「……はい、カット。オッケーです」
「「お疲れ様です」」
「お疲れ、アクアお前いい演技だったな本当に有馬の気持ちに気づいていないかのような演技で笑いそうになっちまったよ」
撮影が一区切りつき大輝が声をかけてくる
「お疲れ様です、そうですか? それならよかった。あんなに分かりやすい行動してる
アクアが苦笑交じりに呟くと後ろでかながすごい顔をする
「ははは……」
「それはそうと今日はどうする?」
言外に飯に誘ってくれる大輝に
「大輝さんさえ良ければ」
乗るアクア
「よし、おいメルト!」
大輝はメルトを呼び出し
「あ、はい!!」
忠犬のごとく素早く供に来るメルト
「有馬たちはどうする?」
アクアがかなに声をかける
それに対しビクッとする大輝とメルト
((頼む撮影が終わった後くらいは心を休ませてくれ……!))
心の中でかな達へ願いを飛ばす
「私たちはパス、この後3人で女子会よ」
「そうか、じゃあルビーのこと頼む」
「はいはい、このシスコンめ」
((ほっ……))
「じゃあ有馬また今度」
「またよろしくかなちゃん」
3人は連れ立っていつもの居酒屋へ行く
その背を見送り
「……」
「かなちゃん、タクシー来たよ」
「ええ、じゃあ行きましょうか」
乙女たちは動き出す
「あのさぁルビー、あんた以前にも増してアクアにべたべたしすぎじゃない?」
いつもの会場に着くとかなからの第一声が場に響く
「はぁ? 兄妹なんだから当たり前なんだけど」
言いがかり(?)に対しルビーはいつものように反論をする
「いや、いくら兄妹でもあの距離感はおかしいよルビーちゃん」
そんなルビーは横からあかねの正論の援護射撃をくらう
「ルビー、あんたのあの病弱な妹の演技はまるで本当に病弱だったように感じるほど堂に入っていたけど」
「なにあのアクアに額にキスされるシーンは。キス自体はまあ台本だから百歩譲って良いするけど、あんたさりげなく顎上げて唇で受け止めようとしてたでしょ?」
かなからの詰問に一瞬考えると
「そんなこと……ないよ?」
図星をつかれたかのような反応に
「「いやあるんじゃ(ない)ん!?」」
2人の一斉の突っ込みが入る
「そ、それよりもあかねちゃんだよ! 倒れちゃったシーンとっても迫真の演技でちょっとドキドキしちゃうくらいだったけど」
あかねのさすがの演技を褒めつつも
「あの時さりげなくお兄ちゃんの手握るだけのはずだったのにさりげなく胸元まで誘導してたでしょ?」
「あ、それはたしかに私も気になったわ」
ルビーの話題をいったん置いておき標的をあかねへ変更する
「そ、そんなわけないじゃん!? 熱中症で体に力が入らなかった娘の演技だったから力を入れないようにしてただけだよそれがたまたま私の胸元だっただけで他意はないよ」
「いやなにその早口! 絶対(誤用での)確信犯じゃない!!」
かなからの強烈なツッコミに対して
「そ、それを言うならかなちゃんもおかしいじゃない」
自分が劣勢に立たされていることを理解し瞬時に標的を入れ替える
「回想シーンでのあの太陽みたいな私を見てって笑顔はさすがだったけど、アクア君に話しかけるシーンのときあんなにべたべたと近づく必要なかったよね? しれっとアクア君の肩に肘までのせて髪の匂い嗅いでたの気づいてるからね!?」
「うっ!?」
あかねの渾身の追及にたじたじになるかな
「何それ!? ロリ先輩変態じゃん!!」
直球のドストレートをかますルビー
「「「……」」」
三者三様言いたいことはいくらでもあり牽制の睨み合いが発生する
「あの~……」
そこに申し訳なさそうな声が聞こえてくる
「? なによMEM」
「うちでそんな睨み合いしないでよ!!?? ていうかなんでうちで飲み会(ジュースと店屋物で)してるの!!!! 聞かされてるこっちはものすっごく胃が痛いんだけど!!」
MEMちょ心からの願い
そう、ここはMEMちょの自宅なのであった
「確かに困ったときとかはうちに来て良いって言ったけど!! あかね達の顔見れてうれしいけど!!」
「よそでやれ!!!!!!」
常識人MEMちょ巻き込まれ体質であり苦労人であった
「「「だってこんな話よそでこんな話できないし」」」
3人こんな時だけ息が合う
「ふざけんな!! そもそもかなちゃんの家でやればよくない!? かなちゃんも一人暮らしなんだから!」
「いやだって片付け面倒だし」
「マジで帰れ!!」
「まあまあMEMちょ、落ち着いて」
あかねがお水を差しだす
「うぅぅ……」
それを一息で飲み干しMEMちょは項垂れる
「だって今度MEMちょも撮影参加するんでしょ?」
「「は?」」
「」
一息付けたと思ったら横から突然刺された
「何それ聞いてないんだけど!? これ以上ヒロイン増やすの!? 馬鹿じゃないの?」
「なんでMEMちょなの? 確かにMEMちょはお兄ちゃんとも仲いいけどアラサーじゃん!! 高校生役なんておかしくない?」
「」グサッ
かなの正論はともかくとして、とてつもなく鋭いルビーの言葉のナイフが胸に突き刺さる
「……あ、アクたん助けて……あなたの妹が言ってはいけないことを……」
瞳を潤ませ電話にてアクアへ助けを求める
「「「ああ──お兄ちゃん(アクア)にチクったなぁ!」」」
これから定番となるMEMちょ宅での飲み会であった