美少女に転生したので配信者になりますっ! 作:Senana..
配信者になってから1年が経った。
今夜に予定している七海七瀬の1周年記念配信のために、予約しておいた記念ケーキを取りに行って帰ってきた俺は、パソコンを開いて日課となっているYouTubeのコメント確認を始めた。
今日まで365日、毎日欠かさず配信を行い、寝る前にはその配信のアーカイブを編集してYouTubeに投稿してきた。
その日々の積み重ねのおかげで、パソコンに映るチャンネルの登録者は51万人。つい先日50万人の大台を突破し、日本では最速の50万人達成となった。
あれ、俺ってば、すごい?
たしか俺が前世でいた世界では、あの日本YouTuberのドン、ヒ○キンさんでさえ50万人を突破したのは約3年後の2013年夏頃だったはず。
そう考えると、2010年の時点で既に50万人を突破している俺って…
ちなみに、現時点でYouTube登録者の世界ランキングではTOP10に入っている。わあ、すごーい…。
まあ数字のすごさは置いておくとしても、現段階で既に日本のYouTuberのトップに立っているということだ。嬉しいね。
メディアや雑誌でも俺の名前が載ることが増えて、かなり知名度も上がってきた。特に、月に2回ほどやっている歌配信なんかはメディアでも取り上げやすいらしく、テレビ番組などで紹介されたりもしている。
普段はゲーム配信がほとんどだからそのことも伝えてくれたらいいのにな、とも思いつつ、ゲーム画面がメインで、俺を映しているカメラの映像は右下に小さめにあるだけというゲーム配信はテレビなどで紹介するのには向いていないというのも分かるので、文句は言わない。
歌配信の時は、ギターやピアノで弾き語りする俺の姿が全面に映っているし、ゲームに集中しているときよりも可愛い顔ができている自覚はあるので、まあ宣伝するならこっちの方がいいか、といつも自分で納得している。
さて、そんなネットに限らず世間でも人気になり始めた俺の今夜の1周年記念配信についてだが、前半はリスナーたちとお話しながらケーキを食べる予定だ。
俺みたいな超絶かわいい女の子が美味しそうにケーキを食べる姿にきっとみんな癒されるに違いないし、思い返してみると今までの配信でカメラの前で何かを食べた事がないことに気がついたので、リスナーのみんなも喜んでくれるだろう。
そして、ケーキを食べたあとは新たな試み、作曲に挑戦してみようと思う。
今日のために音楽理論は"超学習"を使ってきちんと勉強したし、定期的にやっている歌配信のおかげで俺の音楽的センスも磨かれていると思うので、どうなるか楽しみだ。
音楽に関してかなり慎重な俺は既に、自分が作曲をできるのか簡単な曲を作ってテストしたので、失敗はしないと思う。
配信での作曲方法についてだが、随時コメントでリスナーの希望を聞きながら、その希望に沿えるように作っていこうと思っている。
普通は希望を聞いたからってすぐに曲ができたりしないだろうが、そこは"超学習"で鍛えられた俺のセンスにかかっている。頼んだ、俺。
そんなことを考えながら、最近の動画にきたコメントを見たり暇つぶしに歌を歌ったりして、夜の配信までの時間を過ごした。
ーーーーー
「こんばんは〜!七瀬です!みなさん、お待たせしました〜!」
いつも通りの配信時刻、俺はいつもより少しテンション高めで配信を開始した。
・こんばんは〜!
・ななちゃん1周年おめでとう〜!!
・こんばんは〜
・テンション高いね〜!
・元気なななちゃん可愛い
「お、コメントにも来てますね!そうです!今日はタイトルにもある通り、わたし七海七瀬の配信者としての活動1周年記念日です〜!!」
・おめでとう〜!
・わーい
・おめでとう〜!!
・祝!1周年!
・はやかったね〜〜
「はい、ほんとに早かったです!毎日みなさんと色んなゲームを一緒に遊んで、たくさんおしゃべりもして、たまに歌を歌ったりもして、ほんとに楽しくて充実した1年でした!みなさんありがとうございます!」
・こちらこそ〜!
・いつも楽しい配信ありがとう!
・毎日癒されてます
・いえいえ〜
・俺も今までより充実してたよ
「ということで今回は、前半はみなさんとおしゃべりをしながら記念ケーキを食べようと思います!」
・おお!
・いいねー!
・ななちゃんが食べてるの見たことないかも
・ケーキ!
・記念ケーキわーい
「さっそく冷蔵庫から持ってくるので、少しお待ちくださ〜い」
・はーい
・りょーかい
・走ってくのかわいい
・後ろ姿新鮮w
・やっぱテンション高いね!
「はーい、お待たせしました!みなさんにもケーキお見せしますね!じゃーん」
・かわいい〜!
・ちゃんと1周年記念ってかいてある!
・美味しそう!!
・ちゃんといいケーキだ
・それ1人で食べるの?w
「えーっと、さすがに食べきれないと思うので、残りは明日の私の朝ごはんになります!」
・だよねw
・安心安心
・大食い企画始まったかと思ったw
・俺も一緒に食べる!
・新たな才能は大食いか?
「じゃあ、半分に切って〜、さらにもう半分〜♪」
・いつにも増してかわいいね
・ニッコニコw
・いつものゲームの敵をボコしてる時とは違う嬉しそうな笑顔だ!
・かわいい〜
・指切らないようにね〜
「よし!いいサイズに切り分けれたので、食べていきますよ〜。それではみなさん、1周年ありがとうございます!いただきま〜す」
・大きくいったねw
・美味しそう〜
・お腹空いたわ
・美味しそうに食べるねぇ
・おめでとう〜!
そのあと、ケーキを食べながらリスナーと1年を振り返ってみたり、次やるゲームを話し合ったりして楽しい時間を過ごした。
ーー
「にゃ〜、お腹いっぱい!美味しかった〜」
・食べきったーーwww
・全部たべるとは…
・フォークが止まらないなとは思ったけどもww
・かなりのサイズあったぞ?
・にゃ〜かわいい
・やはり大食いの才能もあったか
「無理だと思ってたのは本当なんですけど、美味しくて止まれませんでした!笑」
・普通はいくら美味しくてもお腹いっぱいで止まるのよw
・いい食べっぷりでした
・美味しそうに食べてて可愛かったよ〜
・見てただけなのにお腹いっぱいなった
「あはは、明日の朝ごはんのケーキがなくなっちゃったのは少し残念ですが、今幸せなので良しとします!それじゃあ片付けて次にいきましょうか〜」
・朝ごはんのケーキがねw
・次??
・まだあるの?
・なんだなんだー
・もう終わりかと思った
「ここで終わりでも良かったんですが、せっかくの1周年記念なので何か特別なことをしたいと思って1つ考えてきました!」
・わくわく
・特別なこといいね!
・なんだろう?
「これからやろうと思うのは〜作曲!です!」
・作曲?
・歌作るの?
・いまから作曲!?
・どういうこと?
・おお〜!
「いまから皆さんにはコメントでどんな曲にしたいか、どんなメロディがいいかなどの要望を送って頂いて、わたしがそれをできる限り取り入れて曲を作ってみたいと思います!」
・まじ!?
・そんなこと出来んの!
・すごいこと考えるね〜
・どんな曲になるんだろう!
・すげぇぇぇ
「それじゃあ皆さん、まずはテーマから!どんなテーマの曲にしたいかをコメントで送ってくださ〜い!」
・はーい
・かわいい曲!
・はーい
・テーマってどんなん?
・恋愛ソング!
・ななちゃんが主人公の歌!
「おお〜、たくさん来てますね〜。バラードいいですね〜、ラブソングもいいですね〜、うんうん。それじゃあまずテーマはーーーー」
リスナーからテーマ、曲調、歌詞に入れる言葉などを募集して大まかなかたちをつくり、思い浮かんだフレーズをいくつか歌ってみてリスナーに選んでもらったりして、俺の初めてのリスナー参加型曲作りは進んでいった。
ーーーーー
「最後のアウトロは2番目が好きな人が多いみたいですね!ではアウトロは2番に決定で、か〜んせ〜〜い!!!」
・できた〜!!!
・すご〜い!
・ほんとに出来ちゃった〜!
・めっちゃ良くない???
・ななちゃんほんとすごいよ…!
「いや〜、リスナーさんたちにアイデアを出してもらえるとこんなにすぐに曲ができるんですね!すっごく楽しかったです!」
・いや、俺たちほぼなんもしてないよww
・まあテーマと歌詞はちゃんと参加出来たかな?
・自分が選んだメロディで曲ができていくのめっちゃ面白い!
・マジで天才だよ、ほんと
・参加型楽しかった
「では、この1周年記念配信の最後は!皆さんと作った私の初めての曲!『蒼星』を歌って終わりたいと思います!聞いてください!」
ーーーーー
「ありがとうございました〜!わたしたちの初めての曲!『蒼星』でした〜!!」
・マジで神曲!!
・これがたったの40分くらいで出来たってやばくね?
・これは毎日聴くわ
・いい歌できたね
・曲もいいし何より歌が上手いw
「あ〜たのしかった!思い出に残る記念配信になりました!リスナーの皆さん、最後まで見てくれてありがとうございました!明日からもいつも通り配信するので、ぜひ見に来てくださいね!それじゃあ、おやすみなさ〜い!」
・ありがとう〜!!
・おやすみ〜!
・楽しかったよありがとう〜
・ゆっくり休んで〜!
・最高の記念配信だった〜!
・ありがとう!!
・おやすみ〜
・ななちゃん大好き〜!
ああ、楽しかったな。
配信が終わるのが名残惜しくていつもよりたくさん手を振ってから配信を終了した俺は、やり切った満足感とたくさんのリスナーに支えられているという幸福感に浸りながら椅子に深く腰掛けた。
前世で好きだった配信者を自分もやってみたい、人気者になりたい、というそれだけで始めた配信者活動だったけど、こうやって節目となる記念配信でリスナーとたくさんお喋りをしたり一緒に曲を作って思ったのは、俺が、この配信者としての活動がすごく好きだということだ。
神様にもらった身体で、もらった力だったとしても、自分が続けてやってきたことをたくさんの人に一緒に祝ってもらえるのは、正直ものすごく嬉しかった。
前世では部下の尻拭いのようなことばかりしていたし、みんな当たり前にやっていることを自分もするだけという生活だったから、誰かに認められたり祝ってもらえたりなんて、大人になってからは1度もなかったように思う。最後は過労であっけなく死んで、本当につまらない人生だった。
けど、神様のおかげでいまは、新たに七海七瀬としてこんなにも楽しい生活を送れている。幸せだ。
つまりなにが言いたいかというと、こんな幸せをくれた神様、ほんとにありがとうってことだ!!
これからは毎日神様を拝むことを決めた俺だった。