飲めば透明人間になれる秘密のエッチな飲み薬、気が付けば異世界で巨乳剣士が目の前に!?~天才科学者と呼ばれたこの私が女剣士の召使を始めたら~   作:でぃくし

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名古屋にはうみゃーものがぎょうさんあるがね!

「食え」

 

「えっ……え、あの、どうぞお気遣いなく」

「気遣いではなく毒見だ」

「ええっ……」

 

カリエンテはこちらを睨むと、微妙に緑色に染まった干し肉を鷲掴みにして私の口の中に放り込む。

 

(くせえ!)

 

強い汗の臭いと腐敗した木材を混ぜたような悪臭、そして酸味と苦みが口に広がり、私は吐きそうになるのを必死でこらえたが涙は自然と流れ出してきた。

 

「ぐっ……うげ、おがが……」

「やっぱりだめか」

「こいつ、吐き出しやがった……」

 

「す、すみません……けど、なんか味というかこの臭いがどうしても受け付けなくて……」

 

「まあいい。食えそうにないなら捨てろ」

「あっ、は、はい。でも、こっちはまだ行けそうですよ!異世界(なごや)から持って来た保存食ですからね、きっとすごくおいしいはずだがや……」

 

「何だこれは……妙な臭いがするが……」

「ははっ、日持ちさせるために保存の薬や……雑菌、いや虫が近寄らないようにするための……えーと、薬草や香辛料が入っておりまして……」

 

私は潰れたパッケージを開けると、袋の中で押しつぶされた菓子パンのような食感の保存食を口に入れる。

 

この携帯保存食はあまり好みの味ではなかったため適当に箱に放り込んだままになっていたが、先ほどの干し肉に比べれば、まるで高級食材を使った料理のようにおいしく感じられた。

 

「うん……ん?……ん?」

 

「なんだ、どうした?」

「いや……ちょっと待ってください。お、おお、これはうまい!」

 

「ほほう……どれ、俺も少し見て見るとしよう」

 

老人は興味深げな顔をしながら袋に手を伸ばし、オレンジ色の半固形物を取り出すとそれを指でつまんでまじまじと眺めている。

 

「これが異世界の食べ物か……爺さん、あんたの話だと腐らないように薬漬けにしてあるような感じだが、食べすぎで病気になったりはしないのか?」

 

「ま、まあな、料理をする時間がなかったり、緊急時だったりと、向こうの世界でもこういうものを食べるのはあくまで腹を膨らませるためであってだな……食事はバランスよく摂るに越したことはない!だが薬といっても、慎重に実験を重ねながら悪い影響が出ないかどうかを確認されたものを使っているから大丈夫だ安心安全だ問題ないんだ」

 

「なるほど……」

「まあ、そんなことはどうでもいい!それよりカリエンテ様!ぜひお食べください!私がこの身をもって確認いたしました、絶対においしいはずですから!!」

 

私はカリエンテの鼻先に封を切ったパッケージを差し出す。

 

彼女は眉間にシワを寄せながらしばらく匂いをたしかめた後、左手でそっと口元を隠しながら、恐る恐る口に頬張る。

 

彼女はどちらかというと豪快に食事を平らげるイメージがあったが、その仕草はとても清楚で可憐なものに見えた。

 

「……」

「ど、どうでしょうか?」

「……」

「カリエンテ様?」

 

「……まずいな……」

「えっ!?す、すみません……」

「まずすぎる……残りは爺さん二人で食べていいぞ」

 

そう言うとカリエンテは残りのパッケージを一つ掴み、私たちに食事を続けるよう促す。私は老人と目を合わせながら、その言葉の意味を考える。

 

カリエンテなりの気遣いなのだろうか。

それともただ単に本当に不味かっただけなのか。

 

カリエンテはとても優しい人だ。しかし、同時にとても厳しい人でもある。彼女の表情からは読み取ることができない。

 

「じ、じゃあお言葉に甘えていただきます」

「ああ、俺も遠慮なく頂こう」

 

私たちが食事を続ける中、カリエンテはこちらを見ることなく横になったまま、焚き火をじっと見つめていた。

 

「何だこれは……甘すぎる。それに赤ん坊のゲロのような匂いにくわえて、妙な酸っぱさがあるな」

 

老人が一口食べて顔をしかめる。

 

「何を!安心安全だぞ!必須栄養素の半分をパッケージ一つで補給できる素晴らしい食品だぞ!しかもこの栄養価の高さでカロリーはたったの200カロリーだ!こんな画期的な食品がこの世界にあるというか!?」

 

「……なんのことかよくわからんが、あんたらの世界の連中も食うことには苦労していたみたいだな」

「そうだ、こんなものを食べても力は出ない」

 

カリエンテが横たわったまま口を開く。

 

私の世界の保存食の評判は最悪だ。まあ、無理もないと思う。

何しろこの世界には化学調味料も合成着色料も存在していない、あるいは未発達だろうからな。

 

「す、すみません……朝になれば魚でも取ってきますから……」

「ふん……」

 

カリエンテは文句を言いながらも、いつの間にやら保存食をすべて平らげていた。

焚き火に照らされた彼女の顔はどこか緊張していた先ほどよりも穏やかに見える。

 

「……おい、アズマーキラよ」

「は、はい」

「魔女はどうなった?」

 

カリエンテはあの時ミチェリの力により完全に停止していた。

だからあの子の最期の瞬間を目にしてはいなかったのだろう。私はあの時のことを思い出す。

 

「……し、死にました……私の目の前で散り散りになって……」

「何故だ?」

 

「わかりません。ですが、おそらく無理をした反動か……あるいは……魔力のようなものを使い果たしたのかもしれません」

「……そうか」

 

カリエンテは小さくため息をつくと胸元の魔剣を抱き寄せ、

そのまま黙り込んでしまう。

 

私は彼女にかける言葉が見つからず、ただその横顔をじっと見守るしかなかった。

 

「太祖の魔女の血を継いだ魔女ミチェリ……恐ろしく強かった。結局、私一人では太刀打ちできなかった」

「……はい」

「だが、お前がいたお陰であの女を殺すことが出来たようだな」

 

「はっ、は、はい……」

 

私はカリエンテが何故そんなことを言ったのか理解できなかった。

 

皮肉だったのか、それとも彼女なりの感謝の言葉なのだろうか。

どちらにせよ私は胸が締め付けられるような思いで彼女の言葉を聞くしかなかった。

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