バッファの力で、シンフォギア世界を無双するぜ! 作:リュウ・セイ
──12月24日と25日はクリスマスの日。
その日は待ちに待った夜の聖夜祭。
普段の日常では体験できない楽しい
まぁ、元々はキリスト教の何かの記念日だったけど……その何かは忘れた。
まぁ、そんな訳で、世界各国、誰もが喜ぶ大イベントの今日。
紫牛尾も、この日のクリスマスは楽しんで──
「なーにが、クリスマスだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
──いなかった。
何故、彼がこんなに不機嫌なのか?
その理由は──
──12月25日。その日はクリスマスであり、紫牛尾の誕生日であるからだ。
──12月24日。午後4時00分。
「ほんっと!!クリスマスなんて、クソくれええだ!!!」
「こーら、そんなこと言わないの!」
「そんなこと言ったら、サンタさんが来てくれないわよ」
「実在するわけねえだろ!!サンタクロースなんて!!!」
バカじゃねえのか?などと、そう吐き出しそうになったが、久しぶりに我が家に帰ってきて、そんなことを言うのは流石に二人に悪いと思い、オレはそれを呑み込んだ。
「毎年そうだけど、アンタ、何でそんなにクリスマスが嫌いなの?」
「嫌いじゃねえ!!ただ誕生日とクリスマスが被っていることに不満があるだけだ!!!」
──そう。これである。
オレは別にクリスマスが嫌いなわけではない。ただ、
前世のオレはあまり思わなかったが、『仮面ライダードライブ』の主人公、泊進ノ介の気持ちが今ならわかる。誕生日がクリスマスと同じ日なのが、こんなに不満で仕方がないのだ。
「それはそうと、さっさとクリスマスパーティーの準備をするわよ!じゃないと、皆、来ちゃうわよ!」
「わかってるよ!」
ややイヤイヤな気持ちで、オレは姉の牛美と一緒にクリスマスパーティーの準備を進めた。
──そう、今日は12月24日。まだオレの誕生日ではない。
そして今夜、
──12月24日。午後8時00分。
「お邪魔しまーす!」
「邪魔するなら帰りやがれ!」
「それなら失礼するデース!」
「失礼するなら帰りやがれ!」
「「酷い!」」
玄関でオレが皆を迎えると、真っ先に中に入ってきた響と切歌にオレは軽くあしらった。
そのあまりにも塩対応なオレに対して、二人は揃って、酷い、と、訴える。
それを見た未来と調は少し呆れていた。
「今のは仕方がないよ、響」
「そうだよ、切ちゃん。いきなり入ったら、迷惑だよ」
「「うっ……はい」」
「……とりま、中で少し待ってろ。まだパーティーの準備ができてないんだ」
「そうなの!?それなら何か手伝おうかしら?」
「
マリアの提案に、オレは賛同し、皆で、クリスマスパーティーの準備を進めた。
──12月24日。午後9時15分。
無事にクリスマスパーティーの準備が終わり、今回のパーティーの企画者兼代表であるオレが立ち、皆に合図をおくる。
『メリークリスマスッ!!』
『かんぱーい!!』
ガヤガヤ、ワイワイと、各々、クリスマスパーティーを楽しみ、中にはお酒を
「それに来ても、お前の家で、よくクリスマスパーティーを開こうと思ったな?」
「うちは毎年、クリスマスパーティーを開く家だからな。まぁ、これぐらいはできて当然だ……と言っても、今年は人数が多いがな……」
「……そうか」
「それはそうと、お前もよく来れたな。そっちも大変だろ?」
「そうでもない。キャロルが残したテレポートジェムの余りで、楽に日本に帰れた」
テレポートジェムを見せながら、優斗はそう言った。
実はキャロルとの戦いの後、優斗は一人、海外で軍事利用として使われているアルカノイズの対応をしていた。
幸い、創世の神の力を取り戻した優斗は単独での移動と戦闘ができるが、数が多いため、度々、オレ達は手伝っている。
そんな中、休息が必要な時や、クリスマスなどの何かしらの記念日はキャロルが残したテレポートジェムを使って、すんなり日本に帰ってきている。
「便利だな、それ……」
「やらねえぞ?」
「わーてるよ」
「へいへーい!みんな、クリスマス楽しんでるかーい!」
『イェーイ!』
突然、勝奇はマイクを持って、皆に問いかけると、クリスマスだからか、何故かテンションが高い響達は返事を返し、それを見たオレと優斗は唖然としていた。
「あれ、大丈夫か?」
「大丈夫じゃねえが、今日ぐらいは良いだろ」
「……そうか」
「あー、アツい!アツいから、服を全部脱ぐか……!!」
「「……は?」」
『え?』
その発言に、オレ達は固まり、そのまま勝奇は服とズボンを脱ごうと手を動かそうとしていた。
「ちょっと待てぇぇぇぇぇ!!チビ教師!!!」
「場所を考えろ!!変態勝奇!!!」
「はーい!!変態でーす!!!」
「開き直ってんじゃねええ!!!」
マジで服を全部脱ごうとしている勝奇に、オレと優斗は全力で止めた。
──12月24日。10時30分。
あの後、優斗の腹パンで勝奇は気絶し、前に使っていたオレの部屋に、勝奇を突っ込み、なんとか事なきを得た。
「ふあー、眠くなってきました……」
「そろそろ寝る時間だな……今日はこのまま泊まりだったか?」
「あー、そうだな……」
ただ、問題なのが、この人数を部屋分けするには少し骨が折れるな。
「とりま、オレと優斗は前にオレが使っていた部屋で寝るとして、他のメンバーは……」
「はいはーい!私の部屋と牛美の部屋で、女性陣を3人入れれば、問題ないと思いまーす!」
「いや、それだと1人余るけど……」
突然、母さんがそう提案してきて、それを聞いたオレは1人余ることに指摘すると、母さんは満面の笑みを浮かべた。
なんか、すごい嫌な予感がするんだけど……。
「ねえねえ、白石君。その石って、自分が行きたい場所に行けるんだよね?」
「ん?まぁ、
「あのねー」ゴニョゴニョ
「……なるほど。それなら構いませんよ」
「やったー!それじゃあ、牛尾、クリスちゃん、こっち来て!」
「……すごい嫌な予感がする」
「奇遇だな。オレも同じ気持ちだ」
多少、不安はあれど、オレとクリスは母さんの前に並んだ。
──すると。
「えい!」
──パキンッ!と、テレポートジェムをオレとクリスの前に投げて、それを破った。
「え!?ちょっとぉー!?」
「何してるんですか!?」
いや、マジで何やってんだ!?母さんッ!?
そう思った矢先、やがて、オレとクリスはそのままテレポートジェムの中に入り、別の場所に移動した。
──場所は変わり、オレの新しいマイホームの玄関。
オレとクリスはそこに移動され、オレは深い溜め息を吐いた。
「ハァー、ったく、母さんったら何やってくれてるんだよ……」
「……なぁ、牛尾」
「ん?何だ?クリス?」
「今日、一緒に寝ないか?」
「……はい?」
──12月24日。午後11時55分。
あの後、風呂に入って、クリスの提案で、オレは今、自分のベッドの上で、クリスと一緒に横になっている。
「……本当に良いのか?」
「あたしが一緒に寝たいから良いんだよ」
「……そうか」
「なぁ、牛尾」
「なんだ?」
「サンタクロースっていると思うか?」
「オレはいない派。クリスは?」
「……あたしも同じ。けど、今はいると信じたい」
「……なんで?」
「なんでだろ……」
「なんだよ、それ……」
そう話していると、ふっと、オレは電子時計を覗いた。
午後11時59分──否、たった今、0時00分。
12月25日、オレの誕生日である。
「なぁ、牛尾」
「なんだ?」
「……誕生日、おめでとう」
「……フッ、ありがとよ、クリス」
ふっと、オレはクリスの言った言葉を思い出した。
「なぁ、クリス」
「なんだよ?」
「……オレも今だけ、サンタクロースがいることを信じて良いか?」
「フッ、何言ってるんだよ?もう来てるよ。お前の近くに……」
「そうか……」
そうして、オレはそのまま目をつむり、静かに意識を手放し、眠りについた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
今回はクリスマススペシャル。そして、牛尾君の誕生日です。
かなり急ぎ足で描きましたが、楽しんでいただけたら、幸いです。
また、今回の話で、優斗の立ち位置が変わっていますが、これはこのお話独自のストーリーのため、本編とは違う結末になる恐れがあります。斜めご注意ください。
という訳で、皆さん、この日を、クリスマスを楽しんでください。