死に別れENDばかりのゲームに転生しました。 作:超高校級の切望
「…………!?」
『なんだ?』
一瞬空間に亀裂が走った。次の瞬間には、何事もなかったかのように消えた。
同時に、空間に満ちていた『死』が消えた。
「これなら!」
『! 逃がすか!!』
お兄ちゃんアンデッドが追ってくる。柱を殴れば欠片が散弾のように飛んでくるが、全て紙一重で躱す。
お兄ちゃんアンデッドの放つ『死』が先程よりも感じ取れる。
『!? この!!』
速度を上げるが、意味はない。そもそも俺は速く動いているのではなく
アンデッドの成り立て。人の規格を外れた文字通りの規格外となった自身の身体能力に振り回されているうちは避けられる。
「鵺」
〘おうさ!〙
鵺が巨大な銃へと変化する。持ち運びなどまず不可能。バイポッドが床に突き刺さる。
空間を焼き尽くす様な熱線が放たれた。
『!!』
これまでの最高火力。排熱の間に合わない銃身を切り離し鵺の意識を映した一部を手に駆け出す。
【呪い】を込めたとは言え、殆どが既存法則に基づいた高火力熱線。明らかに
『ガルアアアアア!!』
吹き飛ばされた大穴の向こうから、見た目通りの怪獣の様な雄叫びが聞こえる。
追い付かれたら死ぬな。ヒカリに合流できれば、何と出会おうとどうとでもなるけど。いや、ヒカリはウブメに手を出せないか………。
まあこのだだっ広い場所で遭遇する可能性は低いだろうが。
「!!」
周辺一帯が死の気配に包まれる。慌てて跳び退けば、極大の光線が先程までいた空間を飲み込む。
鵺で放った熱線より強い。あのヒーロー気取りが!! ウルト◯マンにでもなったつもりか!!
つーか死ぬぞ! 父親になる前に消し飛ぶ!!
死体すら残らず消滅するわ!!
『……………?』
大穴を通りやってきたお兄ちゃんアンデッドはキョロキョロと周囲を見回す。
また天井にひっついてみたが、どうやら索敵能力は高くないらしい。このままどっかに向かってくれたら幸いだが…………。
『……………』
「くっそ!!」
見つかった!!
これも『死』に引き寄せられた『死』を引き寄せる『死を呼ぶ者』の因果か!?
『死ねええええ!!』
「ミィ」
「『………は?』」
とん、とこちらへ振り下ろされる丸太のような腕に乗るのは月のような毛色の何か。
それがミイだと認識するより速く、お兄ちゃんアンデッドの上半身が抉れた様に消える。
「ミキュモキュ…………ケプ」
ミイ君は今日も可愛い。きっと次回も可愛いぞ。
感想待ってます。