飲めば透明人間になれる秘密のエッチな飲み薬、気が付けば異世界で巨乳剣士が目の前に!?~天才科学者と呼ばれたこの私が女剣士の召使を始めたら~   作:でぃくし

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ちゃんと外見で判断してくれ!

「……ご老人……」

 

この世界に来て初めて出会ったあの老人。彼がそこに立っていた。

老人は私は顔を見ると、驚きの表情を見せる。

 

「爺さん……あんた……なんで戻ってきた……こんな場所で何をしてるんだ……?」

「え、あ、い、いやその……」

「あんたまさか、魔女の仲間だったのか……?」

 

老人の目は私に向けられたまま動かない。

彼の目には私がどういう風に映っているのだろうか?

 

魔女の側で膝をつき、その手を取って立ち上がった出自不明で奇妙な出で立ちの老人。怪しく見えて当たり前だろう。

 

「ち、違う、仲間では……」

 

そこまで言って息を呑む。

そうだ。私はこの子を応援すると決めたのだ。

ここで否定したらどうなるか……考えるまでもない。

 

「……仲間ではなく……友達なんだ。私はこの子と友達になったんだ」

「……は……?」

 

老人は呆気に取られたように口を開け、憐れむような表情を見せると、私のことをじっと見据えてきた。

 

「……爺さん……何があったのか知らないが、魔女と友達になんて、なれやしないんだ。ここは危険だ。……早くそいつの側から離れた方がいい」

「すまんご老人!話し合いでどうにかうまく行きそうなんで、どうかここは一つ穏便に……」

 

「……話し合いだって?魔女と交渉なんて不可能だ。あんたも見ただろう?ここの化け物どもの振る舞いを。この世界で静かに生きていきたいなら奴らに関わってはいけない。あいつらはこの世界の理の外にいる存在なんだぞ」

 

そんなことを言われても……。

私が見た魔物はせいぜい野菜くずを拾い食うくらいしか能のない連中だし……。

 

いや、水車小屋で男が巨人に殺されていたな……。

いいや、それよりもだ。この老人が来たところでミチェリのような魔女をどうこう出来るとはまったく思えない。

今、危険な状況にあるのは私ではなく、あの老人の方ではないか。

 

「おかしな話だということはわかってるよ!でも本当なんだ、頼むご老人!話だけでも聞いてくれ~い!」

「無理だ!いいから、さっさとここから……」

 

ミチェリが私の手首を引っ張り、老人を睨みつける。

 

「……ねえ、アキラおじいちゃま、あの人……私のこと悪く言ってる……」

「だっ、だ、だ、大丈夫!大丈夫!だぁいじょおぶです!!私が説得しますから!なぁにちょっと誤解があるかもしれませんが、あの老人も悪いヤツじゃないんですよ!きっと私のようにファンクラブのメンバーになってくれますって!」

 

「爺さん……魔女の顔に騙されるな、見た目こそ美しい女たちだが、中身は……邪鬼だ。そいつらは人の皮を被った魔物でしかないんだ」

「だからご老人、聞いてくれえい!ほら、この子の魅力は顔だけじゃないぞ!ちゃんと外見で評価してくれ、太股だってムチムチで、キュッと締まったウエスト!それにこの柔らかそうなお尻ときたもんだ!」

「……すまんな爺さん。わしはおっぱいにしか興味がないんだ」

 

私は必死に弁明するが、私の手首を握るミチェリの力が強くなっていくばかりで状況は何も改善しなかった。

 

まずい、これ以上ミチェリを刺激したら、老人が殺されてしまうかもしれない。

なんとかしなければ。

 

「……もう、うるさいお爺ちゃんたちだなあ」

 

苛立った様子のミチェリは私の腕を強く引き寄せると、胸元に押し付けるようにスマホを突き返して来た。

 

「……これ返す」

「えっ、あっ、あの?」

「もういらない、飽きちゃった」

 

彼女は一瞬だけ寂しげな表情を浮かべると、そのまま私の脇を通り過ぎ、ゆっくりと老人の方へ近づいていく。

 

「ちょっ、まっ、待ってください、ミチェリお嬢様……!」

 

慌てて、彼女を追いかけようとするが、足がもつれその場に倒れ込んでしまう。

さっきから何をやってるんだ私の体は!

 

「ミチェリお嬢様、このスマホはあなたの物です!もっと面白いことがたくさんありますから!もっともっといろんなことが出来るんですよ!?まだまだ教えてない機能がたくさんあるんですよ!!」

 

私は無様に地面を転がりながら、彼女の背中に向かってスマホを突き出し必死に懇願する。しかし、ミチェリはこちらを振り向くこともなく、どんどん遠ざかっていく。

 

「……早くお薬を飲んで、私の前から消えて」

 

ああ……このままでは消え失せてしまう。

 

私に夢を語ってくれた明るいあの子が、私の話を聞いてくれた素直なあの子が、私の手を取り立ち上がらせてくれた優しいあの子が。

 

このまま何もしなければミチェリはまた闇の中で独りぼっちになってしまう。

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