バッファの力で、シンフォギア世界を無双するぜ!   作:リュウ・セイ

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牛10:私とコイツの関係は1年前から始まった。……こんな感じで良いか?

 

 

 

 ──時は1年前に遡る。

 

 

 

「ゆ、雪音クリスです。よ、よろしくお願いします……」

 

 クリス()が初めて、この学園に転校した日。

 私は初めて通う学校に慎重していた。

 慎重しないために、響達(アイツら)と一緒に、転校する際の初めての挨拶は練習していた。

 練習はしていたが、いかんせん、同い年で初対面のヤツらには、かなり慎重した。

 そのせいか、予想していたよりも、自分の体が慎重していたことに、すぐにわかった。

 故に、このクラスに慣れるのに時間がかかる──そう思っていた。

 

「ゆ、雪音クリス……?」

 

「……ん?」

 

 ふっと、私の顔を見て驚いているヤツが一人居た。

 私はそいつを見た時、このクラスにいる生徒と同じ“初めてみる顔”だった。

 

「わ、私の顔に何かついてるのか……?」

「え?」

 

 ふっと、気がつけば、私はそいつに声をかけていた。

 そいつは「えっと、え〜と……」と、歯切れが悪く、何か隠している仕草……いや、私のことを知っている仕草をしていた。

 いかにも怪しかった。そう思った私はそいつに近づこうと、足を前に出した。

 

 ──その時だ。

 

「そう!顔!顔だ!」

「……は?」

 

 突然、そいつは私の顔に指を差して、そう叫んだ。

 失礼なヤツだ。そう思った私はぶん殴ってやろうかと思ったが、転校初日に問題を起こす訳にもいかず、心の内におさめ、指を差した理由を問い(ただ)した。

 

「私の顔に何か文句でもあるのか?」

「何でそうなる!?いや、指差した俺も悪いが……」

 

 何だコイツ?

 悪いとわかっていながら、何故、指を差した?

 いや、さっきから、その妙に挙動不審な態度が気になる。

 というか、何故だかわからないが、だんだんとムカついてきたな。殴りたくなってきたな。

 そう思いながら、私は再度、そいつに問い質した。

 

「……それで?私の顔に何かあんのかよ?」

「……可愛いな、と思った」

「はぁぁ!?」

 

 な、な、何を言っているんだ!?コイツは!?

 本当に意味がわからない!マジでぶん殴ってやろうか!

 

 私がそう思った時、そいつはさっき自分が言ったことに、何かに気づいたのか、急に慌て出した。

 

「!?い、いや、違う!雪みたいに可愛い顔をしているな、と思っただけで、特別、深い意味はない!ましてや、やましいことなんて……!」

「もう良い!黙れ!後、その挙動不審な態度、キモいから私に近づくんじゃねぇぇ!」

 

 そう言った途端。

 気がつけば、私はそいつをぶん殴っていた。

 いや、ぶん殴った気がする。そう思ったのは、殴った後の感触がなく、そいつは倒れていた。

 

 

 

 ──ああ、やってしまった。

 

 心底。そう思った私は翌日から学園で一人で過ごしていた。

 

 

 

 ──しかし、それはそう長くは続かなかった。

 

 学園のイベント、秋桜祭(しゅうおうさい)の際、クラスメイトに歌ってほしいと頼まれた。

 何で?って、疑問に思った私は、すぐに、そのクラスメイトに聞いたら、歌がとても上手いと言われた。

 それを聞いて、ああ、(アイツ)、言いふらしたな、と、思った私は断ったが、何故だか、クラスメイトの女子から追いかけられた。

 

 何度も何度も、「出て欲しいです!お願いします!」と、頼まれた私は必死に断った。

 

 

 

 ──そんな時だ。

 

「「うわっ!?」」

 

 人にぶつかった。逃げるのに必死で周りが見えてなかった私は急ぎ、立ち上がり、そいつに謝って、逃げようと思った。

 

 しかし、相手は転校初日に、私に変なことを言い出した“アイツ"だった。

 

「いてて……大丈夫か?って、雪音クリス!?」

「お前、私に変なことを言った変なヤツ!?」

「変なヤツ扱い!?それは流石に酷くないか!?」

「うっせえ!今はそれどころじゃないんだ!こっちは!」

「雪音さーん!待ってくださーい!」

「!?」

 

 不味い。もうすぐに来てやがる。急いでここから離れねえと!

 

 そう思って、ここから離れようとした私は誰かに手を握られた。

 握った相手はさっきの変なヤツ。コイツ、私を抑えるつもりか!?

 

 そう思った私だが、コイツの考えはどうやら違っていた。

 

「……近くに女子トイレがある」

「はぁ!?それがどうしたって言うんだよ!?そっちに隠れたって、相手は──」

「良いから!女子トイレに隠れてろ!後は俺の方で何とかする!」

「!?」

 

 圧倒された。そいつの必死な言葉に私は圧倒された。

 同時に、安心感を覚えた。何故だかわからないが、私はコイツの指示に従って、女子トイレに入って、なるべく身を隠した。

 

「雪音さーん、どこですかー?」

「雪音なら、さっき、向こうで走っていったぞ」

「!本当ですか!?ありがとうございます!」

 

 タタタっと、走る音が聞こえた。それから暫くして聞こえなくなった所で、アイツは私に「大丈夫だ。もう心配ない」と言ってきて、本当に大丈夫か、周囲を見渡してから私は女子トイレから出た。

 

「……その、あんがとよ」

「お、おう。気にするな!これぐらい昼飯前だ!」

「……朝飯前の間違いだろ?」

「そうとも言うが、今の時間と俺の体は昼飯前だぜ!」

「堂々と言うことじゃねぇ!」

 

 思わず、突っ込んでしまった。

 ほんと、何なんだ?コイツは?

 と言うか、本当に昼飯を食べてないのか?

 

「……まぁ、正直に言うと、俺が撒いたタネだからな」

「……は?どういうことだ?」

「アンタが……雪音さんが歌が上手いことを俺がクラスメイトに言ったんだ。言った途端、皆、雪音さんに歌ってもらうと必死になってたし……すまん!謝ってすまなければ、殴ってくれて構わねえ!」

「殴らねえよ!というか、テメエ、私のことを暴力女か何かと思ってるだろ!」

「え?違うの?」

 

 ──ブチッ!

 

 そんな音が頭に響いた後、私はいつも間にか、ソイツの頭を殴っていた。所謂、拳骨だ。

 

「いってぇぇぇッ!結局、殴ってるじゃねぇかよ!」

 

 うっせえ!だまぁみろ!

 こっちは(あのバカ)が言いふらしたかと勘違いしただろうが!

 

「……まぁ、それはそうと、何で歌いたくないんだ?」

「……そんなの恥ずかしいからに決まってるだろ?」

「……本音は?」

「……歌が嫌いだ」

「その割には楽しそうに歌ってるじゃねえかよ?音楽の時間や買い物の帰り道に鼻歌歌ってるだろ?」

「な!?アンタ、何でそれを!?」

「マジで鼻歌歌ってたのか?歩きながら……」

「ッ──!?」

 

 コイツ、鎌かけやがった!ムカつく!ムカつくから、もう一発、拳骨をぶちかますか!

 

 そう思った私は迷うことなく、コイツにもう一発、拳骨をぶちかました。

 

「いててて、頭が割れそうだ。いや、割れるな!何でか知らんが、そんな気がしてきたわ!」

「言ってろ!そして割れてろ!バカ!後、キモいだよ!少しは自覚を持て!バカぁ!」

「グッ、ハッ……!」

 

 私が言った途端、ソイツは勝手に倒れた。何でだ?

 まぁ、良いや。ほっといて逃げるか……。

 

 

 

 ──そんなこんながありながら、結局、クラスメイトの女子に捕まり、歌を歌った。

 

 その後に、敵である調と切歌(二人)が現れたが、まぁ、それは良い。いや、良くはないけど。

 

「はぁー……」

「何だ?結局、歌ったじゃねぇか?しかも、良い歌じゃねぇか?」

「ッ、うっせえ!バーカ!バーカ!」

「何でぇ!?しかも、2回言われた!?」

「うっせえ、バーカ!」

「だから何でだ!?」

 

 誰のせいだと思うんだ!本当に!本当に!

 

「うっせえ!とりま、ムカつくからブン殴る!ってか、殴らせろ!」

「待て待て待てぇー!?流石に3連続で拳骨は俺の頭が本当に割れる!?」

「うっせえ!テメエの頭が割れようが、こっちの知ったことじゃねえ!兎に角、殴らせろ!」

「ジャァァァァァッー!理不尽だぁぁぁぁぁッー!」

「知るか、ボケぇぇぇぇぇッ!」

 

 そんな訳で、私とコイツ──紫牛尾との関係はこんな感じから始まった。

 

 

 

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