死人の二度目   作:かゆ、うま2世

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夏休み終わり
クソが


悩み

「ん……」

 

 

僅かに残った眠気と共に、段々意識が浮上して来る。布団の感覚と、背中から抱きついている人肌の温度を感じる。……これはシロコだな

 

 

「……ん?」

 

 

起き上がろうとするが、体が動かない。よく見ると、腕ごと抱きしめられている。どうやら、俺が起きるまでこうしてたらしい

 

 

「……シロコ?」

「ん、おはよう」

「……おはよ」

 

 

起きた時に誰かがいるのは珍しい事じゃない。なんなら日替わりで誰かしらいる。それが今日はシロコだっただけだ

 

 

「シロコ、暑い」

「私は丁度いい」

「俺は暑いんだよ」

「ん……じゃあ姿勢変える」

 

 

シロコの腕が解かれ、ようやく自由になる。そのままベッドを降りようとするが、手を引かれて体勢が崩れる。そのまま押し倒され、再びシロコに捕まってしまった

 

 

「待って、お前なんて格好してるのそれ」

「ん、リンネ先輩のシャツ」

「えぇ……」

 

 

確かに俺のだ。身長はシロコの方が若干高いけど、成長を見越して大きめのを買ってるし。割とサイズは合ってるように見える

 

 

「……こういうの、好きかと思って」

「個人的にはいいと思う。でもね?いざ自分のでやられるとなんか…こう……恥ずかしいというか……てかサイズ合ってるの?」

「ちょっと胸がキツい」

 

 

ふーん、いい情報かもしれない

 

 

「てかお前今それ一枚だけ?」

「……見てみる?」

「何でお前そんなに破壊力高いの」

 

 

駄目だ。目に毒すぎるし言動の破壊力もヤバい。……ちょっとだけなら……いやいやいやいや

 

 

「……もっかい寝よ?」

「ん、わかった」

 

 

そのまま俺の上に倒れ込んでくる。重いとかそんな事は全然無いんだけど、柔らかいものが当たって非常によろしくない。主に理性的な意味で

 

 

「……そういえば、これからどうするの?」

「どうする、とは」

「バレちゃったんでしょ」

「バレた……あぁ」

 

 

あの二人に俺が生きている事がバレた。あそこから他に広がる可能性もあるので、話をしに行かなければならない。当然だけど誰かを連れて

 

 

「……シロコはどうする?アビドスの人だけど」

「……ちょっと迷ってる。私はこの世界のシロコじゃないから。きっと、アビドスには私含めて皆がいるはず」

「そっか……時間はあるから、ゆっくり考えればいいさ」

「ん」

 

 

──────────────────

 

 

 

「ユメ先輩か……」

『あちらのリンネさんも仲が良かった人ですね』

「やっぱり?会いたいな……」

 

 

猛烈にユメ先輩に会いたい。この世界で俺が一番仲良くしてたのは間違いなくユメ先輩だ。会って話がしたい。多分向こうも俺と話したいはずだ

 

 

「前はとりあえず逃げなきゃいけなかったからなぁ……」

『仕方ないかと』

「だよね……はぁ、会いたい…」

 

 

あのハグでユメ先輩の事は完璧に思い出した。なんなら前より鮮明に覚えてるくらいだ。あの人は絶対また抱きついて来るだろうし、こっちも多分同じ事をする気がする

 

 

「ユメ先輩と……あぁ、あとホシノもか。いっそのことアビドスに突っ込むか……?でもなぁ……二人以外に話してもさっぱりだろうし……」

『話をするのは事情を知る人とだけですね』

「どうにか三人で会う時間作れないかな……連絡手段…プラナできる?」

『可能ですが……一つ懸念があります』

「……何かな」

『こちらの先生がアビドスに訪れている可能性があります。私が介入すれば先生の持つシッテムの箱に知られる恐れが……』

「そりゃまずいな……」

 

 

シャーレの顧問である先生が俺の存在を知れば、あちらのシッテムの箱が確実に俺の転生に気づく。カヨコのように、各学園に残った俺の僅かな痕跡に気づくだろう

 

 

「それにしてもカヨコが俺を探した方法はびっくりしたな……」

『あれは……まぁ、はい』

 

 

 

 

『どうやってリンネを見つけたか?一番最初はキヴォトス中聞いて回ったかな。流石にトリニティは聞けなかったけど、リンネの写真見せてこの人見たことありませんかって。引っかかったのが柴関の大将でさ、アビドスの生徒だったんだね。そっちの方じゃ死んだ事になってたから、死を偽装してるのかと思ったけど……ゲヘナじゃ確実に死んでるから、生き返って各地を転々としてるのかもと思ってさ。で、試しにトリニティに潜入してみたらリンネの慰霊碑があってさ。でも、まだリンネがトリニティの人と交流あった可能性も捨てきれないから、過去の試験の答案を探ってみたの。そしたらリンネの答案を見つけて、もう殆ど確信に変わった感じ。そのタイミングでヴァルキューレで一人亡くなったってニュースが入って、ちょっとセキュリティに侵入してみたらリンネの名前があったんだ。何でここまでしたか?俺を探すだけで良かったんじゃないかって?……私、リンネが何を抱えてるのかまで理解した上で探すって決めてたからさ』

 

 

 

「………」

『………』

 

 

ほぼ一息でこれを言われた時は正直ビビった。執念深さのレベルが違う

 

 

「……まぁ、うん。なんというかさ」

『はい』

「……とりあえず、どうするか…もういっそのこと先生に会いにいくか?」

『……名案かもしれませんね』

「でもなー……シャーレ…色んな生徒が集まるみたいだし…俺の存在がバレるリスクを考えると……」

『難しいですね』

「ん……うぅん……あ!」

『何か思いつきましたか?』

 

 

一人いる、誰にもバレずにユメ先輩達と連絡が取れる奴が!

 

 

「──黒服だ!」

 

 

 

──────────────────

 

 

 

 

「止まりなさい、風紀委員会。ここから先はトリニティの自治区ですよ」

「……だから何?この先でヘイローを破壊する爆弾の情報が入った」

「だからと言って、あなたたちがトリニティの自治区に侵入する理由にはなりませんよ」

「……それでも、私はあの爆弾を追わないといけない。私は──私はリンネに託されたから───!」

「───今、なんと言いました?」

 

 

 

 

 

 

「………こちらFOX4。面白い情報が入ったよ」

 

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