勝した選手の一高のエンジニアが誰なのか分かっていた。
あの時、顔合わせした中にいたエンジニアは2人。
1人は前年も出ていた。1人は同じ学年の男子。
「此処までの実力を持っているとか聞いてないのだがな、司波。」
将輝ですら、無名のエンジニアが此処までの凄腕だという事実に、もし担当が当たれば苦戦は免れないと思いながら今後の作戦を練っていこうと吉祥寺と話し合うべく、先に戻った彼の後を追った。しかし、自分たちの先輩たちですら実力が及ばないという事実を知らされ、司波への有効な対抗策が無い事を知った吉祥寺は絶望していた。
次の日九條紫音の姿は、九校戦の会場を離れ、立川基地の共和国軍施設にあった。
「キーエ中尉、大亜連合の動きは?」
駐留軍の戦務参謀であるキーエ中尉に現在までの状況を聞いていた。
「さっぱりありません。沖縄防衛線以降、鳴りを潜めたままです。」
「何を企んでいる・・・分離主義の連中もフリゲート等にも動きは?」
「監視していますが、どうやら、地球大気圏内と太陽系星系内でそれぞれ活動する分離主義艦隊は別々の指揮系統で動いているようです。」
「別々の・・・・?」
「はい、完全に目的は不明ですが・・・。それと、不明だった火星が元の軌道上にあったようです。」
我々が太陽系に到着した時に行方が分からなくなっていた火星は、ある時から再び観測出来るようになったという。
ただ、本星付近への偵察・探査は何れも失敗しているのだとか。
「妙ね。幾らこの地球からの人工衛星と言えどそう何度も失敗するようなものなのかな?」
「技術レベルで言えば、無人探査が出来る程度の衛星やロケットを持っていますが・・・。それと、これはマスターレヴィナスには伝えてあるのですが、駐留軍から偵察隊を出したところ、火星地表面周辺に人工物が確認されたとの事です。」
「何ですって!?」
キーエ中尉によれば、偵察隊もアークワイテンズ級1隻とカンサラー級2隻、護衛の戦闘機としてARC170スターファイター12機が付いていたのだが、結果は中破したアークワイテンズ級1隻と大小の損傷を抱えたARC170スターファイター5機が帰還したという結果だったそうだ。
だが、手ぶらで戻った訳ではなく、各機が攻撃を受けながらも回収したデータをアークワイテンズ級が受け止め、合流地点の友軍艦隊に回収されたのが事の顛末。
その火星には少なくとも5か所の軍事基地と3か所の軌道上に迎撃要塞、そして過去のデータベースから探って漸く正体が明らかになったハロワー級ドレッドノート。旧共和国時代のシス帝国が使用していた旧時代の遺物と言うべき大型艦船だった。
そんなハロワー級が少なくとも50隻以上も有り、更に其処には、ハンマーヘッドのような形をしたスターデストロイヤーや、プロヴィデンス級デストロイヤー、レキュザント級ライトデストロイヤー、ミューニフィンセント級スターフリゲート等300隻近くが基地の周辺若しくはドッグ入りしている状況を押さえたデータを送っていた。
また、追撃してきたのはハロワー級より小型のスターデストロイヤー3隻(後にグラディエーター級と判明)は合流地点で待機していたヴィクトリー級デストロイヤー8隻と互角以上の戦いを見せた後、撤退したという報告も上がっていた。敵のスターファイターは問題無く対処が出来る程度だが、敵艦船は容易な戦いにはならないという報告書に、頭を抱えた。
「この基地への攻撃は?」
「現状、共和国本国にもこの情報を渡していますが、なんとも。マスタードゥークーも駐留軍のみで対処は不可能と結論付けています。」
「それはそうなのよね。」
現状の駐留軍の宇宙軍戦力は、
プロキュセーター級バトルクルーザー 1隻 (ヴォルター級改造型の新鋭艦)
ヴォルター級バトルクルーザー 7隻
ヴェネターⅡ級スタークルーザー 36隻
ヴィクトリー級デストロイヤー 48隻
アクラメーター級アサルトシップ 43隻
セキューター級スターデストロイヤー 12隻 (艦載機空母で攻撃力はヴェネター級に劣る)
他コルベットやフリゲート等156隻
という陣容だが分散配置している上、集結して当たっても勝てるとは言い難いのだ。
オープンサークル艦隊は解散せずにまだ現存している為、各宙域パトロール程度の仕事に成り下がっている第3艦隊と第7艦隊、第11艦隊を呼び出せば快勝出来ると思われるのだが、パルパティーン議長を含め元老院議会はまだ重い腰を上げてくれない為、静観するしかなかった。
「暇なのはしょうがないから、九校戦でも見てやって?」
「従兄妹が出場しているとか、聞いていますよ。魔法というのがなんであるか、九條将軍と戦場で闊歩していた頃から凡そ知っていますが・・・」
そう言いながら、テレビに映る九校戦の競技は生放送で送られていた。
丁度、アイスピラーズブレイクの新人戦が行われており、競技者として司波深雪が映っていた。
「緋色袴って、まったく深雪も表現強いわね。」
「あれが、従妹の司波深雪殿ですか。これはまた強烈な魔法を放ちますね。」
振動系Aランク魔法『氷炎地獄(インフェルノ)』
自陣を極寒の冷気で覆い、相手陣地を灼熱の蒸気で覆いつくす、それは振動エネルギーと運動エネルギーを上手く減速と加速させてエネルギーを消費する強力な魔法。
この魔法競技において、この魔法を抜く魔法は無いような強力な魔法を見せつけた深雪は一躍有名人となった。同時に、その魔法のプログラムを選手によりよく最適化したエンジニアである司波達也も徐々に名を馳せていくのだった。
構想上は、九校戦はさっさと終わらせて横浜事変以降にさっさと行きたいのですが、
そうも行かず・・・。
脳内構想ばかりが一人歩きに・・・・・
こんな人って実は結構居ます?
半年近く練りに練って置きながらまだ九校戦から進めてないのですよね~。
と、言い訳しながら次話投稿を急いで九校戦を終わらせていきたいです。
では、また~