ここは秀学園高等部
政治家の子息、大病院の跡取り、財閥の御曹司などこの国を代表する人間たちが通うため、教員、施設その他すべてに莫大な資産をかけて建てられた国随一の学園である
通う学園生たちもスポーツや芸術など幅広い分野で活躍する輝かしい才能の持ち主ばかりである。
全てが一流のこの学園にはある特殊な部活が存在する
「「「「いらっしゃいませ、お嬢様」」」」
「今日も来てくれたんですね! また早坂さんの顔が見られるなんて僕はなんて幸せ者なんだろう」
大げさな身振り手振りで場を盛り上げ女の子を楽しませる少しチャラいイケメン
「わー、お姉ちゃん今日も来てくれたんだね! みてみてこれ今日のケーキ。大輝くんが取り寄せてくれたんだ~おいそうでしょ! ほらこっちきて一緒に食べよ?」
小柄な体を活かし天性の弟として女の子を虜にするハニーフェイスの男の子
「も、もう藤原さん。か、からかわないでくださいよ。もう顔見ないでください……」
少しからかわれただけで顔を真っ赤にして照れる純情なイケメン
「おいメルト、あちらのお嬢様がお呼びだ。顔を見せてこい」
場を管理し都度的確な指示を出す眼鏡のイケメン
そして
「……そうか、よく頑張ったんだな。今だけは俺と一緒にお茶でも飲んで休もうか」
「あかねのきれいな顔が泣いてたら台無しだ」
まるでカウンセラーのような包容力と聞き上手さ、そして本心からの殺し文句で一気に依存への道におとす正統派のイケメン
そうここには暇を持て余した天才たちによる暇を持て余した天才たちのためのホスト部があったのだ
時は遡り
「え、ウチのアクアをですか? はい、はい承知いたしました。はい、よろしくお願いいたします。失礼致します」
電話を終えたミヤコは
「……はぁ」
大きなため息を吐く
聴こえた内容から察するにアクアに関する話題であることに食らいついたルビーは
「ミヤコさん、お兄ちゃんに番組のオファーでもきたの?」
兄の仕事の内容チェックを行う
「……はぁ」
対するミヤコは2度目の大きなため息を吐くと
「鏑木さんからね、ドラマの主演でアクアにオファーがきたの」
電話の内容を明かす
「え!? ドラマ!? しかも主演!? 凄いじゃん!! 何でため息なんて吐いてるの?」
ドラマの主演という大役にルビーのテンションは一瞬でぶち上がる
「ネット配信限定のドラマなのはいいんだけど……」
尚も複雑そうな表情を浮かべるミヤコは
「──まさかNo.1ホスト役なんてオファーが来るなんて……」
爆弾を投下する
「せんせ!! どういうこと!!」
アクアが家に帰ると飛んできたルビーに首を絞められる
「は? 何の話? というかルビー、首苦しい……」
何のことか検討も付いてない様子のアクアに
「惚けないでよ! ホスト役なんてどういうこと!!」
般若の形相を浮かべ問い詰めるルビー
「?? ……あぁ! あの件か」
酸素が少なくなってきた中で必死に頭を巡らせ、ようやく状況を飲み込んだアクアはひとまずルビーを落ち着かせるためにその華奢な身体を優しく抱き寄せる
「むぐっ」
ルビーは思わぬ反撃に思考が止まる
「よしよし。大丈夫だから今説明するから一旦落ち着け」
頭を撫でる
「うぅ……」
優しい
「あれはな、鏑木Pの思いつきなんだ。少し前に大ヒットした金持ち学園で暇を持て余した大金持ちがお遊びで学園内にホスト部作ってた漫画あっただろ」
「うん」
ルビーは病院のベッドの中で読んだことがある、少し
「アレを元にちょっと顔のいい奴らを集めて学園ホストもの作ろうってなったんだよ」
アクア曰く、鏑木Pの若手の顔がいいモデル達の売り込みの場として手っ取り早い作品アイデアを欲していたらしく、アクアがポロッとかの作品を口に出したところ思ってた以上の好感触でトントン拍子に話が進んでいってしまったらしい
「で、発案した礼がわりにってキャストの1人に選ばれたってわけだ」
「──でも! お兄ちゃんが演技でも女の子を口説いてるの見るの嫌なんだけど!!」
理由がわかってもなおルビーの嫉妬は抑えきれない
「それは許してくれ……」
可愛い妹のご機嫌を取るため隣に座るルビーの頭をそっと自分の膝に乗せ撫で回す
「……撮影から帰ってきたら必ず私を今みたいに甘やかしてね?」
「はいはい」
「……キスシーンとかはなるべくNGだしてね?」
「はいはい」
「……せんせ、大好き結婚して」
「は……っと!? サラッとヤバすぎるトラップを混ぜないでくれ!?」
「チッ……」
おざなりな返事をするせんせから言質を取ろうとし失敗しまた拗ねるルビーに苦笑しながらその頭を撫で続けるのだった
ここまでは某所でも投稿したものとほぼ同じ