バッファの力で、シンフォギア世界を無双するぜ!   作:リュウ・セイ

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今日中に投稿できて良かった。嬉しい。


牛18:牛尾の覚悟。紫家、緊急家族会議を始めます!

 

 

 

「来週から一人暮らしを始めるって、何を考えてるのよ!!このバカ牛尾ッ!!」

「うっせえよ!!近所迷惑だ!少しは考えろ!バカ姉貴!」

「うるさいとは何よ!!うるさいのはアンタの声でしょうがッ!!」

 

 あの後、風鳴司令官の配慮で自宅に帰ったオレは姉貴と母さんに「来週から一人暮らしを始める」と言った途端、姉貴に怒鳴られた。

 

 仕方がないだろ?こっちだって、つい数時間前に決めたことだからな?

 

「まぁまぁ、落ち着いて、牛美」

「これが落ち着いていられるわけないでしょ!?お母さんも何か言ったら、どうなの!?」

「……」

 

 姉貴を宥める母さん。だが、姉貴の言葉に母さんは黙り込む。

 無理もない。突然、息子が一人暮らしを始めると言い出したんだ。母親である彼女が心配でない筈がない。

 

「……わけを聞かせてもらえる?」

「……」

 

 母さんの問いにオレは黙り込み、少し考えた。

 

 正直、話したくない。話したら最後、巻き込まれるかもしれない。

 

 けど……ここまで心配してくれている家族の為に、話さないわけにはいかない。

 何より、オレのこの身体、“紫牛尾”の為にも、話さないわけにはいかない。

 

 そう思ったオレは腹を括り、これまで起きたことを姉貴と母さんに話した。

 

 流石にオレが転生者であることは話さなかったが、オレが仮面ライダーバッファで影でこっそり人助けをしたり、キャロル率いるオートスコアラーと戦っていること、そいつらに対抗している二課の人達に会ったこと……その他諸々、今日まであったことを話した。

 

「なるほどね。それで一人暮らしを始めるってわけ?」

「うん……」

「母さんは反対よ」

「「え?」」

 

 意外な返答にオレと姉貴は驚いてしまった。

 

 いや、当たり前か。流石に母さんでも、オレの一人暮らしは反対か……。

 

「反対……だけど、あなたが決めたことなら母さんは止めないわ……」

「母さん!?」

「良いのか!?」

「ただし!ちゃんと一人暮らしができてるか、月一確認するから、覚悟しなさい!」

「は、はい!」

 

 び、ビックリしたぁー……。

 一瞬、ダメかと思ったが、母さんから了承を得られた。

 これなら大丈夫そうだな……。

 

 意外な返答に驚きつつ、オレは母さんから了承を得られたことに安堵した。

 その後、母さんは椅子から立ち上がり、晩御飯の仕度を始めた。

 

「それじゃあ私、晩御飯の仕度を始めるから牛尾も引っ越しの準備をしなさい」

「お、おう……」

 

 母さんにそう言われて、オレは立ち上がり、自分の部屋に戻って、引っ越しの準備を始める。

 

「……アンタ、変わったわよね?」

「?そうかー?自分じゃ、そう変わったとは思わないけど……」

 

 部屋の前で、姉貴はふっと、オレが変わったと言い出すが、オレは変わってないと否定した。

 

 全く、何を言っているんだ?姉貴は?

 オレがバカなのは生まれつき、いや、転生する前だからな?

 ……やべ、自分で言って悲しくなってきた。

 

「はぁー、今のアンタを見たら、父さん、なんて言うんだろう……」

「さぁな?多分、立派な男に育ったな、とか言ってるんじゃない?」

 

 突然、親父の話題を出す姉貴。

 対してオレは父さんが言いそうなことを言うと、姉貴は手に顎を当てて考え出す。

 

「言いそうね。アンタの親父だし……」

「姉貴の親父でもあるんだから、そんなことを言うなよな?」

「わかってるわよ、そんなこと……」

 

 いつも通り。いつも通りに他愛もない、姉弟(きょうだい)の会話をすると、ふっと、姉貴は思い出したかのように、口を開いた。

 

「父さんが亡くなった時、アンタ、死んだ魚の目をしていたわよ?誰よりも父さんに慕っていたアンタが……」

「……」

 

 それは“今のオレ”が転生する前の“紫牛尾の話”だ。

 

 一応、“今のオレ”が転生する前の“紫牛尾”の人柄はある程度、調べている。

 

 だからこそ。一番近くにいた牛美(姉貴)は弟であるオレの行動に驚いたのだろう。

 同時に怒って、叱ったのだろう。普通に姉弟としては当たり前の行動だ。

 

 だけど、オレは……。

 

「それが今じゃ、こんなに明るく……いや、なんかこう、何だろ?人柄がすごく変わった?まぁ、この際、何でも良いや」

「……」

 

 いや、良くないだろ?一番肝心な所だぞ?何なら、今ので、オレが転生者であることがバレそうになったぞ?

 

「まぁ、私が言いたいのは、姉としては驚いているわ。同時にこんなにすごい弟を持って、自慢できるぐらいよ?」

「姉貴……」

 

 オレは今、初めて、姉貴……牛美の優しさに触れた気がする。

 

 普段はぐうたらで、だらしなく、バイトをしてるのか、仕事をしてるのか、よくわからなかったが、今のでいくつかマシになった。そんな気がする……。

 

「……牛尾。母さんを泣かせたら、私、許さないからね?」

「わかったよ、姉貴。なるべく無理はしないでおくよ」

「そう?わかってるなら、それで良いけど……」

「……」

「……」

 

 一瞬、オレと姉貴は黙り込み、沈黙するが、それは長く続かず、先に破ったのは姉貴だ。

 

「……はい!この話はお終い!いつまで突っ立ってるの?早く引っ越しの準備をしないと、あっという間に、来週になるわよ!」

「……姉貴。ああ、そうだな!」

 

 姉貴の声を合図にオレは姉貴と協力して引っ越しの準備を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──その日の晩。

 

 牛尾と牛美の母である紫美尾(みお)は自室で、写真を眺めていた。

 その写真にはまだ幼い二人の姿と、スーツ姿の美尾(自分)と警察官の制服を着た父、紫牛世(うしよ)の姿があった。

 

「……貴方が亡くなって、もう3年になるのね、牛世さん」

 

 3年前に亡くなった紫牛世。

 死因はノイズ発生の際、民間人を避難させるため、活動し、そのノイズに触れて、灰化し、亡くなった。

 

「……牛世さん。貴方が亡くなった時、牛尾、激しく泣いたわ。悔しい!何で父さんが!何で父さんが!って言って暴れてたわ」

 

 それは今の牛尾が転生する“前の牛尾”である。

 彼女が知る紫牛尾は誠実で、真っ直ぐで、正義感が強く、真面目な子だった。

 けれど、父、牛世が死んでからは彼は一変した。

 

 何もかもが許せず、イライラする日々を過ごしていた。

 

 ──しかし、それは長くは続かなかった。

 

「ある日ね、牛尾が言ったの。このままじゃダメだーって言って、それからはいつも通りに戻って、高校生になってからは垢抜け?って言うのかしら?貴方が居た頃よりも毎日楽しそうにしてるわ。けど……」

 

 

 

 ──一人暮らしを始める。その一言で、美尾は牛尾の行動に今まで以上に驚いた。

 同時に、恐怖を感じた。

 

「……牛世さん。私ね、不安なの。牛尾が段々と貴方に似てきて、いつか居なくなるんじゃないだろうかって……けど、母親として、子供が決めたことは最後まで応援したいの。だから……あの世で牛尾のこと、見守ってくれる?」

 

 今は亡き父親、牛世。その父親が写っている写真に手を当てる美尾。

 

 どうか、牛尾が無事で生きてくれることを彼女は強く願った。

 

 

 

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