美少女に転生したので配信者になりますっ! 作:Senana..
2周年記念配信からしばらく経ったある日、俺は目の前に設置された2つのペンタブに向かって黙々とペンをはしらせていた。
ペンタブの奥には2つのモニターがあり、それぞれのペンタブで描かれている最中のイラストが表示されている。右手で右のペンタブ、左手で左のペンタブ。俺は左右の手で別々のイラストを同時進行で、しかも超高速で描いていた。
いったい俺がなにをやっているかというと、オリジナルアニメの製作である。
相変わらず配信も動画制作もやっていない時間のほとんどを漫画やアニメに費やしている俺だが、この2年間で気になっていた作品はほとんど見てしまい、さらに"超学習"によって素の能力まで格段に強化された俺の脳は、1度見た作品の内容を忘れさせてくれない。
そのため2周目を見る気にもならず、最近はピンとくる作品がなくて退屈していたのだ。
そこで、俺はこの退屈な時間を使って自分でもアニメを作ってみようと思い、思い立ったら即実行で最新のペンタブを購入して絵の練習をはじめた。
元の俺は絵心が壊滅的であったのだが、そこは今ではおなじみとなった神様がくれたチート"超学習"のおかげで俺の絵の技術はすぐさま洗練されていった。
今ではどんな絵でも訂正無しで一発描きで完璧に描けるようになったし、やろうと思えば写真と見間違うような超写実的な絵まで描けるようになった。さらに左右の手で2つの絵を同時に描くことまでできてしまう。
そんなわけであっという間に超人的な描画技術を手に入れた俺は、さっそくアニメ製作にとりかかっていた。
アニメの内容は絵の練習中にすでに完結まで考えてあり、あとは形にしていくだけという状況だ。前世でこんなアニメがあったらいいのになと妄想していたものを、今世の俺のチートな思考能力でストーリー化し、なかなか面白い話になったと思う。
既にアニメでどんなシーンをどんな画角で描きたいかということも考えているので、ノンストップで絵を描き続けている。
アニメの長さについてだが、1話30分の合計50話になるように調整しようと思っている。普通のアニメの1クールといえば12話くらいだし、1話の長さも広告を抜くとOPやEDをいれても25分ないくらいだと思うが、ちゃんと1話ごとに話を進められるようにしたいし、ボリュームがあった方が見る人も満足できると思うので、本編30分にOP・EDをつけるという形でいく予定だ。
他のこだわりとしては、コマ数の多さだろうか。一般的なアニメでは1秒間に12コマ、多くても24コマというところだが、俺のアニメは1秒に36コマを用いる。めちゃくちゃヌルヌル動くので、それだけでクオリティがめちゃくちゃ高く感じる。
一コマ一コマも細部まで丁寧に描くので、作画の良さも圧倒的だろう。動きの多いシーンであっても人物の表情や衣服まで妥協しない。アニメのどこで止めても美しいイラストになるというのが目標だ。
アニメーションに関してはこんな感じで、あとはキャラクターの声やOP・EDの曲などについても軽く説明すると、声優はすべて俺がやる。この神スペックボディは声を自在に変化させることも可能なので、俺が思い描く理想のキャラクターボイスを出すことが出来る。
曲に関しては、すでに作曲は終わっていてあとはレコーディングするだけの状態だ。アニメ用のショートバージョンとは別に、フルバージョンもレコーディングして、そちらにはフル用のMVを別に製作する予定だ。
これで、俺の初めてのアニメ製作についてだいたい分かってもらえただろうか。
現時点で完成しているのは15話だけだが、あと1ヶ月もあれば完結まで作り終えるだろう。30話まで作り終えたら、アニメ用のチャンネルを作って作者不明の謎のアニメとして週に2話ずつ投稿する予定だ。
OP・EDを俺が歌っているのは声ですぐに分かるだろうが、配信で絵を描いたりしたことはないので、アニメーションまですべて作っているとは思わないだろう。
そうして作者不明のアニメとして十分に注目を集めてから、俺が作ったことを明かして七瀬自身にも注目を集めるというのが今回の俺の作戦だ。
最初は自分が見るだけの自己満足のアニメの予定だったが、神スペックボディのおかげでとんでもない神アニメができそうなので、せっかくなら色んな人に見てもらって、そのうえで七海七瀬の名前も売ってやろうということだ。
実際に投稿してみてどれくらいの反響があるかはまだ分からないが、前世から今までの数十年間を漫画・アニメヲタクとして生きてきた俺が、チートを使ってヲタクの夢を実現した作品だ、同じヲタクたちなら絶対にハマると言い切れる。
まだ半分も作り終わっていないのに、公開後の人気を確信している俺だった。