迷い人と星の子   作:ポテチバタースキー

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お気に入り始め、皆様読んでいただきありがとうございます。
か、書けたところまで投稿しますね……orz
では、み、短めですけど、どうぞ。






第17ー①話:修行前にしてアイちゃんリカバリータイム 2/11更新

 

 

 

 

 

「アイ、準備は良いか?」

「良いよー」

 

 お互いジャージに着替えてから、俺の神威(かむい)を発動。

 俺とアイは、石造りの地面が延々と続いている神威の時空間へ降り立った。

 それでは早速、アイの要望通り修行開始……の前に。

 

「アイ」

「んー?」

()ず、リスク――術の暴発がどういうものか見せようと思う」

「……シスイ君が怪我したりするのは嫌だよ?」

「ああ、心配は掛けないよ」

 

 左右の人差し指と中指を立てて、十字に印を結ぶ。

 ぼふんっという間抜けな音と立てて、影分身の俺が1体現れた。

 アイも見慣れた様子で、(かつ)てのような驚きは無い。

 

「ねね、シスイ君」

「ん?」

「私にも、その影分身の術、教えてくれるんだよね?」

「ああ、順調にステップアップしていった時に教えるよ」

「やたっ!!」

 

 小さくガッツポーズをして喜んでいるアイ。

 そんな彼女を見て改めて思う。

 もう2度とアイを傷つけるような事はしたくない、と。

 俺なんかを好いてくれている彼女へ報い続けたい、と。

 ならば、俺がすべき事は何か。それは、アイへの想いを自身の行動で示し続ける事のみだ。

 

「アイ。影分身の俺から離れて、もう少しだけこっちにおいで」

「んっ、分かったぁ」

 

 影分身の俺が離れていくのを尻目に、アイは俺の正面から、ひしっと抱きついてきた。

 立派に成長中なツインマシュマロの感触……!

 が、直ぐに自分を(いまし)める。

 彼女は安らいだ表情を浮かべ、俺の胸元で頬擦(ほおず)りしているのだ。

 下心など抱ける(はず)も無い。

 煩悩(ぼんのう)バイバイ。

 

「……もう少ししてからにするか?」

「んっ、……もうちょっとだけ良い?」

「ああ、良いよ」

「えへへへっ」

 

 俺も彼女の背中に両手を回す。

 アイのやりたいようにやらせよう。

 俺のやらかし、ユナとの衝突があってから時間も経ってないしな。

 最悪、明日の学校へは俺の影分身2体に行かせて、家でのんびり過ごすのも有りか。

 そこでふと、アイが動きを止めた。

 

「ねね、シスイ君」

「ん?」

「私の事、愛してる?」

「ああ、愛してる」

「1番?」

「1番。死ぬまで、……いや、死んでからもずっとな」

「んふふふっ」

 

 頬擦り再開。

 けれども、アイの行動は頬擦りに留まらず、次第に大胆になっていく。

 

「スゥ〰〰……ハァ〰〰……スゥ〰〰……んへへへっ」

 

 何時(いつ)ぞや……いや、度々やっていたように、俺の胸板に顔を(うず)めてクンカクンカしだしたのだ。

 匂いを()がれる度に、アイの吐息がジャージ越しに感じられて、少しこそばゆい。

 ……俺、臭く無いよね?

 

「スゥ〰〰……ハァ〰〰……むふふっ……シスイ君」

「ん?」

「シスイ君のジャージのチャック、少し下ろして欲しいなー。その後、少し屈んで?」

「あ、ああ」

 

 いまいち意図を量りかねるが、胸元から顔を離したアイに言われるがまま、ジャージのチャックを鳩尾(みぞおち)辺りまで下ろし、少しだけ(ひざ)を曲げる。アイと同じ目線になるよう調整。

 すると、アイは俺の左側に回り込み、ジャージの(えり)(めく)って……。

 

「いただきますっ。んちゅ、ちゅぱっ、ちゅ〰〰……ぽっ」

「っ!?」

 

 俺の首筋に繰り返し吸い付いてきた。

 しかも、吸い付くだけでなく、舌先で器用にツンツンしたり、レロレロしたりの合わせ技である。

 アイの(よだれ)と熱く柔らかくも少しざらついた舌、そして首筋に当たる、ふんふんっと興奮気味な鼻息。

 それらの感触が先程バイバイしたものを連れ戻し、俺の獣欲を煮詰めるように刺激していった。

 

「ちゅぷっ、ぢゅるっ、ちゅ〰〰……ぱっ」

「おぅふ……っ。あ、あのアイさん?」

「んー?」

「その……っ、何をなさっているので?」

「ちゅ〰〰……ぱっ! ふぅ~……。キスマーク付けようと思ってさー。良いアイディアでしょ」

 

 口元を豪快に(ぬぐ)ったアイは、一仕事やり遂げたと言わんばかりの清々(すがすが)しい笑顔で答えた。

 それから何かを思い出したように、人差し指を立てて俺に()いてくる。

 

「あっ、後1つ良い?」

「お、おう……どうぞ?」

 

 俺がつっかえながらも言葉を返すと、再び正面に立ったアイは、何故か俺のジャージの両脇をむんずと(つか)み……。

 

「うーん、邪魔だし仕方無いかなぁ。……後で弁償するから良いよね?」

「えっ? 何を――」

 

 するつもり? と言おうとした、その時。

 

「えいっ!」

「ふぁっ!?」

 

 ビリビリィ!! と音を立てて、俺の上半身がご開帳されてしまった。

 アイが力ずくで、アンダーシャツもろとも俺のジャージを引き裂いたのだ。

 哀れジャージ。哀れアンダーシャツ。左右真っ二つに引き千切られた無惨な姿で、俺の両腕にぶら下がっている。

 勿論(もちろん)と言うべきか、彼女のアグレッシブな行動はそれで終わらない。

 即座に抱きついて半裸な俺の体を(まさぐ)り始めたのだ。

 その手つきは繊細にして巧み。

 掌全体で背中をサワサワしたかと思えば、指先でツーッとなぞったり、何かの記号を描くようにフェザータッチしてくる。

 ああっ、腹や肋骨辺りまでお触りするなんてぇ……っ!

 らめぇっ! 悔しいっ! でも、反応しちゃうっ!

 (しばら)くして、アイは(ようや)く落ち着きを取り戻し、抱擁(ほうよう)を解いた。両手を組み、ぐ〰〰っと1度背伸びして、口を開く。

 

「ん〰〰っ!! シスイニウム補充完了っと♪」

「おっ、お楽しみ……いただけたかしらん?」

「それはもう!! いやぁ、シスイ君、やっぱり良い体してるよねー。男の子というか、お腹とか引き締まってて凄く……って、変な話し方してどうしたの?」

「い、いやぁ、別に大した事じゃあ……」

 

 きょとんとした不思議そうな顔のアイから、つい目を()らす。

 ツインマシュマロのみならず、首筋チュッチュッとお触りされた結果、過去1番でアレな欲求が(たぎ)っているなんて絶対に言えない……。

 俺のパトリオットが半分照準調整してしまったなんて、尚更……。

 

「ん〰〰? 怪しいなぁ」

 

 半眼のアイは、さながら探偵のように(あご)に手を当てて、視線を照射してきた。

 は、話を逸らさねば……!

 

「ご、ごほんっ! とにかく、そろそろ始めるぞ」

「気になるけどぉ……、今は仕方無いかー」

「ああ、その通り。仕方無い仕方無い。……さて、影分身の俺が術の暴発を見せるから、俺とアイは須佐能乎(スサノオ)越しに観よう」

 

 そう言いながら俺は、破れたジャージとアンダーシャツを脱ぎ捨てる。上半身裸でやる事になるとは微塵(みじん)も思わなかったわ。

 

「……影分身のシスイ君、怪我しないよね?」

「大丈夫。影分身の俺も須佐能乎使うから」

 

 影分身の術のデメリットは(いく)つかあるが、その1つが『外傷、ダメージによって術が強制的に解けた場合、影分身へ等分割されたチャクラは本体に還元されない』事だ。

 要するに、等分割されたチャクラがその分消失してしまうという事。

 今、結構な量のチャクラを影分身が保有しているため、それは避けたい。

 (ちな)みに(くだん)の影分身君はといえば、エアおば様と井戸端会議中で、「ねえ、奥様? 彼処(あそこ)の2人をご覧になって? 白昼堂々、()()()されていますのよ? 男の方なんかビクンビクンしちゃって。ああっ、何て情けない男なのかしら! 女の子が純粋な好意を向けているのに、男の余裕が無さすぎて見ていられないわっ!」(など)と、嘆かわしいものを見たかのような口調で(のたま)っていた。

 ニンマリ笑っているのが丸分かりなのに、わざわざ口元を手で隠している嫌らしいツラのオマケ付き。

 ……影分身の俺め。分身なのを良い事に好き放題言いやがって。

 術の暴発を見せ終わったら、絶対に1発殴ってやる。1発くらいなら大丈夫な(はず)だからな!!

 

「そっ、それじゃあ、やるぞ~」

「おおーっ」

 

 アイの掛け声を受け、本体の俺が先行して須佐能乎(スサノオ)を展開していく。

 (もっと)も完成体にするのではなく、第3形態――上半身だけの山伏みたいな巨人――で(とど)める。

 万が一のために八坂ノ勾玉(まがたま)も準備。

 須佐能乎の掌に、チャクラで(かたど)られた数珠(じゅず)状に連なる3つの勾玉が生成された。

 

「エメラルド色……。これもすさのお(須佐能乎)、なんだよね?」

 

 キョロキョロして須佐能乎内部を興味深そうに見ているアイへ、俺は(うなず)く。

 

「ああ、(いく)つかバージョンがあるんだ。(ちな)みに、最終形態はアイも知ってる超デカイやつな」

「へぇ~っ。すさのお(須佐能乎)って、ポ○モンみたいに進化していくんだね」

「……ま、そういう事。……っと、影分身の方も準備できたみたいだ」

 

 影分身の方の須佐能乎は第1形態――上半身のみの巨大な骸骨(がいこつ)――で、その掌に、内部で乱回転し続けるチャクラの球体が生成されていた。

 螺旋丸だ。サイズは通常のものより大きめな大玉。

 今回、これをワザと暴発させる。

 インパクト重視の方が印象に残りやすいだろうと考えた結果だ。

 

「アイ、よく見とくんだぞ。術の暴発がどういうものか」

「うん……」

 

 アイの背後から寄り添い、彼女の両肩に手を掛ける。

 すると彼女は、少々不安そうな面持ちで俺の顔を見上げてきた。

 

「大丈夫だよね?」

「心配しなくても大丈夫。須佐能乎(スサノオ)は頑丈だからな。ちょっとやそっとじゃ壊れないよ。……始まるぞ」

「う、うん……」

 

 緊張気味なアイなんて中々珍しいな、と思いながら、俺も視線を前に戻す。

 そこでは、大玉螺旋丸を掲げた影分身の須佐能乎が、それに雷の性質変化を加えようとしていた。

 螺旋丸の周りでバチバチッと紫電が走り、その形状が(ゆが)んで不安定になっていく。

 そして――。

 

「わっ!?」

 

 (はじ)けるような爆発音と共に、雷属性のチャクラが凄まじい勢いで四散したのだ。

 変質したチャクラの散弾が地面の至る所を(えぐ)り、此方(こちら)の須佐能乎にも降りかかってくる。

 一瞬のうちに(いかずち)(つぶて)が須佐能乎の表面を次々と打ちつけ、バチバチィッ!! と激しい音が重なり合った。

 それが数秒間続いた後、須佐能乎の表面を()っていた電撃は徐々に消えていく。

 アイは咄嗟(とっさ)に身を(よじ)って俺にしがみつきながら、自身が見た光景に目を丸くしていた。

 

「びっくりしたぁ……。あれが術の暴発なんだね……」

「ああ。さっきのは分かりやすい例だけどな。他にも色々なパターンがある。とにかくアイに覚えていて欲しいのは、忍術はそれ相応に危ないものだって事」

「うん……、よく分かったよー。さっきのやつさ、生身の人間だったら死んじゃうよね」

「そうだな。術者の練度によるけど、怪我は免れない。何せ、手元で暴発するんだから」

「私、少し軽く考えてたかも……。今までシスイ君の修行見てて、シスイ君があっさりやってたから」

 

 『シスイ君、やっぱり凄いんだねっ!』と言いたそうな彼女のキラキラした瞳に、(くすぐ)ったさを覚える。

 けれども、それはアイの誤解であって。

 

「アイから見るとそう見えたかもしれないけど、俺も前世で滅茶苦茶失敗してきたんだ。さっきの術――螺旋丸も片手で出来るようになるまで、半年かかったし」

「半年も!? そのらせんがん(螺旋丸)って、そんなに難しいんだぁ……」

「ああ。習得方法は既に確立されているんだけど、それでも難しいんだ」

 

 原作知識があっても俺は影分身の補助あり雷遁・螺旋丸止まり――しかも成功率10パーセント未満――で、派生系最終形態の雷遁・螺旋手裏剣は出来ないしな。

 チャクラコントロール激ムズ、そもそもチャクラ足りん!

 

「……私も出来るかな?」

「アイが影分身の術とか色々覚えて使い慣れたら教えるよ。加減が出来るようになるまで、みっちりと」

「おお〰〰っ!! 格好良いし、楽しみだぁっ!……けど、加減?」

 

 こてんと首を傾けたアイへ首肯して返す。

 

「そっ、加減。全力で相手に当てたら、内臓がシャッフルされて相手が死ぬから。間違い無く」

「ええっ!? こわぁ……」

 

 想像してゾッとしたらしい。アイの顔色が少々悪くなっている。

 俺はアイを安心させようと、彼女の頭をポンポンと優しく叩いた。

 

「ま、アイが螺旋丸を誰かに使わないといけない事態にはならないさ。俺が居るからな。……万に一つの確率になるけど、もし俺が居ない所で襲われて危ない目に遭ったら、螺旋丸であれ何であれ躊躇(ためら)い無く使う事。加減云々(うんぬん)も確実に出来る場合だけで良い。アイの身の安全が最優先な」

「んっ、……分かったよ」

 

 アイは神妙な面持ちで返事をした。

 余りエグい話はしたくなかったが、避けては通れないからな。やむを得ないか。

 それから俺は、須佐能乎を解き本題に入る。影分身の俺は既に居ない。さっさと術を解いて勝ち逃げしやがった。

 

「さて……。少し遅くなったけど、アイの修行を開始しようか」

「うん。それで最初にやるのは?」

「最初にやるのは、……チャクラを練れるようにする事。その修行をする」

 

 サンプルケースが俺とユナ、節子姉さんしか無いから、アイが出来るのか否か予見できない。

 だが、アイの明らかな特殊体質を考えれば、チャクラを練れるようになっても可笑(おか)しくない(はず)だ。多分。

 

「そっか。チャクラを練れないと何も出来ないもんね」

「その通り。手探りになるけど、やってみよう」

「んー……? 手探り……? シスイ君はチャクラを練れるようになってるんだから、シスイ君のやり方で良いんじゃないかな?」

 

 アイからすれば当然の疑問だった。

 俺のやり方を踏襲すれば成功すると、容易に想像できるわけで。

 しかし……。

 

「いや、それはぁ……そのぅ……難しいかな? あ、あははは……」

 

 『幸燦園(こうさんえん)屋上から飛び降りて、大怪我覚悟で頑張りました』なんて言える(はず)も無い。

  歯切れの悪い俺の言葉を聞いて感づいたのだろう。アイは地面を指差して判決を下す。

 

「……シスイ君、正座」

「……はい」

 

 その後の事はお察しの通り。

 素直に正座して白状しましたよ……。

 結構な時間、ガッツリ怒られましたよ……。

 アイには敵わないから仕方無いんです。

 頭に角を生やしたアイには、天地が引っ繰り返っても、ね……。

 

 

 

 







2024.2/18.項目整理のため、前書きの一部と後書きを削除しました。
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