飲めば透明人間になれる秘密のエッチな飲み薬、気が付けば異世界で巨乳剣士が目の前に!?~天才科学者と呼ばれたこの私が女剣士の召使を始めたら~   作:でぃくし

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虐めないで

「はっ、はひっ、はひっ、はひっ、はひっ、ひぃっ!」

「やだぁ、おじいちゃま、ごめんなさい。私ったら少し力を込めすぎたみたい。大丈夫?」

 

魔女は優しく微笑むと、うつ伏せになった私の脇腹に蹴りを入れ転がそうとするも、寸前で留まる。

 

「あ……けどぉ、もしかして、おじいちゃまって人間じゃなくて……本当に猫ちゃんだったりするのかな……?」

「ふぎっ?!」

「たとえばぁ……猫ちゃんと心と体が入れ替わっちゃったとか……?」

「ひぃっ、実はそうなんですよ~!私は人間になんかなりたくなかった!早く元の姿に戻って温泉にでも浸かりたいんです!だから助けてください!お願いします!」

「……」

 

私が猫語でまくしたてると、魔女は無表情になる。

その瞳の奥に潜んでいる感情を読み取ることはできなかった。

 

「あれ、ど、どうしました??あの、私、またなんか変なこと言っちゃいました?」

 

魔女は私の質問を無視して黙り込むと、やがて小さく呟いた。

 

「お前……」

「へ……?」

 

次の瞬間、魔女はうつ伏せになった私の頭を踏みつけるとぐりぐりと足を動かし始めた。何という力だ。というかぜんぜん容赦がない。

痛い、頭が割れる。頭蓋骨が軋んで鼻骨が土にめり込み、息が出来ない。

 

「ぐぽぺっ」

「猫が喋るわきゃねえだろうが……殺されてぇのかよ……このクソジジイが……」

「わぶっ、ぶぶげっ」

「おいコラ聞いてんのかテメェ!なんとか言えやボケが!」

 

魔女は私の頭を何度も踏みつけ、罵声を浴びせる。その度に私の身体は地面へと押し付けられ、呼吸が困難になってくる。

このままでは死ぬ。なんとかして脱出しなければ。だがどうすればいい?

仮に奇跡的に隙をついて逃げ出すことができたとしても、すぐに捕まり殺されてしまうに違いない。いやそもそもこの状態で動けるのか?

 

「……私のことを騙して逃げようとしてたんだろ?嘘ついて私を置き去りにしようとしてたんだろ……なあ?そうなんだろ?」

「No...No...Please, have mercy... Please Don’t bully me. D...Don't you see? I...」

 

「……は?おい、なんて??なんだよそれ、ふざけてんのか?舐めてんじゃねぇぞ!」

「おべっ、びょっ、ぼばっ、ひひぼっ」

 

魔女は私の顔面を執拗に踏みつける。地面には私の醜いデスマスクが出来上がっていることだろう。

私がこの世界に残せたものがこれだけとはあんまりだ。だがもう何も出来ない。意識が遠のく……。

 

「起きろ……」

「へえっ、へへ……ひぃいっ!!??」

 

恐る恐る顔を見上げてゾッとした。

怒りか、あるいはこれから始まる殺戮の興奮か、魔女の額や首筋には巨大な血管が何本も浮き上がり、その双眼は爛々と輝いている。

 

その本性が怪物であることを隠そうともしない鬼気迫る形相に私は魂まで震え上がった。

 

「……ねえ?猫ちゃんじゃないよね?」

「は、はい……猫ではございません。ただのじじいでございます」

「……うん、あなたは猫ちゃんじゃない。猫ちゃんだったらもっと可愛いはずだもの」

「お、仰る通りでございます」

「……何で嘘をついたの?」

「い、いやそれはその……怖くって……」

「……怖い?」

「はい!申し訳ありません!」

 

「……なぜ?どうして?何が?誰が?」

 

魔女は矢継ぎ早に質問を繰り返す。私は答えることができない。何をどう答えても永久に追求され続けるような気がする。

 

魔女の口は赤い三日月のように歪んでいる。まさか私を取って食うわけではないだろうが、彼女の口からはサメのような鋭い歯が覗いていた。

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