飲めば透明人間になれる秘密のエッチな飲み薬、気が付けば異世界で巨乳剣士が目の前に!?~天才科学者と呼ばれたこの私が女剣士の召使を始めたら~   作:でぃくし

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名古屋名物と言えばやっぱり

「あ、あれぇ……悪役令嬢様……ここは一体……」

「カリエンテだ」

「あ、あの、私は確か……あ、そうだ。でかけつにお怪我はありませんか?」

「痴れ者め、あるわけがなかろう」

 

私の背中の藁は湿っていて冷たい。

私は素早く身を翻し、猛スピードで土下座を繰り返す。

 

「うっ、うひへはぁあひぃ、先程の御無礼をお許しください!どうか命だけはご勘弁を!」

 

「安心しろ。お前の命など興味はない」

「へへぇ~、そ、それで、あの剣はどうなりましたか?何かを殺さないと収まらないとかなんとか仰っておりませんでしたでしょうか?」

 

私の言葉にカリエンテは黙ったまま焼き魚に目をやる。

どうやらこの魚を殺したということらしい。

 

「食え」

「え?」

「食え」

「い、いえ、お嬢様よりも先に頂くことはできま……」

「カリエンテだ。勘違いするな。召使いのお前に毒見をさせるだけだ。いいからさっさと食べろ。そして、感想を述べてみせろ。それが貴様に課せられた任務だ」

「は、ははーっ!かしこまりましてございます!それでは失礼致しまして……」

 

私は恐る恐る川魚の身をほぐし、出来る限り熱が通っていそうな部分を摘んで口に運ぶ。

 

何しろここは衛生観念の乏しい異世界、医療水準も推して知るべしだ。

食中毒にでもなったらそのままポックリ逝ってしまうかもしれない。

 

「ふむ、これはなかなか美味しゅうございますね」

「そうか」

「ええ、脂も乗っているようですし、塩加減も絶妙でございます」

「そうか」

 

口の中に濃厚な脂が溢れ出す。身はふっくらと柔らかくヤマメに近い味わいだ。そう言えば異世界に来てから初めての食事だ。私は夢中で魚を頬張る。

 

「アズマーキラよ。お前のいた世界にはどんな食い物があるんだ?」

「えっと、そうですねぇ、味噌カツとか天むすなんかがありますね。あと何と言っても味噌煮込みうどん、これを忘れちゃいけませんよ」

 

「ほう、どれも聞いたことが無いな」

「まあ、この辺りにはなさそうですね。ちなみに私はこの世界の食べ物にはとんと疎くて、お恥ずかしながらこの魚の名前すら存じ上げておりませぬ」

「そうか、では材料があればお前の言う食べ物を再現できるか?」

 

「はい、おそらくは」

「そうか、それは楽しみだ」

 

カリエンテはそう言って微笑みを浮かべると、手に持っていた串に刺さった魚にかぶりつく。

 

「うむ、悪くない」

「そうでしょう、そうでしょう。わたくし、感動いたしました。何しろこの世界に来て初めての食事、もう涙が出てしまいます」

 

「そう言えばお前はそこの水車小屋に来る前にどこで何をやっていたのだ?」

 

「はい、わたくしは科学者として日夜、研究に開発にと勤しんでおりました」

「違う、私が聞いているのは、そこの小屋で怪物に襲われる前にどこにいたのかということだ」

 

「あ、はい。えっと、なんだっけ、みすぼらしい集落で変な老人と出会って……あ、そうだ。その集落がなんか近々魔物に襲撃されるそうでお祭り騒ぎになってましたよ」

「祭り?なぜ魔物が襲撃に来るというのにそんなに喜べる?」

 

「あ、いえ、実はわたくしの故郷にも同じような言い伝えがありまして、昔はなまはげという魔物が攻めてくる度に村を上げて大歓迎していたんですよ。それで鬼は外、福は内って呪文を唱えながら豆を歳の数だけ食べたりしちゃって……」

「そうか。お前が元いた世界は奇妙な出来事ばかり起きていたようだな」

 

私はさっきから何を言っているのだろうか。

右脳が暴走して勝手に喋りまくっているみたいだ。

 

まるで自分じゃない誰かが私の身体を操り人形のように動かしているような感覚だ。おい、左脳よ、しっかりしてくれ!

 

だが、それよりもこのままではあの村にいた老人が危ないではないか。すっかり忘れていた。カリエンテに助けを求めなければ……。

 

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