「はじめまして。1年A組の坂柳有栖と申します」
知ってますよドSさん。
上品な微笑を浮かべる、お人形さんのような超絶美少女。憮然とした様子で控えるのは神室真澄さんでしょう。
体格や体力ではこちらが圧倒的な優位に立っているはずなのに、凄いプレッシャーです。
「入学式当日から
「いえ、単に高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に対処しているだけです」
あ!フォーク准将で行っちゃった!
「ふふふ・・・やはり期待以上のようですね。では単刀直入に申し上げます。一色さん、私の下に付きませんか?貴女はDクラスで燻っているような人物ではないはずです」
使い潰される未来しか見えませんが。
「いまのセリフ、堀北さんなら0.5秒で堕ちるでしょうね」
「・・・あいにく、自意識過剰なだけのブラコンさんには用がありませんの」
いまのセリフ、堀北さんなら0.5秒でキレるでしょうね。ボソッ
「それで、いかがです?平田君ごときでは、貴女を満足させることは出来ないのでは?」
なぜか卑猥に聞こえてしまう私は、心が穢れているんでしょうか?
「最良の専制政治は最悪の民主政治に優る、と・・・?」
「ええ、でも私はローエングラム公ではありませんよ?」
充満する中2臭に、神室さんがドン引きを通り越して幽体離脱してますね。( ゚д゚)ポカーン
てか、令和の世に銀英伝ネタで火花を散らす女子高生って、客観的に見てどうなんでしょう?(自爆)
まあ、もう少しだけお付き合いしましょうか。
「なぜ私を?」
「そうですね・・・ときに貴女は、Sシステムをどう思いますか」
質問に質問で返す常套手段。こちらも少し本気を出すとしましょう。
「子供騙しのオンライン決済システムですね。どうせ来月からは、なんだかんだで減額されるんでしょうし」
「!!」
ドS女王の顔に、初めて動揺の色が浮かびました。これが演技なら大したものです。
「その判断理由をお聞きしても?」
「ふふふっ・・・ここでそれを私に聞いてくるようでは、この先Aクラスを掌握することなど不可能ではありませんか?」
一度やってみたかったんです、この笑い方。ふふふっ・・・
「ふふふっ・・・おっしゃる通りですね、大変失礼致しました。本気で貴女が欲しくなりましたよ。ぜひともAクラスにお迎えしたいものです」
「2000万ポイントで?」
「なっ!?」
大きな目を更に見開く坂柳さん。神室さんはもう完全に白目です。
「では、こちらが私の連絡先です」
ご主人様の言葉に、すかさずメモを差し出してくる神室さん。貴女も苦労しているようですね・・・
ふぅ・・・なんとかクエストクリアです。現理事長の愛娘を退けたのですから、ご褒美に無人島試験の免除くらい、してくれてもいいんですよ?(≧∇≦)b
さて、Aクラスの女王陛下と別れ、今日はここまで・・・
とはなりませんでした。
「話がある」
はい、まさかの2回戦開始。堀北学生徒会長の再登場です。いちいちフルネームはめんどくさいので、今後は『マナブくん』でいきましょう。てか、私を(本気の蹴りで)失神させた件はスルーですか。なんか文字にするとエロいですね。
「ひとりか?」
ええ、思いっきりひとりぼっちですが何か?
「単刀直入に言おう。一色いろは、生徒会に入らないか」
入らないです。(即答)
「私にそんな実力、ありませんけど?」
取り敢えず煙幕を張っておきましょう。
「千葉市立総武中学史上最高の生徒会長にして、校内を大改革した逸材。面接、筆記試験共に満点評価を獲得し、Aクラス配属が妥当とされた。しかし『小学校時代から対人能力に難あり』との特記事項(別紙)によって、Dクラス配属となる」
いきなり私のパーソナルデータを口にする会長さん。律儀に『かっこべっし』まで読み上げるとかワロタ。国立のエリート高校なのに個人情報ダダ漏れです。日本の未来は大丈夫?
・・・て言うか、やっぱり私Aクラスだったんじゃないですか!特記事項なんて余計な
「俗物どもの悪意に晒され、壮絶な日々を送ってきたようだな・・・」
いえ、単に女子連中からイジメられてただけですが・・・?
「学校という逃げ場の無い集団内で孤立しながらも、迎合することなく自らを貫き通した」
なんか凄いことを成し遂げたみたいに聞こえますけど、要は誰も相手にしてくれなかっただけです。
「孤独と孤高を履き違えないその態度、実に見事。鈴音にお前の爪の垢を煎じて飲ませてやりたい程だ」
そんなことしたら、私がコンパスで串刺しにされちゃいます。
「だが、そんなお前が入学早々敢えて
はい??なんかいつの間にかシリアス展開になってますけど、私はただ、自意識過剰で自爆してぼっちになっただけですから。隠れた天才とかいう設定は、最高傑作きよぽんだけで充分です。
なんか泣けてきますね・・・。゚(゚´Д`゚)゚。
「力を持っていながらそれを使わないのは、愚か者のすることだ」
「じゃあ私は愚か者ではありませんね」
こんな七面倒臭い遣り取り、もうイヤ!だいたい、普通の高校生がこんな会話します?
「フッ!やはり俺の人選はまちがっていない」
大コケしそうな深夜アニメのタイトルです。
「一色、どうして俺がお前を誘っていると思う?」
てか、字面だけ見ると変態北君ですね。そろそろ、原作知識チート使っちゃいましょう。
「えっと・・・ひょっとして南雲君絡み、ですか?」
「なにっ?!なぜそれを・・・?いや、なるほど・・・」
だから勝手に自己完結しないでくれませんか・・・
「素晴らしい慧眼だ。ぜひとも欲しくなってきたぞ。副会長の椅子を用意するが、どうだ?」
それ、悪の組織への勧誘パターンです。あと、あんまり女の子相手に『欲しい欲しい』とか言わない方が良いですよ。嫉妬に染まった橘先輩がヤンデレ化したり、勘違いして告って振られる子が死屍累々になるまであります。私はプロぼっちなんで大丈夫ですけど。
「そうか。肝に銘じておこう。橘云々のあたりはよく分からんが・・・まあ、気が向いたらいつでも連絡しろ。お前の席は空けておく」
いえ、空けとかなくていいです。下手に特別枠とかで生徒会入りしたら、逆恨みで妹さんや一之瀬さんのターゲットにされるだけなので。マナブくんも女心が分かっていませんね?それと、地の文にいちいち反応しないで下さいごめんなさい。あと私、貴方の連絡先知りません。
「分かった。ところで、その『マナブくん』というのは、まさか俺のことか?」
へ?
はうっ?!心の声もダダ漏れ?!これってせんぱいがよくやってたヤツですね。(;´д`)…
「まあいい。近いうちに働いてもらうつもりだが、事なかれ主義で敵う相手ではないぞ」
「鎧袖一触です。心配いりません」
「そうか、それなりに期待はしている」
あれ?この人、加賀さんネタに即応してる・・・この間もガルパンネタに反応してましたし、まさか・・・
「ときに会長、艦これの期間限定イベントではどこの攻略サイトを見てます?」
「ん?ぜかましねっとだが・・・はっ?!」
ふっ、油断しましたね。次発、装填済みです。固まるマナブくんがちょっとだけ可愛らしく見えてしまったのは内緒ですよ?
「た、頼む!俺が艦これ提督である事実、鈴音にだけは・・・ひゃ、100万で手を打とう!」
おっと、形勢逆転のようですね。でもまあ、同好の士ですし、情けは人の為ならず。
「別に、アニメやネトゲが趣味でも構わないのでは?」
「俺の部屋がプリキュアで溢れていたとしてもか?」
「ぷっ!」
せんぱい、朗報です!こんなところにお仲間が居ましたよ!
「わ、笑ったな!父さんにも笑われたことないのに・・・!」
アムロかっ?!
「まあいい・・・だが報酬の前払いはしておこう。端末を貸せ」
てか、生徒会に入ることは決定事項なんですね。(ノД`) また蹴りが飛んで来たら堪りません。私は慎重かつ大胆にスマホを差し出しました。
「ポイントと俺の連絡先を入れておいた」
指さばき速っ!!目にも留まらぬスピードで入力を終えたマナブくんが、私のスマホをこちらに向けました。
はっ?!まさかあなたスマホの操作に長けてるとか何気に連絡先入れちゃうとかジゴロなんですかぶっちゃけ年上は好みですけどあのブラコン鈴音さんと義理の姉妹とか絶対ムリですごめんなさい。
「早口すぎて聞き取れないんだが・・・最後に言っておこう。この学校でAクラスに上がりたければ、必死で足掻け」
それじゃお言葉に甘えて、早速足掻いてみますね。
「ではマナブくん、ひとつお願いがあります」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
はぁ( ´Д`)=3 疲れました。ポリゴンの破片になって砕け散る寸前です。坂柳さんと生徒会長相手のダブルヘッダーとか、ほぼほぼ特別試験レベルの超難関イベントじゃないですか。入学以来、いちばん神経を使いました。もう、くたくたです。さぁ、あとは寮に帰って爆睡あるのみ。どうかお部屋に着くまで、誰にも会いませんように。(フラグ)
「よう」
瞬速でのフラグ回収、ご苦労様です。(`・ω・´)ゞ 立ち塞がる人影は、ドラゴン君と愉快な仲間たち。確かに絶賛お友達募集中ですが、なんで
「なにか・・・?」
それでも礼儀正しく対応した自分を褒めてあげたいです。
「ククク・・・単刀直入に言うぜ。いろは、俺の下に付け」
どいつもこいつも単刀を直入する輩ばっかりです。まさかほかの四字熟語知らないんですかバカですか?
疲れで自制心が弱まっているのが分かります。こちとら、早く帰りたいんですよ。お手洗いにも行きたいですし。正直、かなりぎりぎりな感じというか漏r・・
だぁーーー!!そういうのわざわざ書かなくていいですから!
「ククク・・・まさかシカトとは、いい度胸してやがるぜ。アルベルト!遊んでやれ」
「Yes , boss.」
行く手を阻む山田君アルベルト。だからそんな余裕無いんですってば!
「邪魔だぁ!どけええぇーーー!!」(航空戦艦山城改二)
「ひゃあ!?怖いっ!!」
てか
【次回第7話:ようこそ5月1日へ】
今日は5月1日。
もう、お分かりですね。