2024/5/13
遊真(主人公)の設定を変更しました。
生前の肉体が封印 → 損傷部位をそのままにして作り替えた遊真の肉体を封印
第1話「転生」
朝起きて、ご飯を食べて、学校に行って、勉強して、家に帰って、ゲームやアニメを見て、ご飯を食べて、眠る。
何の目的も無く、そんな毎日を繰り返す彼は、何処にでもいるごく普通の少年だ。
そんなある日のこと。いつものように人気の無い道を歩いて家へと帰宅する途中、彼はトラックに撥ねられた。
規定速度を明らかに越える勢いで突っ込んできたトラックは、彼の身体を鈍い音と共に撥ね飛ばす。彼の身体はそのまま数メートルほど弾き飛ばされ、頭を地面に強く打ち付け、見るも無残な姿で横たわる。
それを気にも止めずに、そのトラックは何処かへと走り去った。
少しずつ、身体から熱が奪われていく。
反対に、血で濡れた場所からは熱を感じる。
頭も、上手く回らない。
彼は今、自分が少しずつ死に近づいていくのを感じていた。人の気配も無く、薄れていく意識の中、彼はポツリと、こう呟いた。
───たすけて、と。
この言葉を最後に、彼の人生は此処で終わった。
……いや、終わるはずだった。
ふっと目を覚ますと、おれは知らない部屋で横になっていた。
何を言っているのか分からないと思うが、自分でも本当によく分からない。
(ええっと……ホントにどうなってるんだコレ?)
おれはその場で起き上がり、此処で目が覚める前のことを思いだそうとする。
……えっと、確か何時ものように朝起きて、学校で勉強して、そして……あれ?
普通に学校で勉強して、帰宅しようとした所までは覚えている。
しかし其処から先の記憶が無い。
何かしら事故に会い、そのせいで記憶が飛んだ、とか?いや、でも身体に怪我はないし痛みも……って、ん?
其処まで考えた所で、おれは自分の身体に違和感を感じた。
視界の端に映る髪の色は黒ではなく白で、肌の色も同様に白い。
視点は何時もより低く、身体も心なしか軽く感じる。
そして、左手人差し指には死んだ親父の形見でもある、黒い指輪を付けていた……って
いやいや待て待て。形見って何だ形見って。そもそもおれの親父は死んでなんか無い。なのに何故、おれはこの指輪を見て、死んだ親父の形見だなんて思ったんだ?
いくつもの違和感を引っ提げながら、おれは思考を巡らせる。今何が起こっているのか、おれには全く検討がつかない。はっきり言ってお手上げだ。本当に何が起きたのか、知っている人がいたら欲しいと、そう呟いた時だった。
『了解した。人ではないが、その質問には私が答えよう』
その問いに答えるかのように、別の声が耳に届く。
自分以外誰もいない部屋。此処から自分以外の何者かの声が聞こえたら、普通なら驚いたり、怖がったりするだろうがそんなことは起こらなかった。むしろ、元々この場にいた、自分のよく知る人物に話しかけられたような、そんな感覚がする。
『にゅ~』という擬音と共におれの左手の指輪から何かが表れる。
その何かは、黒い炊飯器に同じく黒い兎の耳を付けたような見た目をしていた。
その姿に、おれはポカンと口を開ける。なにせその姿は、おれの好きな作品に出てくるキャラクターの
『はじめまして、私はレプリカ。ユーマのお目付け役、並びに転生特典の一つだ』
お決まりの言葉と共に自己紹介をするレプリカにおれも慌てて「はじめまして」と返す。
『では早速、現状の説明を始める……より前に、私に付いてきて欲しい』
まずは生まれ変わった自分の姿を確認しよう。そう言うと共に、レプリカは移動を始めた。その後を追いながら、おれは思考を巡らせる。
視界に映る白い髪に髪と同じく白い肌と人差し指の黒い指輪。レプリカの存在に、『転生特典』。そして『生まれ変わった』という言葉。
ここまでヒントがあれば、何となく自分の身に何が起こったのか予想がつく。最も、その予想は突拍子も無い物で、今一実感も湧かないが。
そうして洗面台へとたどり着いたおれは、其処に設置されている鏡を覗き込む。
わたあめのようなふわふわとした白い髪に血を吸ったかの様な赤い瞳をした、一人の少年の姿。
「
どうやらおれは『ワールドトリガー』という作品に出てくる主要キャラの一人、空閑遊真になってしまったらしい。
自分の好きなキャラになれた嬉しさと、今まで積み重ねてきたものが一瞬で崩れ去ったような喪失感。
そんな相反する二つの感情を押し出すかのように、おれは一つ、大きなため息を付いた。
数分後、おれが目覚めた部屋にて。おれはレプリカから現状の説明を受けていた。
そして、その内容は本当に驚くことばかりだった。
結論から言うと、前世で死んだおれは、神様の手によって、『僕のヒーローアカデミア』、通称『ヒロアカ』の世界に転生したらしい。
なんでも、おれが死んだのは神様の手違いだったらしく、その御詫びとして、おれをこの世界にいくつかの特典を付けて転生させたとのこと。
その特典というのが
・空閑遊真の容姿と能力(トリオン能力強化)
・ボーダーのノーマルトリガー全種に、
・レプリカ(性能強化)
因みに、転生させる際に生前の肉体を空閑遊真と同じ肉体に作り替えたはいいものの、損傷した部位をそのままに作り替えてしまったため、その肉体は原作遊真と同じように黒トリガーの中に封印されているとのこと。外したりしなければ100年くらいは生きていられるみたいだ。
まあ、それはそれとして。
「レプリカ、『ヒロアカ』ってどんな世界だ?」
そう。おれには『ヒロアカ』の知識がほとんど無い。知ってることと言えば、『ワートリ』と同じジャンプ作品ってことくらいだ。
だから、おれはレプリカにこの世界について聞いてみる。
『了解した。それでは、この世界について説明しよう』
そう言うと共に、レプリカは説明を始めた。
『この世界の特徴は、人類の8割が『個性』と呼ばれる力を持っていることだ』
「個性?」
『そうだ。炎を放つ、
それを聞いて、凄く面白そうな世界だなと思った。お金だすのを勿体振らずに、ヒロアカの漫画も買えば良かったかなと、少しだけ後悔する。
『それから、ユーマの転生特典であるトリガーは、この世界の使用に合ったものになっている。『個性』による攻撃で戦闘体は破壊され、
うーん。まあ、仕方ないよな。この世界にトリガーなんて無いだろうから、特典が原作と同じ使用だったら、おれは戦闘において、どんな攻撃でもほとんどダメージを受けることの無いということになってしまう。こんなのチートもいいところだ。
『最後にもう一つ。今から二週間後、静岡県にある国立雄英高等学校の入学式があり、ユーマは普通科として入学することになっている』
「入学って……おれ勉強嫌いなんだけど」
『国立雄英高等学校は、主人公が入学する学校で、この世界における物語の中心だ。この世界に深く関わりたいのなら、入学することをオススメする。とはいえ、それを決めるのは私ではなく、ユーマ自身だ』
フム……と、おれは顎に手を当てて考える。せっかく転生したのだから、思う存分、この世界を楽しみたい。主人公が通う学校なら、色々なことが起きるのだろう。それが何かは分からない。だからこそ、それが楽しみでもある。
「それじゃあ……」
そうして、おれは決心する。
「──行くか。国立雄英高等学校」
リメイク前より文章力上がってるかな……