ようこそ一色いろはの教室へ   作:いろはす@

22 / 23
最終話:ようこそ総武高校の教室へ

「大変!みんな起きて!」

 

 

誰かの叫び声で目が覚めました。まだ夜明け前なのに、元気なことで・・・このタイミング、恐らく軽井沢さんのパンツイベントでしょう。

 

 

テントを出ると、すでに男子と女子が睨み合いの真っ最中。どうやら、私がいちばん最後まで寝ていたようです・・・

 

 

「そんなの、男子がやったに決まってるでしょ!!」

 

 

「と、取り敢えず落ち着いて・・・」

 

 

「私たち、平田君以外は全員怪しいと思ってるから!」

 

 

ヒステリックに責め立てる篠原さんに、さすがのイケメンもたじたじです。

 

 

「ふざけんな!どうして平田だけが例外なんだよ!」

 

 

てか、もしここで彼平田君のリュックからパンツが出てきたら、どうなるんでしょう・・・

 

 

「ゆ、許してほしい軽井沢さん。だけど・・・が、我慢できなかったんだ!」( ー`дー´)キリッ

 

 

「ひ、平田くん、そこまで私のことを・・・」(*´ェ`*)ポッ

 

 

おかしいですね。同じセリフを山内君あたりが言ったら即アウトなのに、平田君ならバカップルの単なる変態プレイってことで収まるんでしょうか?(理不尽)

 

 

女子側の最後列で景色に溶け込みつつ、私は状況を見極めていました。間もなく男子の荷物検査が始まり、哀れ池君が轟沈、Dクラスは分裂の危機に瀕するでしょう。ここに居てもやれることは無さそうなので、いまのうちに洗顔をば・・・

 

 

私は女子グループから離れ、タオルを取り出そうと自分のリュックを開きました・・・って、おうっ!?ヮ(゚д゚)ォ! 荷物のど真ん中に鎮座する純白の布切れ。

 

 

What is this? これは何ですか?

 

 

It's a pantie. それはパンティーです。

 

 

はい、中1レベルの英文法ですね。この例文なら、あなたの英語嫌いも一発解消間違い無し!

 

 

・・・てかパンツ!いちごパンツです! しかもご丁寧に平仮名で『かるいざわけい』とか書いてあるし。萌え〜!!じゃなくて貴女幼稚園生なんですか?さすがにこういうプレイはハードルが高すぎるので出直して来て下さいごめんなさい。

 

 

取り敢えずここは、騒ぎが収まるのを待ちましょう。最悪、このままやり過ごしてしまえば問題ありません。たぶん。Maybe・・・

 

 

「待ちなさい。男子を犯人と決めつけるのは早計だわ。この場に居る全員が犯人足り得る・・・」

 

 

ってか、やばいですやばいです!堀北さんの演説で、全員持ち物検査する流れに・・・こうなったらもう、私がこれを被って登場するしかないですよね?フオオオオオオオオォッ!クロスアウッ!変態仮面参上!(絶対ダメェ!!)

 

 

ふぅ・・・いいでしょう。降りかかる火の粉は払わなければなりません。目には目を。歯には歯を。パンツにはパンツを。ヒートアップする言い合いを横目に、私はステルスいろはを発動しました。相手をやっつけるために放ったブーメランは、持ち主の元に帰ってくるものなのです。摩訶不思議。貴女が私のリュックに入れたはずのいちごパンツが、あなたのリュックの中にUターン!

 

 

あ、ここで特別にステルスの極意についてお教えしましょう。それはズバリ!隠れようとしないことです。( ゚д゚) ???

 

 

小中学校9年間、体育のペア決めから遠足の班分け、果ては卒業アルバムに載せる仲良しグループの選定まで、気付いてほしい、仲間に入れて欲しいと願えば願うほど、私の存在は誰からも認知されなくなりました。逆に、危険を察知して逃げようとすると、必ず見つかってしまうのです。さあ、どうぞお試しあれ。(生じた結果について、当社は一切コミットしません)

 

 

おや?私の姿が急に消えたので、慌ててる人がひとりいますね。どうしたんでしょう?もしもし、ご自分の持ち物への警戒が疎かになってますよ。はい、これでよし。ミッション、コンプリートです。あ・・・!使用済みだったのかどうか、確かめるの忘れちゃいました。残念。てへ♪(ダメぇ!絶対!)

 

 

「だから言ったじゃねえか!誰も持ってなかっただろ?!」

 

 

誇らしげ(?)に叫ぶ池君の声。どうやら、男子の持ち物検査が終わったようです。続いて女子も・・・私の荷物から何も出てこなかったことで、明らかに動揺を隠せない少女A。ふっ・・・哀れね。そして・・・

 

 

「こ、これは・・・!!?説明してもらえるよね、伊吹さん?」

 

 

はい、いちごパンツが入っていたのはもちろん、彼女のリュックでした。テヘペロ (>ω<)(これにて一件落着 )

 

 

その後、伊吹さんは泣きながら走って逃げるというテンプレな行動に出ましたが、今日で試験も終了ですから放って置いても大丈夫でしょう。水分とトイレ休憩はしっかりとって下さいね。(他人事)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軽井沢さんの下着センスが暴露され、なんとなくまったりとした雰囲気が漂う昼下り。いちご女王の権威は地に落ちました。ヽ(=´▽`=)ノ ワーイ!みんなはもう、試験が終わった気になっています。そんなどさくさに紛れて、私はひっそりと拠点を抜け出しました。さあ、無人島試験最後の仕上げです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは。突然の豪雨でずぶ濡れの一色いろはです。島に来て初めての悪天候。もはや笑えない状況ですが、港へは一本道なので迷う心配は無いでしょう・・・ひゃん?!

 

 

「あっぶな・・・!?」

 

 

雨の中から飛んで来た不意打ち。切れ味抜群です。

 

 

「ヤン・ウェンリーか。さすがに速いな・・・やむを得ん。いったん後退して陣形を立て直すぞ」

 

 

視線の先に居たのは、激おこぷんぷん丸な変態娘伊吹さんでした。はぁ・・・( ´Д`)=3 疲れてるんで勘弁してつかぁさい・・・(ハルナ)

 

 

「あんた、さっきはよくもやってくれたわね」

 

 

「それはこっちのセリフだと思うんですが」

 

 

返事より早く放たれる、鋭いハイキック。足技が得意な彼女に接近するのは、なかなかに無理ゲーです。相手の蹴りに合わせ、軸足を狙ってこちらも足を飛ばしますが届きません。ってこらそこ!なに笑ってるんですか?!べ、別に私の足が短いんじゃなくてあちらの足が長いだけなんだからね!それに女の子は小柄な方が可愛らしいじゃないですか。(大炎上)

 

 

雨で足元がぬかるみ、視界が遮られる悪条件。絶え間なく襲ってくる蹴りの連続技を、転がりながら避け続けるのにも限界があります。既にお互い泥だらけですし、息も上がってきました。そろそろ決め時でしょう。てか、美少女同士のどろんこファイトって、かなりコアな需要がありそうですよね。(唐突)

 

 

「いい加減諦めな!あんたに・・・勝ち目は・・・ないよっ!」

 

 

「それは・・・出来ない相談・・・ですっ!」

 

 

互いに攻撃と回避を繰り返しつつ、チャンスの探り合いです。およ?!跳び蹴りを放った伊吹さんが、水溜りに着地して僅かによろめきました。もらったぁ!

 

 

一気に距離を詰めた私は、投げ技で確実に仕留めようと手を伸ばし・・・

 

 

「あうっ!?」

 

 

間抜けな声と共に、顔から見事に地面へ突っみました。肝心なところでコケるとはバカですね。これが、初めて知る敗北の味・・・(泥水の味です)

 

 

ところが、いつまで待っても決定的な一撃はやって来ません。あれ?

 

 

うつ伏せのまま、恐る恐る顔を上げた先には・・・

 

 

What are you doing?

 

 

なぜか、パンツとジャージを下ろして佇む伊吹さん。交戦中に突然発情してしまったのでしょうか。白い肢体を惜しげもなく露わにした彼女と、バッチリ目が合いました。同性から見ても実に魅力的な細身の下半身ですが、お手入れはしてないんですね・・・(暴露)ってさすがにソレは絶対ムリですジェンダー平等多様化万歳白波さんあたりへ出直してくださいごめんなさい。

 

 

・・・どうやらズッコケた拍子に、私の両手が彼女のジャージを掴んでパンツごとずり下ろしてしまったようです。偶然ってホント怖いっすよねごめんなさい・・・(*ノω・*)テヘ

 

 

「きゃああああああぁ!?」

 

 

一瞬の沈黙のあと、カワイイ悲鳴を上げた彼女は、ヘナヘナと腰を抜かしてしまいました。まぁ、そうなるな。

 

 

思わぬ形での決着に、小さくため息をついたその時・・・

 

 

「オイオイマジかよ?さすが生徒会副会長さんともなると、ヤることがえげつねぇな」

 

 

「!!」

 

 

反射的に声と反対方向へ飛び退きます。激しい雨音で、全く気配に気付きませんでした。

 

 

「ククク・・・()()()()()()すんなら、俺も混ぜてくれよ」

 

 

その勘違いはここで正しておかないと、後々面倒なことになりそうです。愚腐腐腐・・・(キャラ混同)

 

 

「港には行かせねえぜ。Dクラスのリーダーさんよ」

 

 

「・・・はて?なんのことやら・・・」

 

 

「ククク・・・もうネタは上がってんだ。てめぇがリタイアして、リーダーを鈴音に交代するんだろう?」

 

 

はい、みなさんもう、とっくにお気付きですね。これまでリーダー当てについて全く言及していなかったことに。別にトイレのお話ばかりしてて、忘れてた訳じゃありませんよ?ではここで、いざ大発表。Dクラスのリーダーは・・・(ムダな引っ張り)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「疲れてるところにゴメンね。クラスリーダーをお願いできないかな?」

 

 

初日に愛里ちゃんと迷子になった後、ヘロヘロで拠点に戻ったら櫛田さん(天使モード)にそう言われたんです。

 

 

「理由をお聞きしても?」

 

 

「うん。いろはちゃんなら、何でもありの変わり者認定されてるから、逆に何やっても目立たないかなって」

 

 

泣けるほどの高評価です。。゚(゚´Д`゚)゚。

 

 

「・・・因みに拒否権は・・・?」

 

 

「あるわけねぇだろ、このあざといヲタク女子が!じゃあ、ヨロシクねっ!」

 

 

表と裏を行き来するクラスのアイドルから、実に有り難い任務を仰せつかりました。これじゃ、二度寝もお散歩も出来ないじゃないですか!!(´・ω・`)(もともとムリです)

 

 

「一色、ちょっといいか?」

 

 

そしてそんな私に、彼が話しかけてきたのでした。

 

 

(思わせぶりな回想シーンおわり)

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしそれよりもいまは、目の前の王様です。どう考えても勝てる気がしません。あのストーカー店員さんなんかとは、はっきり言って格が違いすぎます。ひょっとしたら、入学直後にやり合ったマナブくんの方が強いかも知れませんが・・・

 

 

不敵に嗤う翔くんは、犯る気・・・ケホケホッ!じゃなくて殺る気まんまんです。ここはダメもとで、対ドラゴン戦を脳内シミュレートしてみましょう・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あばよ、ヲタク女!」

 

 

踏み込んだ龍園は、渾身の右ストレートを繰り出した。たとえ相手が女子であっても、自らにとっての脅威と見做せば全力で叩く。それが龍園翔という漢のやり方であった。

 

 

はずなのだが・・・

 

 

「なっ?!」

 

 

必殺の拳は、いろはの左手人差し指一本で封じられていた。

 

 

「ば、バカな?!びくともしねぇ、だと?」

 

 

驚愕のあまり一瞬棒立ちになった彼の腹に、重いボディブローが炸裂する。

 

 

「どっかーん!! 」

 

 

「ぐはぁ!?」

 

 

思わず膝を折るCクラスの王。入学以来、暴君としてやりたい放題だった彼が、ついに初めて他人に屈する瞬間が訪れたのだ。

 

 

「な、なんてパンチだ・・・て、てめぇは一体・・・?」

 

 

呻くような問いかけに重なる、場違いな高い声。

 

 

「艦隊のアイドル、那っ珂ちゃんで〜す♡キラリーン☆」

 

 

「なん、だと・・・?」ガクッ

 

 

最期に彼が見たのは、ウインクしながら胸元でハートマークを作る亜麻色の髪の乙女であった。そう、何を隠そう、彼女こそは元ホワイトルーム出身のイレギュラーにして、最高傑作綾小路清隆の実の妹・・・

 

 

ってダメダメダメ!!カーーーット!それもう、五百番煎じぐらいの設定ですから!!

 

 

 

 

 

脳内シミュレーション終了。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、なぜ私を?」

 

 

頭の中で繰り広げられる妄想ストーリーなどおくびにも出さず、私は冷静に尋ねました。まだ雨は激しく降り続いています。

 

 

「クククッ冥土の土産に教えてやるぜ。坂柳からの依頼だ。なんでも『にゃしいの恨み』とか言ってたな。どういう意味かは知らねえが」

 

 

えぇー?!まだあれを根に持ってたんですか?!小学生かい!あ、外見はもろにそんな感じ・・・ひゃっ?!

 

 

なぜか港の方角から凄まじい怒気を感じましたが、気の所為ですよね??

 

 

「あばよ、ヲタク女!」

 

 

「!!」

 

 

脳内シミュレーションと全く同じセリフで迫るドラゴン王。そのパンチが空を切りました。

 

 

「なっ?!き、消えた・・・」

 

 

「ふははははははっ!さらばだ、龍園翔!」

 

 

「う、上だと?!」

 

 

そうです。私は木の枝に跳び乗ったのです。高円寺君の猿真似ですね。思った以上に上手くいきました。さて、あとは枝伝いにレッツラゴー!

 

 

「待てやコラ!」

 

 

「へ?」

 

 

なんということでしょう!振り返れば奴がいる!?あのデカさで木の上に登ってきたんですか?あなたやっぱり発情期のお猿さんなんですか?

 

 

「クククッ逃がさねえぜ」

 

 

この雨では、枝伝いの高速移動は危険です。かと言って、地上に降りれば振り出しに逆戻り。どうすれば・・・

 

 

ふと視線だけ下に向けると・・・

 

 

うん、これで行きましょう。私は即座に隣の枝へ飛び移りました。

 

 

「チッ!逃がすかよ・・・!のわっ?!」バキッ

 

 

枝を蹴って飛び掛かってきた龍園君の姿が、一瞬で消えました。敵ながら見事なイリュージョンです。(違う)僅かな間を置いて響き渡る鈍い音。ドッキリ、大成功〜♬枝の太さを確かめないで飛び移ったら、そうなりますよ。その巨体に枝が耐えきれなかったんですね。体重差を考慮しなかったあなたの負けです。

 

 

下を見れば、狙い通り王様は伊吹さんのすぐ横に落っこちていました。自らの体重が仇となり、一撃ノックアウト。ふたり並んで仲良く横たわる、まるっとJKと学年一の問題児。完全に無修正スクープ写真です。事件は会議室で起きてるんじゃない!無人島で起きているんだ!

 

 

私はポッケから、ポイントで事前購入しておいたスマホを取り出すと、王様の痴態をカメラに収めました。ちゃんと動くか心配でしたが、さすがは完全防水仕様のAQUOSケータイです。あとはこれを、学校の掲示板に貼り付けて・・・と。写真のキャプションは『無人島試験なう』で決まりです。どうせ理事長有栖パパに握り潰されるんでしょうけれど、ここは万にひとつの可能性に賭けて、いざアップロード・・・

 

 

あ、そうなんです。このスマホ、当然外部との連絡は出来ない設定になっていたんですが、学校のローカルエリアネットワークには繋がるんですよ。意外な盲点でしたね。てへぺろ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、これより無人島特別試験の結果を発表する」

 

 

雨上がりの夏空の下、ついにその時はやってきました。結末は、みなさんご存知の通りです。Dクラスは自分たちのリーダーを守り切り、AとCのリーダーを的中させました。Bクラスとは協力関係を結び、相互不干渉。完勝です。(あ、ギャグじゃないですよ?)v(´∀`*v)ピース

 

 

ここでタネ明かしをしておきましょう。

 

 

櫛田さんからリーダーを打診されたあの時。実はこっそり、綾小路君の発案で彼がリーダーになっていたんです。その後はずっと、私がリーダーのふりをして他クラスを欺きました。そして『最終日には堀北さんへ交代予定』というフェイクストーリーを流して、龍園君と葛城君を嵌めたのです。つまり、最終日に私がひとりで港に向かったのは、リーダー交代の信憑性を高めるためのブラフ・・・それにお間抜けドラゴンが喰い付いた、というわけです。

 

 

これだけの演出と脚本を裏でやってのけたのですから、やはりきよぽんは最強の主人公と言えるでしょう。しかし歓喜に湧くクラスメートたちを見ながら、私は素直に喜ぶことが出来ませんでした。なぜなら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜9月初め 千葉県内某高校応接室〜

 

 

【Y!ニューストピックス】

 

 

特集!国立超エリート進学校の闇!

 

 

校内で賭博行為が常態化?

 

 

新入生への虚偽説明、教職員も加担の疑い

 

 

監視カメラによるプライバシーの侵害、トイレやお風呂、更衣室まで?!

 

 

『何も話したくない』クラスメートたちに強制退学させられた元生徒の涙!

 

 

過去には死傷者も?無人島特別試験の実態とは?現地潜入ルポ第3弾!

 

 

『記憶にございません』坂柳理事長、証人喚問で何も語らず

 

 

激白!私はあの学校に通っていた。グラドル雫の独占手記!!

 

 

一連の出来事をKADOKAWAが早くもアニメ化!タイトルは『ようこそ実力至上主義の教室へ』(仮題)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軽く頭を振って、私はスマホの画面を閉じました。最近は、連日このニュースで持ち切りです。

 

 

無人島試験を終えた時から、私は自主退学を検討し始めました。だって、あのロリ・・・ケホケホ!坂柳有栖さんとドラゴン龍園君に目を付けられたまま、残り2年半を過ごすなんてミッションインポッシブルですし。綾小路君の本気を待つとしても、理事長が動けば私など紙切れ1枚で退学処分でしょう。ならばいっそのこと・・・

 

 

ごちゃごちゃ悩んでいたせいか、続く干支試験は何も出来ず敗北に終わり、豪華客船は横浜港へと帰って来たのですが・・・

 

 

はい、出迎えてくれたのは報道機関のカメラと、水上警察&海上保安庁の巡視船やヘリコプターでした。学校掲示板にアップした例の写真を、誰かがSNSに再投稿していたのです。もともと違法行為のオンパレードみたいな学校でしたから、それからはもうお決まりの展開でした。

 

 

斯くして東京都高度育成高等学校の実態は暴かれ、2学期以降のカリキュラムは無期限休止となりました。実質、廃校扱いなのでしょう。自主退学する前に学校自体が無くなってしまうという、ネタのような結末を迎えた一色いろはなのでした。

 

 

あと、芋づる式に()()()()()も摘発されて、きよぽんパパもアウトになったらしいです。ま、知らんけど。

 

 

そしてクラス間競争半ばで放り出された生徒たちは、各自用意された転校先へと散ってゆきました。で、私の行き先は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待たせたね、一色さん。では行こうか」

 

 

どこか平塚先生を連想させる女性担任教師に連れられて、私は教室へと向かっています。いまごろはきよぽんやすずのんも、どこかの高校で壊滅的な自己紹介をしているのでしょうか。あの学校の常識に慣れてしまった私たちは、果たして普通科高校でやっていけるのか。なんかこれ、SAOサバイバーみたいですよね。

 

 

「ここだ。入りたまえ」

 

 

先生に促され、入り口の扉に手をかけます。クラスプレートには『1ーD』の文字。まさか深い意味はありませんよね?中に入ると一斉に注がれる視線を受け流し、私は教壇に立ちました。

 

 

「はじめまして。本日付けで千葉市立総武高校へ転校してきた一色いろはです。小学校では卓球で全国に、中学では野球部のエースピッチャーで4番打者でしたが、インターハイでケガをして、いまはリハビリ中の身です。好きなものは捻デレぼっちのイケメンメガネ、嫌いなものは黒髪ロングの美少女です。宜しくお願いしますね」

 

 

「・・・」シーン

 

 

はい、思いっきり外しましたねごめんなさい。ようこそどっちらけの教室へ。先が思いやられるリスタートですが、大丈夫です。だってあの場所(奉仕部)に行けば会えるんですから。待っていて(責任取って)下さいね?せ・ん・ぱ・い♥

 

 

 

 

 

 

 

おわり




【次回おまけ:ようこそ自己紹介の教室へ】

そして新たな戦いが、始まる・・・?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。