「えんき、夜だけ可愛いのなんなの」
「昼は肌が爛れるから仕方ないでしょ」
あれから、個別にアルス様とレオ様に夜を誘われたが、物理的に食い殺しそうなので却下した。性病移るぞと誤魔化して。
実際には吸血鬼化なわけだが。
流石にフレンドリーな雰囲気とはいえ、王族を吸血鬼にしたら一族郎党死刑でしょ。なので誘いには乗れない。
二人ともイケメンで異能者でとっても美味しそうなので非常に残念である。
私の新たな食事の好みは異能者らしい。食事と恋愛思考一緒なの困る。
恋人食べたら寂しくなっちゃうじゃない?
それから一ヶ月。
王都でクッソ魔物が出まくっているらしく、二人は王都に帰る事になった。
私は、治療だけでも手伝わせてほしいと強請り、王都に連れて行ってもらった。
酷かった。
空になんか亀裂が走っていて、そこから巨大なお化けが顔をこんにちはしていた。
こんなことある!??
これはダメですわ。これはダメですわ。
私は全力で王都を火の海に沈めた。
強いお化けは範囲攻撃だけでは倒されてくれないようだったが、お化け退治をしているのは私だけではないようだった。
おそらくはあの吸血鬼の眷属だろう。私は雑魚だけ燃やし尽くせばいい。
一ヶ月でお化けを掃討し、二ヶ月して魔物の討伐が終わった。
私は、硬い友情で結ばれしお友達を得た。
「ミラちゃん、すごいですぅ」
「ミラ、すげぇじゃん。炎の精霊様みたい」
「「炎姫! 炎姫!」」
「褒めよ讃えよ崇めよ」
早速調子に乗ってるが、この子達も凄い。
リンちゃんは黒い鞭、トールくんは不可視の剣を操る。
不可視の剣は私よりも攻撃力高いし、黒い鞭は魔物の体内からお化けだけを引っこ抜いて魔物化解除を出来るのだ。
ただ、普通の人には見えないのが難点だ。
二人とも可愛く、私はかつて平凡だと思っていた自分の容姿に自信を取り戻した。
あの両刀吸血鬼の興味の傾向が見えてきましたよっと。
あの吸血鬼に選ばれるくらい、リンちゃんとトールくんくらい、私は可愛いのだ。
ならば十分ではないか。私可愛い。
私は二人を鍛える事にした。
二人は料理をすると言って、料理前の生肉を多少拝借する事で空腹を誤魔化していたようだが、私が来たからにはもう大丈夫。野生動物を狩れるようにしてあげよう。
3人で商売を始める事にもした。
転生者のすごい知識とかは特にないので、普通に良さげなものを仕入れたり、野生動物や植物を取ってきて売る普通の商売である。
アルス様とレオ様はトールくんの事を話すと不機嫌になったが、本人に会ったらあっさり手のひらを返した。今はトールくんにもベタベタしている。やめろお前ら、セクハラパワハラで訴えるぞ。友人に代わって私が。
私の友人達に手を出すのはやめろ。
うちはそういう店ではない。ほらほら性病移るぞ移るぞ異能が消えるぞ。
やはり夜の私達には魅了の力があるらしい。
私の両親の住む街に一ヶ月に一度行商に行く事で、私の街もカバー。
二つの街をカバーして、仲間を増やしつつ平穏に暮らしていると、大事件が起こった。
隣国が魔物被害で滅び、討伐隊が結成されたのである。
私は意を決してついていくと言ったが、一顧だにされなかった。
それから、討伐隊なんて、ほぼほぼ知り合いである。
不安に押しつぶされそうな思いで帰りを待っていると、真昼間に魔物が王都に攻め込んできた。
そいつら、なんでか私達のお店に襲撃を掛けたのである。
人型の魔物がドーンドーンドーンドーンと四体も降り立った。
討伐隊の服装の奴が二人。魔物にされてんじゃんダッサ!
「得体の知れぬ化け物め! 死ね!!」
「鏡見ろよ」
私は蹴りを入れるが、その足を取られ、ズボンを破られる。
えっ なんでのしかかってくんの!? なんで勃ってんのお前!?
私達、昼間はただの人間である。
せめて討伐隊が来るまではと、頑張って抵抗したが、なすすべもなかった。
強制乱交パーティは陽が落ちるまで続いた。
太陽が沈んだ後? バーベキュー大会の始まりである。肉はお前な。
噛まなかった事を頭を地面に擦り付けて感謝していただきたい。
リンちゃんの黒鞭が大活躍したわけだが、私も魔物を貫通する炎の槍が出せるようになった。
魔物四人は、イケメン四人になった。アレス様とレオ様いるじゃん、無事でよかったっていうべきか、このまま報復として袋叩きにするべきか。
「こ、ここは……?」
「変態共、服着てとっとと出ていきやがれ!!」
外で悲鳴が上がっている事から言っても、敵は王宮にも向かっていること請け合いである。魔物退治は役目でしょ早く行け。我々はえちちの後処理をしないといけないのです。
そりゃ、吸血鬼にホイホイついてく尻軽達ではあるけどさ。
魔物に襲われるってめちゃくちゃショックなんだぞ。
「俺を助けたのは、お前、なのか……?」
人の話聞けよ、見知らぬイケメンよ。
「たす、けてくれ……! 妹達が、魔物に変じて……!」
イケメンが被害者ぶって涙を流す。いや、被害者なんだけどね? 我々にとっては加害者というか。
ああ、でもイケメンが泣いてると可哀想で助けたくなる。
どのみち、王宮は助けに行かないといけないだろう。
「はぁぁ。行ってくるわ。リンちゃん、トールくん、手伝ってくれる?」
「王子様だろうが、なんだろうが、関係ない。後で、ぶん殴る」
「おー、ぶん殴ったれ」
「私も、殴る」
「その意気だ、リンちゃん」
兎にも角にも、私達は翼を出し、イケメンズを王宮へと運んだ。
げえええええ!! お空にまた亀裂出てんじゃん!
中から化け物がこんにちはしてるじゃん!
燃えろ! 燃えろ!!