去年はありがとうございました。
今年初投稿です。
それではどうぞ( ^-^)_旦~
「じょうー」
「じょっ」
「じょうじ」
3匹のテラフォーマー達が、時間差で総司に襲いかかってくる。
一番手で総司に迫るは、羽赫のかけらを持つテラフォーマー
「じょ、じょう」
飛びながら、両手に持つ羽赫を逆手に
持ち替える。
総司を射程にとらえたら、突き刺そうと言うつもりなのだろう。
「じょう?」
突然、獲物に迫っていたはずの、テラフォーマーが、空中で止まる。
羽だけは動かしてそこに、止まる姿はヘリのホバリング走行を思わせる。
テラフォーマーの羽音が辺りに響く。
空中に止まったテラフォーマーは、
不思議そうな顔で目の前に立っている
者を見る。
正確には、両足を激しく蹴ってるのだが、テラフォーマーにはわからない。
「先鋒はお前か」
天井にへばりついていた、総司が
先鋒のテラフォーマーを、空で迎えうつ。
2
そもそも、総司が天井に逃げたのは、拳銃から逃れるためだった。
だが、先に迫ってきたテラフォーマーが銃を持っていなかったので、総司は
迎えうつことにした。
そう決めたら、行動は早かった
天井を蹴って勢いを付けた総司は、テラフォーマーとの距離をあっという間に縮めて、相対したのだ。
「じょう……じょう? 」
目の前で、仁王立ちし両腕を組んでいる総司を、羽赫のかけらを握り締めた
テラフォーマーが注意深く覗き込みながら、首を傾げる。
何かの罠だろうかとでも、思っているのだろうか。
総司は腕組みしたまま、動かないでいる。
その姿は、害虫の王にも不気味に映っているのだろう。
害虫の王は注意深くその全体を見る。
ヴヴヴヴー!!
「……」
総司を警戒していた、テラフォーマー
が背後から、耳障りな雑音が聞こえてくる。
雑音に気づいたテラフォーマーが振り向くと。
そこには2体の同類達が、羽音をたてて近づいてくる。
先鋒を任せた仲間が、攻めあぐねているのを見て、しびれを切らしたのだ。
「じょっ」
それを見た先鋒のテラフォーマーが
逆手に握りしめていた、羽赫のかけらを、総司向かって投げつける。
背後から迫ってくる、仲間に獲物を奪われると思って、焦ったのだろうか。
真っ直ぐに飛んでくる、羽赫のかけらを総司は首を少し傾けあっさりと避ける。
「じょうー」
まるで避けられるとわかってでもいたのか。
投げると、同時に突進していた
テラフォーマーが、残ったもう一本の羽赫のかけらを逆手に握り締め、振りあげている。
振り上げた、羽赫を振り下ろそうとするが、テラフォーマーのごつい腕に
下から手が添えられる。
総司の手だ。
総司もテラフォーマーと同じく、避けた後、前進し距離を詰めていたのだ。
テラフォーマーの懐に潜り込めた総司は片手で、羽赫を振り下ろそうとする
テラフォーマーのごつい腕を抑える。
「じょ、じょう」
テラフォーマーは抑えられた、腕を激しく上下に揺するが、総司の腕をふりほどけない。
「じょ、じょ、じょーう!!……」
上下に揺すり続けていた、テラフォーマーが、突然悲鳴を上げ、動きが止まる。
よく見ると、激しく腕を動かしていた、テラフォーマーの胸に何か手裏剣のような物が刺さっている。
「まずは一匹」
敵が絶命したのを、見て総司は笑みを浮かべた。
3
テラフォーマーの胸に突き刺さっている手裏剣のような物を、総司は引き抜く。
総司がテラフォーマーの胸から、引き抜いたのは、テラフォーマーが投げつけた筈の羽赫のかけらだった。
実は投げつけられた羽赫のかけらを、避けると同時に回収していた総司
。
回収した羽赫のかけらを、接近戦で
テラフォーマーの急所、食道下神経節
にぶち込んだのだ。
クインケの硬度は、テラフォーマーにもダメージを与えることが出来る。
その元となった、赫子も同じ。
テラフォーマーが死んでも、握り続けている、羽赫の欠片も総司は回収する。
「さて、残り二匹」
総司は周りを見渡しながら、呟く。
「じょう」
「じょっ、ぎぎっ」
その呟きに応えるように、赫子を回収している間に、包囲していたテラフォーマー達が吠えた。
4
「じょう、じょうー」
目の前にいる、テラフォーマーが
猛り吠える。
総司が激しい空中戦をやっている頃
地上では、雷がクインケ持ちのテラフォーマー達と死闘を繰り広げていた。
兄を追おうとしてた、エストック持ちテラフォーマーを、羽赫の乱射で撃破した雷は、斧持ちテラフォーマーと向き合っていた。
盾持ちテラフォーマーと、雷が戦っている間に、斧持ちは壁にめり込んでいた武器を回収していたのだ。
巨大な斧を楽々片手一本で、振り回しながら、テラフォーマーが雷に迫る。
振り回した斧が生み出した、風圧が
雷の顔を撫で、埃を撒き散らす。
「大した怪力だな」
雷は、背中に羽赫を展開する。
「ちっ……まずいな」
背中に生えた、羽赫を見ながら
雷は苦い顔をする。
さっき、クインケ持ちのテラフォーマーをやるのに、力を使いすぎたのだ。
背中に展開している、羽赫はさっきに比べて半分ぐらいの大きさしかない。
このまま戦えば、数分もすれば羽赫は出せなくなるだろう。
(持って3分、悪ければ1分ってところか)
雷は背中に生えている、羽が剥がれ落ちて地面に落ちていくのを、見ながら計算する。
(しゃあねぇ、補給するか)
「じょうー!! 」
片手一本で持っていた、クインケを両手に変えたテラフォーマーは、それを
大上段に構え、雷の頭めがけて振り下ろす。
空を切り裂き、振り下ろされた刃を
雷は寸前で飛び跳ねてよけ、ポケットから、お菓子代わりの少女の指を取り出すとほおばる。
「もぐもぐ……んっ、やっぱ足りねぇなぁ」
後方に飛びながら、指を食べたが
全然足りない。
少し腹が膨れただけだ
「じょうー」
空を飛ぶ、雷を羽で飛びながら
斧持ちテラフォーマーが追ってくる。
「しつこい奴だ」
テラフォーマーに追いつかれた、雷
はテラフォーマーの猛攻にさらされる。
右左、あるいは上下と有らん限りの
膂力を使い、テラフォーマーは斧を振り回す。
その技術のない、力任せの攻撃を
雷は避けながら、逃げる。
(あれは!! )
逃げ回る、雷の目にある物が映る。
それを見た雷が、斧を振りかぶっているテラフォーマーの腹目掛けて、ドロップキックを放つ。
「じょう」
テラフォーマーが前進するのに、あわせて放たれた蹴りは、カウンターとなってテラフォーマーの腹にめり込むが、腹をぶち抜くほどの威力ではない。
蹴りを受けた、テラフォーマーは空中で数10センチ後退するが、それだけだ。
でも構わない、雷はテラフォーマーを
倒すために蹴ったわけではないのだから。
(こんなものか)
雷は、めり込んだ蹴りの反動を利用して、先ほど目に入った物の方向、向かって跳ぶ。
テラフォーマーに僅かでもダメージを与えなおかつ、移動時間の短縮になる
。
テラフォーマーが斧を片手持ちにして、雷の足を掴もうとするが、その前に後方へ跳んでいく。
「よしっ、どんぴしゃ」
羽赫を下敷きにして、落下のダメージを減らした、雷はさっき目に付いた目当ての物を見つけ、持ち上げる。
雷が持ち上げると、赤い液体が地面に滴り落ちる。
持ち上げた物体を雷は、まじまじと見る。
滴り落ちた、液体は血だった。
雷が見つけたあるものとは、死体
ゴキブリ共に、最初に殺された
A級闘士サトル・ロックフィル・峰崎の
死体。
「まだ若いのに哀れだね〜」
南無と片手拝みをして、死者を雷は
悼む。
「あんたも、ゴキブリ共に無残に殺されて無念だろう」
拝むのを止めた、雷がサトルの目を閉じてやる。
「仇は討ってやる。
その代わりあんたには、俺の糧になってもらう」
雷は口を大きく開けると、サトルの上半身死体を頭から、ボリボリと噛み喰らった。
血が地面に落ち、ハイエナが死肉を
喰らっている時のような、咀嚼(そしゃく)音が流れる。
数分程で、サトルの死体は骨も残さず全て、雷の腹の中に収まる。
「補給完了」
口の周りを舌で舐め血を拭いながら、雷はぎらついた目で、ほくそ笑んだ。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
拙い作品ですが、今年も宜しくお願いします(ゝω・)