死人の二度目   作:かゆ、うま2世

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向かう場所

「結論から言うわ。あの少女──かなり危険な存在よ」

「へー」

 

 

あれから一週間後。俺はリオ会長と二人きりで話していた。理由は勿論あの子の件について話すため。進展があれば伝えると言われていたので、その結果を聞きにきたのだ

 

 

「具体的にどんな感じにヤバいんです?俺でもわかるように説明お願いします」

「キヴォトスが滅ぶわ」

「ヤバいっすね〜」

 

 

正直そうなんだぐらいにしか思わない。それぐらいなら俺今すぐにでもできるし、重要なのは使い方だからな。あの子がそんな事するとは思えないし

 

 

「で、どうするんです?」

「彼女を殺す。それが最善手よ」

「やめといた方がいいんじゃないっすか?」

「……何故?」

「向いてないですよ、リオ会長はそういうの」

「……何が言いたいのかしら」

「やめとけって事です。そもそも、力をどう使うかはあの子次第じゃないですか。殺すってのは……流石に気が早いと思いますけど」

「彼女の意思を聞くまで待つ、とでも言うつもり?それじゃ遅すぎるわ。動き出す前に殺しておくべきよ」

「……それ、誰かと話し合いましたか?俺以外の誰かと」

「……いいえ、していないけど」

「やっぱり。リオ会長は確かに凄い人ですけど、一人じゃ限界があります。皆で考えればもっといい方法思いつくかもしれませんよ?」

「……あり得ないわ」

「本当、全く意見聞かないんですね」

 

 

こうしてみると、本当にヒマリ部長の言う通りだ。目的は正しいのに、手段を盛大に間違えている。その上、誰かを頼ることを知らな過ぎる

 

 

「その手段を取るっていうなら、ぶん殴ってでも止めますからね」

「何故そこまで彼女を庇うのかしら」

「……リオ会長の為ですよ」

「私……の?」

「例えばですけど、今俺が世界を滅ぼせるような奴だって判明したとして、貴女は俺を殺せます?」

「……できるわ」

「無理ですよ、貴女には。貴女みたいないい人には、人殺しなんて向いてない」

「……」

「俺、リオ会長の事尊敬してるんですよ。だから、その尊敬する人が間違った事をするのは見たくない」

「……私は、間違っていない」

「たった一人で正解が導ける訳がないでしょう。何度だって言いますよ、殺すのは間違ってる」

 

 

NOか、最悪保留。その答えを聞き出すまでは引けない。マジ何でもやるからな。一生間違ってるって言ってもいいし、ボコボコにぶん殴ってもいい。絶対に止めてみせる

 

 

「……一人の人間として、貴方の事は好意的に思っているわ。この事も、まだ貴方にしか話していない」

「そうですか」

「貴方なら、私の考えに賛同してくれると思ってた。でも……違ったみたいね」

「そりゃ残念でしたね」

「……そうね。認めるわ。結論を急ぎすぎた」

「!じゃあ!」

「考える時間ぐらいはある筈よ」

「やったー!」

 

 

俺の勝ち!

 

 

「……随分嬉しそうね」

「そりゃ嬉しいですよ!やっとわかってくれたんですね!」

「検討するってだけよ。結論を出すのはまだ先になるわ」

「それでも十分です!ありがとうございます!」

「……はぁ」

「どうかしました?」

「本当に、眩しい人ね」

 

 

──────────────────

 

 

 

 

「……あれ、リンネ?」

「あ、ユウカじゃん。ちーっす」

 

 

ケイの元へ向かうべく歩いていると、ユウカに出会った。悲しみも怒りも全て因数分解するおもしれー女だ。最近はリオ会長につきっきりであまり絡まなかったので、割と久しぶりだったりする

 

 

「それ、アイス?結構多いし…この寒い時期によく食べられるわね……」

「美味しいよ?」

「夏に食べる事にするわ」

 

 

当然、ケイと一緒に食べる用のアイスだ。わっぴ〜!って言いながらアイス食べれば仲良くなれる。なんかそんな気がしたからだ。実際これで仲良くなったし

 

 

「……それよりも、また無駄遣いしてないわよね」

「ギクッ」

「本当に言う人初めて見たわ……もう!またゲーム買ったんでしょ!?」

「お母さんの説教だ逃げろ!」

「気が早いわよ!」

 

 

ユウカとは仲良いけど、流石に説教は勘弁なので逃げ……逃げ…待って、今なんて言った?

 

 

「気が早いって何?」

「……え?あ…」

 

 

どんどん顔が真っ赤になってく。うーん、何というか、まぁ……今のうちに逃げるか

 

 

「じゃあなユウカ…」

 

 

──────────────────

 

 

 

「お待たせ〜。アイス沢山持ってきたよ〜」

「……」

「あれ、いらない?」

「いらないとは言っていません」

 

 

最早定番となったケイとの交流時間だ。暇さえあればここに来て一緒にアイス食べてる。わかった事は、ケイにもちゃんと心がある事。俺との交流の中で、段々と感情豊かになっていっているのだ

 

 

「美味しい?」

「食べられない味ではありません」

「そう、よかった。毎回選ぶの結構大変なんだよね」

「……本当に、何故こんな事を」

「楽しいからだよ。俺も、ケイもね」

「理解不能です」

「だろうね。だから、少しずつでいいんだよ」

「……」

 

 

少しだけ、ケイの表情が和らいだような気がした。これは大きな進歩だ。いつか、笑顔を見せてくれたらなと思う

 

 

「……そういえば、ケイが世界を滅ぼすかもしれない、みたいな話があってさ」

「事実です。私はその為に作られました」

「へー」

「……それだけですか?」

「ケイは絶対そんな事しないからね。俺とアイス食べられなくなるもん」

「……そうですか」

 

 

一緒にアイスを食べるこの時間を、ケイが好意的に思っているのはわかる。だから──まぁ、この時間がある限りはそんな事しないと信じられる。例えどんな理由があろうと、俺は信じたい

 

 

「……まぁ、でも。何の為に作られたとかどうでもよくてさ。ケイはケイがやりたい事をやればいいんじゃないかなって思うよ」

「そんなもの、私にはありません」

「それじゃ、これから探していけばいいよ。俺も手伝うし」

「………」

 

 

黙ってアイスを食べているけれど、俺の言葉は必ず届いてる。だから大丈夫。時間はかかるかもだけど、きっといい方向に向かう筈だ

 

 

「……随分喋っていたので、食べ終わってないのに時間切れのようですが」

「え?うわマジだ!」

 

 

指先が砂嵐みたいに震えてきた。時間切れだ。この世界から弾き出される。時間が経たないと再入場は不可だから仕方ない。次に会うのは明日になるだろう

 

 

「俺のアイスがー!」

 

 

結局、アイスは食べ切れなかった

 

 

 

 

 

 

「……食べかけとは、こういう味なのですね」

 

 

 

──────────────────

 

 

 

 

色んな所に行ってるから忘れられがちだが、俺の所属はヴェリタスだ。問題児な部員たちと、まともな副部長と、天才の部長が居る。あの場所が今の俺の居場所だ

 

 

「ヒマリ部長!おはようございま───え?」

「リンネ!?これは……」

 

 

ずっと、そうだった

日常というのは、ある日ある時、何の前触れもなく崩れ去るものだ

 

 

「……それ、血、ですよね」

 

 

ヒマリ部長が、血を吐いていた




今すごい迷ってることがありまして……
レッドウィンターはリンネ君絶対行きたがらないし、百鬼夜行は湿度の塊なのが分かりきってる百花繚乱のあたりが何もわからないしで正直書こうか迷ってます。この二つは死因を考えるのもぶっちぎりで難しいですし

てことでアンケートを取ります

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