死人の二度目   作:かゆ、うま2世

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啓示を受けて書いてるプレナパテスリンネルートはゆっくり進めていきます


引越し

「引っ越そうと思います」

『引越し』

 

 

カフェに集まったメンバー全員の前で、俺はそう宣言した

 

 

「オトギさんからの情報提供がありました。ゲヘナの風紀委員長が正義実現委員会の前で俺の名前を出したそうです」

「私達がリンネを探し始めたきっかけはそれだからね」

「そう。それが問題なんです。俺が生きているかもしれない、もしくはその確信を得た場合、まず探すのはどこですか?」

「……ブラックマーケット、だな。どの学園の勢力も届かないここは、潜伏場所としては最適だろう」

「一応全学園確認するだろうけど、見つからない以上ここを探すしかないわね」

「そう、そうなんです。探されたらすぐバレるんですここは」

 

 

つまり引越しだ

 

 

「と言っても、どこに行くつもりなんだい?君の言ってる事はわかるが、ブラックマーケット以上にいい場所なんてあるかい?」

「甘いなカイ。裏をかくんだ」

「……つまり?」

「隅っこの方にひっそりと店を開く。ブラックマーケットを探される前に逃げ切れれば多分いけると思う」

「……なるほど。悪くはないな」

「という訳で、早速引越します」

 

 

 

──────────────────

 

 

 

「新居だー!」

「……リンネ先輩、嬉しそう」

 

 

D.U.地区の隅っこも隅っこの方にカフェを移した。人通りの少ない場所を選んだので、多分バレることはないだろう

 

 

「リンネ、拠点を移すのはいいが……お前、もう外に出れないんじゃないのか」

「え?」

「ブラックマーケットじゃない以上、外出の際にバレる可能性が高くなる。そうなるともう外に出られないぞ」

「…………」

「……考えてなかったんだね」

「……ばかでごめんなさい」

「ん、平和に過ごせてる証拠」

「そうだよ。元気出して」

「ありがとオトギ……」

 

 

……確かに、バレない為には外に出ないのが最善策だ。ここがブラックマーケットじゃない以上、ホシノの時みたいな事が起こる確率は高くなってしまう

 

 

「外出れない……もしかして一生?」

「支障ある?」

「……無い気がする」

 

 

買い出しも皆が行ってくれるだろうし、正直一生カフェに引きこもってても大丈夫な気さえしてきた

 

 

「……なんか、人としてダメな気がする」

「リンネ先輩が幸せなら、なんでもいい」

「……ダメになるなこれ」

 

 

外に出ないにしても、やれる事はやろう。色々と。本当にダメになるのは嫌だし

 

 

「リンネ様が望むのなら……このワカモ、全身全霊でお世話させて頂きます」

「リンネ君、私は別にいいよ……?」

「ダメだろこれ」

 

 

俺の精神が試される事態だ。この天国のような誘惑に、俺の精神は勝利できるのか。これはそういう戦いだ

 

 

「……とりあえず、荷物開けよ?」

 

 

──────────────────

 

 

 

 

「……よし、皆寝たよね」

「行くぞ」

 

 

寝てないが

 

 

「こーら、何やってるのFOX小隊」

「リンネ君!?」

 

 

うちの従業員は皆結構早く寝る。一般学生なら夜更かしとかするんだろうし、俺たちもする日はあるが、今日は普通に早く寝た

だが、寝ない奴が四人いた

 

 

「バレてたなんて……」

「雇用主を騙せると思うなよ」

 

 

FOX小隊の四人がなんかやってるのに気づいたので、こっそり後ろをつけてきたのだ

 

 

「で、何してたの?」

「……実は、子ウサギ公園に後輩達がいるみたいで…」

「後輩……SRTの?様子を見に行きたいと?」

「そういう事」

 

 

……まぁ、今SRT周りは結構大変だし、後輩が心配になる気持ちはわからなくもない

 

 

「えー、結構遠いけど。俺の車使うの?」

「いや、勝手に使うのは悪いから徒歩で……」

「言ってくれれば送って行くのに」

「お前は外に出ては駄目だ」

「いいじゃん夜だし。顔も隠すからさ!」

『…………』

 

 

四人は結構悩んでいた。ここはD.U.地区の端っこ。子ウサギ公園までは結構な距離があるし、差し入れのような荷物も持ってる。俺の車は魅力的だろう

 

 

「……しょうがない、か」

 

 

そして決断したようだ。FOX小隊は楽できる。俺は外に出られる。皆幸せ。みんなウィンウィンの関係だ

 

 

「じゃあ、早速行こう!」

 

 

──────────────────

 

 

 

「到着。RABBIT小隊、だっけ?」

「あぁ」

 

 

当然と言うべきか。車だと結構早く着いた

 

 

「誰か来たぞ。先生……いや、FOX小隊の先輩方だ!」

「皆久しぶり〜!元気してた?」

 

 

……まぁ、同じ学校の先輩後輩の関わりだし、俺は空気になろう。FOX小隊の雇用主ってだけだし

 

 

「……ユキノ先輩、あの方は?」

「古い友人だ。今は彼の元に身を置いている」

 

 

微妙に話題に出てるけど黙っておく。俺は空気だ。俺は空気そのものなんだ

 

 

『必死ですね』

「そりゃ水を差すわけにはいかないでしょ。RABBIT小隊の顔を見ろ。FOX小隊はいい先輩してたんだろうな。てかどうしたの急に」

『……いえ、伝える事があったのですが…もうどうしようもないかと』

「はい?」

 

「……あれ、また誰か来た。あれは……先生か」

 

 

その声を聞いた瞬間、体が固まった。俺が外に出たのは夜だったからだ。人は少ないから、昔の知り合い……俺を知っている人間に鉢合わせることはまず無いと思っていたからだ

 

 

「久しぶり……いや、初めましてかな」

「……先生って職業、結構ブラックなんだな」

 

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