本来なら前話投稿の翌週には投稿する予定だったのですが完成間近のデータが消えたのが大ダメージやサブカル関連で色々とあった為書く気力が出なかったのですが今年は真・女神転生5Vengeanceの発売に加えて拙作の題材としている蒼穹のファフナーシリーズ及びアバタール・チューナーシリーズが共に20周年と火が点けられたので遅筆ながらも再開していこうと思います。
こんな作者ですが拙作を楽しんでいただけたならば幸いです。
真壁邸の客室に通された総士以外の【ガイア連合】の面々だが、室内は沈黙が支配していた。
会話も無く、各々が端末を確認したり装備の点検、唯一颯は苛立ちを隠そうともせず縁側で煙草を吸い続けていた。その手にある携帯灰皿には吸い殻がはち切れんばかりに詰め込まれている有様だった。*1
誰もが皆、先の状況に思うところがある。だが、それは彼の安易に踏み入って良い領分ではない。
だから口に出すことはできない。
それ故の沈黙だった。
不意に外から入室の断りの声が掛けられた。代表して愁介が返答すると襖が開かれた。
「……………………」
入室したのは先程の場にも居た真矢と呼ばれた少女だった。
彼女の表情は暗いがこの部屋に来た理由には全員察しが付いていた。
何故ならば彼女は……
「皆さん、今回はこちらの要請に応じて下さりありがとうございます」
「いえ、これは我々の仕事ですので。それに今回の情報が無ければ初動が遅れていた可能性もありましたので感謝しています」
「はい…………」
……彼女が件の雑談スレに投稿した転生者本人であるからだ。
彼女がここへ来たのも先の言葉通りに感謝を告げるのもあるが自分と同類である者達と会話をする為なのだろうが、やはり先程の一件からその口は重く二の句が継げられない。
意図せぬ形ではあるがこの重苦しい空気を換えるキッカケが生まれたのもあり、愁介以外の面々も会話に参加した。
「道生さん…………それに、私と一騎も居ましたけどお父さんが前線で指揮を執っていたのも大きいです。生存重視の戦術でどうにか耐えられたので」
「なるほどなぁ~。にしても、とんだ災難だけど良く今まで持ち堪えたよなぁ。他の【俺ら】は現地民を軽視しがちだがやっぱ先人の知恵や経験ってのはバカに出来ねぇって実感したわ」
「確かにな。報告にあった戦力であの数の悪魔に対して防衛を続けられたのは流石としか言いようが無い。レベルに関しては問題無いがウチは基本的に単独活動がメインな奴等が多いから調子に乗ってる奴は磨り潰されてしまうだろう」
「それに覚醒による全能感に酔っぱらって無茶する事例も無くならないのも問題よね~」
「質が高いって言えば聞こえは良いけど、まだゲーム感覚が抜けない連中も結構居るしね~……意識改革する必要はあるんだけどそれをしちゃうと連合が割れる可能性高いし」
「質あれど意識問題がある【俺ら】と質の代わりに問題をしっかり認識している現地霊能組織……どうにか足並みを揃えられれば良いのだが……」
「ままならないものですね……」
「「「「「「「「ハァ~…………」」」」」」」」
「あ、アハハハハ・・・・・・・・・・・・」
空気を換えようとしたが結果的に発足当初から続く問題を再認識する結果になってしまい重苦しいため息を吐く【ガイア連合】メンバーに対して愛想笑いをするしかない真矢。
双方共に空気が穏やかになったところで、カノンが声を挙げた。
「ま…………真矢!」
「え、えっと……貴女はカノン、で……合ってる、かな?」
「あ、あぁ。問題無い。そ、それでだな真矢、話があるんだが……」
「んっと…………何……かな?」
「そ、その……………………そ、」
意を決し言葉を紡ごうとしたところ、それを遮るかの様に襖が勢いよく開かれた。
そこには総士が立っていた。
その立ち姿はただならぬ気配を漂わせていた。
「全員、居るな。緊急事態が発生した、すぐに出るぞ」
・
・
・
・
・
――――県北某所
民家にほど近い森林に緑の光の球体が出現、消滅した。
【SDP:消失】*2によって転移してきたのは【ガイア連合】のメンバーに加えて県北霊能組織【真壁家】より真壁真矢、真壁一騎、日野道生も加えた計12名という大所帯であり、彼等はすぐさま駆け出した。
事の発端は件の悪魔の集団に対する作戦を詰めていた総士と史彦の下へ届けられた一報が原因だった。
――――悪魔集団に動きあり、突如として南下を開始――――
その報を聞き、会議を切り上げすぐさま現時点で対処が可能なメンバー総出で出撃したのであった。
「しっかし、何だって急に移動なんて始めやがったんだ?」
「ボヤくな颯。こうなった以上、速やかに対処する必要がある」
「大善さんの言う通りだ、敵の総数に対してこちら側の戦力が心許ないが武君達の所や最悪を想定して本部にも連絡を入れてある。とにかく、無理をせず確実に対処する
……………………真矢、さん。敵の位置は?」
言葉に詰まりながらも、この場で視力に関して最も高い霊的素質を有する真矢に声を掛けた。
それを受け、普段の穏やかな物腰から冷たい刃物の如き雰囲気を纏った彼女は前方に目を凝らした。
「敵、前方400m先に民家、500m先に戦闘集団を確認。位置関係から現時点で転移を行っても民家が戦闘に巻き込まれるのは不可避」
「初動の遅れが悔やまれるな……仕方ない、真壁家の面々と愁介さんは民家の防衛を!!残りは敵集団に飛び込むぞ!!」
「「「「「「「「「「「了解!!!!」」」」」」」」」」」
――――そして、双方が互いを認識した。
瞬間、流れを引き込まんと総士とカノンのルガーランスが、颯と大善のハンドガン型退魔銃が、宗介の二挺のリ・エリミネーター*3が、エリカの銃剣付きアサルトライフルが、真矢の猟銃*4が一斉に火を噴いた。
形成された火線は突き立てられた牙の如く先頭集団を一瞬にして食い破ると先の分担通りに防衛組が民家の前に陣取り、残りの面々は運河の如き群れの只中へと飛び込んだ。
「【貫通撃】*5ッ!!!!」
一番槍の如く依羽が空を駆け、その手に構えた二振りの振動ブレードを交差する様に振り抜く。
眼前に居た【邪鬼 トゥルダク Lv13】の胸部を斬り裂くと、まるで舞うかの如く連続で悪魔を斬り捨てていった。
数度刀を振るうとその場で踏み止まると右手の刀の切先を前方に向けた。
「【マハザンマ】*6!!」
その言葉と共に前方の集団が逆巻く旋風に巻き上げられ掻き消えた。
中には衝撃属性に対して耐性を持つ悪魔も居たのだがレベル差に物を言わせた暴力の前には何の気休めにもならなかったのである。
そんな依羽の後方では幾筋もの閃光が奔り、悪魔達の首を刈っていた。
「【マハスクンダ】*7」
依羽の立ち回りに気を取られた悪魔達は【マハスクンダ】によって機動力を奪われた。
それに気付いた瞬間にはもう遅く、ある者は首を撥ねられ、ある者は喉笛を裂かれ、ある者は心臓の位置にある霊核を一突きにされ絶命していった。
無慈悲なキリングプロセスを遂行した下手人は特殊スキル:隠形を解除し依羽の背を庇う様に降り立った。
――――下手人の正体は振動ブレードを逆手に構えた颯であった。
「ポジチェンだ。次は俺が突っ込むから後詰め頼むわ」
「えぇ、分かってますよ犬兄さん」
「取り敢えず、慌てても仕方ねぇからいつも通りやろうや」
「分かってますよ。今回は皆さんも居ますし、出来る事をやっていきましょう」
「あぁ。そんじゃまぁ――――――――害虫駆除続行だ」
依羽に向けていたヘラヘラしていた表情が一瞬にして冷徹なそれへと変貌すると、今度は颯が群れの只中へと飛び込んでいった。
・
・
・
・
・
颯とは対照的に敵を屠る漆黒の殺戮機械駆ける。
頭部に装着した試作型エクスブレイン*10に表示されるサジェストに従い、両手に構えたリ・エリミネーターが唸る。
スキルを纏った弾丸が、マズルスパイクが、悪魔の頭部を的確に撃ち抜き打ち据える。
【リストア】*11の効果により的確な霊的攻撃によって絡め取るように撃破した悪魔の生体マグネタイトを獲得・吸収*12しながら悪魔を殺戮していると表示された回避のサジェストに従いその場を飛び退くとその数舜後、前方を【
地霊 ツチグモ Lv13】が横切った。
背を向けた形となったツチグモに対してリ・エリミネーターを構えようとするが、鳴り響く轟音を聞き手を止める。
次の瞬間、肉を磨り潰す生々しい音と共にツチグモの首が肉片と共に飛散しその全てがマガツヒとなって露と消える。
「宗介~、向こうは片したわよ~」
ツチグモの残滓を横断し、両手にそれぞれ持ったラピッドパンチ*13の内、右手に持ったものを肩に担ぎライフルスリングで吊るしたアサルトライフルを揺らしながら歩み寄って来たのはエリカだった。
隣にはエリカと共に担当方面の集団を相手取っていた蜜葉もおり、二人とも目立った消耗は無く、戦闘続行に関して問題は無さそうであった。
「ありがとう二人とも。この調子なら何とかなりそうかな?」
「そうだな。状態異常系スキル持ちを優先的に倒していけば事故が起きることはないだろうし」
軽く戦況確認をしていると目の間を濃紫色の龍に噛みつかれた【妖魔 コッパテング Lv23】が横切っていった。
そんな哀れなコッパテングを見送った宗介達の下へ歩み寄る者が居た。
「すまない、ここまで飛ばすつもりは無かったのだが……」
右手にハンドガン型退魔銃を携え、ソフト帽の位置を直しながらやって来た大善が宗介達に対して謝罪する。
基本的にチームを組んで活動している彼等に対して単独で戦闘をしていた筈なのだが、そのスーツには一切の汚れや乱れすら見られない。
そして彼の姿を見て先の龍は【黒龍撃】*14によるものだと結論付けた。
「いえ、大丈夫です。それにしても流石ですね、とても一人で戦っているとは思えない」
「何、大した事じゃない。恵まれた素養がある、なら後は覚悟を決めれば当然の結果だ」
((『言うは易く行うは難し』なんですが/なんだけどそれは))*15
そんな遣り取りをしていると警戒しながらも悪魔達が集結しはじめてきた。
それを見てすぐに臨戦態勢を取る四人。
「さて、君達さえ良ければここからはご一緒させてもらっても良いかな?本格的にデビルバスターとして活動すると決めた以上、君達から連携のいろはを学ばせてもらいたいと思っていたのだよ」
「学ぶほどのモノは無いと思いますが……よろしくお願いします」
「私としても、後学の為に貴方の技術を盗ませてもらいます」
「旅は道連れ世は情けってね~。ま、気楽にやろうじゃ~ん?」
そうして彼等は再び駆け出した。
……………………戦いは、始まったばかりである。
【覚醒者 犬吠埼颯】
年齢:20歳 転生者
ステータスタイプ:力・速型
レベル:33
得意属性:物理・補助
防御相性:呪殺吸収
スキル:■■■、■■■■■■■■■■
:朧一閃*16
:貫く闘気*17
:スクンダ*18
:フォッグナー*19
:エストマ*20
:物理ブースタ*21
:食いしばり*22
特殊スキル:隠形、索敵
装備:試作型超音波振動ブレード(日本刀型)*23、退魔銃(ハンドガン型)、基本装備一式
【覚醒者 弐生依羽】
年齢:17歳 転生者
ステータスタイプ:力・速型
レベル:32
得意属性:物理・衝撃(疾風)・補助
防御相性:衝撃(疾風)・破魔無効*24
スキル:貫通撃*25
:ザンマ*26
:マハザンマ*27
:ディアラマ*28
:メディア*29
:スクカジャ*30
:魔脈*31
:衝撃ブースタ*32
特殊スキル:隠形、索敵
装備:試作型超音波振動ブレード(日本刀型)×2、基本装備一式
【覚醒者 臥竜岡宗介】
年齢:20歳 転生者
ステータスタイプ:力・速中心のバランス型
レベル:34
得意属性:物理・補助
防御相性:状態異常無効
スキル:鉄鋼針*33
:アクセルクロー*34
:チャージ*35
:ラクカジャ*36
:タルンダ*37
:銃撃ブースタ*38
:獣眼*39
:リストア*40
特殊スキル:隠形、索敵
装備:リ・エリミネーター*41×2、試作型エクスブレイン*42、基本装備一式
【覚醒者 義城蜜葉】
年齢:20歳 転生者
ステータスタイプ:力・速型
レベル:33
得意属性:物理・氷結・補助
防御相性:氷結無効
スキル:絶命剣*43
:デスバウンド*44
:ブフーラ*45
:タルカジャ*46
:タルンダ*47
:スキルアクセル*48
:氷結ブースタ*49
:地獄のマスク*50
特殊スキル:隠形、索敵
装備:試作型超音波振動ブレード(日本刀型)、試作型エクスブレイン、基本装備一式
【覚醒者 牙野原エリカ】
年齢:20歳 転生者
ステータスタイプ:力・速型
レベル:33
得意属性:物理・火炎・補助
防御相性:火炎無効
スキル:ハードヒット*51
:怪力乱神*52
:ファイアブレス*53
:アギラオ*54
:タルカジャ*55
:マリンカリン*56
:火炎ブースタ*57
:地獄のマスク*58
特殊スキル:隠形、索敵
装備:ラピッドパンチ*59×2、退魔銃(銃剣付きアサルトライフル型)、試作型エクスブレイン、基本装備一式
【覚醒者 鳴海大善】
年齢:38歳 転生者
ステータスタイプ:力・体型
レベル:35
得意属性:物理・呪殺・補助
防御相性:物理・破魔・呪殺・状態異常無効
スキル:黒龍撃*60
:貫通撃*61
:マハムドオン*62
:食いしばり*63
:活脈*64
:魔脈*65
:コロシの愉悦*66
:地獄のマスク*67
特殊スキル:探偵、隠形、索敵
装備:退魔銃(ハンドガン型)、基本装備一式
効果としては1ターンの間、味方全体に全ての攻撃・スキルに対する完全回避状態を付与する。
また、【トラエスト】を起点とすることでMP次第では部隊規模での列島横断が可能。
近接銃術教導隊で正式採用された武器であり、30連ロングマガジンを装填可能な他、打撃用マズルスパイクで直接殴りつけることも可能。
敵の動きを分析、蓄積されたデータと照合することで敵の行動を予測し、「サジェスト」や「アラート」などを表示し使用者の意思決定を補助する。COMPやロボ部の電脳系開発のデータ取りの一環として開発された。
近接銃術教導隊で正式採用された武器であり、30連ロングマガジンを装填可能な他、打撃用マズルスパイクで直接殴りつけることも可能。
敵の動きを分析、蓄積されたデータと照合することで敵の行動を予測し、「サジェスト」や「アラート」などを表示し使用者の意思決定を補助する。COMPやロボ部の電脳系開発のデータ取りの一環として開発された。
元々プロットは頭の中に残っていたのですが、一度書き始めるとネタが溢れ出してきて予定の半分までしか書けなかったという無計画の極みw
ブランク長井(ネタ分かるか?)なせいで書き方忘れていて時間がかかったけど少しずつでも回復出来たら良いなぁ……