あなたと私とこの大地 作:ハクゲツロウ
ついに洞穴に入ったまふゆたちだけど、早速災難ね。ムシの群れ……ムシの群れねぇ。考えたく無いわ。ここではまふゆの射撃スキルが活かされたわね。
綺麗な地下湖ね。あそこは本当に綺麗よ。ウユニ塩湖に並ぶわ。嘘よ。
リーさんもまふゆに話があるみたいね。頑張れ!
まふゆ!
本編よ! 今回はシンプルにしてみたわ!
正直に言って、この状況を作ってくれたガヴィルには感謝しか無い。あの人も気づいてんのかな。
洞穴という閉鎖空間にいる都合上、クレマチスと二人になれる時は限られてくる。そうなれば、ドクターから課せられたおれの任務の遂行は難しくなる訳だ。……まぁできないってことは無いんだけどね。
それはさておき……まぁ適当に探り入れますかね。
「……私のこと?」
「あぁそんな大層なことじゃあありませんよ。ドクターから事情は聞いてるんでね。どうです?
「……そうですね。みなさんお優しい方ばかりですし、訓練でも色んな人と交流させて頂いてるので」
「そりゃ重畳」
「……でも」
クレマチスが言葉を詰まらせる。
「? 何かご不便な点でも?」
「…………いえ、何でもありません」
よし、ここだ。
「何か悩み事があるなら、吐き出してみるのも一番でしょう。ここ数日見てりゃ、多分貴女は溜め込むタイプだ。周りに頼ることができなくてね」
「……ええ、存じております」
おや、自覚がある。以前にも指摘されたことがあるのかねぇ? ともすれば『あの人』か。
「……良友をお持ちのようで良かった………名前は『カナデ』さんですか?」
「!」
「すみません、耳に入ってしまいました……聞くに、その方は今は会えないそうで」
う〜ん、我ながら胡散臭い。こんなんだから初対面で疑われたりするんですよねぇ……。
「……まぁ、会えない状況にあるのは事実です。私も、奏を探すためにオペレーターになったんですから」
「それなら……」
「でも」
おれに話してみるのは、と続こうとしたところでぶった切られる。まぁ俯瞰してみりゃ案外不自然なもので、疑われるよりありがたい。
「私は、一人ではないので」
「……ほう? ちなみにそれはどういうことで?」
「秘密です」
ほう、ここは明かせない、と。無理に詮索するのも野暮か。ここまでにしておこう。相談相手が居るならまぁ問題は無いだろう。
「……あの、すみません」
「おや? 何でしょう」
「私も少し質問してよろしいでしょうか。この世界の事について」
「ええ勿論ですとも。おれにお答えできることなら何でもお教えしましょう」
「龍門の飯屋ァ?」
「はい」
予想外の方向から殴られた。いやまぁ、お友達と行くってんで微笑ましいなとは思ったけど。
「飯屋ねぇ……おれだいたい自炊だからなぁ……ウンも料理作るし……」
「ご存知で無いですか……?」
「あぁいやいや、有る、有りますよとびきり美味いやつが」
あのウルサスの坊主がやってる魚団子屋を思い出す。
「ジェイ、ってやつがやってる魚団子の屋台。人相が悪いからすぐ分かりますよ。いい奴なんですけどね。ロドスにもよく来てます」
「ジェイさんですね。ありがとうございます」
「礼には及びませんよ……っと、帰ってきたみたいですね。おれたちも準備しておきましょう」
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「よし、全員揃いましたね。それじゃ再出発といきましょう」
ガヴィルとアンジェリーナが戻り、すぐに探索を再開する。アンジェリーナと行く所の目星もつけられて良かった。
「ねぇクレマチスちゃん、リーさんと何話してたの?」
「龍門のご飯のこと。聞いておこう、って思って」
「あぁ〜! ありがとう! クレマチスちゃん! それで、何て言ってたの?」
「ジェイさんって人の屋台」
「ジェイさん! あの人なら間違い無いよ! うわ〜私もすぐに思い出せば良かった……」
「大丈夫だよ。こうやって目処も立ったわけだ……し」
気配。曲がり角の向こう。多くは無い。せいぜい三、四匹。だけど……。
「リー。これ大きくねぇか?」
「ええ……変異種でしょうか。記録で見たシエスタのやつみてぇな」
そう。先程遭遇した群れの個体よりも大きい。
「慎重に進みましょう。鬼が出るか蛇が出るか……」
「警戒!」
私が叫ぶと同時に、死角から触手が飛んでくる。幸い誰にも当たることは無かった。
「ギュゥ……」
「チッ! 何だアレ!」
「でかいですねぇ! しかも群れ! あんなのは見たことがない!」
色とりどりの鉱石のような甲殻に、黒い二本の触手。それに目玉。とてもムシには見えない。
「あれじゃねぇか!? アイアンキャロットの! ミラノだったか!」
「そいつは温厚な種って聞いてたんですけど!? それも一匹だけって!」
「知るかよ! 野生化で凶暴になることなんていくらでもあるだろ!?」
ガヴィルさんには心当たりがあるようだが、どうも意見が食い違っている。
「クレマチスちゃん! 合わせて!」
アンジェリーナと同時に攻撃する。アーツ、ボルト、共に命中。しかし。
「ま、全く効いてない……!」
相手は一切怯む様子がない。
「ヘコむな! 本来なら数十人で対応しなきゃならねぇ状況だ! 逃げるぞ!」
「了解!」
アンジェリーナが退却する。次弾装填。発射。今度は目玉を狙ってみる。
「! ギィィ……」
効いた。止まる様子は無い。でもこれで時間稼ぎは……。
「ギィィァァ!!」
「! 痛っ!」
激昂した一体の触手を肩に受けてしまった。クロスボウが手から離れる。まずい。
「くっ……」
「クレマ……!」
「ギィィ! ギィィ!!」
「ぐっ……がっ……」
身を丸めた私に次々と触手が襲う。相当怒ってるな。
「うっ……!」
下を向いてるから状況が見えない。みんなはもう逃げたかな。……奏。まだ会えてない。いるはずなのに。私は……まだ……。
「……死に、たく……ない……」
「しっかりしろ!」
洞穴の中に、無骨な音が響く。
「おらムシ野郎ども!! こっち向きやがれ!!」
触手の攻撃が止む。顔を上げると、ガヴィルさんがチェーンソーを携えてムシたちと応戦していた。
呆然として見ていると、体が浮く感覚。アンジェリーナのアーツだ。そのままリーさんのもとまで運ばれる。
「とりあえずキャンプまで戻りましょう! 処置はそこで! おれはもう少し残ります! ガヴィルを連れてかなきゃならないんでね!」
「了解!」
私は浮いたままだ。
「あの! ガヴィルさんは……」
「大丈夫! あの人前衛もできるから!」
……医療オペレーターって何だっけ。
そのままキャンプへ連れられて、アンジェリーナに寝かされる。
「ええ〜と? 薬は〜……あった! よし、クレマチスちゃん。傷見せて……」
「……私は、大丈夫だから」
「え?」
自分の意志に反して、言葉が口をついて出てくる。もう止められない。
「私が迷惑をかけたんだから、もうこれ以上なにかしてもらう訳にはいかないの。たがら……私はここに置いて……」
「何言ってるの!」
アンジェリーナが叫ぶ。初めて聞いた。こんな声。
「そんなの、迷惑だなんて思ってないよ! そんなこと言わないでよ! 会いたい人が居るんでしょ!? ……そんなの、嫌だよ」
俯いて、どんどん声が小さくなる。
「……あたしは、感染者なの。……それを初めて知らされた時は、もう何も考えられなくて。大学のこととか、お母さんとお父さんになんて言おうとか。もういっそ……なんて考えた」
「………」
「だけどね」
アンジェリーナがこちらに向き直る。真っ直ぐな目。
「大学を辞めて、トランスポーターになって、ロドスに入って、色んな人の荷物を届けて……その人を見てきたの。何もかも投げ出したいって人もいた。……それを見て、助けたいって思った」
どことなくデジャヴを感じる。前にも聞いた、多分これから言うのは、私が聞いたことのある言葉。
「だからね、これはあたしのエゴ。お願い、
私が救いを求めた人に、限りなく似ている。
「……あたしのエゴに、付き合って」
「アンジェリーナ! クレマチス浮かせ!」
ガヴィルさんがリーさんを脇に抱えて戻ってきた。後ろにムシたちを連れて。
「下ろしてくださいよ! 自分で歩けま……ってちょっと!? 投げるこたないでしょうが!」
「うるせぇ! 緊急事態ださっさとしろ!」
「はいはい! 総員撤退!!」
「クレマチスちゃん! いくよ!」
「………うん」
何だか懐かしい気持ちに包まれながら、どんどんと来た道を戻っていく。後ろでキャンプが破壊される音が響いた。
やがて入口に辿り着いた頃、もう既にムシたちは追って来ていない。
「ゼェ……ゼェ………なんとか、ですかね」
「負傷者一名。上で治すぞ」
「歩ける? クレマチスちゃん」
「うん、大丈夫」
アンジェリーナごアーツを解除し、ゆっくりと降ろされる。まだ強い痛みは残っているが、我慢できない程じゃない。
ガヴィルさんに肩を貸してもらい、地上に出る。
「おーい! キララ! いるか!」
「ウェ……もう戻って……ってクレマチス!」
キララが駆け寄ってくる。心配させてしまった。
「こっち! 薬はあるよ」
「おう、助かる」
「で、何があったのさ」
ガヴィルさんの治療アーツで治され、作戦会議に参加する。まずはキララに状況説明だ。
「でけぇオリジムシが、三体ほど。全部変異体でした。こっぴどくやられましたよ」
「みたいだね……とりまドクターに連絡したんだけどさ」
キララが言葉を詰まらせる。
「どうした? 何か不都合なことでもあったのか?」
「いや……やりたくないなぁ……って」
「え?」
ますます頭を抱えている。本当にどうしたんだろう。
「…………いや、ドクターが言うにはね」
やっと決心したように話し始める。
「……私が作戦指揮を執れ、ってさ」
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の前に、皆様に謝罪しなければなりません。私、柏餅の極みは、リー先生の一人称を勘違いしていたことをここに謝罪いたします。
正しくは『俺』→『おれ』です。
アークナイツファンの皆様並びにリー先生ファンの皆様、誠に申し訳ございませんでした。又、プロセカファンの皆様にも、誤解を与える表現にしてしまったこと、心よりお詫び申し上げます。今後二度とこんな事が起こらないよう、勉強頑張ります。
今回の話では直しましたが、過去話についても、順次訂正していきます。
重ね重ね、本当に申し訳ありませんでした。
この話はここで終わり、改めて、
お気に入り40件ありがとうございます!!!!!日々増えるUA数も励ましになっております!!!!!これからも宜しくお願いします!!!!!