バッファの力で、シンフォギア世界を無双するぜ! 作:リュウ・セイ
ピピッピ!ピピッピ!ピピッピ!
「んー……」
ブツッ!と、時計のアラームを止め、二度寝をする
『〜♪』
──しかし、今度はスマホの着信音が鳴り響き、まだ眠気から覚めていないオレはスマホに手を伸ばす。
誰だよ、こんな朝っぱらから電話をかけるヤツは……。
脳裏でそう思いながら、オレはスマホを掴み、電話をかけてきた相手を見ずに、電話に出る。
「もしもし……」
『──やっと繋がった!あたしだ、クリスだ。わかるか?牛尾?』
「あー、クリスか……って、クリス!?」
なんでクリスがオレの電話番号を知ってるんだッ!?
思わず、驚いてしまったオレは叫び声を上げ、電話越しでクリスから「何驚いてるんだよ?」と突っ込まれた。
いや、ツッコミたいのはオレの方なんだが……。
『それよりも牛尾、時間大丈夫か?』
「ん?時間……?」
クリスに言われて、オレは時計の針を見る。
見ると、午前7時30分となっており、それを見たオレは冷や汗を掻き、そして──また、叫び声を上げた。
「う、うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!また寝坊したあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
『おちつけッ!』
はい。このオレ、紫牛尾はまたしても寝坊をぶちかましました。
もう泣いて良い?
──昼休み。
「疲れた……もう早退して良いか?」
「……ダメに決まってるだろ?まぁ、朝は大変だったな」
「大変だった、じゃねぇよ!あのチビ教師!」
オレがこんなに機嫌が悪いのは、すべて、あの
そもそも、今日の1限目の授業が体育で、オレらの担当の体育教師が急に体調を崩して、代わりに、あのチビ教師、もとい、火野宮勝奇がオレらのクラスを受け持つことになった。
そこまでは良い。そう、そこまでは。問題なのは、“その後”だ。
「なんだよ!このクソアツい中、外でランニングって!?普通は水泳だろ!?プールで泳ぎの時間だろ!?頭おかしいのか!?」
もうすぐ7月だと言うのに、この
しかも、オレだけ何故か15周しろって、マジで頭湧いてんのか?
「そんなに大変だったのか?」
「大変だった。ていうか、途中からチビ教師がランニングしているオレら生徒の
「え?」
「しかも、オレらより速く走って、挙げ句の果てにはオレより5周多く走ってて、もう言葉が出なかったよ……」
「それもう人間じゃないだろ!?」
いや、全くもって、その通りである。アレは人間が走って良い速度じゃない……。
「はぁ……もう……泣いて良い?」
ヤバい、マジで涙が出そうだ……。
「……たく、男だろ?男なら、そう簡単に泣くんじゃねぇよ」
「いや、だってぇ……」
「──雪音さんの言う通りだよ、紫くん」
「「!?」」
オレ達の会話を聞いていたのか、無断でその輪に入ろうと言わんばかりに、本日の
「やっほー、クリスちゃん!」
「ダメだよ、クリス。紫先輩を泣かせちゃ」
「そうデース!紫先輩、結構甘党メンタルデース!」
「因みに、何で泣いていたんですか?」
「ああ、聞いてくれよー、みんなー。そこのチビ教師が──」
「──フンッ!」
「あいたっ!」
げ、ゲンコツされた!?何故に!?
しかも、わざわざジャンプしてまで、オレの頭を殴りやがった!
というか、今の今までチビ教師言っても反論しなかったのに、何で今になってゲンコツされたんだ!?
「……3回」
「へ?」
「今日、君、チビ教師を3回も言ったから、一発ぶん殴るって決めてる。後、君、遅刻しかけたでしょ?だからこれはその分も含めて殴ってる」
「理不尽すぎるだろ!?」
殴られるこっちの身を考えやがれ!
「先生。流石にそれは……」
「紫先輩、可哀想……」
「……紫くん、ごめんなさい」
「アンタ、態度変わりすぎだろ!?」
マジでなんなんだ!?このチビ教師は!?
「……またチビ教師って言った?」
「!?」
こ、心を読まれた!?いや、動揺するな、紫先輩!ここは全力で否定するんだ!
「言ってねーよ!心の中では言ったけど!……あ」
「言ってるんだ……」
「そうみたい……」
しまった!勢い余って、本当のことを言ってしまった!?
「……紫くん?君はまた殴られたいのかな?」
後悔先に立たず。とは、まさにこのこと。ゆっくりと、拳を出し、今度はオレの顔を殴ろうと構えた。
「先生……」
「暴力はダメデース……」
しかし、調と切歌の言葉に、先生は拳を引っ込め、後ろに振り返り、オレに背を向ける。
「……僕、保健室に戻るね。後、君達、次の授業に遅れないようにね?」
『はーい』
響達が返事を返すと、チビs「2回目。リーチかかったから、次、覚悟してね?」……火野宮先生はそう言って、保健室に戻っていった。
「はぁー、やっとどっか行ったか……」
「……お前らのクラスでもあんな感じなのか?火野宮先生?」
ふっと、クリスは火野宮先生について気になり、響達に問いかけた。
そう言えば、あの野郎、担当クラスが2年生だったな。
となると、自然と響と未来のクラスに顔を出していることになるな。
「んー、どうだろう?」
「わたしと未来のクラスは保健を担当してるから、体育の授業を受けたことないんだよねー。ただ……」
「ただ、なんだよ?言ってみろよ?」
意味深に響が口籠ると、響が何を感じたのか、クリスは後推しをする。
「……火野宮先生、すっごく変わった人だなぁ、って」
「?変わってるのはこの学園に来る前からだろ?」
「うーん、なんだろ?なんか、こう、体育の授業はすごく熱心な人なんだけど、保健の時は少し寂しそうな雰囲気があるんだよね……」
「体育の授業を見たことあるのか?」
「ううん。たまたま他のクラスの体育の授業を響が見かけたの。その時はクリス達が受けた時と同じだった」
「あたしは受けていないが、そうなのか?紫?」
「……さーな。オレも他のクラスの授業を見ていないからな。ただ……あの野郎、去り際に、一瞬だが、どっか悲しそうな顔をしていたな……」.
「え……?」
オレの言葉に響は驚く。その後に皆、オレの顔を見て、揃って意外そうな顔で驚いていた。なんでだ?
「……驚いたな。まさか、紫がそんなことを言うなんて……」
「雨でも降りそうデース!」
「おまえら、オレをなんだと思ってるんだ!?」
いや、マジでなんだと思ってるんだよ!?オレのこと!?
そんな感じで、オレ達は昼休みが終わるまで、火野宮先生について話していた。