バッファの力で、シンフォギア世界を無双するぜ!   作:リュウ・セイ

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牛25:牛尾、ブチギレ!?──そして、教師と一緒に推しとの関係を振り返り、そのまま恋愛相談に話が変わりました。

 

 

 

「──あれから10日が経過したか……」

 

 

 ふっと、優斗()はカレンダーを見て、小さく、そう呟いた。

 

 

 そろそろ出撃の準備に取り掛かるか。と、思ったところで、ロックもせず、ガリィが突然、俺の部屋に入ってきた。

 

「マスターから、今日の夕方に残りのギアを壊してこいと命令されましたー」

「そうか……それをわざわざ知らせに来たのか?」

「んなわけねえだろ!テメエも一緒に来い!あの牛ヤロウを今度こそ、叩きのめすぞっ!!」

「……なるほどな」

 

 可愛いらしい表情から一変。ガリィは機嫌が悪いのか、いつもにまして、カリカリしていた。

 

 

 相当、バッファ(アイツ)にストレスが溜まっているみたいだな……。

 

 

 理由はわからないが、俺はなんとなく、そう思い、俺はデザイアドライバーの中央にはめられているダパーンのIDコアを引っこ抜き、代わりに、キツネ模様のIDコア──ギーツのIDコアをデザイアドライバーに差し込んだ。

 

 〈ENTRY〉

 

 と、ドライバーから音声が流れ、俺は椅子から立ち上がり、デザイアドライバーを腰に巻き付け、机の上にあるマグナムバックルとブーストバックルを左右のレイズバックルホルダーに着け、ジャマトバックルを服の外側にあるポケットに入れて、ガリィに近づいた。

 

「……んじゃ、行くか」

 

 俺がそう言うと、ガリィはニヤッと笑みを浮かべ、俺達はそのまま出撃した。

 

 

 

 

 

 ──ダパーンとガリィの戦いから10日が経過したある日の朝。

 

 

 新しい家に引っ越した牛尾(オレ)は、クリスと一緒に学園に向かっていた。

 

 だが、その途中、道端で、折紙一騎と遭遇した。

 

 

「おい、お前!」

「……?オレのことか?」

「お前以外、誰がいる!」

 

 

 そう言われても、隣にクリスがいるし、てっきりクリスに用があると思ったからなぁ……。

 

 などと、脳裏で思うオレだが、正直、面倒なヤツに絡まれて、うんざりしている。

 

 ここのところ、平和に過ごせていたから、正直、面倒事は避けたい気持ちがいっぱいだ。

 

 だが、一騎を見るなり、さっきまで機嫌が良かったクリスの表情が、一瞬で機嫌を悪くしていた。

 

 それを見たオレは脳裏で、ああ、面倒事が起きる気がする、と、そう予想した。

 

 

 ──そして、その予想は最悪な形で、的中した。

 

 

「お前、俺のクリスに、最近馴れ馴れしいぞ!クリスだけじゃない!響達と馴れ馴れしいぞ!お陰で俺と一緒にいる時間がめっぽう減ったじゃないか!どうしてくれる!」

 

「……は?」

 

 いや、知らねえよ。そんなこと。

 

 

 脳裏でそう思ったオレは一瞬、ぶん殴ってやろうか、と、思ったが、すぐに手を引っ込め、代わりに、言葉で論破しようと思い、すぐに行動に移した。

 

 

「良かったじゃねえか?その時間に勉強するなり、ゲームするなり、音楽聴くなり、読書するなり、色々とできる時間が増えたじゃねえか?」

 

「そういう問題じゃない!推しとの時間を奪われて、俺は迷惑してるんだよッ!!」

 

 いや、だから、知らねえよ。そんなこと。

 いや、そもそもの話。コイツはクリスのなんなのだ?

 

 そう思ったオレは一騎に問いかけた。

 

「大体よー、お前、クリスの彼氏なのか?」

 

「はぁっ!?牛尾、おま、何言って……!?」

 

「彼氏ではないッ!!だが、いずれそうなる関係だッ!!」

 

「──なっ!?お前はお前で何を言っているんだっ!?」

 

「そー、照れるなよー!クリスー!」

 

 

 ──プチッ。

 

 

 オレの中で何かが切れる音がした。

 いや、正確に言うと、オレはブチギレた。完全に、だ。

 

 

 ──そして。

 

 

「お前の方が一番、馴れ馴れしいんだよッ!!」

 

「へ?──グハッ!?」

 

 

 気がつけば、オレは一騎をぶん殴っていた。

 

 

 

 

 

 ──数時間後。

 

 

「……やってしまった」

「そう思うなら、次から手を出す前に、少し考えてから行動しろー。後、僕まで巻き込まないでくれると助かるー」

「……すまん、火野宮先生」

 

 

 オレはあの後、生徒指導室で、担任に説教を受けた。

 その少しした後、現場にいたクリスと、偶然、見かけた火野宮先生が事情を説明し、オレの処分は反省文を書かされることで済まされた。

 

 

 監視役の火野宮先生がオマケでいるのは納得いかないが、まぁ、仕方がない。

 

 

「……君、結構、独占欲が強い感じ?」

 

「……は?」

 

 

 どういう意味だ?

 

 

 突然、火野宮先生に言われて、オレはこの教師が言った言葉の意味に理解できず、頭にハテナを浮かべた。

 

「いや、さっさのアレだけでキレるって、相当、独占欲が強くなちゃできないことだよ?まぁ、彼の場合、粘着質が強いけど……」

 

「……」

 

 そう言われて、オレはこれまでのクリスとの接し方を思い出した。

 

 

 よく口喧嘩をするが、困ったことがあれば助けるし、嫌だと思うことは互いに、はっきりと、嫌だと言うし……なんやかんやで一緒にいる時間が多い気がする。

 

 

 そこまで考えた(のち)に、オレはある結論に至る。

 

「……多分、オレ、クリスのことが好きなんだとおもいます」

 

「お?それは異性としてかい?」

 

「いや、普通に推しとしてです……ただ、最近はそうじゃない気がします。自分にはあまり分かりませんけど……」

 

「……なるほど。難しい問題みたいだね」

 

「ええ。けど、これだけははっきりしています──どんなに彼女が好きでも、そこから一線を越えてはいけない気がします」

 

「ん?それは何故だい?」

 

 そう質問されて、オレは少し間を置き、真剣な表情で、火野宮先生に、こう答えた。

 

 

「──自分は仮面ライダーだからです」

 

「……あー、なるほどね」

 

 

 何か、自分に思い当たるのか、火野宮先生は納得したかのような表情で、そう言った。

 

 

「……それなら彼女がもし、君に告白したら、君はどうする?」

 

「……難しい質問っすね」

 

「そう考えることでもないよ。あくまで例え話だ」

 

「……」

 

 

 そう簡単に言うが、オレには難しい問題なんだよ。

 

 

 脳裏で悪態を吐きつつ、オレはもしも、クリスが告白したら、どうするか、考える。

 

 

「……多分、最初は喜んで受け入れると思います。けど、段々と嫌なところが互いに見えて、別れると思います」

 

「なるほど。後出しで別れる感じか……」

 

「最低、ですよね?こんな答えは……」

 

「いや、悪くないと思うよ。何事も挑戦と経験が大事だ。そういう意味では、君はまともな答えを出したと思うよ」

 

「……どうだろうな。あんま、自信がない」

 

「自信がない方がちょうどいいよ。さっきも言ったが君はまともな答えを出したよ。それだけでも一歩前進だ」

 

 

 そこまで言って、先生は突然、椅子から立ち上がり、まだ書き切っていない反省文の紙をオレから奪い取った。

 

 

「今日はもう帰りたまえ。明日も学校があるし、何より、そろそろ“動く頃合い”だ……」

 

「……良いんですか?」

 

「構わない。後は大人である僕の仕事だ。任せたまえ」

 

「……ありがとうございます」

 

 そうお礼を言って、オレはカバンを持って、生徒指導室を後にした。

 

 

 

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