「い、一色殿!ぜひとも拙者と組んで頂きたいでござる!」
イヤでござるよ、外村殿。
「いや、学年トップの一色は俺と組むべきだ」
見事な手のひら返しですね、ゆきむー。
「一色、俺と組んでくれ!必ず幸せにする!」
どさくさ紛れに告らないで下さいムリですキモいですごめんなさい、須藤君。
「ふはははは!大人気だねぇ、一色ガール。そんなに私と組みたいのかね?」
ふはははは!哀れだねぇ、六助ボーイ。素直に相手が居ないと白状したらどうかね?
こんにちは。生徒指導室から奇跡の生還を果たしてみれば、一躍クラスの人気者になっていた一色いろはです。きっかけはもちろん、むっつりスケベの堀北さんです。それでは回想シーン、リンクスタート!!(デスゲーム開始)
〜約10分前〜
「一色さんに先生役をお願いすることにしたわ」
「「はぁ???」」
実力至上主義の教室に吹き荒れるハテナマークの嵐。
「正気か?彼女に務まるはずが無いだろう?」
幸村君が一刀両断。御意!
「堀北さん、冗談は性格だけにして欲しいんだけど」
軽井沢さんも続きます。辛辣ですね。
なまじ頭の回転が速いだけに、必要な説明を省いて話を進めるブラコン。
「じゃあ、これを見てもまだ同じことが言えるのかしら、軽井沢さん?」
すずのんが取り出したのは、例の私の小テスト。もう、個人情報保護もへったくれもありません。こっちも伸るか反るかの瀬戸際なのです。
「なにこれ?全部マルじゃん」
「一色さんの小テスト答案用紙よ。全科目満点の」
一瞬の静寂。念の為、耳を塞いでおきましょう。
「「「「えええええぇーーー?!!!」」」」
見事な混声合唱団です。いま初めて、このクラスはひとつになりました。
「ば、バカな?!あの問題を全て解けるなんて、あ、あり得ない!」
ズレた眼鏡を直しながら叫ぶ幸村君。いくらそう言われましても、解けちゃったんだから、しょうがない。ペロ
「ふはははは!大の男が狼狽える姿は実に醜いねぇ」
貴方、ホントは醜いものが好きなんじゃありません?
「一色さんは単に、記名を忘れて0点扱いされていただけだった。学力は学年トップクラスよ。ただし注意力は小学校低学年レベルね」
それでもディスらないと気が済まないんですね、堀北さん。何ならさっきの貴女の恥ずかしい声、ここで再生しちゃいましょうか?(高音質MP3ファイル形式で録音済み)
「マジかよ。一色っておバカキャラじゃなかったんだ・・・」
「スゴいよいろはちゃん!!あの問題を満点だなんて!」
「ふ、ふーん・・・要するにいろはは、バカのフリしてただけなんだ・・・」
その言葉、そっくりそのままきよぽんにお願いします、軽井沢さん。゚(゚´Д`゚)゚。
「あと、もうひとつ付け加えておくと、綾小路君も高難易度の問題は全て正解していた。だから助手として使うことにしたわ」
て言うか貴女、そのアシスタント君は学年最強の最終兵器なんですけど、そこんところ分かってます?
そしてお話は、冒頭のシーンへ。
「組み合わせは後で決めましょう。それより今は、勉強会についてだわ」
突然、リーダーシップを発揮し始めた堀北さん。みんなもその勢いに気圧されるばかりです。兄さんをダシにしたら『ぼくのかんがえたさいきょうの鈴音さん』が誕生してしまいました。まあ、原作より早く覚醒してくれたら、それだけこっちが楽できますけどね。(*´∀`*)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
勉強会が始まりました。私たちDクラスは『平田ゼミ』と『堀北進学教室』のふたつを軸に、赤点を出さないための対策を講じたのです。え?私はどっちに居るかですって?甚だ不本意ながら、
ちなみに今なら、赤ペン片手に優しく教えてくれる
さて、それでは作戦行動開始です。集まったメンバーは、私と堀北さんに櫛田さん、綾小路君、そして三バカに博士外村君と男の娘沖村君。ここはおおむね原作通りのようですね。
「今日はこれより、貴様等の煩悩を克服するための修行をする」
そう言って私は、徹夜で作ったプレートを机の上に置きました。
『魁!!鈴音塾』ドーン!
「???」(全員)
はぁ( ´Д`)=3 やはり令和の不良品たちに、このネタは少々厳しかったようです。
「なぁ、この漢字なんて読むんだ?」
て言うかそこからですかもう一度出直して来て下さいごめんなさい。
「それで一色さん、連立方程式の例題は作ってきてくれたのかしら」
渾身のネタが空振りして凹む私に、一切のフォローなく堀北さんが聞いてきました。さす鈴。
もちろんでっせ、鈴音はん!
私はリュックから渾身の1題を取り出しました。これが出来れば、有名大学合格も夢じゃない?
「じゃあまずは、連立方程式の文章題を代入法で解いてみましょう。中学2年で習った単元よ」
「お、おう!余裕だぜそんなもん!や、やってやろうじゃねえ・・・か?」
「頑張ってねっ!みんな!」
「ま、まかせといてよ、櫛田ちゃん!」
「学年1位はもらったぜ!」
威勢がいい割には目が泳いでますよ、須藤君。それになぜ疑問形なんですか?あと池君と山内君はチョロすぎです。そこに居るのは天使じゃなくて堕天使ですよ?
ではでは!!
〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜
【中間テストぱーふぇくと練習問題 (゚∀゚)キタコレ!!】
◎佐倉さんは
現在、ふたりが持っているポイントはそれぞれいくらでしょうか。なお、軽井沢さんには始めから返済する意志は無いものとします。
〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜
「軽井沢ひでぇな」
「佐倉ちゃんかわいそう」
「最後の一文、問題と関係なくね?」
「どうしてかしら?問題文に悪意を感じるのだけれど・・・ってそこじゃないわ!与えられた条件から、方程式をふたつ立てなさい!」
「分かりませーん」
「ちんぷんかんぷんでごさるよ」
即答する池君と外村君。反応速度だけで言えばAクラスレベルですね。
「諦めずに問題を良く読んで!いま質問されていることは何?」
「えっと・・・軽井沢さんと佐倉さんがそれぞれいくらポイントを持ってるか・・・かな?」
人差し指を顎に当てて、小首を傾げる男の娘。これを見ると、せんぱいが戸塚先輩に毎日告白していたのも頷けますね。(頷いちゃダメ!絶対!)
「You are right!素晴らしいわ沖村君!だから佐倉さんのポイントをx、軽井沢さんのポイントをyとして・・・」
「なんで急にxやyが出て来るんだ?」
出ました素朴な疑問。NHK夏休み子ども科学電話相談に聞いてみましょう!
「そ、それはふたりがいくらポイントを持っているか、求めるためよ」
答えになってませーん、堀北センセー!
「んなの本人に直接聞きゃいいだろ?」
真理ですね。
「須藤君!あなたそんな適当な思考回路でバスケのプロを目指そうだなんて、聞いて呆れるわ」
「んだとコラァ?!」
やっぱり今日も、榛名と堀北さんは大丈夫じゃないみたいです・・・
特別中間テストまで、あと10日。
【次回第12話:ようこそ裏の顔へ】
どうしてこうなった???
おまけ
【中間テストぱーふぇくと練習問題 解答例】
佐倉さんのポイントをx、軽井沢さんのポイントをyとします。与えられた条件より、
0.45x=9000・・・・・・①
x+y=20300・・・・・・・②
①の両辺を100倍して45x=900000
x=20000・・・・・・③
③を②に代入して
20000+y=20300
y=300
(答え)
佐倉さん:20000pp
軽井沢さん:300pp
「やけに生々しい数字でござる」
「軽井沢、俺より少ねえじゃんか」
「佐倉、結構手元に残してたんだな」
「ボク、さ、佐倉さんにポイント借りようかな」