「ごきげんよう、一色さん」
こんにちは。ぼっち飯を終えて教室に戻ってみれば、思わぬ待ち伏せに遭った一色いろはです。中間テストと審議会を乗り越え、束の間の休息を楽しみたいところなんですが、どうしていつもこうなるんでしょう?
「坂柳さん。私なんかに構っても時間のムダですよ?やはり貴女のお昼休みの使い方はまちがっている」
企画倒れになりそうなラノベタイトルを絡めつつ、Aクラスの女王陛下を追い払おうとした私でしたが・・・
「ふふふっ・・・ご冗談を。中間テストではいち早く過去問の有効性を見抜き、Dクラスの危機を救ったばかりか自らは全科目満点を達成。先の審議でも色々と暗躍され、起死回生の一手を放ち、あまつさえ犯罪者に正義の鉄槌を下したとか。しかもその間に、しれっと生徒会副会長にまで就任していた貴女なら、おもちy・・・コホン!楽しませて頂けそうです」
お餅・・・がどうしました?とボケたいところですが、どうせ貴女は理事長パパさんから全部聞いてるんでしょうね。ようこそ後出しじゃんけんの教室へ。
「はぁ・・・時間が無いので単刀直入にお願いします」
あ、流行りの単刀直入しちゃいました。よう実ってこの四字熟語好きですよね。私もこの学校に染まってきたのでしょうか。(違う)
「ふふふっ・・・わたくし、素直な方は好きですよ?」
こちとらロリガキ娘には興味ないでs・・・
「一色さん?」
ご冗談です。
「本日は、貴女と親睦を深めたくて参りました」
親睦・・・蹂躙の言い間違えでは?てか後ろに控える侍女、じゃなくて神室さんが持ってるの、チェスですよね。貴女とチェスって、素人がオオタニサンに野球で勝負を挑むのと同じくらい勝ち目が無いと思うんですけど?
「では、貴女のお好きなもので結構ですよ。そして、勝った方はひとつだけ無条件で相手に命令できる、というのはいかがです?」
ほほぅ、鉄板の展開ですね。ならば・・・
「それはエッチな命令でもOKですか?」
「なひっ!?」
「うおおおおぉ!?神様仏様一色様!」
無責任に盛り上がるギャラリー。
「全校に拡散しろ!坂柳ちゃんが脱がされるぞ!」
「バカ!脱ぐことになるのは一色ちゃんかも知れないだろ!」
まだ命令の内容言ってませんけど?
「どっちでも構うもんかよ!とにかくお宝映像ゲットだぜ!」
そんなポケモンゲットだぜ!みたいなノリで言わないでくださいごめんなさい。
「ククク・・・面白くなってきやがった。アルベルト!石崎!伊吹!しっかり撮っとけよ!」
「ハ、ハイ!カケルサン!」
「イ、イエスマム!!」
「キモッ!」
みなさん、若干キャラ変わってます?てか、なんでドラゴン一味がここDクラスに居るんですか。
「ふふ・・・ふふふふっ・・・良いでしょう。受けて立ちますよ。久し振りに火照ってきました」
だから発情期のロリガキはお呼びでないd・・・ガハッ!(酸素魚雷命中)
「そう言えば坂柳さん、艦これが晴れて10周年を迎えましたね」
「へ・・・?え、ええ、そうですね」
ふふふ・・・その反応、絶対なんのことかよく分かってないですよね、貴女。なまじ能力が高いゆえ、素直に知らないと言えないプライドの高さ。それが坂柳さんの弱点です。
「じゃあ、旧日本海軍航空母艦の名前勝負で」
「にゃんっ!?♡」
あらら、もう果ててしまったのですか。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「
「ひ、
「
「し、し・・・
なかなかやりますね。じゃあ、これはどうです?
「
「た、たい・・・
「
「りゅ、
まぁ、ぎりぎりセーフとしましょう。では、そろそろフィニッシュしましょうか。
「
「し、
「
「ほ、
「では今日いっぱい、教室では語尾に『にゃしい』を付けて喋って下さいね、坂柳さん?」
「うぐっ!?」
「「「あああああっ!!」」」
なにを期待していたのか知りませんが、失望のため息を大合唱しないでくださいお猿さんたち。
「わ、わたくしが命令を守らない可能性もあるのでは?」
「あら、坂柳有栖とはその程度の方でしたか。それは大変残念です」
「うう・・・!しょ、承知しましたわ!貴女の命令通りに、見事やり遂げてみせます!」
ふふふ・・・チョロいですね。
「あ、有栖ちゃんが睦月ちゃんになるでござるぞっ!!」
だから声がデカいです外村くん。どうせ中の人が同じなんですから、大したことじゃありませんよ。そういうことを恥ずかしげもなく言わないでくださいごめんなさい。これだからヲタクってのは・・・(自打球直撃)
てか、元ネタに反応してくれるのは、やはりあなただけですか?(´д⊂)‥ハゥ
~その日の放課後、Aクラス教室内~
「坂柳、次の期末テストは俺がAクラスの指揮を執らせてもらうぞ」
「おや葛城君、いきなりどうしたのですにゃしい?」
「え?!」
「さ、坂柳さん?!」
「どうかお気になさらずにゃしい」
「・・・す、済まない坂柳!ほら、お菓子もクラスの支配権も全部上げるから!」
「わ、わたくしを子供扱いしないで下さいにゃしい!」
「た、大変!あ!真嶋先生!坂柳さんがっ!」
「どうしたっ!?何かあったのか坂柳!」
「いえ、だからわたくしは大丈夫です・・・にゃしい」
「な!?い、いかん!取り敢えず保健室に運ぶぞ!」
「ちょっ・・・!わ、私は問題ありませんにゃしい!真澄さん!事情を説明してくださいにゃしいいい!」
「自業自得じゃない?」ボソッ
ふふふっ・・・一色さん、この私にここまでの屈辱を与えるとは・・・夏休みの無人島サバイバルリーダー当て試験では覚悟しておきなさいにゃしい。(お父さまから全部リーク済み)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
さて、坂柳さんを辱め・・・ケホケホ!彼女と仲良く遊んだ翌日。周りは早くも夏休み気分のようです。
「来週には期末テストがある。そこで結果を出せば、お前らを素敵なバカンスに連れて行ってやろう」
茶柱先生の言葉にどよめく教室。ついにあのイベントがやって来るようです。原作改変で消滅してればラッキー・・・と内心期待してたんですが、そうは問屋が卸さないみたいですね。てか最初に言いましたけど、私、原作は第3巻無人島試験までしか読んでないんですよ。つまり、チート原作知識が使えるのはここまでなんです。もしかしなくても、ヲワタ?
「先生!!海で泳いでもいいんですか?!」
既に欲望塗れの池寛治。(呼び捨て)
「ああ、もちろんだとも。今回のテーマは『自由』だ。好きなだけ泳ぐといい」
「うおおおお!女子だ!水着だ!ひと夏の体験だ!光り輝く未来が見えるぜ!」
池君、あなたには下着泥棒(濡れ衣)という未来が待っていますよ。
「豪華客船でのクルージングを楽しんだあと、自然豊かな無人島で1週間の骨休めだ。むろん、必要な物資はすべて学校側が用意するし、お前たちにポイント負担は一切無い。夢のような生活が待っているぞ」
ええ、クラスに段ボールトイレひとつとかいう、悪夢の生活がね。
「なにそれ!超楽しそうじゃん!」
ええ、とっても楽しいですよ、軽井沢さん。特に貴女はパンツ盗まれちゃいますし。テヘペロ
浮ついたクラスのために、少しだけヒントを出しておきましょう。
「質問宜しいでしょうか」
「ん?一色か。言ってみろ」
「宿泊施設はどんなところなんですか?」
「そうだな、まぁ楽しみにしていろ」
ふふっ・・・何人かピンときたようですね。茶柱先生が思わせぶりな言い回しをする時は、碌なことがないのです。
「え〜ケチらずに教えて下さいよ〜」
無理な相談ですよ、山内君。だってもともと宿泊施設なんて無いんですから。
「では、サバイバルキットは必要でしょうか」
「え?さすがにそれは要らないでしょ。この暑さで野宿はキツいぜ」
ふふふ・・・段々と核心に近付いて来ました。サエが不機嫌になってきましたよ?
「せいぜい期待に胸を膨らませておけ。では次に・・・」
おっと、まだ逃がしませんよ、ティーチャー。
「先生、さっきテーマは『自由』と言われましたが、ならば『バカンス自体に参加しない自由』はありますか?」
「うっ・・・それはない。全員参加が大前提だ」
ここらあたりで、誰か割り込んで来てもらいたいんですが。あ、高円寺君は要らないです。
「では、やむを得ない理由で参加を辞退した場合は、どうなるのでしょうか」
「・・・なぜそんなことを聞く?」
うーん。みんなの反応がイマイチです。どうせ綾小路君は事なかれ主義を貫くんでしょうけれど、いい加減どなたか気付いて!
「いえ、私はインドア派なので、出来れば寮で自堕落・・・ケホン!と言いますか、
ガクガク頷きながら、激しく同意するみーちゃんや愛里ちゃん。孤独と孤高を履き違えないでね。(マナブくん語録)
「・・・ふはははははっ!なるほど、さすがは一色ガールだ!つまりそういうことか!」
これだけヒントを散りばめたのに、やはりこのパターンでしたか。早くきよぽんがすずのんをレベリングしてくれないと、本格的にマズいですよこのクラス。
「は?つまりどういうことなんだよ、高円寺」
「まだ分からないのかね、池ボーイ。つまりこのヴァカンスは特別試験なのさ、そうだろう?一色ガール」
そこで私に振らないでください。あとムダにネイティブな発音もやめてくださいごめんなさい。
「さしずめ、クラス単位でサバイバル生活をしろ、とでも言うのかい?茶柱ティーチャー」
ファイナルアンサー!!これもう、勝ったも同然じゃないですか?(慢心)あ、自由人は真っ先にリタイアするんでしたね残念です。( ´Д`)
「わ、私は何も言ってないからな!」
なぜか天井の監視カメラを気にしながら、言い訳がましくのたまうサエちゃん。きっとカメラの向こうには、坂柳パパがいるんでしょう。下手をすれば来年度の査定に響くんですね分かります。はぁ・・・せんぱいの口癖じゃありませんが、やっぱり社畜はイヤですね。
「バカンスについての質問はここまでだ!従わない者は退学にする!」
出ました!文春砲ならぬサエちゃん砲。これが発射されるってことは、相当焦ってる証拠です。
「ゴホン!さて諸君、次の連絡事項は、秋の体育祭についてだ」
ん?こっちが原作改変ですか。
「今年度から、体育祭の競技内容がいくつか変更されることになった。お前たちには心の準備をしてもらうため、早めに説明しておく」
そして訪れる不自然な間。もう学習しました。このあと、とんでもないのが来るんですよね。
「新たに特別競技が行われることになった。勝利した場合、獲得ポイントが通常の10倍になる。他にも特典盛りだくさんの、スペシャルイベントだ」
毎週金曜日に近所のスーパーでやってたやつですかね?
私のツッコミに関係なく、にわかに緊張が走る実力至上主義の教室。ポイント10倍デーは無視できません。バカンスの話題を一瞬ですり替えたのは、さすがと言って差し上げますわ。
「先生!具体的にはどんな競技なんですか?!」
「慌てるな。いま説明する。お前たちには、ふたつの候補から選んでもらう」
さて、なにが出るかな、なにが出るかな、なにが出るかなティロリロリン
「まず1つ目は、男女混合棒倒しだ」
ほぅ・・・え?(・・;)
「競技内容は単純明快。男子は自軍の棒を守備、女子は敵軍の棒を攻撃する。そして先に相手の棒を倒した方が勝ちだ」
なぁんだ、要するに普通の棒倒し・・・なんかじゃねぇ!男女混合ってどういうことですか?色々と触っちゃったり擦っちゃったり突っ張っちゃったりしたらどうするんです?!ようこそ変態至上主義の体育祭へ!
「何も難しく考える必要はない。男子の棒を女子がへし折る。それだけだ。健全な競技だろう?」
思いっきり不健全です!!
「うおおおおお!!」
そして学年中を揺るがす欲望の雄叫び。ちょうど他のクラスでも、同様の説明がなされているのでしょう。バカですね。
「嗚呼!いますぐ佐倉に体当たりされてぇ!」
「長谷部のおっぱいアタックは貰ったぁ!」
「結局、櫛田殿に踏みつけられたいだけの人生だったでござるよ!」
「ちょっと、超キモいし信じられないんだけど・・・」
「哀れね。まさしく不良品と呼ばれるに相応しいわ」
各自の思惑が交錯し、殺気立つ男子にドン引きの女子。因みにここは日本屈指のエリート進学校です。
「そして、もうひとつはミックス騎馬戦だ」
てか名前の時点でもう通報案件ですよね、それ。
「安心しろ。役割分担は男子が馬、女子が乗り手だからな。簡単だろう?」
つまり、もし逆だったら椎名さんが山田君アルベルト君を乗せたり、神室さんに葛城君が乗っかったりするんですね分かります。え?一之瀬さんの上に白波さんが乗っかる・・・?ゲーホゲホ!円盤バカ売れ間違いなし!!(&自主回収も待ったなし)
「こちらも、よくある騎馬戦と思ってくれて構わない。男子の上に女子が騎乗するだけのシンプルな競技となる」
言い換えると騎乗位ですね分かります・・・ケッホケホ!
「せ、先生!!」
「ん?軽井沢か。珍しいな、どうした」
「この競技、取り敢えず三馬鹿プラスワン・・・ケホケホ!須藤君に山内君と池君、あと外村君には見学してもらいたいです!」
「うむ、善処しよう」
まあ、そうなるな。
「な、なぜだっ!?クラスのために散る覚悟は出来ているんだ!頼む!ヤらせてくれっ!」
本音が誤字ってますよ。
「では、本日のHRはここまでだ。夏休み中にはどちらの競技にするか、決めておけ。バカンスについては追って伝達する」
てか、そろそろ自主退学のタイミングですよね、これ・・・(唐突な最終回宣言)
【次回第20話:ようこそ無人島へ】
もう帰っていいですか?