あなたと私とこの大地   作:ハクゲツロウ

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プロローグ

 

 小さい頃から、ずっとお母さんの言うことを聞いていた。

 

 自分を押し殺してでもお母さんに「いい子」と思われたくて、「いい子」を演じていた。

 

 いつの間にか、食べるものに味がしなくなって、友達に進められた動画も、面白いと思えなくなった。

 

 高校生になって、ニーゴとして活動するようになって、それでも「いい子」をやめられなくて。

 

 

「もう…消えたいな。」

 

 

 それが私のセカイ、それが私の本当の想い。そう言い聞かせて、それでも一人で自分を探してた。

 

 あの日、セカイに奏たちが来た日。みんなが私を見つけてくれた日。

 

 ニーゴのみんなと本当の意味で打ち解けてから、少しだけ心が軽くなった。

 

 でも、

 

 私の精一杯絞り出した答えは、お母さんには届かなくて、

 

 お母さんは泣いてた。私に何も与えなければよかった、って。悪いのは私? でもKAITOは…。

 

 家を飛び出した私の足は、無意識に奏の家に向かってた。

 

 夢中で走る私の目に、赤信号なんて映らなくて、

 

 轟々と迫るトラックの音に、立ち尽くしてしまって、

 

 そんな私の視界の隅で、銀色がゆらめいた。

 

 

 そんな気がした。

 

──────────────────────

 

 ……………?

 

 気がつくと、あたり一面真っ白な空間にいた。ここはどこだろう……あれ……。

「私、なにしてたんだっけ」

 思い出せない。何か大切なこと、忘れてはいけないことを忘れているような……。

「あなたはだあれ?」

「え……」

 突然話しかけられて、少し固まる。コロコロとした鈴のような声。振り返ってみると、小さな女の子がいた。

「ごめんなさい、ここがどこなのか…」

「ねえ、お姉ちゃんはだあれ?」

 私の問いかけを遮って、その子が質問を繰り返す。私は、…………私、は…………

 

「わたしは、だれ?」

 おもいだせない。こんなのおかしい。 

 

「覚えてないんだ。なら、まだ大丈夫だよ」

 このこはなにをいってるんだろう。わからない。

 

「ねえお姉ちゃん。もう一度、生きてみたいって思う?」

 いきるってなんだっけ。わからない。

 

「分からなくても良いよ。ね?」

 でも…なんとなく、おもう。

 

「じゃあ…少しだけ、準備をさせて」

 じゅんび?なにするの?

 

「今から行くところは、君にとって少し辛いところかもしれない」

 あれ、このこってこんなにおおきかったっけ。わからない。

 

「でも大丈夫。私と…あの子を信じて。ね?」

 あのこってだれだろう。わからない。

 

 おとなになったあのこが、くちをひらく。

「煌々と煌き、方方に散らばり、滔々と溢れる葬送よ。往々と蠢き、法灯に従い、朗々と輝やく草創となれ」

 

「わ、わ」

 からだがうく。

「これで大丈夫。いってらっしゃい。まふゆ」

 そらにぽっかりあいた、くろいあなにすいこまれた。

 




 後半から出てきた人は、転生モノでよくある神様的な存在です(姿のイメージは原◯の八重◯子)。今後の登場予定はありません。この人のためだけにオリキャラタグつけた。
 詠唱は深夜テンションで考えたので、使い方とかもう滅茶苦茶だと思うし、滅茶苦茶厨ニっぽくなっちゃいました。許して? ね?
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