ようこそ一色いろはの教室へ   作:いろはす@

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第7話:ようこそ5月1日へ

「一色さん、C組のアルベルト君を倒したって本当かい?」

 

 

高度な情報戦ですよ、平田君。

 

 

「数メートル吹っ飛ばされて、地面にめり込んでたらしいぜ」

 

 

昭和の特撮アニメですか、山内君。

 

 

「日輪刀でぶった斬られて灰になったんだろ?」

 

 

それもう、違う作品ですよね、須藤君。

 

 

「いろはちゃんが、ハイヒールで山田君を踏み潰したって聞いたよ?」

 

 

ええ、貴女なら平気でやりそうですね、櫛田さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは。いつの間にかドラゴン一味を殲滅したことになっている、一色いろはです。

 

 

プールの一件以来、なぜか教室ではお友達が増え、プロぼっちから准ぼっちへと二階級降格です。これは喜ぶべきことなんでしょうか・・・?

 

 

とは言え、やはり私の青春ラブコメはまだまちがっているようです。放課後は相変わらず居場所が無いため、・゚・(ノ∀`)・゚・今日は図書館へとやって来ました。

 

 

およ?高いところの本が取れなくて、一生懸命飛び跳ねている美少女が居ます。リアル椎名ひよりさんですね。原作では横から主人公(最高傑作)がサッと手を差し伸べるシーンですが、あいにく私の身長ではお役に立てそうもありません。て言うか、私がしゃしゃり出ても、ふたりで仲良く心がぴょんぴょんするだけでしょう。友達作りの貴重なチャンスでしたが、残念です。さようなら。(薄情者)

 

 

では、気を取り直して目的のコーナーへ。実はここの図書館、ラノベの品揃えが凄いんです。何なら3年間、毎日ここで過ごせるまであります。せんぱいが聞いたら、泣いて悔しがることでしょう。

 

 

「あ、すみません」

 

 

おっと!横から伸びてきた手に、思わず声が出てしまいました。どうやら、私と同じ本を取ろうとしていたようです。はっ!?まさかこのテンプレな出逢いは新しい恋の予感ですかやはり私の青春ラブコメはまちがっていないんですねいえ好きな人がいるのでムリですごめんなさい。

 

 

え?またまた椎名さん?

 

 

びっくりしたように立ち尽くすお相手は、さっき見かけた銀髪の彼女でした。

 

 

「貴女もライトノベルがお好きなんですかっ!?」

 

 

「たうわっ!?」

 

 

ちょ・・・近い近い近い!あと近すぎです!それと柔らかくてとてもいい匂いがして、ちょっと濡れt・・・って何を言ってるんですか私は?!

 

 

「ご、ごめんなさい。ラノベのことになると、つい・・・」

 

 

恥ずかしそうに俯く彼女は、確か推理小説マニアだったと記憶していますが・・・これも原作改変の影響でしょうか。

 

 

「あの・・・もし宜しければ、お友達になりませんか?」

 

 

もちろん宜しいです!!何ならこちらからお願いするまであります!

 

 

控えめな態度で切り出す椎名さんにコロリとやられ、前のめりで固い友情を結ぼうとした私だったのですが・・・

 

 

えっと・・・こういう時はどうすれば良かったんでしたっけ?男子ウケが良かった反面、同性のお友達がずっと居なかったので忘れてしまいました。(泣)急募!今すぐ女の子とお友達になる方法。

 

 

怪しすぎるタイトルです。絶対変なサイトに誘導されちゃうやつですよね?あ、こらそこ、クリックしちゃダメ!

 

 

「あの・・・ダメ、ですか・・・?」

 

 

ぐはっ!!これが天然モノの破壊力!なかなか反応しない私に、涙混じりの上目遣いで訴えるひより様。ここで断ることが出来るのは、理性の化け物(せんぱい)かホモおじさんぐらいでしょう。

 

 

「ま、毎朝、お味噌汁を作ってくれたりします?」

 

 

「え?はい、私で良ければ」ニコッ

 

 

そこは軽々しく承諾しちゃダメ!絶対!

 

 

「1年C組、椎名ひよりと申します。宜しくお願いしますね、一色さん・・・・?」

 

 

「よ、宜しくでしゅ」(噛んだw)

 

 

おっとりした態度で名乗る文学少女。他クラスのお友達第1号です。(๑•̀ㅂ•́)و✧ヨッシャー!!

 

 

あれ?でも彼女、なんで私の名前を?

 

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

改めまして、こんにちは。椎名さんという新たな友人を得て心機一転、やる気を出している一色いろはです。

 

 

そして、遂にやって来ました5月1日。良い子のみんなが待ちわびていた、月に一度のお小遣いが貰える日です。

 

 

 

 

 

 

 

 

もう、お分かりですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

朝のSHRが始まりました。いつもと違う雰囲気の茶柱先生へ、無遠慮な言葉を投げるクラスメートたち。

 

 

「どうしたんですか、サエちゃんセンセー!まさか生理が止まりました?」

 

 

100パーアウトのセクハラ発言。てか原作読んだ時も思ったんですが、女子相手にこんな暴言を口走るということは、責任とって下さいね?

 

 

「ああ、実はその通りでな。お前の子かも知れんから、書類を用意しておけ」

 

 

「ひっ?!」

 

 

一瞬で青ざめる山内君と、動揺を隠せない何名かの男子諸君。まさか身に覚えがあるんでしょうか?ていうか、さすがです!お姉さま(茶柱先生)!さすお茶!

 

 

「先生!ポイントが振り込まれてないんですけど?」

 

 

我関せずで暢気な声を上げる池君。つか、てめぇはサエちゃん先生のヒモか!

 

 

「早くしてくれないと、俺たち昼食抜きになっちゃいますよ」

 

 

そこに山菜定食があるじゃろ?

 

 

「ポイント支給が遅れるとか、この学校終わってない?」

 

 

終わってるのはアンタのおつむです。

 

 

脳内でツッコミを入れていた私でしたが、そろそろみたいですね。教卓で冷たい表情を浮かべた先生が、ゆっくりと口を開きます。さあ、いざご静聴・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「お前らは実に愚かだな」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!

 

 

このセリフだけで、ご飯三杯は行けちゃいます。ようこそ実力至上主義の教室へ!さあて、愚か者たちの阿鼻叫喚を高みの見物といきましょうか。

 

 

ん?

 

 

不審げにこちらを見詰める、いくつもの瞳。はて?なぜこのタイミングで、いろはさんが注目の的になってるんでしょう??私は変人ヲタクぼっち美少女という、プレミア付き激レアポジションを手に入れたはずですが?

 

 

「ほぅ・・・この状況で茶化す余裕があるとはな。で、まさかそれは私の口まねか?」

 

 

完全に獲物を捕食する眼でこちらを睨む、我が担任・・・はうっ?!ま、また声に出てました?!(ノ∀`)アチャー

 

 

そして冷や汗を流す私の前で明かされる、この学校の真実。以下、ホームページやパンフレットにも載っていなかったので省略しますが、これを読んで下さっている皆さんなら、全部ご存知ですよね?(責任放棄)

 

 

「・・・で、遅刻に授業中の私語、スマホの使用、居眠り、忘れ物・・・この1か月で、お前らは手持ちのポイントを全て吐き出した。本校創立以来の快挙だ」

 

 

長々とした説明を終え、ゴミを見るような目で言い放つ担任教師。残念でした、今期も下剋上はムリみたいですね。風呂入れよ!歯磨けよ!ポイント貯めろよ!また3年後〜!!(ザ・ドリフターズ)

 

 

現実を突き付けられ、言葉を失う不良品たち。唯我独尊の自由人だけが、今日もますます元気です。

 

 

「ふはははっ!そう言うことかね、茶柱ティーチャー!これは実に愉快だ!我々Dクラスにはゼロポイントが振り込まれたわけだ!」

 

 

沈黙の教室を切り裂く高笑い。こっちはさっきの失言で、全然笑えない状況です。

 

 

「その態度は些か問題だが・・・確かに高円寺の言う通りだ。それにしても、気付いていたのは一色だけだったようだな」

 

 

はい、こうなりますね。(ノД`)

 

 

「なっ!?どうして教えてくれなかったんだよ?!」

 

 

そりゃ、私はあなたのお母さんじゃありませんから。

 

 

「友達なのに知ってて黙ってるとか、最悪じゃない?」

 

 

貴女がお友達だったとは、いま初めて知りました。

 

 

騒然とした雰囲気の中、突き刺さってくる視線の数々。彼らの目に映るのは、破局の訪れを知りながらクラスに情報を共有しなかった裏切り者、一色いろはさん。瞬く間にぼっちへ逆戻りです。ははははは!こいつはいいぞ、どっちを向いても敵ばかりだ!狙いをつける必要もない、とにかく撃てば敵に当たるぞ!(グエン・バン・ヒュー准将)

 

 

いま満場一致特別試験をやったら、このクラスは速攻でクリアできますね。いろはすを退学させることに賛成か、反対か。賛成40、反対0。あ、間違えて私も賛成に入れちゃいました。テヘペロ。私はもう、死んでいる?あたたたたたたっ!ヲワッタぁ!!(自爆)

 

 

「待ってくれ、みんな!やはり一色さんだけを責めるのはまちがっている!」

 

 

すると、なにげに新しいラノベタイトルを発案しつつ、みんなの平田君が立ち上がりました。援軍、頼むぴょん。

 

 

「そうだよ!いろはちゃんだけのせいにするなんて、おかしいよ!みんなで解決策を考えよう?」

 

 

天使モード全開の櫛田さんが援護射撃。あまりの猿芝居に、涙と冷や汗以外の体液まで出てしまいそうです。

 

 

「なんだ、お前らにも周りを気遣う心はあったんだな。先生、感動して泣きそうだぞ」

 

 

ババァの嘘泣きは見るに堪えないですからy

 

 

「ん?一色?」

 

 

ひゃん?!やっぱりこの人、平塚先生の下位互換版です。

 

 

「ようやく状況が理解出来たみたいだな。だが、諦めるにはまだ早いぞ?クラスポイントを増やすチャンスは、いくらでもある」

 

 

思わせぶりな言動で、私たちの気を引くサエティーチャー。ま、実際はきよぽんを引き摺り出したいだけなんでしょうけど。

 

 

「先生!それはなんですか?!」

 

 

中間テストですよ、過去問付きの。(ネタバラシ)

 

 

「そう焦るな、平田。いまから詳しく説明してやる」

 

 

不敵な笑みを浮かべる巨乳女性教師。あ、これ絶対ヤバいやつですね。

 

 

「入学後初の定期試験。名付けて特別中間テストだ」

 

 

えっと、微妙に不穏な名称ですが、中身はもちろん普通の中間テストですよね、ね?

 

 

ペーパーテストと聞き、ブラコン秀才美少女堀北さんや、ガリ勉幸村君の瞳に灯る希望の光。すずのん、ゆきむー、君なら出来る!

 

 

「高得点を取れば大量のポイントが入るぞ。大逆転Aクラスも夢じゃない」

 

 

そんな、どこぞの名作アニメパクリ家庭教師CMみたいなこと言っていいんですか?JAROに引っ掛かるじゃろ?まあ、原作通りなら『彼』が過去問をゲットしてチェックメイトなんですけど。暗躍宜しくです、きよぽん。(*ノω・*)テヘ

 

 

「そこでお前たちには、男女各1名ずつでペアを組んでもらう」

 

 

へ?なんすかそれ?

 

 

「そして1教科でも赤点をとった者は、ペアを組んだ相手と一緒に・・・」

 

 

一度言葉を切り、無駄な間を取るサエちゃん。いったんCM入りま〜す・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「退学だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原作改変、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

 

とか言ってる場合じゃないですよね、これ。(汗)




【次回第8話:ようこそ初めての特別試験へ】

まだまだ、5月1日が続くようです。な、長い・・・(;´д`)トホホ…
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