「じゃ、次のシーン行きまーす。3、2,……」カチン
「はい、全員集まれ~」
大輝は部室に戻るとアクアたちを呼び出す
「はい?」
「う~す」
全員が集まり
「前にも少し話したが俺は今度文化祭でこの部から卒業する」
「はい」
アクアがその言葉に頷く
「で、この部は解散になることは伝えていた通りだ」
「はい……」
メルトも少し寂しそうにうなずく
「それでだ、引退前にイベントとして誰がNo.1ホストか決めようと思う」
「「はい?」」
首を傾げる部員たち
「部活だからな、たまには競い合うのも面白いだろ」
「なるほど……」
部員の一人が納得する
「それで? どうやって決めるんです?」
アクアからのもっともな疑問に
「そりゃもちろんお嬢様方からの投票だ。文化祭当日に投票箱用意するからそこで来客からのも含めて勝負といこう」
当たり前の答えを言う大輝
「後、文化祭のためにいくつかグッズ作るから、週末予定空けとけ~」
「あれ? 大丈夫なんですか?」
アクアが疑問を口にする
「ホスト部なんて問題ありまくりの部活なのに、グッズなんて金儲けの道具作るなんて大丈夫ですか? 今までは部費のためだと思って隠し撮りとかは我慢してましたけど公式になんて」
「確かに今までは少なくとも隠れて販売してたのに大々的にやっていいんですか?」
アクアとメルトからの疑問に
「ああ、どうせ解散するからな。最後くらい好きにやってやろうと思ってな」
「了解です!」
メルトが元気よく返事をすると
「よし、じゃあ今日は解散だ」
「「「はーい」」」
その後大輝は招待していたお客様を集めたホールへと入る
壇上に立ち彼女たちの目を見ると
「さて、お嬢様方。本日は貴重なお時間をいただき感謝申し上げます」
大輝は目の前に集まる彼女たちに挨拶をすると
「早速ですが本題に移りたいと思います」
「私もそろそろ本格的に勉学に勤しまなければならない状況になってきてしまいました」
「この夏の文化祭限りで我々は解散という形をとろうと考えています……」
キャー!? という悲鳴が大半、ザワザワと大輝の発言に戸惑いの声とウソ……と呆然としている声がそこかしこから上がる
その声を受け止めつつ頭を下げる大輝
「皆様の温かいお言葉に感謝の言葉もございません……」
「私達としてもお嬢様方とこのような場を設けさせていただけたことに喜びを感じております」
悔しさを滲ませるような声で皆に感謝を告げる
グスグスと涙ぐむ女生徒もいる中大輝は
「──そこで! わがホスト部が解散する前に感謝の気持ちを込めて過去最大級のイベントを開催したいと考えております!!」
と先ほどまでよりもより大きな反応が生まれた
「知っての通り我が部には様々なタイプのスタッフを取り揃えております。王子様系、後輩系、弟系、遊び人系、闇系、腹黒系など……」
「それぞれ違った魅力があるのも事実なので、我々は
「──そこで! 我々が解散する前に
先ほど部員たちに言ったものと同じことを話す
ザワザワ
「『誰が一番かなんて興味がない。推しと過ごせるだけで良い』と思われる方もいらっしゃるでしょう」
「その気持ちはとても嬉しいのですが、我々も一人の男なのです」
「他人よりも上でいたい! 一番になりたいという気持ちは心の中にあるのです」
と珍しく熱さを感じさせる声色で大輝は語る
「得票に関して文化祭当日の投票を重視させていただきますが、別枠で『推しポイント』というものを用意させていただきます」
? と女生徒たちの頭にクエスチョンマークが浮かぶ
「『推しポイント』は文化祭当日まで販売する我々の
「今まで我々は公式ではグッズなどを作らずにおりましたが、今回は最後の晴れ舞台となりますので特別にスタッフ全員の協力を得て様々な商品を開発いたしました」
そういうといくつかの商品の実物を見せ、それに付随する推しポイントを紹介する
それらは今までの隠し撮りとはくらぶべくもないほど眩しい一品であった
「もちろん、お付き合いいただくのですからタダでとは申し上げません。こちらをご覧ください」
今回の話に興味を失い、立ち上がりかけていた
ニヤリと少しだけその内心をのぞかせつつ、大輝が指を鳴らす
すると後ろのスクリーンにあるものが表示される
『参加賞:推しホストのブロマイド
累計○○推しポイント:推しホストのプライベート写真を収めた秘蔵写真集
累計○○推しポイント:推しホストとのツーショットチェキ券3枚分(
累計○○○推しポイント:推しホストとの1日デート券』
それを見た瞬間、先ほどまでとは違う意味で悲鳴が上がる
「そして! 今回推しが見事No.1ホストに輝いたとき、推しポイントを1番送っていたお嬢様へ
「そしてその券は
──つまり、大輝が経営するホテルに推しと二人で泊まれるうえに、そこで何があっても大輝がすべて責任を取ると言外に伝える
その意図に
「「「「ッ!!」」」」
と一部の乙女たちから鬼気迫るような気迫を感じる
「では、これにて私からのご報告を終了とさせていただきます。グッズの販売時期に関しては来週の頭からとさせていただきます」
混沌の渦を残し大輝は部屋を後にする
「「「「「………………」」」」」
乙女たちたちは殺気を垂れ流しお互いをけん制する
「……はい、カット。オッケーです」
「「「……」」」
「……おい、いつまでやってんだ」
アクアが未だに壇上から動かないかな達へ声をかける
「絶対負けないから」
「は、勝つのは私よ」
「あはは」
そんなアクアの言葉など耳に届かず彼女たちはお互いをけん制する
「えぇ……」
雰囲気の悪さに戸惑いを隠せないアクア
「ばか、ほっとけ。今日の分も終わったし今日も行くぞ」
「あ、はい……」
アクアは大輝とメルトに引きずられながらその場を後にする
((まさか、
「絶望しかねぇ……」
「胃がいてぇ……」
2人はアクアを引きずりつつお腹を押さえるのだった
ということで正ヒロイン未定です