こんにちは。前門の茶柱、後門のきよぽん。絶体絶命の一色いろはです。薄い壁の向こうでは、堀北さんの独演会が続いています・・・
『・・・いや、入試結果を総合的に判断して、学校側はお前をDクラスに配属した。これは決定事項だ』
『何かの間違いです!私は納得していません!ましてや、小テストで全科目0点をとるような学力の生徒と同じクラスだなんて!だいたい、どうして
ほぅ、言ってくれますね、このブラコン風情が。
決めました。ここは攻撃に転じるとしましょう。よ〜うし!先程撃ち漏らした拗らせブラコンを叩く!主砲を短距離砲に切り換え、ワレキューレを出撃させろ!(失敗確定)
幸いここは給湯室なので、必要なアイテムは揃っています。素早く準備を終えると、私はお盆を手にしました。
「おい一色、何をする?」
さすがの彼も諌めてきましたが、もう止まりません。女の子は、自分で決めたことは変えませんから。
「シャア少佐だって、戦場の戦いで勝って出世したんだ!」
「??何を言ってるのかよく分からんが、とにかくやめろ。お前、命令違反を犯すつもりなのか?」
「フン、手柄を立てちまえばこっちのもんよ。ヘッ、敵を倒すには早いほどいいってね」
「・・・」(これがキャラ崩壊、というやつなのか?)
いろは、行きまーす!ガチャ
「こちら、ご注文のお抹茶ラテフラペチーノショコラ(ミラノ風)になります♪」
「なっ!??」
固まる茶柱先生。堀北さんも目が点です。
「では、ごゆっくりどうぞ」
ふたりの前にお湯呑みを置き、一礼してそのまま出口へ・・・我ながら完璧な攻撃です。これで連邦軍のV作戦は根底から崩れ去ることでしょう。
「待て」
まぁ、そうなりますね・・・(;´д`)トホホ…
「貴様・・・音を立てるなと言ったはずだぞっ?!」
あ、これは本格的に激おこぷんぷん丸ですね。早くも更年k・・・グシャ!(圧潰音)
「はい、ですから音ではなくお茶を立ててみた次第。それにそちらのお客様は、無駄話のしすぎで喉が渇いていらっしゃるかと」
思わぬところで茶道経験が活きました。まぁ、中身は安物のティーバッグなんですけど。てへ!(*´ω`*)
「はぁ・・・仕方あるまい。綾小路も出て来るんだ。従わなければ退学にする」
あ、なんか嫌な予感がします。
「えっ?綾小路君まで・・・?」
激しく動揺する鈴音。(なぜか呼び捨て)
「堀北、お前は学力に自信があるようだが、これはどう見る?」
机に何やら広げる茶柱ティーチャー。この流れは、アレですかね。
「綾小路の入学試験と小テストの答案用紙だ」
「は?なぜそんなものを・・・」
きょとん?と小首を傾げる堀北さん。甚だ遺憾ですけど、日頃クールな彼女がやると、これまた効果絶大。所謂ギャップ萌えってやつです。チッ!
「よく見ろ。入試全科目ぴったり50点。狙って出来ることではない。しかも、小テストでは最高難易度の問題を全て完璧に正解した一方で、小学生レベルの問題をいくつも落としている」
「なんっ・・・?!」
答案用紙を手に絶句する黒髪ロング。そんな隣人を見かねたのか、彼が自らフォローを入れました。
「先に言っておくが、隠れた天才とかいう設定は無いぞ」
ほざけ天才!!
「で、こっちが一色の小テストだ」
更に畳み掛けてくる担任。え?私のも?
「は?全部0点なら、いまさら見る価値など・・・」
再びきょとん?の堀北さん。確かに当事者として言いたいことは山ほどありますが、ここは中身の確認が先です。私は横から覗き込みました。
・・・な、なんですとぉ?!
「ああ、見ての通りだ。お前は全科目満点だったぞ、一色」
どゆこと?
「よく見てみろ。全部、名前の書き忘れだ」
マ、マイガーーーッ!!Σ(゚∀゚ノ)ノキャー問題内容ばかりに気を取られてお名前書き忘れとか、幼稚園生かっ!
「もう分かっただろう、堀北。学力だけに限っても、本校にはお前より上の生徒が少なからず存在する。Aクラスを目指すなら覚えておけ」
「偶然って怖いっすね」
飄々と答える最高傑作。
「ええ、タマタマです」
ここは乗っておきましょう。
「なっ?い、一色さん!人前で貴女なんてことをっ!」
にわかに頬を染め、もじもじする堀北妹。ってかそこですかい?貴女まさか、むっつりスケベさん?
「話は終わりだ。さっさと帰って勉強しろ」
最後に教師っぽいセリフを残して、サエちゃんは去って行きました。さて、私もそろそろお暇するとしましょうか・・・
「待ちなさいっ!」
「断るっ!」
「・・・まだ何も言ってないのだけれど・・・?」
手首を掴まれ逃走に失敗した私は、やむなく堀北さんへと向き直りました。
「はぁ・・・勉強会ですよね」
「え!?・・・えぇ・・・話が早くて助かるわ。一色さん、私に協力しなさい」
「拒否権は?」
「あるわけ無いでしょう?実力を隠していた罰よ」
いえ、だから別に隠してたんじゃなくて、単なる名前の書き忘れで・・・(ノД`)
暫し彼女と睨み合います。いやしかし、改めて見るとホント雪乃先輩に似てますよね、貴女。姉妹って言われたら100パー信じちゃいますよ。はるのん、ゆきのん、すずのん。この三連星でジェットストリームアタックを仕掛けたら、マザコン天パー少年なんてジオン本国まで吹っ飛んじゃうでしょうね・・・ん?
「「待ちなさいっ!」」
「たうわっ?!」
どさくさに紛れてフェードアウトしようとしていたきよぽんを、美少女ふたりで仲良く捕縛です。いまさら逃しませんよ、最高傑作さん?
「いや、俺はたかだか平均点レベルなんだが?」
左右両腕をそれぞれ私たちにロックされた状態で、尚もうそぶく清隆。(唐突な名前呼び)
「何を言っているのかしら。大学入試レベルの数学証明問題を完答していたくせに・・・」
悔しさを滲ませる、三女すずのん。(三姉妹認定)その負けず嫌いを正しい方向に発揮出来れば、大好きなお兄さんの背中も見えるでしょうに。ふっ・・・若さ故の過ちか・・・
「取り敢えず、連絡先を交換しておきましょう。これからは、色々やり取りする必要も出て来るでしょうから」
「い、いいのか?!」
堀北先生の提案に、嬉々として端末を取り出す綾小路君。そこだけ見ると、実に微笑ましい光景ですが・・・
「本当に哀れね。この期に及んでまだ、そんなに友達が欲しいのかしら?」
完全に相手を見下した態度で嘲笑う、劣化版ゆきのん。はぁ・・・( ´Д`)=3 彼女は不良品ですが、Dクラスにとって重要なキャラです。その成長を促すためにも、ここは分からせておく必要がありそうですね。艦娘も、大破させればさせるほど強くなりますし。たっぷり痛めつけてから、改装するとしましょうか。(ブラック鎮守府)ビッグセブンの力、侮るなよ?
「哀れなのは貴女の方です、堀北さん」
「何ですって?!」
ほら、あっさり釣られる時点で貴女は不良品なんですよ。
「貴女が哀れな石頭だって言ったんです。友達の何たるかを知ろうともせず、まともなコミュニケーションすらとれない今の貴女に、綾小路君を嘲笑う資格などありません」
「なんっ!?貴女に私の何が分かるって言うの?!」
「何も分かりませんよ。でも、今のままじゃAクラスなんて夢のまた夢。大好きなお兄さんも、がっかりするでしょうね」
「に、兄さん・・・んくうっ♥」
てか、人前でなんて声出してるんですか、むっつりさん?そういうのはお部屋に帰ってからひとりで・・・ゲホゲホ!
私の言葉に思い当たる節があるのか、視線を逸らして考え込む仕草を見せるすずのん。ここが貴女にとって運命の分かれ道、かも知れません。そして・・・
「き、極めて遺憾なのだけれど、貴女の言葉にも一部聞くべきところがあるという事実は、不本意ながら認めざるを得ないわ」
やっぱ雪乃先輩とおんなじセリフ回し。ホントめんどくさい性格してますね。
「とにかく、私の手駒としての働きを期待してるから」
この期に及んで何たる上から目線!ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!
「おい堀北、それは俺も入ってるのか?」
「なにか言った?」
「なんでもございません」
あっさりと撃破される、事なかれ主義の怪物。
「さ、連絡先の交換を済ませておきましょう?」
その言葉に、私はスマホを差し出しました。
「端末操作がめんどうなので、宜しくです」
本音を言うと、もうへとへと。今すぐそこの来客用ソファーで大の字になりたい気分なんですよ。(女の子はダメ!そんなことしちゃ!)
「えっと、本当に良いのかしら?」
「ええ、別に見られて困るものでもありませんから」
「そう、なら遠慮なく・・・ぱおん?!」
新しすぎる呻き声を上げ、突然目を剥く鈴音さん。象さんにでもなりたいのでしょうか?
「な、なぜ貴女が兄さんの連絡先をっ?!あ、あり得ない!私はいまだに部屋の固定電話で連絡しているのにっ!」
むしろそっちがあり得ないのでは?てか、そんなに欲しけりゃあげますよ、マナブくん兄さんのメルアド。
ん??
「ふ、ふふふ・・・そう、そうよ、兄さんに纏わり付く悪い虫は駆除しなくては。これは実の妹として当然の権利よね?」
長い黒髪の間から覗く、ハイライトの消えた眼。まさかのヤンデレ妹爆誕?!改装するつもりが
「てか、オレは先に帰ってもいいんだよな?これ」ボソッ
【次回第11話:ようこそ間違いだらけの勉強会へ】
特別中間テストに向けて、勉強会が始まりました。試験範囲の変更と裏櫛田さんには気を付けましょう。
( ゚д゚)ハッ!!?