歌姫との世直し珍道中   作:クロアブースト

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歌姫との世直し珍道中

シャボンディ諸島のとある酒場で映像でんでん虫がとある海賊の戦闘シーンを上映していた。

 

『海賊王に俺はなる!』

 

ズズズ……

 

映像でんでん虫による麦わら帽子の海賊の活躍を同行者が喜々として見ている近くで白髮翡翠の瞳を持つ美少女はうどんの汁を啜っていた。

 

「ねぇ見てエル!ルフィのあの宣言!ヤバい!格好良すぎるよ!はぁ……最高だよぉ……」

「毎回見てて飽きないんですかウタ」

「うん!だって私の推しだもん!」

 

ウタと呼ばれた赤と白の髪が混じり合った美少女は頼みもしてないのにルフィの何処が格好良いだの最高だの語り出すのに呆れながらも話を聞く。エルという美少女も何だかんだで人付き合いが良いのである。

 

「ここ仮にもシャボンディ諸島なんですから今のルフィより強い海賊なんて幾らでもいるでしょうに……」

「何言ってるのエル!ルフィはまだ海賊デビューしたばかりなんだよ!それに前半の海で手をこまねいてる連中なんてルフィの敵じゃないよ!」

 

その発言は周りの海賊達を貶す発言だった。勿論荒くれ者達が多い海賊達が黙ってる筈もなく、一人の男が立ち上がり怒鳴りつける。

 

「おい、嬢ちゃん!その言葉は聞き捨てならないぜ!俺達海賊を嘗めてるのか?」

「ハァ?事実でしょう。本当に海賊王になりたいなら、新世界入って四皇達と鎬を削ってワンピース獲りに行かなきゃいけない。なのにこんな前半の海で手をこまねいてるなら三流も良いところよ」

「何だとテメェ!」

 

男はウタの煽りに思わず胸倉を掴もうと右腕を伸ばすが……

 

ボトン

 

右腕の手首から先が地面に落ちる。そして腕から血が溢れ出す。

 

「お、俺の腕がァァ!?」

「オフの日に暴力沙汰は止めて下さい。仕事しなくちゃいけなくなるんですから……」

 

やったのは先程までうどんを啜っていたエルである。

近くに立て掛けられた納刀された刀があり、誰にも目視すら出来ない程の抜刀で瞬時に腕だけ切り落とした。

恐るべきは斬る動作すら周りに認識すらされなかったことである。

 

「やっちゃえエル!」

「はぁ……やりませんよウタ。今日は海軍の貴重なオフの日なんですから、現行犯以外は斬りません」

「テメェ海兵か!」

 

周りの海賊達がエルの発言に海兵だと警戒するが……

 

「目の前で市民を傷付けるなら、私は動かなくちゃいけないんです。暴れたいなら確か今日は天竜人がいるでしょう?あれ殴れば大将出てきますよ?」

「「やらねぇよ!」」

 

海兵からの天竜人殴ればと言う発言に周りの海賊達全員が突っ込む。

 

「これだからゆとり世代は……強くなるには強い敵と戦うのが一番の近道ですよ……私が少将の時はカイドウ出させる為にナワバリで大看板を何度捕まえたことか……」

「カイドウってシャンクスと同じ四皇でしょう?良く生きてるよねエル」

「戦闘の思想が近いからですかね。強くなるには強い敵に挑むのが近道って考え。彼が自殺趣味のように私も彼の捕縛任務の度に雷鳴八卦の一撃を受けて気絶しては挑んでの繰り返しです……二十回位受けて死ななければ嫌でも頑丈になれます」

 

サラッと四皇のサンドバッグやってます発言に周りはドン引きしている。

この少女のイカレっぷりが嫌でも伝わったのは想像に難くない。

だがその発言を虚勢だと思う者も当然いた。

 

「テメェ!ホラ吹いてんじゃねぇぞ!」

「そうだハッタリにしてももう少しマシな話しやがれ!」

「最近カイドウに何度も挑み続けてたからか、百獣海賊団の連中に『白髪の殺戮天使』とか言って怯えられてるんですよ?失礼だと思いませんウタ?」

「「聞けよ!」」

 

周りがヤジを飛ばす中でもマイペースなのか気にせず話すエルに海賊達が突っ込む。

エルとしては力量すら測れないルーキー海賊達など心底どうでも良いと思ってるのは余談である。

 

「チッ……ホラ吹き野郎が、だったらテメェの命を奪って証明……「貴方もう斬りましたよ」……え?」

 

ヤジを飛ばした海賊が拳銃を向けようとした途端にエルが斬ったと発言をした途端に全身が賽の目状に斬り裂かれる。

そして彼女が海賊を斬った動作に反応すら出来なかった事実に酒場にいた全員がゾッとする。

目の前で何時でも生殺与奪権を握られてるものだからである。

 

「ふぅ……嘗められるのは別に良いですが、拳銃向けられるのは流石に看過出来ませんね。面倒だから全員殺して……」

 

バンッ!

 

その瞬間、海軍将校の軍服を着た白髪の老兵が扉を開き、全員の視線がそちらへ向きギョッとする。

何せ海軍の英雄ことモンキー・D・ガープが現れたからである。

 

「ガハハ!久し振りじゃなエル」

「お爺ちゃん!久し振り!」

 

ガープが現れ眼をキラキラさせたエルはガープへ抱き着く。

先程までの無気力っぷりが嘘かのように全身から溢れんばかりの喜びのオーラを出している。

 

「お爺ちゃんもオフ!?それなら一緒に過ごしたいな。それとも修行?軍艦バッグ?それとも四皇のナワバリでも攻め込む?一緒なら楽しいもん!」

「全くエルは甘えん坊じゃな……ルフィもこれくらい可愛げがあればのう」

「えへへ……」

 

傍から見ればお爺ちゃんに甘える孫娘である。

しかし言ってることは物騒極まりない。

 

「緊急の仕事じゃ!天竜人に暴行を加えた奴が現れたらしい。大将が来るまで近くにいる非番の海兵にも要請が来ておる」

「へぇ……少なくともここにいる海賊達よりはチャレンジャーだね。大将に挑みに行くなんてさ」

「エルもここにいる海賊達を全員捕縛してからで構わんから来るようにな」

「は〜い!」

 

ガープは周りの海賊達を無視して酒場を出ていき、エルは鞄にしまってあった正義と書かれた白いコートに袖を通す。

正義のコートを着れるのは将校クラス以上。つまり彼女は海軍の中でも上位に位置する存在なのである。

 

「私はここの海賊達を捕えたら天竜人に暴行した犯人捕まえるけどウタはどうする?」

「私も一緒に行くよ」

「了解。ウタは海兵じゃないからくれぐれも天竜人の前には出ないでね」

 

海軍本部中将、エルは覇王色の覇気を放ち酒場にいた連中を気絶させ、ガープが連れて来た海兵達に捕縛をお願いする。

 

「じゃあ正義執行といこうか」

 

エルはウタと共に集合場所へ向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「お前わちしの妻にするえ!」

「?……私、男ですよ?」

「ふぇ!?」




エーデルワイス
通称:エル
性別:男の娘
容姿:白髪翡翠の目をした美少女……だが男だ。
階級:中将
大好きな人:ガープ、ウタ、シャンクス、ルフィ
二つ名『殺戮の天使』
…主人公。ルフィと同じくガープの孫に当たる存在で、フーシャ村でシャンクスから短期間だが剣術を師事したことがある。
お爺ちゃんっ娘で普段の無気力が嘘かのように全力で甘える。ガープの愛の鞭という無茶振りを全力で楽しんでる。

オンオフが激しいことで有名であり、オフだと眼の前でどんな賞金首が現れようと現行犯じゃないと殺意を向けられるまで気にしない。
オンだと海軍が命じるなら、四皇だろうが喜々として戦う戦闘狂。
以前カイドウのマリンフォード殴り込み捕縛作戦でも他の海兵が物怖じする中で喜々として戦い続けた。
雷鳴八卦20発位受けて気絶しては起きて即戦線復帰するイカレっぷりに周りはドン引きした。
実力はカイドウや他の四皇に劣るのだが、今までカイドウやビッグマムに正面から挑み続けては攻撃受け続けたので、四皇以下の攻撃だとまともにダメージ受けないバグレベルの耐久力を持ってたりする。
白ひげやシャンクスは四皇の中でも比較的温厚なので、戦闘になることは無かった。


ウタ
…本編ヒロイン。
ルフィと同じくフーシャ村でエルと出会った幼なじみ。
原作と違うのはルフィ推しのファンになってるところ。ルフィが海賊になってからの活躍に一番はしゃいおり、謎の映像でんでん虫で彼の冒険を見て推し活している。
なのに恋愛感情ゼロで異性としてはエルの方が好きという訳の分からない状況である。
エレジアの件でシャンクスと共にトットムジカを打倒し、救ったからだと思われる。

ガープ
…ドラゴン、ルフィと未来の海兵ガチャ大爆死した中で遂に孫ガチャSSRを引いた好々爺。
本編のエルはガープを尊敬して海兵になって甘える男の娘なので孫に甘えられたいガープはニッコリ。更に愛の鞭も愛情をきちんと理解し楽しんで乗り越えてくれるのでご満悦。
因みに原作で天竜人嫌いな設定の為、非番だったエルを呼んだが自身はバックレる辺り海軍の英雄である。

天竜人を殴った現行犯
…実はエルが海賊王になるなら、大将に挑む気概を見せてみなよと以前煽って決行したとか……
因みにルフィと違って運の女神に愛されてなかったので捕まった。
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