あなたと私とこの大地 作:ハクゲツロウ
ちょっと!!!!! まふゆに何するのよ!!!!
この[神様スラング]!!!!!
……ふぅ、お見苦しいところをお見せしてしまったわ。仕方ないわね。あんなの見たら誰でもそうなるわ。
キララちゃんが指揮官になるみたいだけど……私は心配よ。あの子できるのかしら。
本編よ!!!!!!!!
……キララが、作戦指揮?
「……隊長は一応おれなんですけど、ドクターは何と?」
「あ〜それはそのまま。シミュゲーで言ったらあんたが大将で私は軍師」
……何とも言えない沈黙が流れる。
「…………(モスキート音)あ゜〜〜〜〜(小声)こうなるからやりたく無かったんだよドクターの馬鹿〜〜〜〜私らファーストコンタクト最悪だったんだよ〜〜〜〜…………」
キララが頭を抱える。実際私は困惑していた。他の人たちはそうでも無いみたいだけど。
「いいぜ。ドクターの指示なら間違いねぇだろ」
「うん! あたしも問題ないよ」
ガヴィルさんに続いてアンジェリーナが賛成する。リーさんも頷いていた。勢いよく頭を上げるキララ。
「え、マジ? ……クレマチスは?」
「……私も、特に問題はないかな」
キララが天を仰ぐ。私達の反応はよっぽど予想外だったようだ。
「……はぁ〜…………分かった。命を預かるからには本気でやるよ」
「勿論です。よろしくお願いしますよ」
先程の自信なさげな表情から、目が変わったような気がする。頼もしい。
「じゃ、まずその変異体について詳しく」
「アイアンキャロット採掘場で確認された人工変異オリジムシ『ミラノ』に類似した個体が三体。完全に野生化していて、あちらで見られた温和な性格は皆無です。攻撃手段は二本の触手。体は硬い甲殻に覆われていて並の攻撃は通りません。その代わり、特殊能力は無くなったみたいですけどね」
一通りの特徴をリーさんが報告する。あの短時間でそこまで分析できるなんて……。
「……三体ね。じゃ三組に別れて一体ずつ相手しよう。リーとクレマチス、ガヴィルとアンジェリーナ、私ソロ」
………単騎? キララが?
「流石に単騎は厳しいんじゃねぇか?」
ガヴィルさんが苦言を呈する。
「大丈夫。二本なら余裕。それに私ソロの方がやる気出るんだよね」
随分と余裕がある。初対面のオドオドとした感じはどこへやら。
「私より他二組だよ。……作戦はシンプル。前衛がヘイト稼いで、その隙を後衛がぶち抜く。前衛は甲殻にヒビ入れるとかで弱体入れればなお良し。後衛は前衛が怪我しないようにサポート。いい?」
伝えられた作戦はシンプル。故に両名の力量が求められる。私に出来るかどうか……。
「で、こっから具体的な指示。よく聞いてて」
考える暇も無くキララからの指示が来る。
「まずはリー」
「はいよ」
「別段難しいことはない。いつも通り、あんたの役割をこなせばいいだけ。火力は足りないだろうから、そこはクレマチス頼って」
「了解」
「次、アンジェリーナ」
「はい!」
「慌てなくていい。アーツに集中して。でも周りもちゃんと見て。ガヴィルなら何とかしてくれることもあるだろうから」
「分かった」
「次、ガヴィル。暴れて」
「アタシだけ雑じゃねぇ?」
「最後、クレマチス」
「はい」
「リーはちゃんと隙作るだろうから、そこをしっかり、外さないこと。気負わないで。リーはしっかり強いから、あんたはちゃんとリーに出来ないことをすればいい。」
「……分かりました」
「作戦会議は以上。もういける?」
「いつでも」
「よし、じゃあ行こ」
再び洞穴を進む。今度はより慎重に。また群れに出くわすかもしれない。
クロスボウの争点は済んでいる。臨戦態勢。
「………来ます」
「構え。作戦通りに」
「「「「了解」」」」
事前に指示された三組に別れる。まずは分断させること。これは簡単だ。さっき私があれを怒らせたようにすればいい。
「おれたちは左」
「じゃあアタシは右で」
「正面」
「……撃て」
リーさんの合図と同時に、引き金を引く。放たれたボルトは、あのムシの目玉を正確に射抜いた。
「ギッ! ………ギュゥゥゥゥ……!」
「誘導開始。リーさん」
「分かってますよ。ほうら、こっちだ!」
リーさんが札で陣を展開し、ムシを迎え撃つ。私もボルトを込めて援護に回る。
「チッ、やっぱ硬ぇな」
リーさんの攻撃ではやはりびくともしていない。それでも器用に攻撃を避けている。
「! まずい……」
「命中!」
「ギィィ……!」
何度か当たりそうになった時も、私が目玉や触手にボルトを撃って動きを止めた。着実に追い詰めている感覚がある。
「ギッ……ギギ! ギィィァァァ!!」
「おっとぉ! 暴れてるねぇ!」
「触手で……狙いづらい……!」
その直後、乱雑に触手を振り回し始める。全身ごと動いているのと、振り回される触手で照準が定まらない。目玉を狙えない。リーさんの被弾回数が増える。
「いっ……これで、どうです!?」
「!? ギィォ……!」
触手に当たりながらも、札を一極させての一撃。リーさん渾身のそれは、ムシを大きく反らせた。這っていて見えなかった腹部が露出する。
「今ですよ! クレマチス!」
「了解!」
……あ、またこれだ。一日に二回は初めてかな。周りが冷たくなる。感覚が鋭敏化する。他二組が戦ってる音。リーさんの声。ムシの絶叫。全てが聞こえる。
………正面、ムシ、五発。全弾命中。
気がつくと、動かなくなったムシと、駆け寄るリーさんが見えた。
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「アーツ当てました!」
「でかした! ……どこ見てんだこっちだムシ野郎!」
相変わらず前衛になると無茶苦茶な戦い方をするガヴィルさん。チェーンソーと斧の二刀流でムシに息衝く暇も与えない連撃。ちょっと可哀想になってくる。
「ギッ…………ゴッ………」
「なんだなんだ単体じゃ大したこと無ぇなぁおい! お礼参りと行こうじゃねぇかアンジェリーナ!」
「え、あ、お、おう!」
チェーンソーで一撃見舞ったと思えばすぐに尻尾で掴んだ斧で攻撃、それが終わったらまたチェーンソー……無限ループって怖くない?
「キィッ!!」
「あ! 危ない!」
「おっと。助かったぜ!」
流石にムシも反撃してくる。死角からの触手の一撃を間一髪で妨害する。……これ一々やるよりもさ。
「……もっと、アーツを集中させて……」
「! おら! アタシはこっちだ!」
ガヴィルさんがあたしの意思を汲んで攻撃を誘導してくれた。その間、杖の先端にアーツを集中させる。もっと鋭く、もっと大胆に、もっと、もっと。
「………今!」
溜めに溜めたアーツが、杖から解き放たれる。それは無数の弾丸となって、ムシを襲った。
あたしの得意技、『秘杖・微粒子』。重力を操るあたしのアーツを、大量の細かいアーツ弾に込めて連続で放つ大技。その性質上、大きな溜めが必要になる。その分強力だけどね。
「ギッ………ガァッ! ………ゴッ………」
これに当たると、相手はどんどん『重く』なっていく。当然そうなれば動きはトロくなるわけで。
「これでっ……トドメだぁ!」
ガヴィルさんが思いっきり目玉をぶった切る。ムシはそれ以降、動くことは無かった。
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あ〜ソロでやるなんて言わなきゃ良かった。だる。
「え〜……お前の相手は私なんだけど………」
気づいてねぇなこれ。余裕のよそ見。まぁ仕方ないね。よそ見してるならね。先制攻撃は大体有利になるから、ありがたく頂戴しよう。
「はいよ、っと」
「ギッ!?」
あっちが触手ならこっちも触手。正確には足? 尻尾? でぶっ叩く。エーギル舐めんな。こちとら……。
「ギィィ!!」
「あっ、おい。……気づけなかったからって拗ねんなよ……」
直ぐ様二本の触手で反撃してきたので、私も
とは言え、このまま一生平行線なら先に力尽きるのはこっちだ。引きこもり舐めんな。こちとら年中ゲーム三昧だぞ。なので、早期決戦にさせてもらう。速戦即決ってやつだね。
「よ、っと。行け」
「!? ギガッ! ゴッ! オォォォ!」
服の中に隠しておいた残り六本の触手を開放する。勿論全部の触手が武器を持っている。私に比べて怪力だ。
「……ん、三本刺さったね」
「ギ………ィ………」
半分弾かれた。甲殻の隙間狙ったんだけど。ホントに硬いなあれ。まぁ刺さったんならこっちのもんだけど。
刺したままでいると、ムシの触手が力なく垂れる。どうやら中身は相当柔らかいらしい。バサ◯モスかよ。
「あ〜もう終わり? ───じゃ、GG」
勢いよく銛を引き抜く。形容し難い色の体液が中から飛び散った。……うぇ、返しに肉片ついてる。
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……なんか、呆気なかったな。
「怪我はないですか?」
「はい。リーさんは……」
「おれは大丈夫ですよ。さ、みんなも終わったみたいです。行きましょうか」
リーさんの視線を追うと、確かに二組とも終わっていた。特に目立った怪我をしている人は見当たらない。
「……良かった」
「結局初見殺しのクソボスだね。手の内が分かってりゃ何も問題無いタイプ。親の顔より見た」
「もっと親御さんと会ってあげてよ……」
キララの定型文にアンジェリーナが心配する。そういう意味じゃないと思うな。
「で、みんな怪我……ガヴィル」
「おう。リー、背中診せろ」
「……気づくもんなんすね。いやぁ面目ない」
リーさんが背中を露出させると、毛に埋もれて見えにくいが、痛々しい打撲痕があった。
「!」
「お前早く言えよ。肝心な時に隊長が動けないとか洒落になんねぇぞ」
「すみま……」
「ごめんなさい」
リーさんの謝罪に割り込んで私が謝る。私のせいだ。
「私が……あの時ムシの動きを止められてたら……こうならなかったんです。だから……私のせいで……」
「それは無い」
「それは無ぇ」
「……え……?」
同時に否定の言葉が聞こえてくる。
「戦場の怪我は自己責任だ。避けらんなかったこいつが悪い」
「そうですよ。第一ありゃほとんど事故みたいなもんです。貴女が気に病むことじゃありませんよ」
……だって、私の、せいで、リーさんは。
「あと、おれは頑丈ですから、こんなの傷の内に入りませんよ」
「お前気負いすぎだぜ。キララに言われたこと忘れたか?」
治療をしながら、さも当然のように言い放つ二人。何で? あんな怪我を負わせてしまったのに……。
「クレマチス、二人も言ったけど……あー、うん、ね?」
「あなたは悪くない、ね?」
「そう。ありがとアンジェリーナ。……今回の件で誰かが悪いなら、それは私。指揮ミスだよ。あんたが謝る必要はない」
何でみんな、こんなに優しく。
「はい、この話終わり。……リー、治療は?」
「終わりました。いつでも行けます」
「ガヴィル」
「問題ねぇよ」
「よし、じゃあ行こう」
四人が歩き出す。アンジェリーナが振り返って、私に手を差し伸べる。
「行こ、マフユちゃん」
とても眩しいその手を掴んで、前に進む。
まだ、答えは出ていない。
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そこのあなた、『なんかキララ強くね?』って思ったでしょう。これがメンタリティです。冗談はさておき、キララは推しの一人なので多少盛ってます。ごめんなさい。
いずれは推し全員活躍させたいな……設定的にこれ以上軽率にプロセカのキャラを増やせないのが難点。あと一人いるんですよね……望月さんちの穂波さんなんですけど……。