美少女に転生したので配信者になりますっ! 作:Senana..
こんな話を書いて欲しい、ここはこうして欲しかった、などご要望ございましたらメッセージ・活動報告にてお送りください。参考に致します。
転生!
「マジで可愛いな…」
鏡に映った黒髪の美少女を見て俺はそんな独り言をこぼす。
「まあ、中身が俺じゃ台無しだけどな」
そう、ここにいるこの、神話の世界からやってきた女神のような美貌の少女は、俺なのだ。
度重なる部下の失敗で、上司として部下の責任を背負って何人分もの仕事を1人でこなしていた俺は、ついに3徹をキメた出勤4日目の夜に、死んだ。
もちろん過労死というやつだ。何か事故にあって死んだわけではない。
そうして、現代人としてはいささか早い30代前半というタイミングで俺は1度目の人生に幕を下ろしたのだった。
そして俺は、気づいたときには真っ白い光に包まれた不思議な空間にいた。
まあ、ここからのことはこの話を聞いているオタク諸君には詳しく説明しなくても分かるだろう。神を自称する老人に転生する機会を与えられた俺は、無事神スペックなチートボディの美少女に転生を果たしたのだった。
「さて、どうするかな」
せっかくチートつきで転生させてもらえたんだ、やりたいことは全部やりたい。
ちなみに、転生前に神に聞いたところによると、今いるこの世界は俺が前世で生きていた世界に"よく似た"世界ということらしい。"よく似た"世界であるので、歴史や現在の情勢なんかもほとんど同じだ。わざわざこの世界のことを学び直さなくていいというのは非常に助かる。
なぜ前世と同じ世界ではなく、"よく似た"世界に転生させられたかといえば、同じ魂を持つ者がひとつの世界に2人いてはならない、ということらしい。世界にもいろいろルールがあるんだな。
まあ、それは俺にはどうでもいいか。
「ん〜と、今日の日付は…」
まず俺は自分のいる部屋で時計を探し、現在の日付を確認した。
「2009年3月20日、か」
部屋の雰囲気から何百年も前とか先とかいう心配はしていなかったが、どうやらこの世界の"今"は、前世で俺が死んだ時より10年ほど前にあたるらしい。
まったく同じ世界ではないとはいえ、前世で1度経験した時代に来れたのはありがたいな。
そういえば言い忘れてたが、今いる部屋は神が用意してくれた、東京の中心部にある高級マンションの一室だ。俺の新しい戸籍やら住居やらは全て神が用意してくれて、お金なども神が用意してくれるということなので、本当に至れり尽くせりだ。
まあ、神からしたらこれくらい大したことないんだろうが。
あと、俺がもらったこのチート美少女のスペックについてだが、特筆すべきは2つだろうか。
ひとつめは、"不老"。
どんなに美しい女性でもいつかは老いてその美しさを失っていくものだが、この美少女ボディは永久に美少女であり続けるということだ。最高。
ちなみに、自分で死にたいと思えば案外あっさり死ねてしまうらしいので、嫌々生き続けるということもない。まあ、いまのところ死ぬ予定はまったくないが。
ふたつめは、"超学習"。
何かの技術でも、学問や言語などの知識でも、超スピードで習得して1度覚えたことは忘れない。異世界ものでいう成長チートだな。これから生きていくうえで1番使うのがこの"超学習"だろう。
他にも、魔法が使えたり確率を操作できたりとか色々チートをもらえたけど、あんまり何でもかんでも使ってもおかしなことになりそうだし、いま主に重要なのはやはり"不老"と"超学習"のふたつだな。あと、この容姿もチートといえるかな。
ここまでで、だいたい今の俺の状況は分かってもらえたと思うので、さっそくこの世界で何をするか決めていこう。
「2009年ということは、ニコニコとかYouTubeのサービスはもう開始してるな」
まず、俺にはひとつやりたいことがある。
それは、配信者になることだ。前世では大学時代くらいから配信者というものが現れ始めて、俺が死んだ頃には立派な職業の1つとなっていた。
話すのが上手い人は雑談をしたり、ゲームが得意な人はゲーム配信をしたりと、各々自分にあったスタイルで配信を行っていた。
人気のある配信者だと、数万人・数十万人という人がリアルタイムで配信を見ていたりと、巨大なひとつのコンテンツとして、配信者業界は大いに賑わっていた。
俺自身も、大学生の頃から様々な配信を見てきたリスナーの1人である。前世の俺はしゃべりに自信がなかったし、ゲームも下手で続かなかったような人間だったから、自分が配信者になるようなことは考えたこともなかった。
しかし、今の俺は違う。まだ試してはいないが、神からもらったチート"超学習"を使えば、この世界の芸能人たちから話し方を学習したり、色々なジャンルの話題を覚えまくって話のネタにしたりと、自分のしゃべりに対する苦手意識は克服できるし、ゲームに関してはこのチートですぐに上手くなれるだろう。
この神スペックボディがあれば、俺が配信者になるための障害など無くなったといっていい。
というわけで、この世界でまずは人気配信者になることを目標に行動していこう。
「まずは計画を立てるか」
俺は今までいた寝室からリビングに移動して、ボフッと大きなソファに寝転ぶと、これからの計画を練るためにそっと目を閉じた。
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色々考えているうちに日が暮れてしまったが、だいたいの計画ができたので紹介しようと思う。
まず今年、つまり2009年から、5年後の2014年までの5年間は、ニコニコやYouTubeで美少女配信者として活動する。
5年あれば、この神スペックボディな俺なら人気配信者にはなれているだろうから、5周年で引退する時はさぞ多くの人が悲しんでくれるに違いない。
次に、少し時がとんで2018年からは、VTuberとして活動していこうと思っている。
VTuberというのは、架空のキャラクターのイラストを動かして、配信者として活動するYouTuberのことだ。2018年より前から存在はしていたが、本格的にたくさんのVTuberが登場して、VTuberというコンテンツ自体が盛り上がり始めたのはこの頃からだったと思う。
というわけで、今年から5年間は美少女配信者、2018年からはVTuber、という計画でいこうと思う。
ちなみに、2014年の配信者引退から2018年のVTuberデビューまでの4年間が空いているのは、ただ単に俺の休憩の為である。何か空白の4年間に意味を与えるとしたら、配信者引退からすぐにVTuberデビューとなると、同一人物だとバレてしまいそうだから、とかだろうか。
美少女配信者とVTuberの両立も出来なくはないが、転生してまで忙しくしたくないし、俺は世界を色々と旅してみたいのだ。
前世では仕事ばかりで家と会社を往復する生活だったから、俺の世界というのは非常に小さかった。でも、今の俺は自由だ。せっかくこんな自由を手に入れらたんだから、色んな景色を見てみたい、そう思ったのだ。
とまあこんな感じで、これから10年先くらいまでの大まかな計画ができたので、明日からは配信者となる準備を進めていこうと思う。
ああ、たくさん考えたら眠たくなってきた。
俺はそのままソファに大の字になって眠りに落ちるのだった。