バッファの力で、シンフォギア世界を無双するぜ!   作:リュウ・セイ

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牛8:やっべ、完全に寝坊した!しかも、人とぶつかった!相手は……昨日の赤ジャージの少年!?

 

 

 

「ごめんねー、神様。急に無理なことを頼んでー。え?上司?あぁ、アレは交渉するのに必要なことだったんだ。悪く思わないでよねー」

 

 ──午後23時55分。深夜という時間の中、とあるホテルの一室を借りて暮らしている赤ジャージの少年はスマホを片手に神様と通話していた。

 どうやら、数時間前に牛尾に届けたフィーバースロットバックルについての話と、渡す際の交渉として、話題に出した上司という言葉について、少年に抗議しているみたいだ。

 

「まぁ、それより、例の件。そっちでわかったことはある?こっちは断念ながら収穫はないよー……」

 

 などと、軽口を言うが、内心は不安であり、心配な少年である。

 

「……そっか。そっちも収穫はなしか……まぁ、でも1人はキャロルの所にいるんだよね?後の2人は牛尾(カレ)と同じ、学園のどこかにいるんだよね?だったら、最終手段を使うか……あまり気が進まないけど……」

 

 そう言って、少年は1枚の紙を取り出す。

 それは就職に必要な自身の自己PRである。その就職先は「リディアン音楽院高等科」の名前が書かれていた。

 

「大丈夫かって?不安しかないよ、断念ながら……まぁ、でも、自分なりに教師として頑張ってみるよ……それじゃあ、もう夜も遅いから寝るよ?ああ、おやすみ。神様も無理しないでね……」

 

 ピッ!と、スマホの通話を切って、少年はベッドの上で、大の字になって横になり、深い溜め息を吐いた。

 

「……僕に教師が務まるのかな?まぁ、頑張るけど……」

 

 そう言って、少年は何か諦めたような顔で目を瞑り、深い眠りについた。

 

 

 

 

 

「だぁぁぁぁぁッー!完全に寝坊したぁぁぁぁぁッー!」

 

 俺、紫牛尾は今、(おお)寝坊をブチかまし、学園に向かうため、全速力で走っている!

 

 ち、遅刻だけは絶対に防がねえぇそー!

 

「それよりも間に合うのか!?否、気合で間に合わせ──」

 

「うわっ!?」

 

 角を曲がった途端、人にぶつかった!

 やっべ、完全に余所見(よそみ)してた!ぶつかった相手、大丈夫か!?

 

「悪い!急いでるんだ!なんせ、学園に遅刻間際で……え?」

 

 俺はぶつかった相手を見て、目を疑った。

 赤いジャージに小柄な少年……コイツ、昨日のフィーバースロットバックルを俺に渡した人か?

 

「ああ、うん。大丈夫。こっちも余所見をしていたよ……あ」

 

 目が合った。すると、相手はニヤリと笑った。

 この笑い方……間違えねぇ!昨日、配達した赤ジャージの野郎だ!

 

「おい、アンタ!何でアンタがフィーバースロットバックルを運んで、俺に渡してきた?後ついでに、家の住所、どうやって掴んだ?答えろ!!」

「……」

 

 つい、声を荒げてしまったが致し方がない。

 なんせ、家の住所を知って、フィーバースロットバックルを持ってくるあたり、コイツは普通じゃねえのはわかる!これだけは断じて言える!自身を持って言える!

 

「……すまないが、今は君の相手をしている暇はない。僕も急いでいるんだ」

「はぁ?ここで逃すと思うか?力尽くで、アンタを吐かせてでも、こっちは全然構わないんだぜ?」

「……」

 

 俺がそう言うと、赤ジャージの野郎は俺を強く睨んだ。

 

 な、何だ?やるのか?

 

「……はぁ、朝から最悪だ。本当に……最悪だ」

 

 ブツブツと文句を言いながら、赤ジャージの野郎は何かを取り出した。

 それを見て、俺は驚き、声を荒げた。

 

「そ、それはマグマナックル!?何でアンタがそれを持ってるんだ!?」

「説明する必要があるか?まぁ、答えはすぐ教えるけど……」

 

 ジャージのシャックを開けると、赤ジャージの野郎の腰にビルドの変身アイテム、ビルドドライバーが巻かれていた。

 

「……力尽くで吐かせる……って言ったって?やれるものなら、やってみなよ?今の君の力では僕を相手には出来ないけど……」

「──ッ!?」

 

 強い、殺気を感じた。

 見た目から見て、ただ者ではないことなのは、わかってはいたが、あそこまで殺気を丸出しにするのは初めて見た。

 そう思った俺は咄嗟にデザイアドライバーとゾンビバックルを取り出した。

 

 ──その時だ。

 

 ピーン、ポーン、パーン、ポーンー♪

 

「「……」」

 

 流れるかのように鳴るチャイムの音。それを聞いた俺達はさっきまで殺意マシマシだったのが嘘のように静かに黙り込む。

 

 ──そして、俺達は揃って叫んだ。

 

「「しまった!?学園に遅れる!!」」

 

 息がピッタリ揃った。驚く程に。

 

 それからと言うもの、俺達は急いで、全速力で学園に向かって走っていった。

 

 

 




前の話で出会ってた二人だけど、今回から結局的に絡みます。
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