「はてさて…まだ俺の分残ってかなぁ」
そうボヤきながら今回の相方の元へ歩いて向かう。
数分ほど歩いたあと目的地に着き周りを見渡すと…
「また派手にやったなぁ『悟』」
「あれ、凍次じゃんそっちもう終わったの?」
そこには白髪ガクラングラサンの一見不良にも見える格好の少年が呪霊の残骸に座っていた、彼の名は五条悟 呪術界御三家の1つ五条家の長男であり数人しかいない特級呪術師であり俺の同級生である。
「2級も無い雑魚ばっかだったよ、そっちは?」
「特級、までとはいかないけど中々殴りがいのある1級くらいのヤツがいてさー、いいサンドバッグになってくれたわ」
恐らく彼の座っている残骸がそれなのだろう、なるほど1級ならその大きさも納得出来た。まぁ悟からしたら雑魚以外の何者でもないのだろうが…そんな話をしていると悟は立ち上がり
「んじゃとっとと帰ろうぜ〜ストレス発散にもなったしよ」
「帰りなんか買わねーとなーせっかく東北来たんだしなんかお土産ねーと硝子怒んだろ」
「あーそうだった、この前傑と任務した時お土産買ってこなかったら硝子にバチギレされたんだよな〜」
「東北っていうかここ何が名産なんだろな」
「さぁ?東北なんだし果物とかどーよ」
「いや果物とかよりお菓子じゃね?」
呪霊を祓ったばかりというのに二人の間にピリついた空気は無く和やかなままお土産屋へと足を運ぶのであった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「うぃーす、たっだいま〜」
「おっ五条に一宮じゃんおかえり〜」
「二人ともお疲れ様、お茶でも飲むかい?」
「ありがと傑、ちょうどお土産に饅頭買ってきたし皆で食おうぜ」
この2人は悟と同じく俺の同級生 呪霊を取り込み操る呪霊操術の使い手夏油傑、他者の傷を治すことの出来る反転術式の使い手家入硝子、少ないがこの3人が俺の同級生だ。
「にしてもお前らもう少し怪我とかしろよ〜反転術式のじっけんだ…練習相手にしようと思ってたのに」
「今俺の聞き間違えじゃなければ実験台って言おうとしてなかったか?」
「言ってない言ってなーい」
「はぁ…人をモルモットみたいに言わないでくれよ」
そんな歓談をしながらおやつを食べているとふと悟が
「そういや俺が最強なのはおいといて『おい』傑と凍次ってどっちの方が強いん?」
「えー?どうだろぶっちゃけ本気でやった事ないからわかんねぇな〜」
「私の呪霊達で押し潰せればいいが弱い呪霊では足止めすら出来ないだろうからね、最高戦力をフル投入してやっと勝負になるかな?」
「まっ本気で殺し合うことなんて無いだろうしこれからも分からずじまいだろうな」
「ふふっ私も凍次とやるのはゴメンだね」
「えーつまんねー」
本当につまらなそうに笑う悟に苦笑しつつ食べ終わった皿やコップを片付ける。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「にしても俺たちの方があとから出たのに歌姫帰ってきてねぇの?」
「そういえばそうじゃん、歌姫先輩から帰るの遅くなる連絡とか来てないの?」
「私の方には来てないね」
「こっちにも来てなーい」
雑談していると俺たちより先に任務に出ている歌姫先輩の話になった。歌姫先輩だけではなく1級術師である冥冥さんと一緒に行っているはずだから余程のことがないと危険は無いはずだが…
「よっしゃ、そんな遠くないし歌姫煽りにいこーぜ!」
「ほんと悟は…」
「まぁ2日も連絡ないし何か想定外のことがあったかもしれないからね、行くなら服着替えないとね」
「りょーかーい、私も制服取ってくるわ」
2人が制服を取りに行っている間に悟と話をする。
「行くの決めたの悟なんだから帳は悟が落とせよ」
「えーめんどー」
「……」
相変わらずのクソガキっぷりを発揮する悟に顔を歪めてしまう。そんなことをしていると2人が準備を終えたのか戻ってきた。
「準備できたし行こうか」
「凍次どうしたの?その顔」
「いやー?なんでもないよ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2人の任務先に着くと遅くなっている理由がすぐにわかった。
「結界…これは呪霊のやつだね」
「これ中の時間遅くなってるとかそういうやつじゃね?」
「あーなるほどそれで2日も」
「めんどくせーしぶち抜いていいか?」
「いいと思うけど壁に穴あける程度にしとけよ」
「はいはい、術式『蒼』」
悟が呪力を解放する、何か忘れているような…悟の術式により建物の一部が圧縮、建物の形を保てなくなった結界は崩壊していき…いや建物そのもの壊してんじゃねぇか
「悟やりすぎ…」
円状に陥没していった建物の残骸の所に座り込む女性と余裕そうに立っている女性がいた。
「助けにきたよ〜歌姫。……泣いてる?」
座り込む女性を高所から見下すように煽る悟。すーぐ煽るんだからコイツは。
「泣いてねぇよ!てか敬語!!」
悟の煽りにキレながらツッコんでるのは俺たちの先輩である歌姫先輩。呪術師ながら割とまともな感性をしている先輩だ。
「泣いたら慰めてくれるのかな?」
そう悟に質問するのは立っているポニーテールの女性、1級術師でありお金を払えば何でもしてくれるという守銭奴冥冥さんだ。
さすが1級と言うべきか悟が結界をぶっ壊したというのに特に驚いた様子もなく飄々としていた。
「冥さんは泣かないでしょ、強いもん」
煽り散らかされかつ弱い認定され完全にキレた歌姫先輩は指を悟に向けながら叫ぶ。
「五条!私はねぇ!助けなんて」
叫ぶ歌姫先輩の背後の瓦礫から今回の騒動の呪霊が飛び出し歌姫先輩に襲いかかろうとするが…次の瞬間その呪霊を丸呑みするように地面から呪霊が飛び出した。
「飲み込むなよ。後で取り込む」
そう口にしたのは傑だった。あの呪霊を従えてるのは傑なのだろう。傑はポケットに手を突っ込みながら歌姫の近くに歩いていく。
「悟、弱い者いじめは良くないよ」
「強い奴イジめるバカがどこにいんだよ」
「君の方がナチュラルに煽っているよ夏油くん」
「あっ」
そんなコントみたいなやり取りをしているとどんどん歌姫先輩の顔が歪んでいく。こりゃもう一度ぶちギレかなーと思っていると
「歌姫センパ〜イ無事ですか〜?」
「硝子〜!!」
「歌姫先輩無事そうで何よりです」
「凍次〜!!」
硝子が歌姫先輩に安否確認をする。そうすると歌姫先輩の顔が明るくなったのでついでに俺も挨拶しておく。
「硝子〜凍次〜あんたらはあの二人みたいになっちゃダメよ!」
「あはは、なりませんよあんなクズ共」
「あはは…」
硝子に抱きつきながらなかなか酷いことを言ってくる歌姫先輩に苦笑を返しておく。硝子は辛辣なこと言っているが…
「2日も連絡無かったので心配しましたよ」
そう硝子が言うと歌姫先輩は驚いたような顔で
「えっ2日!?」
と言っていたのでやはり中の時間と外の時間がズレているタイプの結界なのだろうと結論付ける。そんなことをワイワイと話していると冥冥さんがふと口を開く。
「ところで君達…」
「どうかしましたか?」
「帳は?」
「「「「あっ」」」」
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