「はい、シーン124行きます3、2、……」カチン
「よし、お前達ちゃんと揃ってるな」
「はい!」
「大輝さん、相変わらず無茶苦茶ですね……」
大輝に連れられてアクア達ホスト部面々はビーチへやってきていた
「ん? ああ、ここの事か。まぁ良家のご子息、御息女を呼ぶ訳だからな場所は少し考えたさ」
そういうと眼鏡をクイっと上げる
「いや〜流石大輝さん良い場所ですね」
メルトは無邪気な笑みを浮かべテンションを上げている
そんなメルトをよそにアクアはため息を吐く
「考えたからって……こんな綺麗な無人島丸ごと買い取ってるなんて何やってるんですか」
──そうそこは
ここ最近大輝がノリで「あ、無人島欲しいな」と思い立ち金に物を言わせて手頃な島を買取り、「せっかくだから金持ち向けの保養所にするか」とこれまた金に物を言わせホテルやビーチなどを
「まぁ金は天下の回り物って言うからな。溜め込みすぎても楽しかない。派手に使って派手に儲けるその方が面白い」
「気持ちは解りますが学生のスケールじゃないでしょう……」
「んなつまらない事気にするな」
アクアの頭をガシガシと荒っぽく撫でると
「ほら、ルビーちゃん達来たぞ。ちゃんともてなしてやれ」
「はいはい」
鬱陶しそうにしつつもその手を跳ね除けず言われた方へ目を向ける
「おにいーちゃーん!!」ブンブン
一際眩しくひ光る太陽の様な笑顔でルビーが駆け寄ってくる
「どーん!!」
その勢いのままアクアに飛びつく
「おっと……危ないだろルビー」
そんな勢いに乗ったルビーのダイブを兄の意地でもって受け止める
「あんまりはしゃぎ過ぎるなよ?」
無事に抱き留められた事に安堵しつつ、ルビーの額を小突いて嗜める
「へへへ〜久々にお兄ちゃんと遊びに来られたから楽しくて」
小突かれた額さすりつつアクアに甘えるルビー
「ったく……」
口では悪態を垂れつつルビーの頭を撫でくり回すアクア
(((あぁルビーちゃんを甘やかすアクア君マジ尊いわぁ〜)))
超絶美形兄妹の微笑ましいやり取りに大輝に招待されていたホスト部常連でアクア推しのお嬢様方は2人の写真を撮りまくる
「それよりも! お兄ちゃんどう? この水着!」
そんな彼女達のことなど目もくれずアクアに水着──可愛らしいピンクの水玉で可愛らしさを演出しつつオフショルダーのビキニスタイルで健康的な色気でを醸し出すような姿でクルリと一回りする
「ああ、似合ってる。とても可愛いよ」
アクアの飾り気のない誉め言葉にルビーは弾けるような笑顔を浮かべると
「えへへ~お兄ちゃんも似合ってるよ」
アクアのことも褒める
「そうか? 筋肉付きづらいから細すぎてあんまりこんな恰好したくないんだけどな」
アクアは自分の姿を見る──よくあるハーフパンツ型の水着に長袖のパーカーを羽織っている
「そういえばルビー、ちゃんと日焼け止め塗ったのか?」
「うん! でも背中側はあんまり……」
「はぁ……こっち来い。背中焼けたら痛いぞ」
アクアはビーチパラソルを指さしルビーの手を引く
「はーい」
ルビーは乙女の顔を浮かべ、アクアの後に続く
「ほら背中見せてみろ」
「うん!」
頬を染めつつも躊躇なく水着をはだけさせるルビーはアクアへそのきれいな背中を見せる
その背にアクアが触れようとした瞬間
「……って何やってんのよインモラル兄妹!?」
横からかながアクアの手を叩く
「っと! 子安いきなりなにすんだ」
「何すんだはこちらのセリフよ! 何躊躇なく妹脱がしてんのよ!?」
兄妹とはいえ年頃の2人の距離としてはあまりにもおかしい距離感にかなが突っ込みを入れる
「いや、日焼け止め塗ろうとしてただけだし」
「そんなもん、ほかにも女の子がこんなにいるんだから頼ればいいじゃないの!」
当たり前のことを言うかなに
「それはそうなんだが……」
歯切れの悪いアクア
「なによ?」
ギロリとにらみつけるかなに気圧され
「いや……何でもない。子安、ルビーに日焼け止め塗ってやってくれるか?」
(まぁ子安になら任せられるか)
アクアはかなにルビーのことを任せその場を離れようとしたところで
「あ、そうだ子安」
ふと思い出したかのように
「? なによ」
「水着似合ってる」
少し照れた様子でかなの水着──可愛らしいワンピースタイプの白の水着であるが、大胆に眩しいくらいにきれいな背中を見せている姿──をさりげなく褒め今度こそ離れていく
「っ──────────────!!!???」
予想だにしないその誉め言葉にボンっと音を立て顔を真っ赤にすると
「……バカ」
かなは頬に手を当て自分の顔の熱さを自覚する
「ロリ先輩……乙女してるのはいいけど変わっただからサッサと日焼け止め塗ってよ」
そんなかなを冷めた目で見るルビー
「っ!? 乙女なんかしてないわよ! ほら背中出しなさい!」
「あ、アクア君……」
「あれ? あかねも来てたのか」
「う、うん。四宮先輩演劇部で縁があってそれで招待してくれたんだ」
「なるほど」
「ど、どうかな? この格好?」
「似合ってる」
プイっと明後日の方向を向くアクア
「なら何で眼逸らすの? やっぱ似合ってない? 粗末なもの見せられて見苦しい?」
少し本気のネガティブが入るあかねに
「違う!」
強くハッキリとそれを否定し
「なんて言うかその、き、綺麗過ぎてちょっと直視しづらい……」
珍しいくらいに吃りつつ、顔を真っ赤にして照れ臭そうに褒めるアクア
「───ッ!!!???」
ボンという音が聞こえるくらいに一瞬で茹で蛸の様な顔色になるあかね
「「……」」
顔を真っ赤にしてその場から動けなくなる2人
「アクア! 1時間後から撮影開始するぞ!」
そんな甘酸っぱい空間に差したくもない水を差す大輝
「あ、はい! 了解です」
アクアはビクンっと飛び跳ねるように驚きつつ返事をする
「ったく、それまでは自由にしてて良いからちゃんとあかね嬢をもてなしてやれよ?」
少しのフォローを入れ、あかねへ目配せをするとその場を後にする
「あ……ありがとうございます!」
あかねはその背に向けてぺこりと頭を下げると
「アクア君も写真とか撮るの?」
先程大輝が言った撮影という言葉に食いつく
「ああ、今度文化祭の時に写真集出すらしくってな。今回の突発的なイベントはその写真のためってのも理由のひとつらしい」
大輝から聞いた話をそのままあかねに話す
「写真を撮られるのは少し気恥ずかしいが、今回の旅行ルビーまで誘ってくれたからな。代金代わりにもちゃんと協力しないと」
気合いを入れるアクア
「うん、頑張って!
拳を握り胸の前でぐっとするあかね
「はは、ありがとう。それよりも、あかねせっかくだからあっちで少し歩かないか?」
手を差し出すアクア
「あ、うん!」
その手を少し恥じらいつつされど大胆に強く握り返し2人は海辺へと歩き出す
「へいへーい、アクたんさっきはあの子と良い感じだったねぇ? 本命なの? ついに腹を決めたの?」
あかねと2人で少し海辺の散歩をして、撮影もひと段落したところでメムから揶揄うような声をかけられる
「メム姉さんか、あかねとはそんなんじゃ無いよ。確かにとても魅力的な女の子だけどね」
苦笑しながらアクアは答える
「え〜2人っきりであんなに良い雰囲気醸し出してた癖に〜このこのー」
そんなアクアをメムは憎たらしい笑顔を浮かべながら肘で突く
「俺はルビーの面倒を見なきゃいけないからな。そんなことよりメム姉さんの方はどうなんだよ? 男の1人や2人いい加減出来たのか?」
「うぐ、ま、まぁ私のことは良いじゃない」
アクアからの反撃に動揺するメムは目を逸らす
「良くない。大体──」クドクド
親戚のおばちゃんの如くくどくどとお節介を言ってくるアクアに
「はい、はい、すみません、その通りです、はい」
思わず正座になってしまう
「全く、せっかくこんなに可愛いし、オシャレでスタイルも良いんだから大学とかで男でも引っ掛けてくれば良いのに」
「」カァ
下げられた後の不意打ちの褒め言葉に顔を真っ赤にするメム
「聞いてる?」
「ハイ効いてます」
「まぁ、でも変な男に引っかかるのもそれはそれで嫌なんだけどさ……メム姉さんには幸せになって欲しいから」
少し照れたように言うアクアに
「」
許容量をオーバーしたメムはパタリと倒れる
「ちょメム姉さん!?」
「だ、大丈夫……横になってれば、じきに、収まるから」
「馬鹿! とりあえず部屋行くぞ!」ヒョイ
この前のようにお姫様抱っこで運ばれるメムは
(も〜この子はなんでこんな……一体誰がこんな女ったらしに育てたの!?)
そんな事を思いつつもアクアの服を軽く握り締めてしまうのだった
「……はい、カット。オッケーです」
「「「「お疲れ様でした!」」」」
控室に入るとアクアが一言
「今更ですけど、僕の役なかなか酷い奴ですよね」
「「ホントに今更だな」」
メルトと大輝が頷きを返す
「でも何故かスラスラと言葉が出てくるし表情とかも雰囲気がでてるって鏑木Pから褒められるんですよね」
「「そうだろうな」」
大きく頷く2人
「後何でかわからないんですけど、急遽最終的なメインヒロイン決める為にSNSで人気投票やるらしいんですよね『アクアのヒロインに相応しいのは一体誰だ!?』って企画でアンケートとグッズ販売で決めるかもって言ってました」
「ああ、聞いた聞いた。何かヒロイン論争が今あんまりにも激しくなってるらしくてな、なんでも毎話放送後にアンケート出すのと、アクアとヒロインのペアグッズを各ヒロイン分作って販売して競うみたいだぞ」
ネット番組であるが故に普通のTVドラマではやれない挑戦をする事が出来てしまう
「えぇ……大分大事じゃないですか」
アクアが引く
「恋愛リアリティショーでも無いのにこんな事するなんて……この番組おかしくないですか?」
無駄に常識的な事を言うアクアに
「何でもこのドラマの大スポンサー様がこの前公式SNSに投稿した女性陣の
それは休憩とは名ばかりのアクア争奪戦における牽制合戦を面白がって鏑木P投稿したものである
「あぁ、あれですか皆役にのめり込んで『アクア』を推してましたね」
((まじかコイツ))
自覚なき当人に戦慄する2人は気を取り直し
「せっかくだから
メルトが大輝の後に続いて解説をしてくれる
「100歩譲ってこの企画をやるのは構わないんだけどグッズなんて販売して大コケしたらどうするんだろうなぁ」
アクアの的外れな考えに2人は何度目かのため息を吐くのだった
書いてて迷走してきてる気がするのとホストという要素が薄くと言うかほぼ無い状況の打開をしたいがどうしたものか…