毎回の誤字報告ありがとうございます。
ホバギーを滞空状態で停止させたままハジメは、此方に向かって逃げまどうウサギ娘とそれを獲物と見なして追い掛ける双頭のティラノを、面倒臭げにジト目で眺めやる。
「面倒クセェな。此方に向かって来やがって俺達を巻き込む気満々だろ、ありぁあよ。」
滂沱の如く両の目から涙を溢れさせて助けを懇願し駆け寄ってくるウサギ娘と、双頭のティラノをハジメはその思いのまんまにぼやく。もうウサギ娘とハジメ達との距離は百五十メートルをきっており、何れにせよウサギ娘を仕留めたら次に双頭ティラノは、ハジメ達に矛先を向けてくるかも知れない。
いや確実に向けてくるだろう。彼女に悪意は無いのだろうが、ウサギ娘は双頭ティラノを引き連れて此方に助けを求めて来ているのだから。そのティラノを始末する分にはハジメとトールならば余裕で片を付けられるし、魔力に干渉を受けていなければユエでも楽勝で始末できる。
ただ、此処でウサギ娘に関わってしまうと、後々面倒な事になるのではとの嫌な予感がプンプンと臭ってくるのだ。しかし、それはそれとして、ハジメは此方に向かって助けを求め駆け寄って来るウサギ娘の現在の有様に一つの疑問を抱き、思わずソレを口にした。
「しっかしあのウサギ、よくもまあアレだけ涙を流せるモンだな。一体どれだけ体内に水分を溜め込んでいるんだ?」
ウサギ娘の瞳よりも野太い、涙のアーチを描き泣き叫ぶウサギ娘。あり得ないほどの涙を一気に放出しているにも拘らず、と言うか何故それほど大量の涙が出せるのかと疑問が尽きない。
もしかすると兎人族と言う生命体は皆あんな感じなのだろうか。だとするならば兎人族とは、物凄く面倒な人種なのかも知れない。
「ウサギの皮をかぶった、魔物?キショい。」
「だとすると、さしずめスライム辺りでしょうかね!?」
ハジメの言葉を受けて、ユエも何やら件のウサギ娘に得も言えぬ何かを感じたのだろうか、割と酷い言いようである。そこに更にトールが、異世界ファンタジーでお馴染みのスライム辺りだろうと合いの手を入れる。泣き叫び逃げ惑うウサギ娘とそれを呑気に眺めやるハジメ達一行との、この温度差よ。
「ふむ。こんな所に堕ちているスライムか。だったらアレはきっと、悪いスライムに違いないな。」
物語によっては悪いスライムじゃ無かったり、魔王になったりと忙しいが、大抵はザコであるスライム。ウサギ娘の正体をそう結論づけて、ハジメはこのままウサギ娘を見捨てる方に気持が大きく傾く。ならばとっとと此処から立ち去ろうと、ホバギーのハンドルに手を掛けて、アクセルを開こうとした、ところが。
「うわ〜〜ぁん!!待っでくだひゃぁいぃぃ!変な事言ってないで助けてくだしゃいよぉ〜んッ、私魔物じゃぁでぃまじぇ〜んッ!!」
ハジメ達が自分を見捨てて立ち去ろうとしている事を敏感に察知したウサギ娘は、これは不味いとばかりに大焦りで涙のアーチを、まるで治水の為に溜まり過ぎた水を放水するダムの如くに、さらに野太いアーチを描きながら助けを求め、しかも。
「げッ!マジかよあのウサギ。魔物に追いかけられていて、あの距離で俺達の声が聴こえてるのかよ。」
百メートル以上の距離が離れているにも関わらず、ウサギ娘はハジメ達が交わした言葉を聴き取っていたのだ。コレにはハジメも少しだけ驚いた。自分の様に魔物の肉を食らい、身体機能の全てが強化されたのならばまだ理解出来るのだが、どう見てもあのウサギ娘が魔物の肉を食べているとは思えない。
「無駄に耳が大きいから、無駄に良く聴こえている?」
其処にユエが、微妙に悪意の成分が含まれたコメントを述べる。彼女の中の何某かに、件のウサギ娘が触れてしまったのだろうか。しかし、そのコメントにハジメは得心が言ったとばかりに、ポンと左の掌を握り込んだ右手の小指部分で叩く。
「ああ、そう言う種族的な特性があるのかもな。」
「まあウサギは捕食対象ですし、力が無くて臆病ですからね。そうやって周囲に聴き耳を立てて警戒してないと、生き残れないんでしょうね。」
ウサギ娘の危機的状況を前に、呑気に駄弁るハジメ達だが、そうこうしている内にも、ハジメ達とウサギ娘とそれを追う双頭のティラノとの距離はもう七十メートル程に縮まっていた。こうなっては面倒だが、さっさと双頭のティラノを始末してしまった方が手っ取り早い。
ハジメは腰のホルスターからドンナーを引き抜いて始末を付けようと動くのだが、それをトールが制止した。
「ハジメさんは運転でお疲れでしょうから、アレは私が始末しておきますよ!」
ホバギーの後部座席に座っていたトールが立ち上がって、そのままスカートをはためかせてスタっと地に降り立った。
「いや、この程度別に何でも無いんだけどな。でも、まあトールがそう言うんなら任せるよ。」
「はい!任せておいてください。ちょっとやってみたい事があるんです。きっとハジメさんにもご満足いただけますよ。」
ハジメに任された事に嬉しそうに頷いてトールはホバギーからウサギ娘達の方へ三歩前に出て、構えを取る。
「はぁーーッ!」
大きく気合いの呼気を発して、トールは大きく両手を振りかぶってから、半身を引いて構えを取る。腰溜めでグッと両手を後方へ引いて、体内の気を両手に溜めて準備は完了する。キッと双頭のティラノの頭部を睨めつけてトールは宣言する。
「では行きますよ。覇王ォォッ・・・翔吼拳!!」
両腕を大きく上下に広げながら、前へと素早く突き出して放たれる巨大な気弾が、超高速で双頭のティラノの頭部へと向けて飛んで行く。
音速を超えて放たれたトールの巨大な気弾は、一秒も掛からずに双頭のティラノの右頭部に着弾し序とばかりに、その有り余るエネルギーの奔流が左の頭部をも、その余波で同時に消し去った。
「うぉっ!まさかの覇王翔吼拳か!」
なるほど、コレには確かにオタクなハジメも大喜びである。トールが覇王翔吼拳と技名を叫んだ瞬間、ハジメは喜色も顕に『うぉぉッ!!』と叫び、ガッツポーズを取っていた。
「ふぃ〜っ。我ながら良い仕事をしました!どうでしたかハジメさん!?」
「ああッ!もう最高だったよトール。此処で覇王翔吼拳が出てくるなんてな。これは嬉しいサプライズだ!」
かいてもいない汗を拭う真似をしながら得意げに、トールが技の出来を問うとハジメはもう大喜びで大絶賛だ。トールが南雲家にて暮らし始めて一年以上が経ち、両親と三人でトールにもオタク共育を施していた事が、此処で鮮やかに華が開いたのだ。
まあ、花は花でも徒花の可能性もあるのだが。
「喜んでもらえて何よりです。そうだ、良ければ今度お教えしましょうか?」
「本当か!?ああ頼むよトール。」
満足感いっぱいに“むふん”と、ふくよかな胸を張って、ハジメからの称賛に喜色も顕にトールはソレをハジメにも伝授しようかと提案すると、ハジメもその言葉を待ってましたとばかりに教えを請う。
「コイツは楽しみが増えたぜ。これから先武器を持った相手が出てくるだろうからな。覇王翔吼拳を使わざるを得ない場面もきっとあるはず・・・ああ待てよ、だったらやっぱりこのホバギーも下駄で運転するべきだよな!」
バシッ!と、左の掌に右の拳を打ち付けて、お約束な龍虎の拳ネタを繰り出して一人悦に浸るハジメだった。
「あ・・・」
頭部を失い崩れ落ちる双頭のティラノを呆然と眺めるウサギ娘は、あまりの事にその場にペタリと座り込んでしまう。
これ幸いと助けを求めた相手があまりにも強過ぎて、自分の命が助かった事以上に、その強さに驚きを禁じ得ないのはごく普通の反応かも知れない。
「凄い。死んでる、ダイヘドアを一撃で。」
双頭のティラノから自分を助けてくれた相手に目を向けて、ウサギ娘は呟く。長いスカートを翻して、双頭ティラノを倒したメイド姿の美少女が不思議な乗り物に飛び乗る姿に思わず見惚れてしまう。
「じゃあ行くか!」
「はい。」
「ん。」
メイドの娘が座席へ座るのを待って、リーダーだと思われる、若い運転手の男が声を掛けると二人の少女が返事を返し、運転手の男が操舵管に手を掛けるのを見てウサギ娘はハッと慌てて、立ち上がった。
「まっ、待ってください皆さん!」
このとんでもなく強い力を持った一団が去ってしまう。そうなってしまえば、何の力もない自分など、この恐ろしい弱肉強食の環境で生き残る事は出来ない。ウサギ娘は双頭のティラノに追いかけられていた時よりも、ずっと速いスピードで彼らの元へ到着すると男の脚に縋り付く。
「お願いします!私も連れて行って下さいぃッ。ダイヘドアを一撃で斃せる貴方達に付いていけば私、死ななくて済みます。人生勝ち組です。だからお願いしますぅ私に出来る事があるなら何でもしますからぁぁァ。」
自らの生存を掛けて男にしがみ着くウサギ娘は、必死に男に乞い願う。しかも打算に満ちたとんでも発言をサラリと口にする辺り、かなり強かな性格をしている。
「ああッ、何だよお前はうっとおしい。いい加減離しやがれ!」
脚にしがみ付き、必死の命乞いをするウサギ娘をハジメはゲシゲシと引っ付かれた右脚を振り回して引き剥がそうとするのだが、意外にもこのウサギ娘の力が強く振り落とされないでいる。
そんなウサギ娘に苛ついたハジメは、更に強い口調で怒鳴りつけて離れる様に文句を言うのだが、それでもウサギ娘はブンブンと顔横に振り涙をちょちょ切らせて拒否する。
「い〜や〜ぁですぅ!貴方達に置いていかれたら私は、すぐに死んでしまいますから、そりゃあもう確実に、炭酸を飲んだらゲップが出るってくらい確実に死んでしまいますぅ〜ぅ。」
「ああっ!?何でお前がそんなネタを知ってるんだよ。てか、この世界にも炭酸があるのかよ!?」
止めどなく溢れる涙のアーチを描いて泣き叫びながら追い縋るウサギ娘の言葉に、ハジメは突っ込みを返す。ユエと云いこのウサギ娘と云い、この世界の者は何故にそんなネタを知っているのかと、ハジメは疑問が尽きない。
「ハジメ、問題、そこじゃ無い。」
「んぁ。まあ、その通りなんだけどなユエ。いきなりコイツが変なネタを言うモンだからな。」
ハジメがウサギ娘に突っ込んだ事で話が逸れる事を気にして、ユエが軌道修整を図るとハジメは罰の悪そうに頭を掻く。ネタに反応する自分のオタクさ加減に、苦笑いが湧いてしまう。
「ハジメさん。もう面倒ですが、取り敢えず話を聞いてみましょうよ。その話次第で生かすも殺すも見捨てるも決めて良いんじゃないですかね。」
それまで一言も発さず状況を見ていたトールが、溜め息を吐いて提案する。生かすも殺すも見捨てるもと、言っている事はとても厳しい言葉であるが。
「ハァ〜っ。まあそうだな。」
トールの提案に深い溜め息を吐き、ハジメは彼女の提案に従う事を決める。
「あ、あじがとうごじゃいましゅう〜ぅぅぅ。お願いじます話を聞いてくだしゃい皆ざん。」
さめざめと泣きトールの執り成しに感謝を伝えて、ウサギ娘はようやくハジメノ脚から離れる。ハジメから離れ深く頭を下げてからウサギ娘は、自らの生い立ちと己の現状をポツポツと語り出す。
「あの、助けていただきありがとうございます。私の名前は、シアと言います。兎人族ハウリアの一人です。」
先ずはきちんと頭を下げて感謝の言葉を述べて自らの名を名乗る。彼女の名はシアと言い、ハウリアと言うのが彼女の姓なのか、もしくは一族の総称か。
「突然ですが、どうか私の家族を助けて下さい!」
だが、その後にこれまでの経緯をすっ飛ばして、家族の救援を求めるのは如何なものであろうか。この言にはハジメの蟀谷がビクッと引く付き、トールとユエはウサギ娘、シアにジト目を向ける。
「お前なぁ。いきなり出てきて何を巫山戯た事を言ってやがるんだ!?あぁン、何の説明もなく家族を救えだと。その行為に俺達の利は有るのか!?寝言なら寝ている時に言いやがれ。」
トールの執り成しで、せっかく態度が軟化し話を聞いてくれるまでに至っていたのに、過程をすっ飛ばして自らの要求を突き付ける。それにより雰囲気はブチ壊れ三人の態度が悪化する。ハジメの言葉にシアは遅ればせながら自らの悪手に気が付き、顔を青くする。アワアワとパニクり打開策を思案するシア。
彼らの助力が得られなければ自分も家族も未来は無い。必死に考えを巡らすシアは取り敢えず、三人に謝罪する。
「ご、ごめんなさい。失礼な事は分かっています。でも貴方達の強さを見て、思ってしまったたんです。皆さんの力をお借りできれば、私のせいで家族が危ない目に遭わずに済むって!」
謝り、自らの家族に対する想いをハジメ達にぶつける。自分のせいで家族が危険な目に遭う。その言葉にどういう事だと、ハジメは反応を示す。
望まずして異世界に連れ去りた自分。家族の元へ必ず帰ると決意して、文字通りに地獄の苦しみを味わい抜き生き残ってきたのは、最愛の家族の元へ、最愛の女性の元へと還る為だった。だからだろう、ハジメは家族を危険な目に遭わせたくないと言うシアの言葉に、絆されかけている。
「はぁッ!?
「はっ、はい!」
若干チンピラが入った巻き舌口調でハジメが問うと、シアはグッと身体全体に力を込めて返事を返す。そして、アゴを上げてハジメはシアに話の続きを促す。内心安堵しながらもシアはそれをおくびにも出さずに、表情を崩さず真剣さを装って、今度こそはと真摯に皆に訴える。
シアの一族である兎人族ハウリアは、丁度ハジメ達が向かう予定である『ハルツィナ樹海』に暮らしていた。総勢百数十名でひっそりと、身を隠す様に。
「私達兎人族は、他の種族の方達と違って肉体的に強い力は持っていません。精々が聴覚が優れているので、隠密行動とかが得意な程度です。だから他の種族の方達にも下のランクに位置付けされてて、立場も低いんです。」
自嘲気味に兎人族の種族特性と獣人族間での立ち位置とをシアが語り、ユエが頷き肯定する。
「ん。私も、昔そう言う話しを、聞いた事がある。だから兎人族は、戦闘に向かないって。」
遠い日に学んだ記憶を元に、ユエがシアの言葉に嘘が無い事を証明し、ハジメとトールはシアに話しの続きを促す。
シア曰く、その性格は基本温厚で争いを是とせず、且つ、一つの集落全体を家族とし仲間同士の絆が深い種族なのだと言う。
更には総じて可愛らしく容姿に優れ、それに目を付けた帝国人などが彼ら狩り、奴隷として売られバザーに出品されると、高値が付きたちまちのうちに買われるのだと言う。
「ほ〜ん。奴隷ねぇ。」
ハジメは眼の前の兎人族シアをマジマジと睨めつける。長い事この渓谷を逃げ回っていたのか、その身形は薄汚れているが確かに悪く無い容姿はしている。青味ががった白髪に、トールには及ばぬものの豊かな膨らみは中々のモノだ。
しかし、ハジメから見るとトールとユエの方に軍配は上がる。
閑話休題。
そんな兎人族にある日特殊な子供が産まれた。その特殊な子供と言うのは自分の事なのだとシアは告げる。兎人族は基本的に濃紺の髪をしているのだが、その子の髪は青味がかった白髪だった。
「髪の色が違う上に、私は獣人族に本来あり得ない魔法の直接操作と固有魔法を持っていました。それは魔物と同じ能力で獣人族にとっては忌避される存在で、知られたら排除される対象です。」
当然、一族は混乱した。シアの存在はあり得ないモノである。排除されて当然の存在だ。しかしハウリアは、兎人族は情の深い種族であり、その異質な子供にも分け隔てなく深い情を注いだ。
「そうして長い間家族の皆は、樹海でひっそりと私の事を他の種族には秘密に、隠して育ててくれました。でも・・・」
彼女の存在が樹海に暮らす獣人達に知られてしまったのだ。知られてしまったからにはシアは他の獣人族に始末されてしまうだろう。 それを由とせずハウリアはシアただ一人を守る為にハルツィナ樹海から一族全員で逃れると言う選択をした。
樹海を出て北の山脈地帯を目指そうと方針を立てて旅立ったハウリア。取り敢えず山の中なら身を隠せるし、山の幸があれば食うに困らないだろうとの推測の元。
「そりゃまた、思い切った選択をしたもんだ。戦う力も無いってのに、ある意味世間知らずなのか?」
「はい、そうかもですね。ですけど、その道すがら運悪く帝国兵出くわしてしまいまして・・・」
しかし戦いが得意でない兎人族。女子供を逃がすため男達が追っ手の妨害を試みるが、魔法を使え訓練された帝国兵では比べるまでも無く戦力差は歴然。
「半分近くの家族が、帝国兵に捕まってしまいました。」
全滅を避ける為、苦肉の策として峡谷へと逃げ込んだハウリア。流石に、魔法の使えない峡谷にまで帝国兵も追って来ないだろう。そんな計算の元危険を覚悟で峡谷へと逃げ込んだは良いが、しかし帝国兵は樹海と峡谷とを結ぶ階段の前に陣取り、ハウリア達が危険な峡谷から逃れ出てくるのを待つことにあしたらしい。
上には帝国兵と、峡谷にほ魔物。まさに前門の虎、後門の狼。どちらに転んでも良い未来は訪れない。そして案の定、峡谷で魔物がと遭遇。魔物に食い殺されるか、帝国に投降するかの二択を迫られる。
しかし、せっかくの獲物を逃がすものかと魔物は逃げ道を防ぐ。逃げ道を押さえられては峡谷の奥へと逃げるしかない。追い立てられるように峡谷を逃げ惑い、遂には三分の一にまで家族は減っていた。
「お願いします!何でもします!貴方の奴隷になれと言うならなります。ですから家族を助けて下さい。力を貸して下さい。お願いしまふッ!」
家族を救う為、必死の思いで助けを願うシアは、その必死さのあまり頭を下げながら噛んでしまった。
少し恥ずかしそうに顔を上げてハジメを見つめるシア。汚れてはいるがかなりの美少女である彼女の、キラキラとした眼差しで見つめられれば大抵の男ならコロッと行ってしまうだろう。
ハジメからの返答を、ドキドキと胸を高鳴らせてシアは待つ。大丈夫、目の前の男はきっと家族に助けてくれる。シアにはそれが分かっている。さあ、早く言ってください。任せろと!
「だが断る。」
その、端的なひと言がハジメの口から伝えられた。
ただでさえ遅い更新速度ですが、無謀にも『小説家になろう』にてオリジナル作品に挑戦を始めました関係で、更に遅くなってしまうと思われます。ユーザーネームはコチラと同じく、佐世保の中年ライダーを使っておひます。
もしよろしければ、オリジナル作品である
『ひとつ屋根の下、俺は家族と穏やかに暮らしたいだけなんだ! 〜社畜を辞めた俺は祖父母の農家を継ぎ静かに暮らしていたが、ひょんなことから人外家族と共にダンジョン探索をする羽目に〜』も宜しくお願いします。