しばらく放置して申し訳アリアドス。
……はい、ポケモンギャグはさておいて本当に申し訳ありません。
もう1話追加で出すんで許してヒヤシンス……。
それではどうぞ
「…ここが、例の無人島かい。また随分とガラクタが流れ着いてるねぇ。」
「多分、それだけじゃ無いですね。嵐に巻き込まれた船がことごとく遭難した場所がここらしいので、その残骸もたくさんあるみたいです。」
ここは、人が住んでいないと言われている大きな無人島。
その無人島に二人の人間が降り立った。
一人は三白眼が特徴的な、モンスターボールのようなものが持ち手についてるらしい杖を持った老婆。
そしてもう一人は手帳らしきものを持った、メガネの若い女性であった。
「ったく、ババアになんて頼み事してるんだろうねぇ、上の奴らは」
「仕方ないですよ…。どこも人手不足で、手が空いてる適任者が私達しかいなかったみたいですし…。」
ブツクサと文句を言う老婆に対し、女性は高速でメモを取る手を動かしながら宥めにかかる。
二人がいるのは無人島の中でも、魔の三角海域ど呼ばれる三つの島からなる遭難事故多発エリアの島の一つ。
暗礁が海中に多くあり船の便が悪い上に、この付近の気流は不安定さが目立つため航空機すら通れない。
故に二人はカイリューを借りてなんとか三角海域に入ってない砂浜に降り立ったのだが…。
「…本当にこんなところに人が住んでるのかね?それも人間の子供が。」
そう、老婆がつぶやいたように彼女たちの目的はこの地に住んでいると噂されている子供を探すためであった…。
きっかけは一人の救助された遭難者の証言であった。
彼は元々裏稼業の人間で、仲間達とともにポケモンの密輸を行っていたそうだ。
しかし、途中で捕まえていた大型の水タイプポケモンが突如として脱走。
それを追いかける形で魔の三角海域に侵入してしまい、急な波と突如として発生した海上竜巻に巻き込まれて彼以外は海の藻屑に消えたのだそうだ。
唯一生き残った彼は奇跡的に三角海域を構成する無人島の一つにたどり着いたのだが、彼はそこで漂着物や森の木を使って島を出て、なんとか大陸に死に体でたどり着いて救助されたのだそうだ。
そんな彼の証言の中で、島の中での話に妙なものが入っていたのだ。
曰く、島には沢山のゴーストタイプのポケモンと[一人の少年]が住んでおり、彼らの助けでイカダを作れた。
曰く、最初はゴーストポケモンたちに殺されかけたが、そこを少年の一声で助けられ、今後ポケモンたちに悪さを働かないと誓ったおかげで、心を読めるポケモンたちを中心に許されて色々と助けてもらえた。
曰く、少年は昔からその島に住んでいるそうで、彼の誘いには乗らずに島にとどまる選択をとって今も島に住んでいる。
正直、誰もが彼の頭が色々なショックでおかしくなって幻でも見ていたのだろうと思っていた。
だが、実はかつてその島に立ち寄ったことのあるひこうポケモン使いの話だと、薄気味悪い島の森の中から時折子供の声が聞こえたような気がしたとの情報を得られた。
故に、ありえないかもしれないがもしかしたら無人島と思われていたその島には人が住み着いているという可能性が出てきてしまった。
この事態に彼を回収した無人島を含めた地方を統治している政府はポケモン協会に調査を依頼。
大量のゴーストタイプのポケモンについても調査が必要と協会は判断し、実力のあるゴーストタイプの専門家を二人送り出したのである。
一人はカントー地方四天王[キクコ]。
ゴーストタイプ使いの老婆で、目つきと口は悪いが何だかんだ優しいところがあるため、同僚だけではなく一部の挑戦者からも慕われている。
もう一人はイッシュ地方の小説家兼四天王の[シキミ]。
四天王として君臨しながらも挑戦者達を元に小説を書き続け、実は最近いくつもの賞を獲得した売れっ子作家でもある。
二人はモンスターボールをいつでも投げれるようにして、鬱蒼と茂る木々の中を進み始めた。
森の入り口のようにも見える明らかに何度も何者かが通り続けたらしい獣道を辿って、彼女たちはゆっくりと進んでいた。
流石に、老人とインドア小説家にはこの獣道を軽々と勧めるほどの体力はなかったのだ。
「はぁ…、これはそこそこ長いみたいだねぇ」
「ヒィ、ヒィ、なんで、わたしは、こんなことを……」
「ババアより先にへばってんじゃないよ!!」
キクコは弱音を吐くシキミを叱咤しながら足を進めていた。
カントーの人間はたとえ老人であろうとも強靭な肉体を持っているようで、その歩みはゆっくりではありながらも疲れは見せていなかった。
そんな二人はしばらく獣道を沿って進んでいたが、突如として周辺を霧に覆われた。
「……コイツが例の霧かい。確かに不思議な感じがするねぇ。」
「なんだか、取材で訪れた心霊スポットにも似てますが……どこか違う雰囲気の感覚もしますね。」
漂流者の証言によると、しばらく探索をしていたらいつの間にか不思議な霧に囲まれてからゴーストタイプのポケモンたちに襲われたのだそうだ。
つまりこれは……
「……そこ!! ゲンガー、「したでなめる」だよ!!」
「デスカーン、「シャドウボール」です!!」
「ゲガーッ!!」「オオォォッ!!」
彼女たちはすかさずポケモンを繰り出し、霧の中へと攻撃を指示した。
途端に何者かの気配がそこから飛び退き、霧が急に晴れだした。
……その先には、まだ生まれてそうたってないのだろうムウマとゴースの群れがわらわらと大量にひしめき合っていた。
「ずいぶんと盛大なお出迎えみたいだねぇ。」
久しぶりの獲物を見つけたがあっさり見破られたからだろうか。
ポケモンたちは彼女たちの周りを取り囲みながら、二人の動きを注視していた。
「……どうします?攻撃されそうだったとは言え、先に撃っちゃったのは私たちですけど。」
「言葉で意思疎通を取れてくれるんなら万々歳だねぇ。」
そんなことを言いながら、彼女たちは取り囲むポケモンたちに向かい合い、状況はまさに一触即発だった。
「みんな、ちょっとまって!!こうげきしちゃだめだよ!!」
……一人の幼い少年が、両者の間に割り込むまでは。