バッファの力で、シンフォギア世界を無双するぜ! 作:リュウ・セイ
──あれから数分。いや、数時間ぐらいが経過した。
クリスと一緒に、ガリィとダパーンを撤退に追いやったオレ達は突然現れた超絶美人なお姉さん、マリア・カデンツァヴナ・イヴが現れ、オレは彼女達の活動拠点、『特異災害対策機動部二課』、通称、『S.O.N.G.』に連れてこられている。
それにしても、この名前、呼びにくいな……。
ヨシッ!今後は二課って呼ぼう!うん!そうしよう!
そんなアホなことを考えながらも、オレはクリスとマリアに挟まれながら、二課の司令室に到着した。
尚、何故かオレは手錠をかけられている。何故に?
「マリア・カデンツァヴナ・イヴ、並びに雪音クリス、民間協力者と共に只今帰還しました」
「うむ、ご苦労……彼が例の協力者だね?」
「はい……」
「「……」」
マリアが返事を返すと、オレとクリスは揃って黙り込み、この組織の司令官である『
「手荒な真似をしてすまない。こちらにも色々と事情があってだな……」
「いえ、それは問題ないんですが……」
申し訳無さそうに言う弦十郎さんに対して、オレは問題ないと答えると、弦十郎さんは満面の笑顔をとる。
「そうか!それなら良かった!ああ、自己紹介が遅れたな。俺はこの特異災害対策機動部二課の司令官を勤める風鳴弦十郎だ」
「……紫牛尾です。クリスと同じ学園に通うクラスメイトで、ついさっき、友達になりました!」
「?そうなのか?クリスくん?」
「!?おま、その一文、今必要ないだろ!?」
必要です。オレにとっては、クリスが初めての女友達なので……。
「……それで司令、彼をどうしますか?」
「その前に、この手錠を外しやがれぇ!!」
「ああ、すまない。マリアくん、彼の手錠を外してもらえるか?」
「良いのですか?」
うわぁ、何か露骨に嫌な顔されてる。これ、ぜってぇ前になんかあったやつなパターンじゃん。
そう思ったオレはクリスに助けを求めようと、目を動かし、彼女に視点を向けると、目が合ったクリスは深い溜め息を吐いた。何で?
「心配ねえよ。そいつはこの間のアホみたいに暴れて逃げたりしねえよ。もし、暴れて逃げたりするようなら、あたしのイチイバルで、コイツの体のどこかを撃ち抜いてやるよ?」
え?何それ?怖い。一種の脅しですか?だとしたら、タチが悪いぞクリス?
いくらクリス推しなオレでも、そんなの了承するわけないだろ?
なーんて、そんなことはないぜ!寧ろ、ウェルカム!カモーン!だぜ!
「──ッ!?」
「?どうかしたの?クリス?」
「い、いや、何でもない(何だ?急に寒気が……疲れてるのか?あたし?)」
「そう?それなら良いけど……それで司令。彼の手錠、本当に外して構わないの?」
「ああ、構わない。マリアくん、彼の手錠を外してやってくれ」
「……わかりました。変な気を起こさないでね?」
変な気って何だ?オレがそんなこと、できるわけないだろ?
脳裏でそう思いながらも、マリアさんは渋々と言った表情で、オレの手錠を外してくれた。
ふぅー、やっと楽になれた。これで気がれなく話ができるぜ……。
「……」
……それはそうと、さっきから推しのクリスからすげぇ睨まれてるんだけど、何で?
オレ、なんかやらかした?
そう思っている中、不意に、二課の司令官、弦十郎さんがオレに声をかける。
「それで牛尾君。君にいくつか質問しても良いか?」
「……はい。答えられる範囲で良いなら答えます」
「ありがとう。ではまず、君は彼女達をどこまで知っているのか?」
モニター越しに映るガリィを含むオートスコアラー4人とキャロル、そして、ダパーンに変身した白石優斗の映像を見せながら、オレに質問する。
アイツ、オレと出会う前からキャロルと一緒に活動していたのか?
「……数日前に青服の子と会って、その時に大量のノイズを出されて戦いました。それからですね。アイツらと会ったのは……」
ダパーンこと、白石優斗の映像を観た後、司令官である弦十郎さんに素早く、そう答えた。
「……なるほど。その時、響くんに会っているか?仮面を着けた牛みたいな人と一緒に戦った、と聞いているんだが……」
「……会いましたね。バッチリ」
「!?牛尾、お前、アイツと会っていたのか!?」
「あ、ああ。ただその時はバッファに変身してたし、素顔は見せてないけど……」
「そ、そうか。それなら良かった……」
「……(なるほど。そういう関係ね……)」
突然、胸ぐらを掴むクリスに、オレは動揺し、その時の事情を簡単に説明すると、クリスは納得したかのように、手を放した。
一体どうしたんだ?最近、こういうことが多い気がする……。
それはそうと、マリアさん。さっきからニヤニヤしてますが、何ですか?そのにやけ顔は?
「……では次に。バッファとは、あの姿の名前か?」
「はい。仮面ライダーバッファ。それがあの姿の名前であり、このゾンビバックルを使うと、ゾンビフォームというパワー形態になって、専用武器、ゾンビブレイカーというチェーンソー型の武器が使えます」
ゾンビバックルを見せながら、二課の皆に説明すると、なるほど、と言った表情で納得した。
「なるほど……それは君がつけた名前か?」
「……いいえ、違います」
少し間を置いて、オレは否定し、ゾンビバックルを引っ込め、今度はデザイアドライバーを取り出し、その中央にあるIDコアを指差した。
「このベルトの真ん中にあるマーク、IDコアと言って、これを触れた時に、自然と頭に名前が浮かんだんです。多分、元々あった名前だと思います……」
「……なるほど。他にはあるのか?その……ゾンビバックルのようなものは?」
「……オレが持ってるのはこれともう一つあります。後、さっき戦ったダパーン……パンダみたいな白黒の仮面ライダーにも、オレが持ってるものとは別の物を二つ持っていました」
「なるほど。君の説明を聞く限り、そのバックルにはかなりの種類があるようだな……」
「……」
流石だな。この短期間で、そこまでわかるとはな。司令官だけのことはある。
一瞬、疑われた時はヒヤッとしたが、何とかやり過ごせそうだな……。
「……最後に君以外の仮面ライダーはいるか?」
「……確信はないが、一人だけ、心当たりがある」
「ほう?それは誰かね?」
「……その前に、オレからも質問して良いか?さっきから、こっちばかり質問攻めされて不公平だろ?」
「……それもそうだな。ただし、一つだけだぞ?」
「フッ、十分だ。アンタは……オレ達、仮面ライダーをどうするつもりだ?」
『!?』
オレの言葉に一同は驚くも、唯一、弦十郎さんだけ、微動だに驚かなかった。
「……それはどういう意味かね?」
「そのままの意味だ。って言ってもわからないだろうから、簡単に言うと、ノイズを倒すための“道具”として扱うのか?」
「!?牛尾、お前、何を言って……!?」
「そうよ!司令はそのような人ではないわ!」
オレの言葉に、クリスとマリアが驚き、オレは二人にこう言った。
「二人はそうじゃないかもしれない。だが、オレは違う。仮面ライダーになった以上、人々を守る覚悟……責任がある!そのために!命をかける覚悟!命を捨てる覚悟もある!」
「「……ッ!?」」
オレの言葉に二人は圧倒され、黙り込み、オレは再度、弦十郎に視線を向ける。
「……アンタにはそれがあるのか?風鳴司令!」
「……君が言いたいことはわかった。紫牛尾くん。だが……俺を甘く見るなッ!」
「──ッ!?」
その言葉に、弦十郎の強い気迫に、オレは圧倒され、足が下がってしまった。
「俺は大人だ!大人は子供を守るのが仕事だ!だが、大人でも、どうしようもならないことがあるッ!特にノイズに関しては彼女達の力を借りなければならない!その戦いを見る度……俺はやるせない気持ちでいっぱいだ!」
「司令……」
「おっさん……」
弦十郎の言葉に二人は自分達が心配されていたことに気づく。
まぁ、マリアさんは大人だし、心配するのは筋違いだが、あえてそこは突っ込まないでおこう。
「できることなら、この拳で彼女達を助けられるなら、いや、彼女達のかわりに戦えるなら、そうしたい!だが、それができない!それなら、できないなら、俺達、大人ができることで、彼女達を支えたい!」
「……そうかよ」
それを聞いたオレは深い溜め息を吐いた。
良かった。アンタがオレの知っている風鳴弦十郎で、本当に良かった……。
「それを聞いて安心した。アンタは信用できる」
「……そうか。それなら良かった。ではこちらの質問に答えてくれるか?」
「悪いがそれは答えられない。あくまでも可能性の話だ。それにオレの目でちゃんと確かめたい。それまで待ってもらえるか?」
「……わかった。君の意志を尊重しよう」
「あんがとよ。風鳴司令官……」
そう言って、オレは手を差し出し、それを見た弦十郎さんは手を出して握手を交わした。
数分、握手を交わした後、お互いに手を放し、弦十郎さんから、ある提案をされた。
「……ところでものは相談なんだが、我々の部隊に入ってくれるか?勿論、ただとは言わない。君のことは我々以外、他言無用にするつもりだ。どうだろう?」
「それは良いけど……オレから一つ、頼みを聞いてもらえるか?」
「ん?何かね?」
「……」
これから先、激しい戦いが待っている。今までみたいに、普通に暮らせない。キャロルとの戦いもあるが、何より、その先が一番厄介だ。
何より、オレが望む安全、安心な
まぁ、それはもう諦めているが……それはそれとして、今、オレが優先すべきことは……。
考えに考え抜いた結果、オレは弦十郎さんにある提案をした。
それは──
「──家が欲しいです。一軒家、とかじゃなくて、一人暮らしができる家が欲しいです」
『!?』
その言葉に、弦十郎さんやクリス、マリアを含む二課のメンバー全員がその場で驚いた顔をした。
さーて、ここからが大変な日々になってくるな……。