あなたと私とこの大地   作:ハクゲツロウ

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 前回のあらすじ〜〜〜〜〜〜〜。
 ちょっと!!!!! まふゆに何するのよ!!!!
この[神様スラング]!!!!!
 ……ふぅ、お見苦しいところをお見せしてしまったわ。仕方ないわね。あんなの見たら誰でもそうなるわ。
 キララちゃんが指揮官になるみたいだけど……私は心配よ。あの子できるのかしら。
 本編よ!!!!!!!!


第十二話 反撃の時間

 

 ……キララが、作戦指揮?

「……隊長は一応おれなんですけど、ドクターは何と?」

「あ〜それはそのまま。シミュゲーで言ったらあんたが大将で私は軍師」

 ……何とも言えない沈黙が流れる。

「…………(モスキート音)あ゜〜〜〜〜(小声)こうなるからやりたく無かったんだよドクターの馬鹿〜〜〜〜私らファーストコンタクト最悪だったんだよ〜〜〜〜…………」

 キララが頭を抱える。実際私は困惑していた。他の人たちはそうでも無いみたいだけど。

「いいぜ。ドクターの指示なら間違いねぇだろ」

「うん! あたしも問題ないよ」

 ガヴィルさんに続いてアンジェリーナが賛成する。リーさんも頷いていた。勢いよく頭を上げるキララ。

「え、マジ? ……クレマチスは?」

「……私も、特に問題はないかな」

 キララが天を仰ぐ。私達の反応はよっぽど予想外だったようだ。

「……はぁ〜…………分かった。命を預かるからには本気でやるよ」

「勿論です。よろしくお願いしますよ」

 先程の自信なさげな表情から、目が変わったような気がする。頼もしい。

 

「じゃ、まずその変異体について詳しく」

「アイアンキャロット採掘場で確認された人工変異オリジムシ『ミラノ』に類似した個体が三体。完全に野生化していて、あちらで見られた温和な性格は皆無です。攻撃手段は二本の触手。体は硬い甲殻に覆われていて並の攻撃は通りません。その代わり、特殊能力は無くなったみたいですけどね」

 一通りの特徴をリーさんが報告する。あの短時間でそこまで分析できるなんて……。

「……三体ね。じゃ三組に別れて一体ずつ相手しよう。リーとクレマチス、ガヴィルとアンジェリーナ、私ソロ」

 ………単騎ソロ? キララが?

「流石に単騎は厳しいんじゃねぇか?」

 ガヴィルさんが苦言を呈する。

「大丈夫。二本なら余裕。それに私ソロの方がやる気出るんだよね」

 随分と余裕がある。初対面のオドオドとした感じはどこへやら。

「私より他二組だよ。……作戦はシンプル。前衛がヘイト稼いで、その隙を後衛がぶち抜く。前衛は甲殻にヒビ入れるとかで弱体入れればなお良し。後衛は前衛が怪我しないようにサポート。いい?」

 伝えられた作戦はシンプル。故に両名の力量が求められる。私に出来るかどうか……。

「で、こっから具体的な指示。よく聞いてて」

 考える暇も無くキララからの指示が来る。

 

「まずはリー」

「はいよ」

「別段難しいことはない。いつも通り、あんたの役割をこなせばいいだけ。火力は足りないだろうから、そこはクレマチス頼って」

「了解」

 

「次、アンジェリーナ」

「はい!」

「慌てなくていい。アーツに集中して。でも周りもちゃんと見て。ガヴィルなら何とかしてくれることもあるだろうから」

「分かった」

 

「次、ガヴィル。暴れて」

「アタシだけ雑じゃねぇ?」

 

「最後、クレマチス」

「はい」

「リーはちゃんと隙作るだろうから、そこをしっかり、外さないこと。気負わないで。リーはしっかり強いから、あんたはちゃんとリーに出来ないことをすればいい。」

「……分かりました」

 

「作戦会議は以上。もういける?」

「いつでも」

「よし、じゃあ行こ」

 

 

 再び洞穴を進む。今度はより慎重に。また群れに出くわすかもしれない。

 クロスボウの争点は済んでいる。臨戦態勢。

「………来ます」

「構え。作戦通りに」

「「「「了解」」」」

 事前に指示された三組に別れる。まずは分断させること。これは簡単だ。さっき私があれを怒らせたようにすればいい。

「おれたちは左」

「じゃあアタシは右で」

「正面」

 

 

「……撃て」

 リーさんの合図と同時に、引き金を引く。放たれたボルトは、あのムシの目玉を正確に射抜いた。

「ギッ! ………ギュゥゥゥゥ……!」

「誘導開始。リーさん」

「分かってますよ。ほうら、こっちだ!」

 リーさんが札で陣を展開し、ムシを迎え撃つ。私もボルトを込めて援護に回る。

「チッ、やっぱ硬ぇな」

 リーさんの攻撃ではやはりびくともしていない。それでも器用に攻撃を避けている。

「! まずい……」

「命中!」

「ギィィ……!」

 何度か当たりそうになった時も、私が目玉や触手にボルトを撃って動きを止めた。着実に追い詰めている感覚がある。

「ギッ……ギギ! ギィィァァァ!!」

「おっとぉ! 暴れてるねぇ!」

「触手で……狙いづらい……!」

 その直後、乱雑に触手を振り回し始める。全身ごと動いているのと、振り回される触手で照準が定まらない。目玉を狙えない。リーさんの被弾回数が増える。

「いっ……これで、どうです!?」

「!? ギィォ……!」

 触手に当たりながらも、札を一極させての一撃。リーさん渾身のそれは、ムシを大きく反らせた。這っていて見えなかった腹部が露出する。

「今ですよ! クレマチス!」

「了解!」

 ……あ、またこれだ。一日に二回は初めてかな。周りが冷たくなる。感覚が鋭敏化する。他二組が戦ってる音。リーさんの声。ムシの絶叫。全てが聞こえる。

 ………正面、ムシ、五発。全弾命中。

 気がつくと、動かなくなったムシと、駆け寄るリーさんが見えた。

 

──────────────────────

 

「アーツ当てました!」

「でかした! ……どこ見てんだこっちだムシ野郎!」

 相変わらず前衛になると無茶苦茶な戦い方をするガヴィルさん。チェーンソーと斧の二刀流でムシに息衝く暇も与えない連撃。ちょっと可哀想になってくる。

「ギッ…………ゴッ………」

「なんだなんだ単体じゃ大したこと無ぇなぁおい! お礼参りと行こうじゃねぇかアンジェリーナ!」

「え、あ、お、おう!」

 チェーンソーで一撃見舞ったと思えばすぐに尻尾で掴んだ斧で攻撃、それが終わったらまたチェーンソー……無限ループって怖くない?

「キィッ!!」

「あ! 危ない!」

「おっと。助かったぜ!」

 流石にムシも反撃してくる。死角からの触手の一撃を間一髪で妨害する。……これ一々やるよりもさ。

「……もっと、アーツを集中させて……」

「! おら! アタシはこっちだ!」

 ガヴィルさんがあたしの意思を汲んで攻撃を誘導してくれた。その間、杖の先端にアーツを集中させる。もっと鋭く、もっと大胆に、もっと、もっと。

「………今!」

 溜めに溜めたアーツが、杖から解き放たれる。それは無数の弾丸となって、ムシを襲った。

 あたしの得意技、『秘杖・微粒子』。重力を操るあたしのアーツを、大量の細かいアーツ弾に込めて連続で放つ大技。その性質上、大きな溜めが必要になる。その分強力だけどね。

「ギッ………ガァッ! ………ゴッ………」

 これに当たると、相手はどんどん『重く』なっていく。当然そうなれば動きはトロくなるわけで。

「これでっ……トドメだぁ!」

 ガヴィルさんが思いっきり目玉をぶった切る。ムシはそれ以降、動くことは無かった。

 

──────────────────────

 

 あ〜ソロでやるなんて言わなきゃ良かった。だる。

「え〜……お前の相手は私なんだけど………」

 気づいてねぇなこれ。余裕のよそ見。まぁ仕方ないね。よそ見してるならね。先制攻撃は大体有利になるから、ありがたく頂戴しよう。

「はいよ、っと」

「ギッ!?」

 あっちが触手ならこっちも触手。正確には足? 尻尾? でぶっ叩く。エーギル舐めんな。こちとら……。

「ギィィ!!」

「あっ、おい。……気づけなかったからって拗ねんなよ……」

 直ぐ様二本の触手で反撃してきたので、私も()()()対応する。……うん。乱雑に打ってるだけで受け流すの簡単だわ。こちとら0.015秒の世界で生きてんだよ。

 とは言え、このまま一生平行線なら先に力尽きるのはこっちだ。引きこもり舐めんな。こちとら年中ゲーム三昧だぞ。なので、早期決戦にさせてもらう。速戦即決ってやつだね。

「よ、っと。行け」

「!? ギガッ! ゴッ! オォォォ!」

 服の中に隠しておいた残り六本の触手を開放する。勿論全部の触手が武器を持っている。私に比べて怪力だ。

「……ん、三本刺さったね」

「ギ………ィ………」

 半分弾かれた。甲殻の隙間狙ったんだけど。ホントに硬いなあれ。まぁ刺さったんならこっちのもんだけど。

 刺したままでいると、ムシの触手が力なく垂れる。どうやら中身は相当柔らかいらしい。バサ◯モスかよ。

「あ〜もう終わり? ───じゃ、GGおつかれ

 勢いよく銛を引き抜く。形容し難い色の体液が中から飛び散った。……うぇ、返しに肉片ついてる。

 

──────────────────────

 

 ……なんか、呆気なかったな。

「怪我はないですか?」

「はい。リーさんは……」

「おれは大丈夫ですよ。さ、みんなも終わったみたいです。行きましょうか」

 リーさんの視線を追うと、確かに二組とも終わっていた。特に目立った怪我をしている人は見当たらない。

「……良かった」

 

「結局初見殺しのクソボスだね。手の内が分かってりゃ何も問題無いタイプ。親の顔より見た」

「もっと親御さんと会ってあげてよ……」

 キララの定型文にアンジェリーナが心配する。そういう意味じゃないと思うな。

「で、みんな怪我……ガヴィル」

「おう。リー、背中診せろ」

「……気づくもんなんすね。いやぁ面目ない」

 リーさんが背中を露出させると、毛に埋もれて見えにくいが、痛々しい打撲痕があった。

「!」

「お前早く言えよ。肝心な時に隊長が動けないとか洒落になんねぇぞ」

「すみま……」

「ごめんなさい」

 リーさんの謝罪に割り込んで私が謝る。私のせいだ。

「私が……あの時ムシの動きを止められてたら……こうならなかったんです。だから……私のせいで……」

「それは無い」

「それは無ぇ」

「……え……?」

 同時に否定の言葉が聞こえてくる。

「戦場の怪我は自己責任だ。避けらんなかったこいつが悪い」

「そうですよ。第一ありゃほとんど事故みたいなもんです。貴女が気に病むことじゃありませんよ」

 ……だって、私の、せいで、リーさんは。

「あと、おれは頑丈ですから、こんなの傷の内に入りませんよ」

「お前気負いすぎだぜ。キララに言われたこと忘れたか?」

 治療をしながら、さも当然のように言い放つ二人。何で? あんな怪我を負わせてしまったのに……。

「クレマチス、二人も言ったけど……あー、うん、ね?」

「あなたは悪くない、ね?」

「そう。ありがとアンジェリーナ。……今回の件で誰かが悪いなら、それは私。指揮ミスだよ。あんたが謝る必要はない」

 何でみんな、こんなに優しく。

「はい、この話終わり。……リー、治療は?」

「終わりました。いつでも行けます」

「ガヴィル」

「問題ねぇよ」

「よし、じゃあ行こう」

 四人が歩き出す。アンジェリーナが振り返って、私に手を差し伸べる。

「行こ、マフユちゃん」

 とても眩しいその手を掴んで、前に進む。

 まだ、答えは出ていない。

 





 うぉぉぉぉ!!!! お気に入り46件!!!! ありがとうございます!!!!!
 そこのあなた、『なんかキララ強くね?』って思ったでしょう。これがメンタリティです。冗談はさておき、キララは推しの一人なので多少盛ってます。ごめんなさい。
 いずれは推し全員活躍させたいな……設定的にこれ以上軽率にプロセカのキャラを増やせないのが難点。あと一人いるんですよね……望月さんちの穂波さんなんですけど……。
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